Complete!
〜パニック×2・サーキット〜

七桃りお



 目覚めは、いつも一人だった。



 鼻につく甘酸っぱい香り。今この時間帯に感じることの無い筈の食器を打つ快音。
 真新しいガラスのテーブルに男女二人が向かい会って、片方のみ食事をしている。遠華と希望だ。
 食事自体は珍しくない。生存の為には当たり前の事。
 ただ、そのテーブルに並べられている――怪異が、ちょっと、ありえなかった。
 白い蒸気をあげる温かい米に、紅鮭切り身の焼き魚。そのメニューは朝の食卓として十分だった。
 が、紅鮭の色が――何かおかしい。黒か? 茶色か? はたまた青か?
 震える箸で一つ、紅鮭の身をつまむ。そして、口に入れた。
「――」
 舌を縫う架空の針。ちくちくと攻撃するソレは、鮭の味などではない。
 次の動作はコップに注がれた水を一飲み。そしてその怪異の隣にある純白の米を口に含んだ。
 米は自分で炊いたもの。何故なら彼女にやらせると――元の量の三分の一以下になっているのだから。
「あのー、遠華…さん?」
 これは…不味いと正直に言うべきなのだろうか。
 この数日、希望は愉喜笑の所に度々行っていたが、料理を習っていたらしい。
 で、その成果をこの朝の食卓で発揮したわけだ。
「ど…、独創的な味だなぁ」
「ホントですかっ!? ――ありがとうございますっ」
 引きつった顔でのレビューを、喜ぶ希望。
 …断じて褒めてない。
 何処かで聞いた様なやり取りをして、己のハマった穴の大きさに気づいた。
 …これを全部喰わないといけないのか?
 ぷるぷると箸を握る手の痙攣が始まる。と、そこで遠華は正面を見る。希望の前には何も用意されていない。
 そうだ、何故希望は食べていないのか。
「希望、お前は食べないのか?」
「あ、はい。…自分の分を用意していませんでした」
 ナメんなこの野郎。
「じゃ、食え」
「…え、いいんですか?」
「ああ、存分に食え」
 そう言って遠華は希望に箸を渡す。その箸を握り、鮭をつまんだ。
「――美味しく出来て良かったです(はーと」
 ありえない発現に二秒ほど遠華停止。
「……」
 そうかそうか。あの異常な味を生み出せる主だ。その味覚も相当なものなのだろう。
 にしても、作り手によってこれだけ多彩に変化する食材。
 その食材達の――恨みの声が、聞こえたような気がした。



 時刻は午前八時。だが、今日は予定があった。
 遠華達は『Complete』に向かう事になったのだ。もちろん愉喜笑の呼び出し内容は、依頼しかない。
 いつもの入り浸り時は歩きで十分なのだが、今日は武装を持ってバイクに乗る事になる。
 マンションの一階、共同ガレージ――といっても停めてあるのは遠華のバイク一機のみだが――に降りた。
 希望が当然の如くついて来ているのは、まぁ今は不問にしておく。
 黒のスーツを、しかしだらしなくシャツを前開きした遠華。希望はパーカーを羽織り、足がプリーツミニで肌寒いためにそれを補うための黒いオーバーニーソックスという姿。
 歩く遠華と希望の姿は、買い物の時のようなラフな格好ではない。
 様々な相手に対応できる服装、かつ行動しやすい軽装。
 だが遠華の腰には重い二丁拳銃・オフィユケス。バイクに引っ掛けたザックからは白刃の柄が顔を覗かせている。
 そのバイクのタンクには荒々しい文字で“Jormungand”――『ヨルムンガンド大蛇』とある。
 ソレは大きく、無骨で、しかし鮮麗だった。
 黒塗りのカラーに重厚なフォルム。車体に薄らと浮かぶダークグリーンの奔線。
 少々古いソレは、だが大蛇の名に相応しい。
 明らかな違法改造、しかしこの日陰市で疾走はしるのなら不足は無い。
 遠華はソレに跨り、グリップを握る。腰を落ち着け、しかし振り返った。
「おい、どうした。乗れよ」
 と、希望が突っ立っていた。直立不動で。
「…?」
 遠華は疑問を飛ばすが、希望は動かない。
「おい――」
 立ったまま気絶でもしているのか、と手を伸ばして遠華が揺さぶろうとした時、

「何ですか――これ」

 この世の終わりでも見たような希望の驚愕の顔があった。



 いや、数日前から希望の物知らずには気づいていた。
 それも隔離生活の所為ではあろうが、初めて見る物と対した毎に泣いたり直立不動になったり逃げ去ったりするのはやめて欲しい。一般的な常識はそこそこあるようだが、これでは対応に困るのだ。
 一通りバイクの説明を希望にした後、予定通り『Complete』に到着した。
「―――で、依頼があって呼んだんだろ?」
 カフェ『Complete』はいつも通り。煉瓦と木材で構成された店内は良い雰囲気で、明るい店内。
 その店主である愉喜笑の顔。黙々と店内のテーブルを片付ける言葉も変わらない。
 今回言葉の奇襲が無かったのはそのためか、と遠華は無駄に推測した。
「当たり前でしょ。それ以外に何があるの」
 毎度の如くのエプロン姿の彼女は、腕を組んで遠華に言った。それに遠華は、
「いや、愉喜笑さんが俺にちょっと会えなくて寂しいのかな〜、と」
 ニヤリと、愉快の混じった声で答えた。呆れのため息で愉喜笑は返し、
「もうこなくていい。依頼は他のヤツに頼むわ」
「ああっ、そんなこと言わないでよ愉喜笑さ〜ん!」
 半泣きになりながら愉喜笑の袖をひっ掴む。更に呆れたようにして、愉喜笑はその手を払う。
「はいはい・・・。分かったから離しなさい」
 子供のような遠華をため息混じりでたしなめる愉喜笑。と、右にちょこんと座っている希望を見て、
「遠華、希望ちゃんはどうするのよ」
「あ?…あ〜、どうしよっかなぁ」
 そこで先延ばしにしていた問題を取り上げた。以前助手にするとは言ったが、もちろん冗談だ。
 だが希望は自分に話題が振られている事に気づき、わたわたと慌てる。
「えっと…どうしましょう」
「――連れてけば?」
 テーブルを片付け終えたのか、言葉が遠華の左隣に身を乗り出す。
 いつも通り、ウェイトレス風味なメイド服の言葉。その二つにまとめられた銀髪が頬にかかってくすぐったい。
「でも、危険だろ」
「いや――」
 愉喜笑がそこで口を挟む。ぴっと希望を指差して、
「案外適役だったりするんじゃないのかしら」
 それは希望の使える魔術の事を言いたいのだろうか。確かに良い助手にはなるが、
「俺、そんなに頼りないか」
「ええ、頼りないわ」
「うん、頼りない」
「えっ、頼りないんですか?」
 各々答えを出した。
「おいおい、依頼を失敗した事は……そりゃ何回かあるが、俺が悪いわけじゃないケースばっかだ」
 つまりと前置きし、
「だから助手は必要ない。希望がどんなに有能でも、な」
 皆の案を切り捨てた。だが、愉喜笑と言葉は不服そうにしたままである。何か、間違った事を言っただろうか。自分は自慢じゃないが強い。その自身はある。それのどこがいけないのか。
「…そうじゃなくて」
 言葉が、不服そうな顔から一転――暗い顔を浮かべた。それを察知した愉喜笑が、
「まぁまぁともかく、希望を連れてってみたらどうなのよ」
 笑って言ってのけた。
 依頼の内容を軽く話す愉喜笑の話を聞きながら、遠華は脳の隅を使って考える。
 言葉は、どうしてあんな顔をしたのだろうか、と。
「ってわけで、今から急いで依頼人の元に行く。わかった?」
「……」
「わ・か・っ・た!?」
 怒気を含めて愉喜笑が確認を取り、文字通りそのまま流され『Complete』から追い出された。
 愉喜笑の視線の先、ドアの向こうでは遠華がバイクに乗り走り出そうとしている所だ。
 俯いたままの言葉の肩に手を置き、
「愉喜笑さん…」
「大丈夫よ。ただ遠華は気づいていないのよ。自分が――」
 そこで重低音が響き、愉喜笑の一言がうやむやにされた。
 突然の異音は遠華達が出発した証の排気音。それにかき消された一言は何だったのだろうか。
 と、遠華達が走り去った方向を、愉喜笑はじっと見つめ、
「はぁ、…ばかなんだから」
 ため息を零した。



 依頼とは『奪還』だった。
 事の始まりは昨夜。
 日陰市北区に構える北日陰病院に何者かが侵入、様々な物を強奪していったことから始まる。
 盗みの手口は荒々しく、途中で気づいた警備員が駆けつけ応戦するも、複数の内の数人を捕まえるにしか至らなかった。
 捕まえた犯人達はどれも少年で、話では金に目がくらみ強奪を計画したという。その計画では盗みを行い、『運び屋』を雇って依頼人に届ける予定だった様だ。
 その少年達は今日の朝、警備員の隙をついて逃げられた。
 盗まれた物の中には血液や患者のカルテ、それに冷凍保存された臓器・・・・・・・・・までもがあったようだ。
 警察に連絡しなかったのは非合法では無いのだが、信用の為か明るみになるのを防ぎたかったらしい。
 それに日陰市の警察は、あまりアテにはならない。
 だが幸い北日陰病院の院長が『裏社会』に深く通じており、優秀な便利屋である遠華に目をつけたというわけだ。
 そうして遠華以外にも『情報屋』や『探し屋』を雇い、『運び屋』の現在位置を特定した。
 問題は、その『運び屋』は相当な腕利き様で、幾人かが返り討ちに遭った事だ。
 しかし『運び屋』の移動スピードはあまり速くなく、予想では遠華がバイクで先回りすれば辿り着く予定。

 何故なら――『運び屋』の移動手段は自転車・・・なのだから。



 日陰市からその外に出る交通手段は、大きく四つに分かれている。
 北部に伸びる高速道路。南東、海原市に向かう臨海列車。南にある港からの海路、空路だ。
 その内の一つ、高速道路に乗り目的地まで急ぐ。規定ギリギリまでスピードを跳ね上げ、疾走した。
 撫でるどころか切り裂く勢いの風にコートの裾が常時踊るようにはためく。開いた胸元に問答無用で飛び込んでくる風が少々厄介だが。
 と、そこで遠華は気づく。
「おいっ!」
 首を少しだけ横に捻って怒声のような大声を背後の希望に飛ばす。
 ヘルメットをしていない二人にはこれで十分だ。
「はいっ!?」
「寒くねぇか!?」
 希望は子供一人が乗れるような小さなスペースに、身を縮めるようにして座っている。
 腕は遠華の腰に伸ばされているが、薄手の黒いオーバーニーソックスでは風が防げるわけが無い。
 ぷるぷると震える体が、遠華に希望の腕越しに伝わってきて、
「寒い、です!」
「…そりゃスカートじゃ、なぁ!」
「でもでも、我慢できます!」
 あまりに大声なので怒った様な口調になるが、仕方ない。が、そこで希望が身を寄せた。
 尻に押さえつけられたスカートが遠華の腰の端からぱたぱたと見え隠れする。
「それに――ったかいで――」
「ああん!?」
 その時に希望が何かをいったような気がして、
「何でもないですー!」
 だが返答を聞いて前を向き、答えの如く加速を開始した。
 両手に収まるグリップを深く握りなおし、前屈みの姿勢で大気を通過してゆく。
 それに比例してぐんぐんと周りの景色を突き放し、疾走。
 接触ポイントまであと少し――。



「んだよ…」
 全く持って不愉快だ。自分は『物を届ける』アルバイトをしているってのに、何故か監視されている。
 無論気づいたから撃退したが、そんなに自分は危険な事をしているのだろうかと。
 確かに手当たり次第漁っていたが、こんな胡散臭いバイトはしなければ良かったと思う。
 だが、今月はちとピンチだ。
 無理矢理にでも収入を得なければいけなかったのだから仕方が無い。
「…オレ様、頑張りますか」
 そう言って、ペダルを踏む足に力を入れ前進する。山を越え、坂を下り、高速道路との合流地点まで渡った所に、おかしな、いや何か独特な雰囲気を持つ・・・・・・・・・人が居た。
 黒いスーツの男性に、パーカーとミニスカの少女だ。
 だが今の感覚は錯覚だったのか、改めて横目で見ると何の変哲も無い。
 だからバイクに無言で跨っている彼らを無視して、その脇を通り過ぎようと、
「おい」
 呼び止められて失敗。今度は一体何だろうか――。



「おい」
 恐らく彼が『運び屋』なのだろう。
 院長が言っていた、捕らえた犯人と『探し屋』の情報と一致している。
 少年とも青年ともとれる顔つきに、茶の短髪。それにワークパンツにジャケットという活動第一の服。線は細いがラフに着込んだ隙間から垣間見られる引き締まった体躯。…遠華が予想していた人間像とは全然違ったが。
 その『運び屋』は一度こちらと目を合わせてから、しかし再度脇を通り過ぎようとする。
 だから声をかけた。
「待てって」
「んだよ、一体…」
 あからさまに面倒そうに、『運び屋』は答える。眉間にはシワが寄っていて、不良に絡まれたような気分だ。
 まぁその不良も今から叩きのめすのだが。
「お前、名前は?」
 名前ぐらいは知っておきたい、と遠華が問いを投げかける。
「おいおい、人に尋ねる時はまず自分からって言うだろうが」
 それに『運び屋』は、大人ぶってやれやれと首を振りながら答えた。それに、
「生憎猿に名乗る名前は無い」
「誰が猿だぁ!!」
 遠華がおもしろ半分に『運び屋』を罵ると、率直にノってきやがった。…こいつ、滅茶苦茶子供だ!
「お前しかいないだろ? つーか自分が猿って事――理解していないのか!?」
「遠華さんっ、いきなり挑戦的なのは止めましょうよ!」
 と、背後から声が飛んできた。希望がわたわたと慌てた動きで、
「えっと、すいません。この人ちょっとヒネくれてて――」
「そうかそうか。…苦労するな」
 遠華がうんうんと頷きながら言う。
「……」
 沈黙が一帯を包み、数秒膠着。しかしそれを払うかのように、
「いやアナタの事ですっ!!」
「いやアンタの事だよっ!!」
 微妙にマッチしたツッコミが炸裂した。
 そして希望はいきなり後ろから遠華の首をホールド。そのまま前後に大きく揺らしながら、
「い、いい加減にしてください! それともアレなんですね? 遠華さんは正真正銘のヒネくれ者なんですね!?」
 パニック状態の半泣きで言いのけた。
 遠華は沈黙していて、それに代弁するかのように『運び屋』は頬を掻きながら言った。
「その――こいつ笑顔でラリってるんだが」
「はうあっ!! すすすすすいませんっ」
 奇声を上げて希望が拘束を外す。遠華は恍惚とした表情で、そのまま前へダウン。一同、再度沈黙。
「…あ、ああ――俺の名前は白鐵 止麻しろがね しづまだ。それで、いいか?」



「白鐵 止麻…」
 聞いた事の無い名だ、と遠華は首元を擦りながら身を起こす。
 だが、その『姓』には心当たりがある。思考を巡らせて思い出す。そうなんだったか――
「白鐵――『白鐵流護身古武術』か?」
「お、知ってんだ」
 遠華の呟きに、止麻が自転車から身を降ろしながら言った。彼の乗る自転車の前籠には大きなボックスが積まれている。
「何なんですか、そのしろがねって」
 背後から、先ほど喉元をホールドした希望の声。その問いに、自転車に腰掛ける姿勢となった止麻が答えた。
「そうだな…白鐵流護身古武術は、空手や合気道からマーシャルアーツまでなんでもありの出鱈目武道。とあるジジィが勝手に開いた非公式の習い事ってヤツ」
 と、少し自嘲交じりで言うが、本人は誇りを持っているらしく胸を張って言った。
 だが、それでは遠華は納得していなかった。白鐵流は、そんなもの・・・・・だったのか、と。
 しかし優先するのは仕事だ。
「まぁいいや。…そのボックスの中身を渡せ」
「遠華さん、ダイレクトすぎますっ。もっと、少しずつ核心に…」
「ヤだね。オレ様はこれを運ぶバイトしてんだよ」
「ああっ、努力が無駄にっ! …遠華さんの所為ですよぉ」
 実は止麻が到着する少し前、いきなり強奪を考えていた遠華に、希望が自然に相手が荷物を受け渡してくれるように試行錯誤していたのだ。その結果が、共通の話題を見つけて少しずつ核心へ、だった。それも簡単に遠華はブチ壊したが。
「…何だ、お前達もこの荷物奪いに来たのか?」
「それが仕事だからな」
「止めとけ、止めとけ。――オレ様は強い」
「ははは。何か言ってるぞ、希望。――猿に話は通じない」
「い、幾ら相手が本当に猿だからって、言って良い事と悪い事があるんですよっ」
「ってアンタが一番酷いよ!!」
「ご、ごめんなさぃ…」
 などと無駄な争いが勝手に勃発。これでは埒が明かない。遠華は無言で前籠に手を伸ばし、
「渡さねぇっての!」
 止麻が素早く自転車に乗り、動き始めた。
 遠華達はバイクなので彼の即座な行動に対応できない。急いでキーを射し込み、起動。
「待てぇ!」
 地面を蹴って先行する自転車目掛けて、加速を開始した。



 自転車でバイクの速度に勝てないのは道理だ。だが、場所フィールド技能テクニックを駆使すれば――このように、相手を翻弄する事が出来る。
 大きな通りは避け、山道を先行。幸い坂が苦になるような体力ではないので、一気に斜面を登りきった。
 しかしその頃にはもう背後に重低音が迫る。
 だから土を蹴り、前輪を軸に二百七十度回転することでバイクの側面に行き当たる。そして、右足をぶち当てた。
「きゃあっ!」
「俺のバイクがっ! ――テメェ!!」
 心配所は別として、遠華は突然車体を蹴られた事でバランスを失うが幸いここには林がある。それを同じく側面を蹴り飛ばす事でバランスを取り戻そうとする。しかし本来、超重量の車体を足一本で立て直すなど不可能だが、
「っらあ!!」
 轟く銃声。即座に腰から引き抜いた二丁拳銃の弾丸を幹に発射することで、本来大型すぎて殺人級の反動を持つオフィユケスの特性を生かしバランスを取り戻す事に成功する。
 背中には希望のひしと上着を掴む力があり、そう簡単には離れないだろう。銃声はここから高速で離れれば大丈夫。
 だが止麻の自転車は横転を免れたバイクを抜き、再度山道を下る。
 その先は更に奥深くの山中で、だからこそ人通りが全く無い。
 足早と先にそこに降り立ち、迫るバイクを――迎え撃つ。
「っと!」
 自転車は搭乗者を失い、横転。それを無視して止麻は走る、無論籠にあったボックスを持って。
 林を抜け、乱開発が途中停止した空き地にたどり着く。
 最近ではこのような場所が多く、人はいないので迎え撃つには絶好の場所だ。
 止麻は積み重ねられた鉄くずを背後に置き、バイクを停止して地面に降り立つ遠華を睨みつける。
「随分と奥に来たもんだな。だが、都合がいいな」
「ああ、喧嘩には上等だっ」
「喧嘩? ガキの争いには興味ねぇ。そのブツを渡してもらおう」
「…お前がオレ様に勝ったら、いいぜ」
「OK。猿にしては上出来だ」
 遠華は腰に二丁拳銃を納めており、一歩下がれば白刃の刀がある。希望もバイクに乗せたまま。
 空気が膠着し、それにより五感が存分に発揮できる。雑音も邪魔も存在しない。
 と、止麻が肩のボックスを地面に下ろした。
「猿じゃ――」
 突如、固まった空気が乱れる事になる。それは音という振動と、
「――ねぇつってんだろ!!」
 高速という動きだ。
 猛獣を連想させる獰猛な動きか。それとも水の様に流れる滑らかな動きか。
 予測できない相手の動きに備え、全身に力を込める。遠華は脳が覚醒状態に突入し能力は数段に伸びるような錯覚を得た。
 時間にして一刹那。
 ――だがしかし、それだけで違う世界が出来上がっていた。



 遠華が連想した動きとはどれもが違っていた。相手は二十もいってなさそうな子供で、武術を嗜んでいたとしても遠華の敵ではない。だが、
(こりゃ――)
 甘く見てはいけないと認識を改める。
 止麻の最初の動きは無論、『動』。土を蹴って一気に眼前へと踏み込んできた。
 その一直線な攻撃を撃墜しようと、遠華は右足を左上へ振りぬいたのだ。
 しかし止麻は、次の瞬間――遠華の右に立っていた。
 速さは視認できる。気づかないわけでもない。だからこそ、その後サイドステップで距離を取る事が出来た。しかし重要な動作・・・・・が足りない。
 それは、準備運動だ。
 何事にも動きには準備運動が必要だ。
 右足を振り上げるのなら左足に力を込め基盤を確立し、そして右足を振りぬく。
 だがその準備運動が足りなかった・・・・・・。否、足りない所か存在しない。
 右に動いたのだから、右半身に力を込め左に送り出す。その動作が、無い。
(厄介だ…)
 声を出す余裕が無い。相手は連続で攻撃を仕掛けてき、それを迎撃する度に突然『動』き出す。
 それに加え、
「ふっ――」
 攻撃を逆手に取る動き合気道だったり、弧を描き点を繰り出す中国拳法動きなど武術のカーニバル。
 先ほど止麻の言ったなんでもありの出鱈目武道はあながち嘘では無いようだ。
 突きを退け、止麻という大本に蹴りを放つ。しかし止麻はその足をさらに蹴り飛ばし、距離をもって着地する。
「面倒な相手だなぁ…」
「オレ様は一筋縄ではいかないってこった。…ふっ!」
 会話途中でも、突然『動』を開始する。幾度か拳を交わらせ、『静』へと戻る。そしてまた――。
 延々と続きそうなヒット&アウェイ。だがどちらも致命傷となるような攻撃ではなく、ただの打撲。
 数回攻防を続け、余った脳で考える。…こんな動きを、自分は知っていると。
 『動』と『静』の急転。予備動作が無く無駄が無いが、最大限の力を用いる事のできる武術。
 それは名を――『白鐵流暗殺武術』と言ったか。
 活発になった脳を使用した事でようやく思い出した。
 噂に聞くその暗殺術は、戦国末期の開祖を持ち明治中期まで暗躍した。
 現在は数代前から継承のみを行っているようだが。
 内容は人体の限界まで引き伸ばされた身体能力を駆使し、『動』と『静』の二元を繰り返す立体移動。
 その動きは奇跡的で、獣の様。
 これが遠華が止麻の名前を聞いた時に感じた異変の正体だった。
「白鐵流暗殺武術…だな?」
「おいおい、そこまで知ってんのか。…何モンだよ、あんた」
「ただの便利屋だ」
「あそ。――そう、俺は白鐵流護身古武術と白鐵流暗殺武術の『皆伝』分家保持者。白鐵 止麻だっ」
 そして再度、止麻が消える。
 否、上空へ舞ったのだ。突然視界から消えて数瞬反応が鈍る。着地の際に迎撃してやろうと遠華は身構えるが、止麻は高い位置に跳んだまま。
白鐵てつを穿て、永久とこしえの風」
 遠華は振り向く。止麻は未だ上空で待機しているが口は開いたままで、

「――“風纏かざまつり”」

 ソレを口にした。
 呪詛のような低い声が響き――瞬間、奇妙な感覚と共に遠華は止麻を見失った。
「何処――」
 探そうと首を回した、その時。視界の端を『何か』が駆けた。そして同時に右耳が背後に『何か』の物音を捉えた。また同時に上空にいる『何か』を頭髪が風として判断した。
 その『何か』は――遠華の全方向に存在する。
「喰らえよ」
 ソレらが、声を上げて合図した。
「――ぐっ!!」
 まず穿たれたのは腹部。視界の端に感じていたソレが突然動いて右脇腹を蹴り飛ばした。
 続いて背中。上空のソレが踵で踏み砕かんばかりに踏みしだく。
 そうして右足に胸に鼻先と――多彩な方向から攻撃が奔る。
「痛……っ」
 猛攻を回避し一歩下がるが、
「逃がさねぇ…っての!」
 再度背中を蹴破られた――。



「高速の全方位攻撃かよ…」
 膝をついて、切れた口から零れる血を地面に吐き飛ばす。遠華は全身に強烈な打撲を負っていた。
「…タフだな」
「まぁとりあえあえず、な」
 強がりを言いつつ、腰を上げる。口元を擦り、汚れをふき取る。
「…遠華さん」
 心配したのか、弱弱しい声が遠くから聞こえた。しかしそれを無言で掃い、
「だが――俺の方が強い」
「言ってろぉ!」
 挑発にいとも簡単にノり、止麻が動く。先ほどの立体攻撃だ。
(あの攻撃は、確かに不可思議)
 急速な速さで忍び寄り、反撃として一撃を加えようなものならば急な方向転換で避けられる。
 メリハリのある多角移動。それを、どうやって崩すか。
 絶え間なく続く連撃も、躱す事はできる。しかし、その後をどう繋ぐか。
 まず止麻を地面に叩き落さなければならない。否、地面に組み伏せる。
「っだら!」
 まず飛来したのは靴底。正面からのソレを右拳で弾く。ジン、と右手が痛むが蚊ほどでもない。
 次に、土を削って拳が飛来してきた。抉るような左脇腹の一撃。
 それは速いが、重い。
「っつ――」
 激痛を無視して、腰に手を伸ばす。
「テメ、銃かよっ!」
 腰にあったに二丁拳銃を見たのか、阻止しようと止麻が右から迫る。しかし、
「バァカ。――使う必要なんて無い!」
 振りぬいたのは右手。それは己の上着を掴んでいて、
「なっ!」
 視界を包んだ。差し出された上着は黒く、前が見えない。
 よって止麻は急な方向転換を始めた。
 だが遅い。視界を失い予測と違った行動をされると、どんなに速い動きでも一瞬衰える。
 反射として即座に上空に跳ぶも、遠華は上着を掴んだ手を離していない。
 上着は止麻の両足あたりに存在し、
「ナメんなよ。――落ちろぉ!!」
 無理矢理引っ張った。
 足に見事引っ掛かった上着ごと地面に叩きつけられる。
 ――ちなみに、今の状態は戦闘開始と変わらない。何故なら遠華が殆ど動いて無いからだ。
 よって、激突するのは、
「ヤベ」
 依頼の品を抱えるボックス。
「ぐぁっ!」
 それに思いっきり後頭部を叩きつけられた。更に昏倒状態となった止麻に追い討ちがかかる。
 ボックスを閉じていたツメが外れ、中身が出てしまったのだ。
 宙を舞い、落ちる。止麻の視線の先に。
 幸いパックされ、クッションとなって割れたり飛び散ったりする事は無かったが、

「――ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 止麻は超近距離でナマの臓器を見る事になったのだった。



「まさかぁ…はぁはぁ…盗難品を…ぜぇはぁ…運んでるとはなぁ」
「ハナから素直に渡せば良かったんだよ、猿」
 戦闘が終了し、元来た道を帰る事になった。自転車が必死でついて来るので高速道路は走っていないが。
 優雅にバイクで走行。背後は自転車で必死。
「猿じゃねぇ…はぁはぁ…っての…」
 息も切れ切れだが、
「おい希望――後ろからハァハァしてるストーカーがいるぞ」
「ひっ――って止麻さんじゃないですか! 幾ら本当にストーカーさんでも知り合いなんですから…道を正してあげましょうよ」
「ってアンタが一番酷いよ!!」
 本日二度目のカミングアウト。
 希望が饒舌なのは、少し意外だった。今までは何処か遠慮した様だったが、今日は思ったことを口にする。
 元々そういうタイプなのだろうが。だがオプションで首を絞められるのはいささかどうかと。
「まぁいい。さっさと病院に返却だ」
「はい、急ぎましょう」
「…その後は、オトシマエ・・・・・だな」
 にやり、と遠華が口を歪める。その為に止麻を連れて来させているのだ。
「待てって…はぁはぁ」
 とにかく、急ごう。長い移動時間と戦闘の為か、日が傾き始めていた。
 更に――加速する。
「待てってぇぇぇ!! …はぁはぁ」



 希望を外でバイクと一緒に待たせ、その廃ビルに侵入した。
 日はもう隠れ、夜。この日陰市には幾らでも陳列する廃ビルの一つ。そこに用があった。
 止麻から聞き出した、窃盗団のアジト。そこに止麻の二人で乗り込んだのだ。
 ひしゃげたシャフトのドア跡を通り、塊を見つけた。
 前金で報酬を受け取っていたのか、数十人の少年が年相応で無いものをラッパ飲みしていた。
 彼らは『運び屋』の依頼量をケチって、アルバイトを探していた止麻に運びを依頼したのだ。
 その依頼が失敗しているとも知らずに…。
「ひゃはは――ああん? 誰だよお前?」
 一人の少年が気づき、腰を上げる。それに伴い全員が腰を上げ、ビンやバットやらを肩に担ぐ。
「お、アルバイターじゃん。キチンと運んだのかぁ?」
「…コイツ失敗したぞ」
「言うなよ、それぇ!」
「何だって!?」
 少年達の態度が一変する。ぎらぎらとあからさまな殺意が牙を剥く。
 だが、残念ながらその牙は折られる事になる。
「運びの品、盗品なんだってな。…俺は言ったはずだ。この仕事合法か、って」
 怒っているのが、止麻が大声で叫ぶ。しかしそれに怯む様子も無い少年達は、
「だからどうしたよ。サツが怖いってか? ひゃはははは!!」
「オレ様を騙すたぁ…いい度胸だ」
 ぷるぷると震える拳を握る。それに呼応するように、少年達がバットを握る手に力を込めるのが分かる。
「そんな度胸役に立たないけどな」
「アンタうるせぇよっ!」
 無駄口を叩き、
「ヤんのか、コラァ!!」
 挑発し、戦闘開始。
 ありきたりなセリフを吐いて、少年達が襲い掛かってきた。
 それを前にしたまま微動だにしないで、
「なぁ」
「何だよ」
「一人でも多くぶちのめした方がメシを奢らせるって、どうよ」
 止麻が喧嘩ゲームを楽しむための賞品を提示した。無論、遠華はそれに賛成。
「…お、猿にしてはいい案だな」
「だろ、オレ様最高っ!――前文無視したがどうだ」
 苦笑いで止麻が遠華に向き直る。だが、
「一人目」
「ズルっ!」
 襲い掛かってきた一人の腹部に遠華がいち早く拳をブチ込んだ。



「つまらねぇなぁ」
「猿と遊んでた方がマシだな」
 最早猿コールを無視して遠華と止麻は己が積み上げた少年達に腰掛ける。
「俺の勝ちだな」
「――お前、オレ様の積んだ所から数人引き抜いただろうが!」
「そんなことはないさ。猿は妄想が上手だなぁ」
「ふざけんな」
「…やんのか?」
 ぴり、と空間が火花を放つほど激化する。
「オレ様にボコられてた癖に」
「手加減だ。それにその後、猿を木から落としただろうが」
「…誰が猿だってんだよぉ!!」
 掴みかかり第二次戦闘が勃発しようとし――なかった。
「終わりましたか〜?」
 それは一人の少女の介入。希望だ。
 とてとてと、入り口の方から歩いてきている。
「わ、スゴイですね…」
 積み上げた輩意外にも、床に数人散らばっている。それが、
「きゃっ!!」
「…ぅ、うあああああああ!」
 いきなり起き上がった。何処にあったのか、手には連射タイプの小銃が握られている。
 奇声を上げ、希望を腕で捕まえる。そのまま引き寄せこめかみに銃口を当てる。
「ひぎ…ぁああああああ!」
 狂ったように、大声を上げる。
 マズい、と遠華が腰の二丁拳銃を引き抜く――よりも速く、呟きが放たれた。

「――閃光 弾丸Flash bullet直撃Direct hit

 瞬間、希望と少年の二人が眩い極光に消えた。
 出所は希望の掌。そこから、音速超過の光弾が飛び出し――背後に直撃した。
 弾丸自体は魔力で編まれた物だから殺傷能力は存在しないが、ソレを取り巻く空気や熱が少年を吹き飛ばしたのだ。
「ぎゃっ!!」
 そのまま数メートル吹き飛び、壁にぶち当たって消沈。腹には燻る種火が存在する。
「…びっくり、しました」
 怒ったような希望の呟きが、廃ビルに広がった。
「おい」
 遠華が声をかけるも、気づいた様子ではない、突然、希望を薄い光が包む。
「――知っていますか?」
 誰に言うものでも無い。自分に問いかけるような希望の呟き。
「弱肉強食では一般的に人間が最上位だそうです」
 生物の強弱をピラミッドで現した際、『例外』を除いて大抵は人間が一番上。
 科学を持ちて、魔術まで操る人類が。
「でも、おかしいと思いませんか? 一番上位の人が――数、多いんです」
 それではピラミッドにならない。しかし人間は増殖を続け、
「だったら、殺し合うべきです。人と、人が――」
 バランスが狂ってしまった。故に社会は混乱し、世界は渦巻いてゆく。
「――神様、どうか…」
 本気の懇願なのか、希望はその瞳から涙を流すほど。しかし遠華には言葉の意味が分からない。
 止麻に至っては呆然として動かないほど。
 先ほどの死の恐怖によるものなのか、希望は、遠華の知っている希望ではなくなっていた。
「――神様、どうか人を…」
 揺れる。
 希望を取り巻く光の奔流が、廃ビルを狂わそうと荒ぶる。
 先ほどの極光の弾丸とは違い、暴走した魔力が様々な可能性に干渉し更なる暴走を始めようとする。
「希望! 希望っ!」
 聞こえていないのか、反応しない。このままではこの廃ビルが本当に崩れ落ちるのではないか。
 だから遠華は希望に駆け寄ろうとし、

「――神様、どうか人を赦して下さい。それが私の――希望のぞみです」

 瞬間、暴走した魔力が臨界点を突破し――希望は気を失った。
 ぽて、と希望が地面に倒れこむ。ソレと共に極光は跡形も無く霧散する。
 駆け寄った遠華はその小さい肩を抱いた。止麻は、
「ナンだったんだ…今の」
 理解不能に歯痒さを感じつつ、先に廃ビルを後にした。それに続いて遠華も希望を抱いて外に出る。
 希望の暴走。
 この今日一番の出来事は、恐らく希望は覚えていまい。少なくともこの少女には黙っておいた方がいいだろう、と遠華は思いつつバイクに乗り、
「担いだままじゃ乗れねぇか…」
 希望を無理矢理シートに乗せ、バイクを押して『Complete』まで帰る事にした。



「んで、どうして猿がいるんだよ」
「オレ様本日からアルバイターから『便利屋』に転職したぜ」
 止麻が何故か『Complete』で遠華と同じコーヒーを優雅に飲んでいる。
 腹立たしい事この上無いのは何故か。
「お仲間ですねっ」
 その上希望も嬉しそうにパフェまで食べてる。それに加え、
「頑張りなさい、ハル」
 言葉が愉喜笑作のケーキを隣で食べている。つーか俺達は客なんだから、仕事しろよ…。
「…まぁ、いいんだけどね」
 愉喜笑が止麻を見ながら苦笑する。
「それに遠華はこの人に負けたんでしょ? だったら今度からこの止麻君に仕事頼もうかしら…」
「ブッ!!」
 盛大に飲んでいたコーヒーを吐き出す。
「キッタねぇなぁ」
「汚いです」
「さいってー」
「自分で拭きなさいよ」
「テメェら…」
 わなわなと肩を震わせ立ち上がる。何より止麻を指差し、
「この猿め、俺の仕事まで掻っ攫うのかこの野郎! つーか負けたのお前だ!!」
「うははは、何言ってるんだか。――オレ様最強」
「言ってろ猿」
「ああん!? 言ってやるぜオレ様最強!」
「愉喜笑さん、この通りこの猿はバカで役に立ちません」
「はぁ…どっちもどっちだと、あたしは思うねぇ」
「同感」
「…そうなんですか?」
 多くの意見を無視し、そのまま遠華と止麻は表へ出ようと胸倉をつかみ合いながら歩く。
 それを改めて見た希望が八重歯を晒して笑う。
「仲いいですねっ」
「「――いい訳あるかぁぁ!!」」
 ダブルで突っ込み。つーかこんな奴とシンクロしたくない。
 と、同じ考えなのか止麻もこちらを睨んでいた。
 言葉はケーキを完食し、
「――これ、ハルのおごりね」
「ちょっと待て」
「――勿論私のパフェも、ですよね」
「それはそうだが」
「――んじゃ、オレ様のコーヒーも♪」
「ふざけんなぁぁぁ!!」
 止まらない言い争い。
 だがなかなか楽しいぞ、と遠華は思う。
 希望の事も深く考えず、ゆっくりと歩き出せば良いのではないかと。

 ――まぁ、その前にこの猿をぶっ飛ばさないといけないのだが。






あとがき




 ちと長めの小説、完読ありがとうございました〜。
 こんにちは…あるいはその他挨拶、七桃 りおです。
 今回のコンセプトは…『好敵手』と『スピード』ですかね。
 またビシバシ叩かれるかと思うと…最近なんともなくなりました(苦笑

 今回の新キャラ、白鐵 止麻ことお猿さん(違
 彼はコメディパートのライバルですかね。シリアスはミッチー(溢流)なので。
 いちおう少年と青年と間なのですが…青少年!?

 その他ネタ捕捉等。
 そして白鐵流〜。これは少し前から煮詰めていた流派です。まだ硬いですけど。
 流石に霧神や天竜一伐と存在しているので剣術系は無理でした。
 よって体術の流派ですのでご安心を(何
 でも武術拳法関連には偏見と知識不足で満たされておりますので、ご注意を(えー
 遠華の愛車、ヨルムンガンドは超大型違法改造バイクってとこです。
 七桃はバイクを乗った事が無いので、実際にバイクがどのようなものか知りません。あしからず。
 あと、七桃は料理が苦手です。カレーを炭にした事があります。…でも愛情あるのみっ(滝汗

 コメディタッチな会話を勉強しつつ書いたのですが、どうでしょう。
 描写はカットしてテンポのみで突き進んでいます。いわばコント調?
 遠華が止麻を猿呼ばわりして挑発するのは…親近敵視(違

 魔術詠唱は、漢字をルビ側にすると見難いので逆にしてみました。よしよし。

 んー長めですが自分の納得のいく作品になったかな、と。良かった良かった良かったよぅ。
 ちなみに次回はアレな化け物が出ます。キシャー!。でも貧乏神は出ません(当たり前

 でわでわ、汚名返上できたかなぁ、な七桃 りおでした!




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