【これはこれで猫っぽい】 雅:猫ってのは縄張り意識の強い生き物らしい。 果:何の話〜? 雅:そこで今日は芽依にも縄張り意識が存在するかを 検証してみようと思う。 純:な、何だか、妙なことを始めるね。 雅:来たぞ。さあ、いつも座ってる席は既に俺が占有しているぞ。 一体、どうする。 芽:……。 果:あ、雅人君の膝に座った〜。 風:雅人は縄張りの内ってこと? 純:というか、眼中に無いんじゃないかな。 【本尊に祀られる側】 芽:日本は八百万の神に守られた国。 雅:お前は、どこぞの元首相か。 芽:八百万っていうのはたくさんって意味だけど、 その中には私みたいな精霊も居たと思う。 雅:あー。まあ、言ってみれば同じ精神生命体だからな。 あとは程度の問題で。 芽:崇め奉っても構わない。 雅:何か、巫女属性とか超越してるな。 【風花流人生分析】 風:人生ってオフサイドみたいなものだと思うのよ。 雅:脈絡も無しに、いきなりなんだ。 風:普段は足並みを揃えてるんだけど、ここ一番のチャンスを 逃さなかった人が成功者になれる。中には意地悪くトラップ しかけてる人もいるしね。 雅:ほー。まあ、言ってることは分からなくも無いんだが――。 風:ん? 雅:サッカーが分からん人には、何のこっちゃだぞ。 風:はら? 【それだけが全てじゃない】 芽:獣と人の違いについて論じようと思う。 風:ほへ? 芽:ある人は智で分けると言い、ある人は理で分けると言い、 ある人は手で分けると言った。 雅:つまりバカな奴とか、本能で生きてる奴とか、 不器用な奴は動物並だってことだな。 純:そ、それは流石に言い過ぎなんじゃ……。 ト:Hahaha。皆々様、一体、何の話をしているんだい? 雅:――ま、そう落ち込むな。 【気付かなかった】 芽:猫は死期を悟ると姿をくらます。 雅:あー、まあそういうものらしいな。飼ったこと 無いから実感は無いが。 芽:私は居なくなる時、何処かに姿を消した方が良い? 雅:つうか、精霊に肉体は無いから、黙って消えりゃ一緒だろ。 芽:……あー。 【それだけが目的】 芽:三食昼寝付きを満喫してみようと思う。 雅:表現が古いな――って言うか、現状がそのまんまじゃねえか。 芽:朝起きる。少しぼんやりしてから朝食。何をするでもなく時間は過ぎ、 お腹が空いたら昼食。満腹と共にまどろんで、そのまま昼寝。 夕方に目を覚まして、ちょっと散歩をして小腹が空いてきたら晩御飯の用意。 今日もこうして、何事も無く一日は終わる。 雅:完全に猫の生活だな、おい。 芽:或いは、堕落しきったお嫁さん。 雅:はぁ。 芽:私、雅人となら結婚しても良い。 雅:こっちが却下するわい。 【サラブレッドよりハイブリッド】 風:破魔の護符をネット販売しようかと思うんだけど。 雅:お前は、伝統とかそういうの、完全無視か。 風:そうは言うけどね〜。世の心霊現象って、たまたま住み着いた霊 とかが悪さしてるってケースが多いから、わざわざ私達が出向かなくても、 部屋の四方に貼っておくだけで解決出来るのがほとんどなのよ。 雅:虫除けスプレーか、蚊取り線香みたいだな、おい。 風:それでキャッチコピーは、『まずは二週間お試し下さい』。 雅:今度は化粧品かい! 【浅葱果凛のアダルトストーリー】 果:雅人君! 私、大人になったよ! 雅:あー、まあ先輩。ここは一応、全年齢対象だから 言葉は選べよ。 果:ふえ? 雅:つっても、先輩に限ってんなことは無いだろうけど。 んで、何があった? 果:あ、うん。見て見て〜。一本だけだけど、親知らずが 生えてきたんだよ〜。 雅:何つうか……微笑ましいなぁ、果凛先輩は。 果:ふに? 【これは汗】 芽:雀蜂の絶対的戦闘力に、西洋蜜蜂は成す術無く 蹴散らされる。 雅:まあな。俺もテレビで観たことあるが、あれはかなり 凄惨な光景だよな。兵どもが夢の後って感じで。 芽:ああいう風に、蹂躙する側に回りたい。 雅:だけど、現実には風花みたいなのに蹂躙される側なんだよなぁ。 芽:……泣いてなんかいない。 【何となく気に食わない】 芽:この前、風花がお婆さんの手をとって歩いてた。 雅:ほっほう。まあ、あいつも別に、悪人って訳じゃないしな。 芽:純也が、絡まれてた女の子を助けてた。 雅:中々、やるなぁ。 芽:どっちも良い話だから、没にする。 雅:って、待てい!? 【敵を作るのは得意】 芽:夏はやっぱり、扇風機。 雅:ちょっと待て、風使い。 芽:幾つもの風鈴に向けて使うのが、正しい楽しみ方。 雅:って、やかましいだけだろ! 芽:何だか、隣の犬に吠えられてる。 雅:そりゃ、なあ。 【エタノールより効く】 果:夏だね、雅人君〜。うう、汗でベトベトだよ〜。 雅:まあ、空調が効いてると言っても、長袖を着なきゃ ならんのは大変だよな。 果:こういう時はあれだよ! 雅:水泳部に頼んで、プールでも借りるか? 果:アセトンを脱脂綿に浸して、腕に塗るとヒヤッとするよね〜。 雅:肌荒れするからやめとけ、先輩。 【そういうんでは無いけど】 風:刀ってドイツ語で、das Schwert。中性名詞なんだよね。 ドイツ語って男性名詞、女性名詞があって、面白いよね。 雅:あー、そういえば、んなのがあるって聞いたことあるな。 風:でも、こんなに愛らしい揚羽が女の子じゃないなんて 信じられないわね〜。 雅:って、待てい。 芽:ちなみに、幽霊を意味する、das Gespenstも中性。 雅:!? 【パブロフの犬でも可】 芽:植物は例外を除いて、明るい方を向こうとする。 雅:ああ、光指向性って奴だろ? この前、先輩に教わった。 芽:精霊にも、似た性質がある。 雅:初耳だな、そりゃ。 芽:例えば、カフェテラスの前を通ると、ついつい チーズケーキが食べたくなって――。 雅:食欲に従順なだけじゃねえかよ。 【臨機応変主義者】 風:夏はやっぱり素麺よね〜。 芽:冷麦の方が好き。 雅:微妙なところに拘る奴は置いておくとして。 しかしお前ら良く食うな。十人前は茹でた筈だぞ。 芽:私、そんなに食べてない。 風:私もだけど。 ト:Haha、俺もだぜ。 雅:ってことは……。 果:は〜。美味しかったよ、雅人君〜。デザートは何にしようか〜。 雅:――ま、気にするのはよそう。 【とりあえず喧騒】 芽;高校の制服を着てみた。 雅:どういう心境の変化か問い詰めたいところだが、勘弁してやる。 雅:胸がブカブカ。 雅:そりゃ、なあ。 芽:でも、その分気兼ねなく暴れられる。 雅:お前は、学園に何を求めてやがる。 【教科書に載らない数学】 果:サイコロの目はいつ、誰が振っても一が出る確率は六分の一だよ〜。 もちろんズルとかしなければだけど〜。 雅:そう思うだろ。だが、世の中ってのは、そんなに単純じゃない。 おい、トミー。 ト:Hahaha、OK、Boss。ふんぬっ!! 雅:とまあこの様に、場の空気も読まず、サイコロを床で粉砕したりする 奴も居るんだな、これが。 果:とても勉強になったよ〜。 【物理と心理の狭間で】 芽:空気を読むのは私の専門。 雅:まあ、お前は今、別の意味で空気を読んでない訳だがな。 【それは只の独占欲】 風:愛って結局、何なんだと思う? 雅:いきなり壮大なテーマを振って来やがったな。 風:ん〜、壮大って言うか、良く分かんなくない? 自分の命を掛けても 守りたいって言うけど、本当にそんな感情になる? 雅:むー、詰まるところだな。揚羽を誰かが奪おうとした時、 必死になって守ろうとするお前の姿が愛ってことだ。 風:あ、成程。物凄く良く分かったかも。 雅:冗談に、マジな返答すんな。 【愛情表現?】 芽:愛を持って切り裂くの。 雅:お前が言うと洒落にならないから自粛しろ。 【保護者割引で宜しく】 芽:情報屋を始めた。 雅:お前は一体、何を考えて生きてるんだ。 芽:でも、姿を消せるし、学園という狭い空間が 職場だから、私向き。 雅:あー、まあ、そういう考え方も出来るか。 にしても一体、何を調べてるんだ? 芽:次回のテストとか、高く売れる。 雅:……少し教えてもらっていいか? 【レゾンデートル万歳】 芽:交錯する想いは誰の為だと問い質したい。 雅:どこのバラードからの引用だ、そりゃ。 芽:世界は、想いの糸が絡み合うことで構築されている。 雅:ほう。らしくないくらい詩的だな。 芽:それを、ズタズタに切り裂いていくのが私の役目。 雅:お前なぁ……。 【野生の血が騒ぐ】 芽:〜〜♪ 〜〜♪ 雅:ん? 珍しいな、鼻歌なんか唄って。何、聞いてるんだ? 芽:雅人も聴いてみる? 雅:ん。ほうほう。ふーむ。ん〜〜。って、何だよ、これ。 芽:野鳥のさえずりを集めたCD。 雅:それで、何故のれる? 【特技を活用】 芽:暑苦しい夏を快適に乗り切る方法。 雅:いや、と言うかむしろ、旬の季節じゃないのか? 芽:プールとか、日陰みたいに涼しい場所の空気を自分に当て続ける。 雅:ほう。地球に優しい、健康的な涼の取り方だな。 芽:原発の循環型冷却水を見て思いついた。 雅:随分物騒なところが出展だな、おい。 【持ちつ持たれつ】 芽:爪は切るより、研ぎたい主義。 雅:真性の猫か、お前は。 芽:でも、壁で研ぐなんて原始的な真似はしない。 雅:と言うか、されてたまるか。 芽:だからトミーの背中で研いでる。 ト:Guhoo。痛みに耐えるのも修行だぜ。 雅:――おいおい。 【最終回?】 芽:旅に出ようと思う。 雅:ちょっと待て、使役型精霊。 芽:自分の足で土地土地を巡り、そこの人々を見るのは勉強になる。 雅:あー、まあ、どうしてもしたいってんなら 俺に止める権利は無いんだけどな。 芽:目安としては、この街全域くらい。 雅:本気で焦ったのは内緒だ、この猫モドキめ。 【表向きは誤作動】 芽:電車にタダ乗りする裏技。姿を消して、 改札を通り抜けるだけで良い。 雅:本物の外道か、お前は。 雅:でも、ペットとかは課金されないんだから、 お金を取られる道理は無い。 雅:まあ、俺が損する訳じゃないから良いけどな。 雅:でもこの前、自動改札が反応した時は、少し驚いた。 雅:――!? 【最強の助っ人】 芽:野球が好きだったりする。 雅:あー、理屈っぽいお前には合ってる気もするな。 芽:詰め将棋みたいに理詰めで相手の裏をかいて 配球を考えるのって楽しい。 雅:心理を読み切って三振取るのは最高の快感だしな。 芽:それに、魔球だって投げられる。 雅:風使いは登板禁止でお願いします。 【体格もそう言えば】 風:ふう。夏の暑い時にこそ、熱いお茶を飲んで英気を養うのが 正しい日本人ってもんよね。 ト:Guhoo。この時期は裸で汗をダラダラかいても文句を 言われないから好きだぜ。 雅:――何だか、見てはいけないものを見て、温度が上がった気もするが、 黙殺しよう。ところで先輩、そこで何してる? 果:木造の家の日陰って、風通しが良くていいよね〜。 雅:座敷わらしみたいだな、おい。 【学園騒然】 芽:新必殺技を開発した。 雅:懐かしいネタの様な、そうでもないような。 芽:水を高圧で弾き出して、刃として扱う、『流麗な刃』。 雅:ウォーターカッターと同じ原理か。 芽:でも、試しに裏山で使ったら、威力がありすぎて、木が何本も倒れた。 雅:あのミステリーサークルはお前か。 【基本を外さない人】 果:私〜、これでも痩せる努力ってしてるんだよ〜。 学園まで毎日三十分歩いてるし、お風呂はぬるま湯に 長く浸かってるし、御飯は三膳までって決めてるし〜。 雅:先輩、とりあえず菓子頬張りながら主張するのはやめとけ。 【別の意味で女の敵】 芽:痩せたいって人の気持ちが分からない。 果:ほんの少しだけ、殺意が沸いたよ〜。 【人外の極地】 ト:Hoo。体脂肪率が−13%だぜ。 雅:お前、さりげに有り得ない肉体設定してやがったな。 【揚羽脳と命名】 風:人生は取捨選択の連続だと思うのよ。 雅:むー。十六歳とは思えない、実に大人びた発言だな。 風:だから、何かを成そうと思ったら、何事にも優先順位をつけて、 生きていく癖をつけるべきなのよ。 雅:言いたいことは分かるがな 風:ま、私の場合、揚羽が永世一位ってことで纏まってるけどね。 雅:お前の行き着くところは、結局そこか。 【役に立たない】 果:キャラメルって美味しいよ〜。口の中で甘さが溶けて 広がっていくこの食感、幸せだよ〜。 雅:貰いもんなんだが、そんなに喜ばれると メチャクチャ気分良いな。 芽:雅人、女たらしの素質ある。 雅:キャラメル如きで釣れるのは、先輩だけだから安心しろ。 |