【氷海だから仕方無い】 平:う〜ん。今日はちょっと寒いわねぇ。 北:そうでもない。 平:あらあら。手がこんなに冷たい。 女の子は、身体冷やしちゃダメよ。 北:会話に、幾ばくかの齟齬がある気がしてならない。 【夏でも真似するな】 平:そうだ。一緒に、お風呂入りましょう。 北:水と氷の比率を、一対一でお願い。 平:――白熊さん? 北:私にとっての適温は、そんなもの。 【赤道直下じゃちとキツい】 イ:やっほー。遊びに来たよー。 平:貴女は、本当に元気よね。 イ:ん、お風呂沸いてるの? じゃあ、お先に失礼――ギャアァァ!? 平:あらあら。ドライアイスの煙が、湯気に見えたのかしら。 【涅槃が見えた】 イ:本気でざぶい……。 北:良い氷風呂だった。 平:はい、リクエストのもの。 北:風呂上りにはやっぱり、カキ氷が一番。 イ:その姿を想像しただけで、本当、凍えそうだよ。 【氷海シスターズ見参】 南:おねえたま〜。 北:うん、よしよし。 南:ふにゅぅ……おねえたまの手、冷たくて気持ち良いです〜。 北:私も、同じことを思っていた。 イ:何だか、あの姉妹って微笑ましいよね。 【この後どうしよう】 南:くーくー……。 北:身動きが取れない。 平:猫さんや、犬さんにありがちよね。 南:ふにゅぅ……おねえたま……。 北:如何ともしがたい状況とは、まさにこのこと。 【彼女の心は変化球】 西:ワタクシの前に立ち塞がるとは、良い度胸ですわね。 北:動けないんだから、しょうがない。 南:すーすー……。 西:でしたら、仕方ありませんのでワタクシもここに居座らせて頂きますわ。 平:あらあら、素直じゃないわよね。 【謎の凍死事件続発】 西:それにしましても、相変わらず冷たい身体ですわね。 北:褒め言葉として受け取っておく。 平:本当の通は、寒い時にこそアイスってことらしいわよ。 西:絶対に、御免というものですわ。 【インド洋だとサイクロン】 西:何ゆえ、その様なことを申しますの? 平:ん〜。これだけは譲れないかな、って。 南:ふにゅぅ。何だか、風が吹いてきたです〜。 北:この様に、大西洋が熱くなるとハリケーン、太平洋だとタイフーンが発生する。 イ:タメになる雑学だったね。 【全く荒れてない状態のこと】 北:ちなみに、争いの種は、オムライスに何を掛けるか。 西:デミグラスソース以外に有り得ませんわ。 平:ケチャップは、世界の正義なんだよ? イ:意外と海上は、ベタ凪だったりするよね。 【海な方々だからしょうがない】 西:この世界で、一番の罪悪を論じますわ。 イ:タンカー座礁はかなりの線だよね。 平:海中核実験とかも、ちょっと調子乗ってるかな。 北:何だか、偏りを感じて仕方無い。 南:おねえたま、それはよくあることなんです〜。 【ハナから勝ち目無し】 北:私は、氷が小さくなってるのがちょっと困る。 平:でも、その分広くなってるとも言えるんじゃない? 北:大きければ良いというのは、旧世代的大国の論理。 平:何で私の胸元見ながら、そういうこと言うのかなぁ。 【基本的に両極端】 北:最近、一日中明るくて寝不足気味。 平:白夜の世界は、大変よね。 南:おねえたま、そういう時は、こっちに来るといいです〜。 北:考えておく。 イ:ワンシーズン、ずっと夜の世界もどうかと思うけどね。 【熟慮が出来ません】 南:毎日、星空が綺麗なんです〜。 北:南の方は、オゾンホールの影響がちょっと心配。 西:日が出ていなければ、どうということはありませんわ。 北:あ……。 平:やっぱり、ちょっと寝不足気味よね。 【海洋的天地逆転現象】 イ:よっ、と。へへっ、逆立ちは得意なんだよね。 北:これは、大変なことが起きる。 イ:へ? 平:軽々にそういうことをすると、深海魚さんが浮上してきたりするよ? イ:無い無い。絶対に無いから。 【先ずは腕力の鍛錬から】 南:う、浮き袋が飛び出して、大変なことになるです〜。 イ:信じちゃったじゃん。 北:大丈夫。この子はそんな器用な真似は出来ないから。 南:そ、それはそれで、釈然としないです〜。 【地磁気が乱れてるとか】 平:ん〜。む〜。 西:また、難しい顔をしてどうなさいましたの。 平:道に迷った渡り鳥さんって、やっぱり海上で力尽きるのかしら? 西:地味に鬱になることを仰りますのね……。 【付いていくのも大変だ】 平:同じ理屈で、方向音痴のモグラさんも大変だよね。 北:気付いたら、見知らぬ土地に居ることもしばしば。 平:だけど、ある意味、旅人さんとも言えるよね。 イ:何だか、頭がグチャグチャになってきたよ。 【よくある逆転現象】 南:ふにゅぅ……おねえたま。 北:おー、よしよし。 イ:あの頭を撫でるのって、何か意味があるの? 平:うーん。アニマルテラピーを狙ってるとか。 イ:癒されてるのは姉の方って、ちょっと意外かもね。 【いつものことです】 北:こう、喉元を掻いてあげるとちょっと喜ぶ。 南:ふにゅぅ……。 イ:猫っぽいね。 平:猫さんを扱うには、マタタビが一番だよ。 北:話が、段々と訳が分からない方向に動いている。 【一つの真理ではある】 西:頭が、痛いですわ。 平:慢性偏頭痛? 西:何で微妙に専門的ですの。 平:万一の時、最後に頼れるのは自分だけなんだよ? 西:今、貴女は全世界の医師団体を敵に回しましたよ。 【真実とはこんなもの】 北:コツコツ。 イ:ところで、何してるの? 北:暇だから、呪いの人形を開発してみた。 西:ワタクシの風体に似ているのは、偶然じゃ無いですわよね。 【淘汰論的発想】 平:この世界で、絶対の正義って何だと思う? 北:とりあえず、海は女だという船乗りの論理。 イ:誰か見たのかなって思うよね。 西:昔から伝えられていることには意味がある。 つまりは、そういうことですわ。 【暗い暗い何かに】 平:私は、夜の海が一番だと思うのよ。 あの何も見えない闇の奥って、何処までも神秘的じゃない? 西:吸い込まれそうになりますわよ。 平:その底の見えなさが良いんじゃない。 北:少し、何かに触れた気がしてならない。
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