邂逅輪廻



【しかも選択が渋い】
風:過去の剣客と戦ってみたいとか思わない?
雅:結論から言おう。一般人の俺に、そんな気は毛頭無い。
風:まあ私としては、坂本竜馬なんて戦ってみたいのよね〜。
 生涯不殺の信念ってのは興味あるし。
雅:完璧、無視かい。
芽:私は上泉伊勢守信綱
雅:って、お前が乗るんかい!?


【単純に強い奴なのだろうか】
ト:Hoo。ならば俺は最強のアメリカンを目指すぜ。
雅:あの人種のるつぼな国で、何を以って最強なのか説明してくれ。


【どっちも尤もだけど】
雅:あー、ちくしょう。何で今日に限って純也の奴、休んでやがんだ。
風:ん、雅人。何やってんの?
雅:あー、次の英語、和訳が当たりそうなんだよ。お前、分かんないか?
風:ふっふっふ〜、任せて頂戴。伊達に入学試験の時、選択問題の正答率だけで
 合格してないわよ。
雅:いや、それはダメだろ。
風:それでこれはね。『メリケンサックで人を殴ると痛い』
雅:どんなシチュだよ!?
風:或いは、『ジャンケンに於いて、石はハサミより強い』
雅:或いはって何だ!?


【神速を身に付けた】
芽:アルキメデスの原理っていうのがある。
雅:ほうほう。
芽:物体の浮力は押しのけた液体の重量に等しい。古代の数学者アルキメデスは
 お風呂に入った時、この理論に気付いたと言われてる。現代では、押し退けた
 水の体積から、かなり正確な体脂肪率を割り出すのに応用してる。
雅:成程なぁ。ところで先輩は何処行った?
芽:さぁ?


【面白キャラ発掘】
芽:改宗をしてみようと思う。
雅:お前、何か信仰してたのか?
芽:一神教は飽きたら、今度は多神教を崇めてみようと思う。
雅:……その態度は、正しいのか?
芽:そもそも、無意味に濃い人脈を開拓するのが目的だから。
雅:それを信仰と呼んで良いのか、本格的に悩ませてくれ。


【少なくても風花の実母な訳で】
風:お母さんに出来て、私はまだ出来ない技があるのよ。
雅:お前ら、規格外にも相対で格があるってんだから、世の中奥が深いよな。
風:お母さん、居合いで刀抜いた時、その気流で五メートル先の蝋燭を消せるの。
芽:私なら、五十メートル離れてても――。
風:しかも年齢と同じ本数だけ。
雅:――!?


【主役は有り得ない】
ト:Gufoo。中々やるぜ。
雅:……。
ト:Gaha。これが世界の領域か。
雅:……。
ト:Hyooo。この程度で俺はやれねえぜ。
雅:お前は一体、何をしている?
ト:映画業界からいつ依頼が来ても良いよう、修行中だぜ。
雅:お前だと、全キャラ、食いかねないところが恐ろしいんだが。


【四年に一度の奇跡】
果:う、う、う〜。夏休み最後の日なのに宿題が終わってないよ〜。
 風花ちゃん、見てないで手伝ってよ〜。
風:ん〜。と言っても、三年の問題、分かる訳無いし。
果:うう〜。こんな時、思うんだよ〜。閏年で八月だけ三十二日あったらって。
風:でも、それならそれで結果は同じなのが、人間ってものじゃない?
果:風花ちゃん、意地悪だよ〜。


【遠近法で誤魔化せ】
桜:やっほ〜、果凛。調子はどう?
果:や、やあ、桜花ちゃん。私はいつだって元気だよ〜。
桜:……何で、逃げる訳?
果:そ、そんなこと無いよ〜。
桜:――あ、そっか。私より背が低いの、気にしてたりするんだ。
果:桜花ちゃんも意地悪だよ〜。


【国家権力暴走】
芽:治安維持に必要なのは、生活の安定と力に依る抑止。
果:ふえ? いきなり何の話〜?
芽:これを学園生活に応用すると、楽しい日々と適度な風紀。
果:うんうん、言ってることは分かるよ〜。
芽:だけど私にとっては、事実上の弾劾政治。
風:ん。何の話?


【そりゃそうだ】
芽:お見合いを勧められた。
桜:……はい?
芽:色々な意味で必死な写真を見るだけでも結構楽しい。
桜:何か、抜本から間違ってる気がするんだけど。
芽:それにお見合いだと最大の障害が取り除かれる。
桜:うん?
芽:人間限定って書いてある人が殆ど居ない。


【所詮、同じ獣】
芽:魚類は何故、陸に上がろうとしたのか考えてみようと思う。
果:ふえ? は、話が壮大すぎるよ〜。
芽:私の考えだと、気分。
ト:Uhh?
芽:髪型や服装を変えるみたいに、水中以外に興味を示して上がっていった変わり者が、
 私達の祖先だった。
果:な、何だか斬新な解釈だよ〜。
芽:偉人が死後に評価されるのは、人間社会でも良くあること。


【最後のはなんだ】
芽:秋の空 想い馳せるは 人の声
風:ほら? 芽依ちゃん、俳句なんてやってたんだ。
芽:嗜む程度。
果:ダイエット 明日明日と 早幾年
桜:帰り道 猫を追い掛け 道迷う
ト:グフルルル ガハハラルラル グヘヘヘヘ
芽:それは川柳。


【こりゃ無理だ】
桜:まあ、年下の私が言うのも何なんだけど――お姉ちゃんと果凛って、
 致命的なまでに色気が無いよね。
風:はえ?
果:気にしてるのに〜。
桜:基本的なところだけど、ファッション誌とか読んだ方が良いんじゃない。
 ちなみに今、定期購読してる雑誌って何?
風:月間、巧の技。
果:シリーズ・正しい実験器具の使い方、だよ〜。


【残りは適当に埋めてくれ】
芽:私達で野球のオーダーを組もうと思う。
桜:確実に人材が足り無い気がするんだけど。
芽:汎用型の雅人が一番キャッチャー。小器用な桜花が二番セカンド。
 長打力がありそうな風花が三番ショート。力のあるトミーが四番ファースト。
 広角が出来そうな果凛が五番レフト。そして私が六番ピッチャー
風:そっか。つまり芽依ちゃんのボケを雅人が受けるのと掛かってる訳ね。
雅:ここまで引っ張って、そんなオチか。


【直感型科学者】
果:うーん。チーズタルト、甘くて、美味しくて、幸せだよ〜。
芽:果凛。ここに興味深いデータがある。
果:ふえ?
芽:人間の代謝量は、加齢と共に上昇する。つまり、今はぷっくり程度でも、
 放っておけば、ブクブクになる怖れがある。
果:うう〜。でも、きっと何とかなるんだよ〜。
芽:論理的思考が通用しない。


【とりあえず芽依から】
ト:Boss。同士を募ろうと思うんだが、どうだろう?
雅:……何だと? バカマッスル同好会でも作ろうってのか。
ト:Non、non、そんなもんじゃないぜ。もっとGorgeousかつ、Beautifulなことさ。
雅:ほう。一応聞いてやろうか。
ト:Hoo。猫のヒゲは左右、どっちが多いか調べる会だぜ。
雅:何つうか……アホらしすぎて突っ込む気にもならんな。


【似合わないこと、この上無し】
ト:Hoo。俺の趣味は将棋だぜ。
果:トミー君、強いんだよ〜。私、三回に二回しか勝てないんだ〜。
雅:さりげなく毒が吐かれた気もするが、それはさておいて。
ト:そして俺が一番好きな駒は桂馬だぜ。
雅:あれって好き嫌いの問題だったか?
果:それで、何でなの〜?
ト:Haha。この変則的な動きは、まさに俺にこそ相応しいぜ。
雅:類は友を呼ぶ、か。


【地理的に中間だから】
桜:本当に良いの? どうなっても知らないよ。
ト:Foo。虎穴に入らずんば、虎児を得ず、だぜ。
桜:その喩えが正しいかは微妙だけど、ま、良いや。いっくよ〜。
雅:ん、珍しい取り合わせだが、何してんだ?
桜:あ、雅人。ほらさ、トミーって、西洋系の破魔は効かないじゃない。
 だから、地域毎に色々試してるとこ。私も勉強になるしね。
ト:Hyooo。中東系は半効きだぜ。
雅:そういう危険なことを、主の許可無くするな。


【ダメ精霊確定】
風:ん〜。トミーの好みって、どんな女の人?
ト:Foo?
雅:お前、とてつもなくどうでもいいこと聞き出すな。
風:だって、何となく気になったし。
ト:Gaha。この筋肉を認めてくれる奴なら、選り好みはしないぜ。
風:でも、少しくらいはあるでしょ?
ト:Uhhh。強いて言うなら、年上なんか悪くないぜ。
風:成程。でも、お母さんには手、出さないでね。
ト:人妻。良い響きだぜ。


【別人になったら笑う】
芽:あなたの全てが欲しい。
ト:Guhoo。モテる男は辛いぜ。
雅:まあ、オチは大体見えてる訳だが。
芽:トミーの霊力は特異だから吸収すれば強化に役立つ。
雅:だが、バカまで継承するかも知れないぞ。
ト:Haha。これが本当の終の棲家だぜ。
芽:やっぱりやめておく。


【どんなオチだ】
ト:Boss。将来の夢について聞いてくれるかい?
雅:全身を筋肉に置換することじゃなかったのか?
ト:Haha。それも悪くないんだがな。
雅:悪くないのかよ!?
ト:実は宇宙に行って母なる地球を見下ろしてみたいんだぜ。
雅:そして、そのまま宇宙の藻屑になる訳だな。
ト:Hoo。もずくは大好物だぜ。


【連想ゲーム】
果:猫を飼おうと思うんだよ〜。
雅:それで何故、俺に意見を求める。
果:大先輩だからだよ。
芽:みゃー。
雅:心無い物真似はさておいて――そうだなぁ。最低限の躾以外は自由にさせるのが
 基本なんじゃないか? 服従なんてしないからな、あいつらは。
  んで、何でいきなりこんなこと言い出したんだ?
果:芽依ちゃんを見てたら、とても可愛く思えたんだよ〜。
果:みゃー。


【浅葱果凛的顧客収集戦術】
果:芽依ちゃん、コンビを組もうよ〜。
芽:意味が分からない。
果:例えば〜。ちっちゃい二人で、チビキャラーズとか〜。
芽:一応言っておくけど、私の成長期は終わってない。
果:う――。
芽:それに、私の読者を取り込むのは難しいと思う。
果:バレバレだったよ〜。


【ペンギンにも似てる】
果:亀って良いよね〜。このゆったりした動き、とっても可愛いよ〜。
雅:うーむ。こう遠巻きに見てると、見分けが付かん位、良く似てるな。
芽:それは言い過ぎ。
果:そうだよ〜。私、首引っ込めたり出来無いよ〜。
風:でも抱え上げると、腕をパタパタさせるよね。
果:わ、わ、わ。風花ちゃん、高すぎて、目が回るよ〜。
雅:持ち上げたくらいが高いのか?
芽:小さい人には、相当なもの。


【寝る子だけど育たない】
果:目覚まし時計って、もっと快適な音を鳴らすべきだと思うんだよ〜。
雅:先輩、大轟音じゃないと二度寝でも、三度寝でも出来るクチだろ。
果:そこで先ず考えたのが、この、メトロノームの音なんだよ〜。
雅:いや、これは確実に眠りを誘発するだろ。
果:もしくは、南国のさざ波とか〜。
雅:ひょっとしなくても、早起きする気、ゼロだな。


【実は世界に溢れてる】
果:世界で最も繁栄してる動物は、哺乳類じゃなくて昆虫なのは生物学の常識なんだよ〜。
雅:まあたしかに、俺らを全滅させる手段は何となく思いつくが、昆虫殲滅は難しそうだな。
 連中、普通に仮死状態でやり過ごしたりするし、地下に住み着いてたりするし。
果:でも、芽依ちゃん達倒すのって、もっと大変そうだよ〜。
雅:あいつらを生命体として扱うな。


【社会問題啓発コント】
ト:Hyooo。全く、世の中という奴は理不尽だぜ。
雅:お前が怒っていても、共感どころかむしろ反感を覚えてしまうのは俺だけなのだろうか。
 まあ、それはそれとして何があったんだ?
ト:日焼け止めのCreamを買いに行ったんだが、『お客様にこちらの商品は
 必要無いと思われます』とか言いやがったんだぜ。
雅:ううむ。それは由々しき事態だな。人種差別はいかんぞ。人種差別は。
ト:『こちらは女性向けですので』だそうだ。俺の繊細な肌には合うと言うのに、
 話の分からん奴だったぜ。
雅:……この場合、どっちが悪いのか三日くらい真面目に考えさしてくれ。


【その後、何とか友達化】
ト:Huhoo。Boss、電話が掛かってきてたから出ておいたぜ。
雅:人の電話に出るなよ! んで、履歴は――知らない番号だな。誰だったんだ?
ト:良く分からんが、女の声で『今度一緒に食事しませんか』とか抜かしてやがったから、
 間に合ってると言っておいたぜ。
雅:やい貴様、人の貴重な出会いを――あー、今からでも電話すれば間に合うか?
ト:Haha。Bossには俺がついてるじゃないか。
雅:そこはかとなく誤解を招く発言はやめい。


【肉団子コンビ結成】
ト:Gahaha。サウナで全身を舐める様に凝視されちまったぜ。
雅:まあ、その身体は色々な意味で目立つわなぁ。
ト:Hoo。この重厚にして、未完成の魅力に取り付かれるのも分かるぜぇ。
 完成形と言うのは、それはそれで良いものだが、発展性が無いからな。
雅:言わんとすることは分かるが、お前らという人種に、分類があることに衝撃を受けてしまった訳だが。
ト:Fuhoo。Bossもこの世界の飛び込めは、その奥深さを理解できるぜ。
雅:心の底から遠慮して差し上げる。



サイトトップ  小説置場  絵画置場  雑記帳  掲示板  伝言板  落書広場  リンク