邂逅輪廻



【やっぱ見なきゃいいに収束する】
月:こうして、駄作アニメを見続けていると、
 さしもの私も何をしているのかと悩むことくらいある。
黄:見なきゃいいんだよぉ。
月:何を言う。こうして底辺をキチンとチェックすることで、
 そこそこの出来でも鑑賞に耐えうることが如何に素晴らしいか再認識できるのだ。
黄:その何気ない幸せを実感するには死線を越えないといけないみたいな理論、
 一見すると筋が通ってるようで、只の業界ズレなんだよぉ。


【意外と適当に作られた物も多いよ】
月:ドンドンと、面白いとは何かという根源的問いを繰り返し始めるからな。
黄:何の修行なんだよぉ。
月:最終的に悟りを開き、『どんなアニメでも一生懸命に作られたものだから』と、
 内容と全く関係ない擁護をするようになったら一人前だ。
黄:何か目に光を感じないというか、
 自分で言っていることを理解できていないのではと、老婆心が疼いてくるんだよぉ。


【マンガくらいササッと読めよ】
月:そうだ、次の論文は『下層アニメが寄与する経済効果は如何ばかりか』にしよう。
黄:テーマ候補が溜まるばかりで、ちゃんと書かれたものがあまりに少ないんだよぉ。
月:録画するだけ録画はするけど、中々崩さない現状と掛かっている訳だ。
黄:この、うまいこと言ってやったぜ感が腹立つんだよぉ。
月:積みゲー、積みマンガ、積みアニメで、もう一本書けると見た!


【プロとアマでは抱えてるものが違う】
月:まあ、何だかんだ言って、ほとんど書かないんですけどね。
黄:ネットで、名作書くなんて余裕って息巻いてる脳内小説家みたいなんだよぉ。
月:ああいう手合はああいう手合で、裾野を広げる価値があるではないか。
黄:あんた一応、学問で身を立てている立場で、
 月々のお給料も、ある意味、業界から出ているという自覚を持つべきなんだよぉ。


【生き残れる訳がないという自覚はある】
月:日本という国は、スポーツを文化として認めない空気がある。
黄:と言うより、非生産的な産業全般なんだよぉ。
月:教授は、教授は知的職業のトップだから批判されてないもん。
黄:個人的な意見としては大学が多過ぎて機能してない部分があるし、
 半分くらい潰せと思ってるけど、そうすると同時に失職だから悩ましいんだよぉ。


【農耕民族に一発逆転なんてものはない】
月:スポーツ選手を目指すなら、宝くじを買った方がいいとか言い出すくらいだからな。
黄:そりゃ、子供のモチベーションも上がらないんだよぉ。
月:諸外国の様に、ちょっと才能がある子を見付けたら徹底的に応援して、
 一発当てたら一族まとめて養ってもらうくらいのハングリーさは必要だと思う。
黄:それはそれで偏った海外観だけど、部分的には間違ってないのも事実なんだよぉ。


【一生分稼いだ人が言っても説得力はない】
月:つまりアレだな。日本人は、豊かになりすぎたんだ。
黄:アメリカは金持ってるけど、メチャクチャスポーツが盛んなんだよぉ。
月:全体が持ってるだけで、貧困層はとんでもなく多いからセーフ、セーフ。
黄:それはそれで、問題を感じるんだよぉ。
月:金の為じゃないとか言うけど、貰えるもんなら競技人口が増えるのは当然のことだ。


【体現する為に生まれた様な存在】
月:という訳で、スポーツ振興の為に、日本人を貧しくする計画を発動しよう。
黄:凄い本末転倒感があるんだよぉ。
月:不景気が続いてるとは言うけど、食う寝る少し遊ぶくらいなら何も困らない。
  人が生物である以上、これでやる気が出る訳がない。
黄:それを月読教授様が言うと物凄い説得力がある辺り、
 言葉とは、誰が発したかが重要であると再認識したんだよぉ。


【童心を忘れないという遠回しな罵倒】
月:人工知能作りたい。超作りたい。
黄:こいつ何言ってやがるんだよぉ。
月:非生命体のくせに自我を持ってるんだぜ。こんなにも愉快なことがあろうか。
黄:何でこう小学生みたいにテンション上がってるのか知らんけど、
 精神年齢がそんなものだし、致し方ないのかも知れないんだよぉ。


【美少年ロボで妥協してやってもいい】
月:意識とプログラムの境界線を探る上で、実に有用な手段だと考える次第です。
黄:流石は研究職、それっぽい御題目を並び立てるのは得意なんだよぉ。
月:それっぽいとはなんだ、それっぽいとは。
黄:で、本音はどこにあるんだよぉ。
月:二十一世紀になってこれだけ経つのに、
 美少女ロボの一体も出来てないのは実におかしいと思わぬかね。


【学業以外は交友関係が広い説】
黄:まあ、エロス抜きに科学は大して発展しないから、好きにすればいいんだよぉ。
月:よぉし、工学部のメル友に、意見を聞いてみちゃうかな。
黄:メル友って単語を、久々に聞いた気がするんだよぉ。
月:ちなみに知り合ったキッカケは、ネトゲのオフ会だ。
黄:何か前に同じような話を聞いた記憶があるけど、
 せめて同一人物であることを願っておこうと思うんだよぉ。


【天才って目端が利くバカのことだからね】
月:『それは俺にとっても悲願だ。
 どうやって予算を騙くらかすかが難しい』って返ってきた。
黄:バカの友達は、やっぱりバカなんだよぉ。
月:百年先を見据えられぬ無能役人のせいで、どれほどの才が無駄になったのであろうなぁ。
黄:文面だけ見れば歴史小説にでも出てきそうな言い回しだけど、
 中身はメイドロボの話なんだから困ったものなんだよぉ。


【自在に戻れるとしたらちょっと怖い】
月:かぐや姫って、どう思う?
黄:どういった意図の質問なんだよぉ。
月:いや、月からやってきた偉い人ってのはいいとして、
 どうやって赤ん坊になったのかとか、そもそも竹に入った方法とか謎が多過ぎて。
黄:気にする部分が細かすぎる感じがあるけれど、
 もしかしたら、赤ん坊の玉の肌に憧れを持つ年頃なのかも知れないんだよぉ。


【こっちの方が願い下げだという負け惜しみ】
月:ともあれ、五人の貴人をことごとくドギツイ振り方する場面は痛快だよな。
黄:そういう見方は、どうなんだよぉ。
月:顔がいいって噂だけでプロポーズしちまう様な男に、碌なのは居ない。
黄:このすさまじいまでの断言っぷり、
 容姿を理由に別の女に走られた過去すらあると、深読みしてしまうんだよぉ。


【姫というより女王様寄りに】
月:右大臣の阿部っちとか、メッチャウケるぜ。
  絶対に燃えない火鼠の皮衣を要求されて唐から輸入したのに、
 かぐや姫が焚き火に放り込んで『燃えるじゃん、ナメてんの?』って言われたとか。
黄:そういうプレイに見えてきたんだよぉ。
月:現代の防火服を持っていったら、どういうリアクションになるのかなぁ。
黄:金属色なのも銀狐ですと言えば押し切れる気もするけど、
 だからって課題クリアにしてくれるイメージは全く湧かないんだよぉ。


【リアルに千年の恋が一瞬で冷めそう】
月:月に帰る前に、帝が不死の薬渡されたけど、
 『かぐや姫おらんのに長生きしてもしゃーないやろ』って焼いたんだっけ。
黄:たしかに当時の帝は近畿地方在住だけど、なんだよぉ。
月:生きまくって、月に行けるくらい科学が進歩するのを待てば良かったのに、
 所詮、顔だけの女への執着なんてそんなもんだよな。
黄:そういうラストにすると、話の本質が全く変わると言うか、
 ラブロマンスの皮を被ったサイエンスホラーになる気がするんだよぉ。


【飯など旨いか不味いかだけで充分だ】
月:学食で素うどんを食べてたら、学生がコロッケとか分けてくれた。
黄:なんて情けない話なんだよぉ。
月:調理場に新人が入ったのか、カニクリームコロッケの味が変わったのな。
  しばらく食べてなかったけど、あれなら注文してみてもいい。
黄:これが純粋な感想なのか、現実逃避の類なのか、
 考察してやってもいいけど、果てしなく無益なんだよぉ。


【先天性か後天性かってことだね】
月:いや、そんなガッツリ食べたい気分でもなかっただけなのに、
 何でこんなことになったのか。
黄:五浪くらいしてて、就活にも苦戦してる大先輩に見えたのかも知れないんだよぉ。
月:まだまだ、ギリ学生で通るくらい若いってことだな。
黄:この無理にでも現実を見ないようにする姿勢、
 防衛本能なのか処世術なのかで、意味合いはちょっと変わる気がするんだよぉ。


【たまに生徒と早食い競争してる】
月:大学教授になって良かったと思えるのは、安くて美味しい飯屋が近くに多い点だな。
黄:なんてちっさい喜びの見付け方なんだよぉ。
月:胃腸は極めて健康だから、学生仕様の分量でも軽々食いきれるぞ!
黄:よっぽどストレスのない人生を歩んでいるんだなと、
 本人を知らなくても推察可能なのが、実に残念な話なんだよぉ。


【カロリーに怯えるようでは素人以下】
月:今後はこんなことがないように、学食ではフルコースを頼もうと思う。
黄:これは間違いなく、判断をミスってるんだよぉ。
月:まあ、カツ丼、ラーメン、定食くらいあれば、大丈夫だろうな。
黄:たしかに同情される心配は無くなるだろうけど、
 それは確実に近寄りがたいと評されてるだけなんだよぉ。


【まずは学者の定義を決める必要が】
月:人が生きながら神となるには、何が必要か。
黄:なんだ、いきなり学者みたいなことを言いやがって、なんだよぉ。
月:敢えてツッコみゃしないからな。
黄:ツッコミを入れようが入れまいが、
 そういう風に思われてる事実に変わりはないと、気付いて欲しいものなんだよぉ。


【まともなこと言われても反応しづらい】
月:日本神話やギリシャ神話を見れば分かる通り、神と人との境界線は実に曖昧だ。
黄:この違和感は、一体なんなんだよぉ。
月:ともあれ、神の定義を定める必要性があるな。
黄:まさかのそこから、なんだよぉ。
月:定義を設定するのは、学問に於ける基本中の基本だ!


【それも黄龍の主観ですよね】
月:私の考えだと、三人以上に崇められたら神扱いでいいと思うんだ。
黄:その数字の根拠はなんなんだよぉ。
月:一人の脳内にあるだけのものは、只の妄想。二人でも、共依存的な可能性がある。
  壁がでかいのは、三人目からかなぁと。
黄:定義とか抜かしやがったくせに、一般性の欠片もない主観だけの発言、
 これはまさしく、人文系学者そのものなんだよぉ。


【やっぱり三人ってのはハードル高いな】
月:まあ、これだと従業員を三人雇ってる会社の社長は、みんな神になってしまうんですけどね。
黄:社員が全員社長を信望してるとか、それこそ幻想なんだよぉ。
月:何を言う。黄龍だって、就活失敗したところを拾ってやった私を尊敬の眼差しで見てるだろ。
黄:どこをどうつついたらそういう見解になるのか知らないけど、
 それで満足できるなら、そういうことにしてやるのが大人の優しさなんだよぉ。


コント連載中



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