邂逅輪廻



「なっ……メロン小隊、通信が途絶えました!」
「ぐっ、あの凄腕どもがたった1人を相手に……!? 敵は何者だ、神か悪魔かッ!!?」
「て、敵は……いや、ま、まさかそんな……敵はメイド、メイドですッ!!!!」
「な、何だとぉッ!!!?」
「馬鹿な……全てのメイドは国外に奉仕中の筈! まさか、主の危機に感づいたのか!?」
「恐るべし――武装、メイド」
「くっ……この基地を捨てる、我々がいたという痕跡を残すな!」
「し、しかし!」
「敵はメイド、すでに我々の位置も把握されていると思えッ!! 命が惜しければ10分以内に撤退しろッ!!!」
「最終防衛ラインより信号――途絶えました!」
「我々は、メイドに屈するのか――」
「くっ、逃げられぬなら、もはや篭城しかあるまい!! ありったけの武器弾薬を――」
「……いえ、その必要はないですよ」
「――ッ!!!?」
「篭城戦というのは水・食料・弾薬が万全の状態で成すものなのですよ?」
「――ぁぁ」
「火薬庫にはC4を放っておきました。このボタン一つでド・カ・ン♪」
「し、しかし……チタン合金製の扉を、ただの箒で……!!?」
「それがメイドというモノです。貴方は、メイドについてあまりにも知らなさ過ぎたのですよ」
「さようなら、無知なる愚兵。我らは唯、主の為に」
「う……ぁあああああ!!!」
「『メイドの一撃、空すらも割る』――師の言葉を忘れましたか」
「ぐっ……仕方あるまい。メイドに討たれるのなら、何の悔いもありはせん――!」
「監視部隊から司令部へ入電。残存部隊が、篭城していた地点……、完全にしょ、消滅した模様……。クレーターのみが見えるそうです」
「馬鹿な!! あそこは難攻不落の要塞だぞ!?」
「こんな不思議、為せるのは――メイドしかいない。部隊は撤退、進行中の増援は急速転進!」
「ど、どういうことですか!? 相手は、唯の女ですよ!」
「馬鹿め、相手はメイドだ。――金輪際、あの屋敷への進行作戦を凍結する!!」
「……これが、メイド。これが、萌えの力か」
「大統領、軍へのメイド動員……プランに組み込みましょう」
「……うむ。これほどのモノを見せられてはな」
(フッ。ついにボケたか、老人どもめ。軍へのメイド動員? 御主人様のいないメイドなど、何の価値もありはしない――!)
「大統領を主とする特務部隊メイド・イン・ヘヴンか……」
「――世界が、動きますね」
「アメリカが、メイドの実戦投入を計画しているらしいですね」
「ククッ、これだから脳ミソのない連中は。メイドにおいて、我々ブリテンを上回るなど不可能だという事が分からんらしい」
「米国、英国……その内独逸も動くだろう。だが――日本はすでに動いている」
「!?」
「かの要塞・アキハバラではメイド育成学校まで建てられる始末」
「く、小国が……!」
「宮内庁から暗号文書が届きました。『メイドの育成計画はどうか』――陛下直々の御言葉です」
「計画は順調、と返せ。何しろ、我々には最上の御主人様が存在するのだからな……ッ!!」
「総理……、よろしかったのでしょうか? アキハバラにおけるメイド育成学校の件」
「あぁ、大陸のチャイナ服部隊に対抗する為にはやむを得ん……」
「最上の御主人様……?」
「中国チャイナ服部隊にも、英国メイドにも、独逸メイドロボにも勝る、究極」
「アキハバラにCIAのエージェントを送り込んでおいた。奴等の御主人様を、暗殺する」
「し、しかし、敵にはメイドが――」
「案ずるな。そのエージェントも、元はメイドだったのだよ」
「な――ッ!!?」
「伝令――アキハバラ内部にて爆発! 場所は、メイド喫茶です!!」
「な、この要塞にやすやすと――まさか、メイドか!!」
「教育中のメイドが、次々と斃されていきます!!」
「新米とはいえ、この程度でメイドとは……笑わせる」
「くっ……貴方、一体何者!?」
「決まっているだろう――メイドだ」
「――メイド!?」]
「そうだ、メイドだ」
「……ヒゲにオールバックでメイド?」
「そうだ、メイドだ」
「・゚・(ノД`)・゚・」
「不審人物、ステーション電気街エントランス方面へ誘い出しました!」
「よし、追い詰め――がは!」
「な――ぎゃあ!」
「ふふっ、私を追い詰められるとでも?」
「……お前がここの御主人様か」
「ああ、そうだ。殺したければ殺せばいい」
「ならば死――……なっ!? ひ、引き金が引けない……!!? 何故だッ!!!?」
「僕は御主人様、君はメイド。それが答えだ」
「しかし私のご主人様は、長官唯一人――何故!?」
「だから言ったろう? 僕はご主人様。あらゆる可能性を捻じ曲げ、メイドの名を冠する者は僕の前にて無力と化す。これが――究極さ」
「所長、敵メイドは投降した。これ以上、闘う必要はない」
「ああ……だが、君は一体――」
「御主人様だ。それ以上でも、それ以下でもない」
「潜伏先の諜報員から通達。アキハバラ陥落せず、アキハバラ陥落せず……」
「――Shit!!」
「やはり聖地は何かの加護を受けているようですな……」
「この世全てのメイド……それを従える彼は、まさに世界を握っているな」
「ではメイド計画は……」
「だが我々とて意地がある。必ずや彼を乗り越えてみせよう。さぁアキハバラよ、聖地にはまだ働いてもらわなければならないな」
「所長。外国の連中は、アキハバラそのものに何かあると思っているようですね」
「所詮、萌えを解せぬ奴等ではその程度だ。アキハバラが重要なのではない。御主人様とメイドがいれば、それだけでその場は聖地となるのだ――」
「軍守旧派からは、メイド計画の撤廃と敵拠点アキハバラへの核投下が提案されてますが……」
「あの野獣どもめ……。メイドは核如きで滅びないというのに……」
「ふん。バカな連中が、ここへの核攻撃を企んでいるようですね」
「やらせておけ。今、アキハバラにはメイドが一千人。反物質爆弾とて通用せんよ」




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