邂逅輪廻



【マッスルは正義】
ト:Uhoo。今日も筋肉の艶が見事だぜ。
雅:はいはい、凄い、凄い。
ト:HAHA。Bossが俺を羨むのは分かるが、キャラが被るのは御免というものだぜ。
雅:その自信が何処から湧くのかに、むしろ興味が湧く俺が居る。


【突っ込んだら負け】
ト:ドラゴンマッスルッ!
雅:……。
ト:ブリザードマッスルッ!
雅:……。
ト:Mhoo。今日も筋肉達の調子は、中々と言えるぜ。
雅:これって、ツッコミ自粛耐久レースってことで良いんだよな?


【外見最強説】
ト:Oh! 愛せよ、筋肉っ!
雅:何だ、その訳分からん台詞は。
ト:Uoo。俺という存在を一発で分かって貰う為に、キャッチフレーズを開発中だぜ。
雅:むしろ、何も言わなくても、大体キャラが分かるのが恐ろしい話だよな。


【きっと気のせい】
ト:Hoo。マッスルは、地球を救う。
雅:さっぱり、意味が分からん。
ト:Noo。筋肉を付ければ、自然と薄着になり、冷房も節約出来る。
 クールビズの上を行くって寸法さ。
雅:むしろ、熱気が多くなって、若干、温暖化が促進されるのでは無いかと思ってしまった。


【放送コードに挑戦】
ト:どうも今晩は。マッスル上原です。
雅:何がしたいんだ、お前は。
ト:Foo。芸能人になる時は、この名で行こうと思うんだがどうだい?
雅:お前、今の名前が芸名みたいなものだろ。
ト:Boss、ゲイ名だなんて、まるで源氏名の様な物言いだな。
雅:お前は、先ず、アクセントに若干の問題がある訳で。


【たくさんある中で】
ト:Ghoo。名前は、良い物だぜ。
雅:良いとか悪いとかのものなのか?
ト:ボスには浪漫が足りないぜ。
 水着がアマルガムって名前だったら、物悲しいぜ。
雅:何故に、そのチョイスをしたのかが、分からない俺が居る。


【逃げ場所無し】
ト:Sooon。筋肉にはやはり赤身肉だぜ。
雅:頼むから、一人でこっそり食ってくれ。
ト:Guha。ベランダで七輪を使うと、致命的に煙が厳しいぜ。
雅:このまま、窓を閉めてシカトすると心に誓った。


【確実に別物】
芽:こうして、筋肉男の燻製が完成する。
ト:Gehoo。きゅ、救助を要請するぜ。
雅:良い機会だから、ランプの精みたいに、煙と消える技を開発してくれるとありがたい。
ト:Noo。愛が、重苦しいぜ。


【人材の無駄遣い】
ト:ハッスル、マッスル、プロテイン!
雅:まだキャッチフレーズを考えてたのか。
ト:Noo。今一つ纏まらないから、専門家に依頼しようかとも思う程だぜ。
雅:立派に頑張ってるコピーライターを、お前の趣味に付き合せるなって。


【仮設筋肉団】
ト:外連味無き筋肉とは即ちダンディズムなのだよ。
雅:長いだろ、どう考えても。
ト:Uroo。略して、ケレダンってことで勘弁してやるぜ。
雅:何となく、何の役にも立たない団体の略称みたいだな。


【何という毒舌】
ト:俺はどうも、前世はアメフラシだったらしいぜ。
雅:俺はてっきり、コクゾウムシだとばかり思っていた。
ト:あんな何処が頭かも分からない不思議生命体と一緒にされるのは、気分としては微妙だぜ。
雅:アメフラシの方は、それ以上に遺憾だろうから、特に問題は無いと思う。


【触りたくも無い】
ト:しかし、ヌルヌルした肉体というのは、若干の浪漫を感じるぜ。
雅:何を想定しているのかが、今一つ見えてこない訳で。
ト:Ohoo。悪人にどれだけ掴まれようと、拘束出来ない、無敵の肉体ってことさ。
雅:俺なら、間違いなく長距離からの射殺を選択する自信がある。


【ボケ始めたら止まれない】
ト:Noo。筋肉五勇星が疼きだすぜ。
雅:それは何なんだと、問わなくてはいけないんだろうな。
ト:この、背中に光る五つの星が、同類を感知するのさ。
雅:俺には、只のホクロにしか見えないんだが。
芽:やあやあ。お前こそは我が父の敵ぃ。
雅:お前も、ノリノリで付き合わなくて宜しい。


【ある意味超喜劇】
芽:その筋肉、見覚えがあるぞー。
雅:かつて、これ程までの棒読みがあっただろうか。
ト:Unooo。おいらの変装を見破るたぁ、貴様、新人類だな。
雅:そして、舞台設定をキチンと纏める努力くらいはしてくれ。


【何処で落とせと】
雅:しかし、良くこんな綺麗な五角形があるもんだな。
ト:Goof。これも全て、マッスル様のお導きだぜ。
芽:マッスル様について、詳しく。
ト:マッスル様は、筋肉繊維のみで構築された神様だぜ。
 その、太く脈打つ御神体は、日本各地、三千二百箇所に安置されていてだな――。
雅:とりあえず、無駄に広げるのはやめて欲しいと思う訳なんだ。


【とてもおざなりです】
ト:Woo。要はお前らも、筋肉を身に着けろということさ。
芽:大人の事情で、多分、無理。
雅:生憎、趣味じゃない。
ト:Groo。俺のことを理解してくれる漢は、一体、何処に居るというんだ。
雅:世界は広いと思うから、頑張れよー。


【人材不足感有り】
ト:マッスリングスライム。
雅:そろそろ、解説役が本気で欲しいよな。
ト:解説しよう! マッスリングスライムとは、筋肉に流動性を持たせ、
 一時的に爆発的なエネルギーを発することが出来るようになる必殺技のことである。
雅:一人二役、御苦労さん。


【交渉カード不足】
ト:Noo。本職のナレーターに依頼をしたら、何故か全て断られたんだぜ。
雅:大概の奴には、仕事を選ぶ権利があるのさ。
ト:Uroo。やはり、報酬にプロテインを選択したのが敗因だったか。
雅:一人くらい、それで快諾しそうな奴が居そうだけどな。


【先天的欠陥】
芽:アイアム、立候補。
雅:とりあえず、俺は何処から突っ込めば良いんだ。
芽:筋肉ひえらるひー。それは筋肉に依る、筋肉の為の階級制度ー。
雅:差し当たり、棒読みを修正してから出直してくれ。


【精霊不信任条約】
ト:いっそ、Bossがやってくれれば良いと思うんだ。
雅:ついに振りやがったな。
芽:さあさあ、ノリノリで。
雅:筋肉イグニッション……そう、それは筋肉の点火能力。
ト:Roo.何というか、普通だな。
芽:実に期待はずれで、がっかり。
雅:お前ら、無理矢理やらせておいてその言い草か。


【新種の文化人類学】
雅:ちょっと、これを読んでみてくれないか。
ト:Uoo。マッスル、だな。
雅:ちなみに、これは?
ト:ステロイドに決まってるじゃないか。
雅:こいつの脳は、筋肉と増強剤をそう読み解く、と。
芽:機構解明は、実に困難。


【四百字以内で】
芽:そもそも、ステロイドはシクロペンタヒドロフェナントレン誘導体の総称で、
 筋力増強は、投与した際の効用の一つに過ぎない。
ト:HAHA。ソウルネームって奴さ。細かいことは気にするな。
雅:弁解にすら、なってねぇ。
芽:いやはや。だったら仕方無い。
雅:お前は、何処でどう納得したのか、説明して貰おうか。


【比較情報論入門】
雅:アラビア数字の、8、を見てどう思う?
ト:Hoo。少し、下半身に無駄な脂が付き過ぎだな。シェイプアップした方が良いぜ。
雅:この発想は出来なかったな。
芽:私は、団子食べたい。
雅:これが普通の思考に聞こえてくる辺りが、全く以って恐ろしい。


【何やら悪寒が】
ト:という訳で、俺は今後もこの筋肉に磨きを掛けていくぜ。
雅:勝手に、締めへと向かうな。
ト:だったら俺は、この熱いたぎりを、Bossに向けても良いんだな?
雅:やっぱ、これで終わりが丁度良いな。




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