このページはハンドメイドメイデンに関連する用語・造語の補足を目的としています。 多少のネタバレを含む場合もありますので、本編と並行もしくは読後にご利用下さい。 ハンドメイドメイデンをより楽しんでもらうため――という名の、作者趣味なのであしからず。 なお、この解説には独自の解釈や作中固有の用語もありますのでご了承下さい。 ―ア行― 【藍原遊弥(あいはらゆうや)】 ハンドメイドメイデンの主人公。 葦原学園高等学校1−A、出席番号男子一番。メイド開発の第一人者、藍原博士の一人っ子。母親・さくらを早くに亡くし、父親・桜太の生活能力が皆無だったため家事全般はできる。現在桜太が研究で第一カーデンにいるため一人暮らし。普段は温厚な口調(例外アリ)だが、根は熱血。何事もそつなくこなし、一番になるものは無いがなんでも上位に食い込む万能人。容姿もどちらかといえば良い。それとクサいセリフも余裕で言い放つ。 【藍原夫妻(あいはらふさい)】 藍原遊弥の両親、藍原桜太と藍原さくらを指す。 藍原桜太こと藍原博士は、数名の研究者とともに世界で初めて自己判断・自己進化を持つAIプログラムである『サクラ』を完成させた。メインプログラムを担当し、リーダー的存在であった。 藍原さくらは美大を出ておりデザイナー志望だったが、メイド開発の第一人者である藍原博士に影響されメイドのボディパーツデザインをすることに。結果、彼女は人気の一流メイドデザイナーとなったが十年前に事故で他界。現在は藍原博士は第一ガーデンで研究を続けており、家に帰ってくることは滅多にない。 【葦原学園(あしわらがくえん)】 小中高の学校だけでなく大学や複数の研究機関も内包する巨大学園。総生徒数は十数万にも。第七ガーデンの三割を占める範囲で、その一帯を学園区と呼ぶ。 遊弥たちが通うのは葦原学園高等学校。二十棟の大型校舎と万単位の生徒を誇る巨大高等学校である。普通科と専門系に分かれており、学生寮も完備している。殆どの行事を生徒会を中心とした生徒の自主性に任せた(悪く言えば放任主義)高校であり、そこが学生に好まれる点でもある。だが入学試験レベルはそこそこ高い。 屋上庭園・校内公園・凱旋門前広場など、第七ガーデンでも有数の美観スポットを備えている。 葦原高校は葦原大学と背中合わせの状態になっており、正門には全く同じ凱旋門が設けられている。高校と大学はほぼ自由に行き来ができる。一つの校舎を丸々使った大図書棟などは高校と大学が共同で使用していたりもする。高校生が何らかの理由で大学のサークルへ加入することも。 葦原とは、葦原中国(あしわらなかつくに)のことであり日本神話においての日本国土の異称。 【アルビノ】 ハンドメイドメイデンのメインヒロイン。 遊弥を護るために存在するメイド。戦闘行為を主とした構造をしているが多目的という名目上、家事もこなせる。尾骨辺りからコンセントが伸びており、家庭のプラグに指すことで充電する。主兵装は空気銃。チョーカー未装着や三原則未搭載や改造空気銃使用など、完璧違法メイド。 アルビノとは、チロシナーゼという酸化酵素の働きが不完全で、メラニン色素が合成されない症状・個体を指す。主な症状は、肌が白い・体毛が白い・眼球の血管が透けて見え赤目にある・視力が弱い、などである。動物だけでなく、植物にも白花変化種が見られる。非常に珍しいため、神聖視や凶兆とされることも。 【アリア=アルケティプス】 ハンドメイドメイデンのメインヒロイン。 葦原学園高等学校1−A、出席番号女子一番。赤髪の天才ちびっ子。トゲトゲしい言動で周りを遠ざけているが、一部の者には心を開く(というか毒を吐く)。授業をサボっていつも屋上で佇んでいる。ちなみに彼女と遊弥が始めて出会った場所も屋上。怒った時や嬉しい時など感情が高ぶった時に、天然の赤毛を指でくるくるとする癖がある。 アリアとは、オペラなどの劇音楽や宗教声楽曲で歌われる楽器伴奏を伴う独唱歌のことである。 【アンコウ】 鮟鱇。アンコウ目アンコウ科の海水魚。 全長約一メートルで、身体は丸みを帯びている。横に肥っており、尾が小さい。上唇の上部にある細長い突起で小魚などを誘い食らう。不気味な容姿の魚だが、食用にするとなかなか美味で、中でも肝臓はアンキモと呼ばれ珍味とされる。また、アンコウの動きが鈍いところから愚かな人の比喩としても用いられる。 ぶち切らる。 【委員長(いいんちょう)】 葦原学園高等学校1−A、出席番号女子二十番。本名、透あざみ(とおるあざみ)。 黒髪ポニテの暴力少女。《右の頬を打たれる前にボディに一撃》をモットーとしているとかしてないとか。 初めてのHRで峰先生に委員長に抜擢され、そのまま委員長がニックネームとして浸透した。男っぽい荒々しい口調とそれを助長するかのような暴力手段だが、男女共にウケがよく人気者。 成績・運動能力ともに優秀で、部活は陸上部。ちなみに彼女は黄太郎を敵視している。 あざみ――アザミとは、キク科アザミ属の多年草で、針状の花びらをもつ。刺さるぜ。 ちなみに北欧神話に登場する雷神・トールが身に着けている花でもある。トール・アザミ。 【イェオーシュア】 世界初の自立歩行型機械。日本・アメリカ・イギリス・ドイツの立ち会いの元、アメリカのマサチューセッツ州で誕生した。現在は第一ガーデン(アメリカ)に厳重に保管されている。 イェオーシュアとは、イエス、すなわちキリストのこと。 【韋駄天(いだてん)】 仏教の仏の一人。仏法を守護する。南方を守護する四天王・増長天に従属する八大将軍の長でもあり、四天王それぞれの八大将軍を合わせた三十二将軍の長でもある。とってもえらい。 捷疾鬼という足の速い悪鬼が仏舎利(釈迦の遺骨・棺・祭壇の灰)から歯を奪って逃げた時、これを追って取り戻したという俗伝があるため、足の速い人を韋駄天と呼んだりする。 某貧乏人の代名詞。 【一年男子連邦軍(いちねんだんしれんぽうぐん)】 葦原高校で結成された、男子の男子による男子のための結束団体。DDD団とも。 女子生徒に数を圧倒されている男子生徒が結束を高めるために結成した。 出る杭がいるのならば叩き潰すどころか根から伐採し、出遅れる者がいるのならば全体でフォローする一方向だけに心優しい団体。足並みをそろえることに意義がある、とかなんとか。 ちなみに二年男子連邦軍・三年男子連邦軍なるものも存在する。 えぇい、連邦の男子はバケモノか!? 【一之瀬黄太郎(いちのせこうたろう)】 葦原学園高等学校1−A、出席番号男子二番。金髪のボサボサ頭。見た目は二枚目だが口を開くと三枚目、という終始勿体無い性格で、男には人気があり女生徒には黒いアレの如くものすごい勢いで嫌われている。生粋の体育会系で、特に走りは陸上部のエース級。が、やる気が無いので部活動はしないらしい。趣味はエロ。 実家が喫茶店であり、放課後はそこで一人働いている。 【兎(うさぎ)】 ウサギ目ウサギ科の動物。同じウサギ目でもナキウサギ科のものは一般的にウサギとは分類されないらしい。 有名な因幡の白兎では、鮫を騙しキレた鮫に全身の皮を剥がされるというものすごく痛々しいエピソードが綴られている。ちなみに求婚相手の下へ行く道中に白兎を助けたオオナムヂ(大国主)は、その白兎に「きっとアナタは結婚できますよ」的な予言をし、見事結婚するのだが――大国主はその後に別の女神とも結婚し、その結婚相手が滅茶苦茶怖い相手だったので本妻だった女神がビビって実家へ帰ったというエピソードもある。 インドの神話では、兎が自ら火に飛び込むという痛々しいエピソードが綴られている。善行を重ねていた猿・狐・兎の前に弱った老人が現れ、その老人に何かを食べさせようと二匹と一羽は奮闘するのだが、結局何も見つけられなかった兎は「代わりに私を食べてください」と自らを火に投じた。その姿に感心した老人は本来の姿――帝釈天へと戻り三匹と一羽を褒め、特に立派だった兎は皆がその姿を見ることが出来るようにと月にその姿を映してもらったという。 余談だが、古来の中国の兎は杵臼で不老長寿の薬をついていたとされ、日本の餅自身も《保ち》が語源であり保存性に優れ、餅つきは転じて望月(満月)であり、月が多くの不死関係するところなど面白い点もある。 【Unus Mundus(うーぬすむんどぅす)】 ユングの用語。 物質とエネルギーの基本原理を支配し、心の中のイメージや観念を形成しているモノ。 錬金術の概念でもあり、人間が世界との結合を遂げることを指す。創造の第一日における潜在的な世界。 ラテン語でウーヌスは一つの・結い一の・最上のを意味し、ムンドゥスは宇宙・世界・人間を意味する。 一なる世界。 【AI(えーあい)】 Artificial Intelligence の略語。 人の知的能力をコンピュータで再現するソフトウェアシステム。 殆どのメイドのAIには三原則と呼ばれる規則が刻まれており、本能的にそれを守るようになっている。高度な技術者は自分でAIの開発・改造を行うこともある。当然合法でなければならない。 ―カ行― 【ガーデン】 人工都市群全体、又は人工都市を指す名称。 様々な問題を解消するために造られた人工楽園。世界総出のプロジェクト。 主に外部に取り付けられた風力や太陽光、その他次世代システムなどで発電された電気エネルギーを循環利用し、内部の設備殆どをそのエネルギーで動かしている。現在では人類の70%以上がガーデン内で生活している。ペーパーレスや住民管理システムなど様々な政策が設けられ成功してきた。天候変化も可能な人工天井や側面を被う強固な壁などが心理面の問題として危惧されたが、風景投射や世代交代により解消された。町並みは二十世紀前半とそう変わらないが、技術的な面(地面の樹脂材加工・交通や通信技術の向上・生産の効率化など)は今もなお成長を続けている。内部では通信設備が一定間隔で配置されているので無線でのネットワークがほぼ確実に行える。様々なオートメーション化が進んでいるが、全てを機械に任せるのではなく人間と機械が手を取り合っていると言えよう。 作中で登場するのは東京都を中心とする広範囲に建てられた第七ガーデン。内部は主に七区に区切られており、交通は車・リニアレールが主流。世界有数の巨大ガーデンで、メイドやコンピュータ技術の開発で世界一を誇るが、その反面サイバーテロなどの問題も多く抱えている。 【凱旋門(がいせんもん)】 凱旋する――戦いに勝って帰ってきた軍隊を歓迎するため、もしくは凱旋を記念として造られたアーチ状の門。古代ローマ時代にさかんに建造された。フランス・パリの有名な凱旋門はエトワール凱旋門という名で、ナポレオン・ボナパルトが戦勝記念に1806年から建設させた。シャンデリゼ通りの西端、シャルル・ド・ゴール広場にある。 作中では、葦原学園高等学校の正門として凱旋門が建てられている。その正面の階段はなだらかでとても広く、広場としても用いることから、エトワール凱旋門とシャルル・ド・ゴール広場を模しているのが分かる。葦原学園高等学校美観スポットの内の一つ。 【神(かみ)】 古来より存在してきた、人間では抗えない力を持つ上位存在。 信仰や畏怖の対象であり、宗教には決まって登場する。一般的に神と言う場合はキリスト教の唯一神を指す場合が多いが、概念的には全知全能の絶対存在を指していることが多い。 一神論から多神論、無神論に不可知論などなど神という存在に対して様々な論説があるが、未だ人間は神という存在まで辿り着いたことはない。しかし人間を創造した存在を神と呼ぶのなら、擬似的な人間を創造したメイデン世界の人類は神の境地――王冠の座へと辿り着いたということだろうか。 謎は深まるばかりである。 【紙(かみ)】 植物などの繊維を組み合わせて乾燥させたもの。 作中では、殆どの資料のデータ化が進みペーパーレスがほぼ完全なまでに進んでいる。そのため紙を用いられることは滅多に無いが、サイバーテロなどの対策や対処として紙を用いることも。 【神凪祭(かんなぎさい)】 葦原学園全体で執り行われる、夏季学園祭。 原型は運動部の活躍を願って行われる壮行会だったのだが、年々の悪ノリが重なって秋季学園祭・大神祭に次いでのビックイベントとなった。一日目はクラス単位、二日目は部活単位での活動となっている。 神凪とは、太陽神の力を回復させるための踊りの内の一つのこと。天照の岩戸隠れでアメノウズメが踊ったことから、太陽神信仰だった古き日本では日食などの際に巫女がこれらの舞を踊っていたとされる。 【空気銃(くうきじゅう)】 エアガン。 手動の空気圧縮で弾を射出する武器。静穏性に優れ火薬扱いの心配がないが、手動のエアーコッキングや高圧の圧縮ガスの必要性から実用性は非常に落ちる。 作中では、科学技術の進歩による超高圧縮ガスの発明・生成や構造の一新で、従来の火器と同等かそれ以上の威力を発し、扱いの容易さから警察や軍への起用もされてる。アルビノの用いる武器がこれに当たり、見た目は従来の銃器と殆ど変わらない。空気銃もその危険性から規定がかけられているのだが、当然アルビノも無視している。 【車(くるま)】 自動車。動力によって車輪を回転させ、人や荷物を運搬する機械。 作中では、電気を動力として動くものが殆ど。カーナビゲーションシステムの発展により、自動操縦も可能としている。タイヤは未だアリ。 【携帯(けいたい)】 携帯端末の略称。 携帯電話ではなく、ハンドサイズのモバイルPCを指す。 通話機能やネットワーク通信、電子マネーなどパソコンと携帯電話の両方をかねそろえる必需品。 ガーデン内は屋内屋外限らず殆どの場所が無線によるネットワーク接続を可能としていて、その機能のインターフェースとしての役割も持つ。最早ファッションの一部だとか。次々と新デザイン・新システムが導入される。 【攻性防衛機能(こうせいぼうえいきのう)】 メイドが拘束された場合に発動する機能。防性防衛機能は主とステーションへ向けて所在地などの発信を行う。防性防衛機能はほぼ全てのメイドに装備されているが、攻性防衛機能はステーションの武装メイド部隊の一部しか搭載されてないほどの珍品。作中で躯瑠々のメイドを直立不能にさせたが、これはバランサーを一時的に混乱させただけである。遊弥が作戦に相手のメイドも破壊しないことを組み込んでいたためアルビノはその意思を汲み取って効果を制限した。本来ならばCPUの破壊や内部機関の再起不能に至る。 【木霊(こだま)】 声や音が反響すること。やまびこ。 樹木に宿る霊・妖も木霊と呼び、やまびこはこの木霊の仕業であるともされている。樹木そのものの姿や小人のような人型を持ち、憑依している樹木を伐採しようとすると神通力を発する。 年輪を百刻んだ木は神になるという説もあり、昔は樹木崇拝も存在した。北欧神話では大樹・ユグドラシルを世界そのものとし、日本神話でも木花佐久夜毘売(このはのさくやひめ)という美しい乙女がいる。ちなみにこのサクヤヒメには姉がおり、天照の孫に求婚された際には姉妹揃って送り出されたが、この姉は外見がアレだったため送り返されてきたとか、それにより人の寿命が短くなったとか、色々は話があるがわき道に逸れるので以下省略。 ―サ行― 【サイバーテロ】 データの改竄やウィルスの流布など、ネット上で行われるテロ行為。増加傾向にある。 【早乙女躯瑠々(さおとめくるる)】 葦原学園高等学校1−A、出席番号女子十二番。わがまま子供娘。成績は平均より少し上程度。しかしメイドのハードデザインセンス・技術が高くハードウェアの内部機構などに熟知しており、大学の研究会にも参加している腕前。しかし性格に問題があり、電波・わがまま・ハイテンションの三重苦。クラスメイトとしては明るい女の子止まりだが、深く付き合えば付き合うほど振り回されることになる。行動理念は興味の赴くままに、なのだがそういう性格になった原因は詳細不明。 【サクラ】 全てのメイドの基礎となった、藍原博士の研究チームが制作したAIの名称。自己判断や自己進化など、従来の技術では考えられなかったはずのプログラムの基礎を搭載していた。名前の由来は当時恋人関係にあった藍原さくらにちなんでつけられた。 桜とはバラ科サクラ属の落葉高木の総称。 【三原則(さんげんそく)】 AIに組み込まれた、メイドが守るべき大原則。 第一条――人に危害を加えてはならない。また、危害が及ぶのを見過ごすことは許されない。 第二条――マスターの命令には従わなければならない。ただし、第一条に反する場合は無効とする。 第三条――第一条・第二条に反しない限り、自己を守らなければならない。 三原則を組み込んでいないメイドは違法とされ、ステーションによって回収される。 元ネタはもちろんSF作家アイザック・アジモフのロボット工学三原則。ベタベタの王道設定。 【C.U.N.(しーゆーえぬ)】 Collective Unconscious Network の略称。直訳すると、集合的無意識の網状組織。 ステーションがサービスする、メイドのネットワーク。これを用いることによりアップデートの効率化や最新情報などの通達、メイド同士の干渉による進化の促進など様々な効果が生まれる。しかしステーションに登録していないと使用できず、また一部を除いてメイドのネットワークはこの形でしか形成できないのでアルビノはネット的に完全スタンドアローン。ちなみにサービス有料。 【地獄(じごく)】 キリスト教では、神の教えに背いた者や罪を犯しそれを悔い改めない魂が永遠の苦を受ける世界。旧・新約聖書でもたびたび登場する。曰く、永遠の火に焼かれる。 イスラム教では、この世の終末に行われる審判で罪を犯した者が灼熱の責め苦を受けるとされる世界。 仏教では、六道の一つ。死後、人間は閻魔大王によって罪業を捌かれ、罪ある者は地獄に落とされる。その罪の重さによって地獄で受ける刑罰が決まる。 イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリは、自身の代表作『神曲』で、第九圏からなる地獄界を描いている。ちなみにその最下層コキュートス(嘆きの川、裏切り者の地獄とも)の中心では魔王サタンことルシファーが、裏切り者の代名詞であるイスカリオテのユダ、ブルータス、カッシウスを噛み締めていた。 【ジャイアニズム】 ドラえもんで登場するキャラクターの一人、ジャイアンの言動を的確に表した名称。剛田主義とも。 幾つかの種類が存在するが、中でも有名な『お前の物は俺の物、俺の物も俺の物』はイギリスのことわざにも存在する。このことわざはシェイクスピア『尺には尺を』からきたものと推測されており、ジャイアン自身がシェイクスピアに通じていたかは不明。 【銃(じゅう)】 拳銃・小銃・機関銃などの武器の総称。 火薬や気体の圧力を用いて弾丸を発射する。 作中では、火薬銃より空気銃や音波銃の方が主流とされ、アルビノの用いる銃も空気銃。 銃の祖先は、パイプの片方の口を閉じ、側面に空けた小さな穴に火のついた棒を突っ込んで火薬に着火させるという荒業を用いた、ハンドキャノンと呼ばれるもの。 現在の一般的な拳銃は、撃鉄(内蔵されてる場合は撃針)による衝撃で雷管と呼ばれる着火装置が爆発し、発射薬に点火されることにより発射薬が爆燃と呼ばれる高速燃焼をおこし、その圧力によって弾頭が加速し殺傷力を持つ構造となっている。ちなみに発射薬は物体を『前に進める』だけなので、火薬と同じように大爆発したはりしない。 【集合的無意識(しゅうごうてきむいしき)】 ユングの用語。 個人的無意識(個人の経験や記憶など)より深層にある人類共通の無意識の層。 人類の無意識同士のコミュニケーションとそれによる形成世界。 シンクロニシティ(胸騒ぎ・正夢・偶然の一致)は、単なる偶然ではなく集合的無意識の働きによるものとされる。また、精神疾患者のイメージと世界各地の神話・伝承などにおけるイメージの一致も集合的無意識によるもので、無意識の根底には人類共通のイメージが存在すると考え、この共通するイメージを想起させる力を『元型(アーキタイプ)』と名付けた。 【書庫(しょこ)】Update! 第七ガーデン一の蔵書量を誇る第一書庫――通商・葦原学園大図書館と、紙媒体の古い書物が保管されている第二書庫――通称・物置がある。第一書庫は一般開放されている。 メイデン世界において、本とはデータの詰まったメモリーカードのこと。第一書庫では入館時に携帯端末を与えられ、本を持ち帰るときはそれにデータを収めてレンタルする。紛失・破損時は要弁償。 【ステーション】 総合通信監理局の通称。 ネットワークに関する事業の殆どを統括する政府と複数企業の合同組織。ガーデン内のネットワークだけでなく、外壁や人工天井の管理も行う。増加するサイバーテロの対処もここが行っている。第七ガーデンは特にメイドやネットワーク事業が盛んなためステーションがおのずと影響力を持つようになり、現在では実質上一番の発言力を持つ。この組織のトップは天王子哉人。 【ゼノ・ジェネシス】 詳細不明。 ゼノとはギリシャ語で異なる、ジェネシスは創世記の意。直訳すると異なる創世。また、ゼノジェネシスという言葉は異種の誕生・親とは全く違う子、という意味も持つ。 ―タ行― 【大神祭(だいしんさい)】 葦原学園全体で執り行われる、冬季学園祭。 超大規模の文化祭で、三日間に渡って繰り広げられる。多くの出店や企画などが行われ、学園関係者でなくても入場できるためガーデン全体の祭りとも言える。神凪祭よりも派手な馬鹿騒ぎなので、ほぼ何でもあり。 ちなみに大神祭は実際に存在し、奈良の大神神社(この場合大神祭はおおみやさいと呼ぶ)で行われている。 【多村瞑亜(たむらめあ)】 葦原学園高等学校1−A、出席番号女子十八番。事故多発体質の女の子。黒髪を肩の辺りで二つに括っている。性格は見た目どおり温厚もといぼけぼけ。成績は人並みに優秀だが出席日数が危なくなることも。スタイルは並み以上で微妙にグラマーだが本人はあまり意識してない様子。 遊弥と出会ってからは、不幸を遊弥が肩代わりしているようなしないような。 【チェリーメイデン】 藍原さくらのデザインしたメイドの俗称。 チェリーメイデンは高く評価されたが、さくらがデザイナーと活動していたのはほんの数年だったため希少価値が高く、現在では保管されていたり高額で取引されていたりする。 【チョーカー】 文字通り、メイドにつける首輪。 身分証や緊急時の強制停止など様々なサポート機能があり、メイド購入後のステーションへの登録時に装着される。元々メイドの盗難や不法投棄などの問題を解消するためステーションの考案した制度で、現在では法律で常時装着が義務付けられている。登録メイドが行方不明もしくは盗難にあった場合はシグナルの解析を行って居場所を特定できる。 【天王子哉人(てんのうじかなひと)】 天王子若の父親。ステーションの最高責任者。全部長。 詳細不明。 【天王子若(てんのうじわか)】 葦原学園高等学校生徒会長。三年生。 ステーションの最高責任者である天王子哉人全部長の息子。 詳細不明。 ラスボス。 【トリックスター】 躯瑠々が遊弥を表した言葉。 神話・民話などで登場するいたずら者。主に物語をかき回し変化を与える役目を負っている。 善意で行動することもあれば悪意で行動することもあり、結果は良いものだったり悪いものだったりと様々。二面性を持つ対極・両義の存在なのである。元はネイティヴアメリカン民話の研究から生まれた言葉だが、後にユングが元型論で述べたトリックスター元型の方が有名。 北欧神話のロキ、日本神話のスサノオ、妖精パックなどが該当する。 ……ドジっ子? ―ナ行― ―ハ行― 【ハンドメイドメイデン】 七桃りおの完全オリジナル第二作目。 自称・SFチック王道外道ラヴコメディー。 ガーデンと呼ばれる人工都市で暮らす主人公・藍原遊弥を中心とした学園モノ。 メインヒロインはアルビノとアリア=アルケティプス。 ちなみに《Complete!》とは、コインの表裏のように、同一のモノでありながら対極である構図を取っている。コンプリが《過去を乗り越える》物語であるのとは対称に、メイデンでは《未来へと向かう》物語である。しかし主人公の抱える問題や物語の核心に深く関わる様々な要素のリンクなど、両作品が一致する所も多々ある。コンプリとメイデンを照らし合わせながら読んでみるのも面白いと言える。……以上、宣伝でした。 【二人はペドフィリア(ふたりはぺどふぃりあ)】 大人気大きなオトモダチ向けアニメ。 続編は《二人はペドフィリア・マックスボルテージ》と《二人はペドフィリア・スプラッシュダークマター》。 内容は(以下削除)。 ペドフィリアとは、異常の性欲の一つで、幼児など低年齢な人間の対象とした性的嗜好を指す。ロリコンとも。 障害として分類される場合と、ただ単に小児への性的嗜好を指す場合がある。 このロリコンどもめ!! 【ホログラフィー】Update! 物体の反射光に、別角度からの同光源による干渉でできる回折像を感光材料に記録し、また別の光を当てることで物体の立体像を再生する光学技術――らしい。 ―マ行― 【峰先生(みねせんせい)】 本名は峰山富士(みねやまふじ)。葦原学園高等学校1−A担任、教科は数学。独身。 百九十センチの長身だが、ぼーっとした性格のためか物凄く影が薄い。1−Aにもあまり干渉せず、いつもぼーっと傍観している。超絶放任主義なため、変人の多1−Aが暴走することも多々アリ。 いつもは冴えないが年に二度か三度は覚醒するだとか、古流武術を会得してるだとか、夜は人外と熾烈なバトルを繰り広げているだとか、超絶テクを持ったハッカーだとか、色々な噂が存在する。真実は不明。 【未来のイヴ(みらいのいぶ)】 ヴィリエ・ド・リラダン著のSF小説。 多くのSF作品に影響を与えたと言われている。 【メイド】 M.A.I.D.―― Made Artificial Identity Droid の略語。直訳すると、人に創られた自己ある人形。 高度なAIを搭載することで人語を理解し応答することが出来る、人を模して作られた人型機械。電気で動く。 開発初期のメイドは愛玩目的に創られた金持ちの道楽だったが、現在では値段の低下により家庭での利用者も爆発的に増え続けている。家庭に配備されたメイドは、雑務や執務もこなす事が出来るがコミュニケーションとしての使用が多い。法的にはペット以上・人以下の器物扱い。法律によりチョーカーと呼ばれる装置の取り付けを義務付けられている。需要が増えるとともにメイドに関連した事業も増え続け、今では様々なタイプのメイドが出回っている。主に女性型の需要が多い。 藍原博士の構築したAI・サクラはボディの無いデータ上の存在だったが、その数年後ロボット工学との組み合わせによりアメリカ(第一ガーデン)で世界初の自立歩行型機械・イェオーシュアが完成した。 ちなみに本来メイドとは、炊事・洗濯・清掃などの家事労働を行う女性使用人を指す言葉である。古代においては奴隷の仕事であったが十九世紀後半の英国でにおいては、使用人を雇うことは貴族としてのステータスでもあった。日本では、あの太宰治がカフェの給仕に惹かれた、という話もある。走れえろす。 【メロン】 Melon。八十%以上が水分で、主成分は糖質。カロテン・ビタミンC・ペクチンなども含んでいる。果肉が柔らかくなるほどペクチンの割合が大きくなる。瞑亜の持ってきたメロンは完全科学的合成物。ちなみにマスクメロンとは品種名ではなく、musk(シカの角からとる香料。ジャコウ)に似ていることからついたもの。 メロンやすいかなど畑になる(草本の果実)は野菜という説があるが、それでは木に生る果実を食用とするなす・ピーマン・トマトなどは野菜でなくなってしまうため、栄養価・味などを踏まえたうえで果菜類というカテゴリが存在している。そのためメロンは果実類の果菜類。 つまりメロンは野菜類と果実類が重ね合わされている状態ということで、生死を重ね合わせた状態であるシュレディンガーの猫と通じるところがあり――つまり某めろにゃは生死を超越した存在だったんだよ! ―ヤ行― 【ヤギの実(やぎのみ)】 黄太郎の実家である喫茶店。メニューバリエーション・味ともに良好で影の名店だったが、一之瀬夫妻が旅に出てからは人気低落。今では黄太郎が一人奮闘している。両親の思惑は、子の自立心を養うためだったようだが、現在その両親がその本来の目的を覚えているかは不明。 名前の元ネタはコーヒー発祥の伝説の一つ、エチオピア起源説からだと思われる。もう一つはアラビア起源説。 エチオピア起源説は、言語学者ファウスト・ナイロニが記した書物《眠りを知らない修道院》(1671年)に記載されているもので、六世紀ごろのエチオピアが舞台でる。ある日、ヤギ飼いのガルデイは自分のヤギ達がずっと興奮している異常を発見する。ガルデイが調べると、ヤギ達が丘に自生している潅木の赤い実を食べたことが発覚した。ガルデイが修道僧にこれを伝えると、ためしに食べてみようということになった。食べてみるとあら不思議、気分爽快で力が湧いてきたのだ。僧は修道院にこれを持ち帰り、他の僧達にこれを勧めた。それから徹夜の行事でも僧達は眠くならなくなった。 ―ラ行― 【レールガン】 電磁投射砲や電磁加速砲、EMLとも呼ばれる。 物体を電磁誘導により加速し、高速で撃ち出す装置、または兵器の名称。 二本のレール(砲身)の間に電流を通す伝導体(弾体)を挟み、弾体上の電流とレールの電流に発生する磁場の相互作用によって弾体を加速発射させる。弾体自身は電流を通さない樹脂材などで作り、弾体の後部に導体を貼り付けるのが一般的。 構造が極めて単純であり、原理自体も古くから知られている点が兵器として好まれてきた要因だろうか。 【リニア】 磁気浮上式鉄道、リニアモーターカーの愛称。 磁力の反発と吸引力で浮上し、リニアモーターで高速移動する車両の総称。 ガーデン内では超高速運転と低環境負荷の利点から多く使用されている。主に地上と地下を走行する主な交通手段。 ―ワ行― |