邂逅輪廻



【金券は誠意】
月:裏口入学の斡旋をしようと思う。
黄:そんな権限、あるとも思えないんだよぉ。
月:顔を隠し、名を隠し、裏口座を使って偽の問題用紙を流布させる。
黄:それは只の詐欺的行為で、裏口が一切、関係無い訳なんだよぉ。


【誇大報道は御家芸】
月:裏口というのも、難しい。
黄:普通に働けば良いんだよぉ。
月:皆、そういう美味しい汁があるからこそ、必死に教授になろうとする。
黄:極一部の悪党の為に、こういう偏見が生まれるというのも、
 世の病んでる部分なんだよぉ。


【自分ではちょっと】
月:トロピカール。
黄:またしても、就職情報誌が欲しくなってきたんだよぉ。
月:エロティカール。
黄:ポイントは発せられた単語では無いと、誰かツッコミを入れて欲しいんだよぉ。


【この教授ダメだ】
月:エロスは世のモチベーションの九割を支えていると、偉い人が言ってた。
黄:それは単に、エロい人なんだよぉ。
月:ハハハ。偉いと、エロいを掛けるなんて、黄龍も中々やる。
黄:頭が痛くて溜まらないから、今日のところは早退させて欲しい訳なんだよぉ。


【風が吹いたらヒュヒュラルラー】
月:嗚呼……愛用の湯呑み茶碗が割れて、仕事をする気が起きない。
黄:いつだって、やる気のゲージはゼロなんだよぉ。
月:この乙女チックハートを、黄龍に理解しろと言う方が無理だったか。
黄:どちらかと言うと、ハワイの国王様の方が合ってると思う訳なんだよぉ。


【皮肉が通じず】
黄:学会も無いのに、有休を使い果たすのはうちだけだと思うんだよぉ。
月:有休は、例えアルバイトであろうと認められる、労働者の権利。
黄:タイムカードや上司がない職場で、
 わざわざ有休を使うその神経が問題だと言っているんだよぉ。


【漫画家に類似】
月:学長選挙に出ようと思う。
黄:何をトチ狂ってるんだよぉ。
月:猿山のボスになろうとする人間の心理観察に、どうしても必要だから。
黄:この商売、こじつけさえすれば、何でも取材に出来る辺りが厄介なんだよぉ。


【そして採用される】
月:学部の予備選で、落とされた。
黄:至極、自然な流れなんだよぉ。
月:学生の人気なら一部に濃いのが居るのに、どうにも考慮されない。
黄:いっそのこと、そいつらを集めて、独立愚連隊としてでも働けば良いと思うんだよぉ。


【生協辺りで買え】
月:ヤバイ。マジヤバイって。
黄:具体的に喋るんだよぉ。
月:私が勉学に励んでる間に、缶ジュースの値段が百円じゃなくなってる。
黄:一体、何年前の話をしてるのか、問い詰めたい気分なんだよぉ。


【一度世間に揉まれろ】
月:煙草は吸わないけど、こちらも良い値段に。
黄:税金でガチガチなんだよぉ。
月:流石、ほぼ独占での販売が可能な業種の考えることは、一味違う。
黄:いっそのこと、潰れてしまった方がせいせいすると思うのは、
 非喫煙者の論理なんだよぉ。


【平成も馴染んだのに】
月:タクシーの料金も、随分と上がった。
黄:そういう時代なんだよぉ。
月:ああ、市内一律一円の、円タク時代が懐かしい。
黄:昭和一桁の話をされても、同意出来る人が殆ど居ないと思われるんだよぉ。


【英訳するとプライオリティ】
月:何よりも、給料が上がらないから、値上げが気に掛かる。
黄:独身教授は、割合、自由になるお金が多いはずなんだよぉ。
月:毎月の様に出る限定版を手に入れる為、生活費はいつだってカツカツ。
黄:確実に、出費の優先順位がおかしいとだけ言わせて貰うんだよぉ。


【小さく切り刻め】
月:金太郎飴の、存在意義を考える。
黄:何処まで暇なんだよぉ。
月:あれはきっと、副葬品の土偶を量産するのが面倒になった職人の暴挙だと思う。
黄:あんなものを埋めても、雨水で流れて、蟻が喜ぶだけなんだよぉ。


【何の為の墓だ】
月:大体、死んじまった後なら、墓に何を埋めても分からない。
黄:酷い居直りなんだよぉ。
月:まー、死後の世界で散々、嫌味を言われるかも知れないけど、それはそれで。
黄:王であろうと、死んだ後は同じ場所に行くと言うのも、何だか不思議な話なんだよぉ。


【極めて正論】
月:還元される前の、濃縮果汁が飲んでみたい。
黄:物凄いチャレンジャーが居るんだよぉ。
月:きっと、人類が今まで経験したことの無い、新しい味の世界があるに違いない。
黄:結局は、口の中で戻される訳で、若干、濃いだけだと思われるんだよぉ。


【性分だから仕方無い】
月:とあるルートを介して、手に入れた。
黄:こういうことは、労を惜しまないんだよぉ。
月:パクッ。
黄:どうなんだよぉ。
月:これは、まったりとしてコクがあり……ひたすらに、甘い。
黄:こんな分かりきった結論を、
 何故わざわざ実行してまで検証したのかが分からないんだよぉ。


【悪質クレーマー誕生】
月:久々に、怒り心頭。
黄:何があったと言うんだよぉ。
月:景品を貰う為、美味しくも無いパンを食べ続けてきたのに、品切れで断られた。
黄:そういうものなんだよぉ。
月:責任者を出せとゴネたら、裏でこっそり、限定品を取り寄せたのが更に逆鱗。
黄:結局、貰えるんなら良いんじゃないかと思うのは、絶対に気のせいじゃ無いんだよぉ。


【悪い子も真似するな】
月:始めから全力を出さない体質に怒りを感じている。
黄:下っ端の店員に、そこまで求めるんじゃないんだよぉ。
月:頭に来たから、今度は監視カメラの死角を研究して、シールを剥ぎ取ろうと思う。
黄:それは確実に窃盗で、懲戒免職ものの行為とだけ言っておくんだよぉ。


【誰にも止められない】
月:幸い、その筋の公僕とは面識がある。
黄:何という外道っぷりなんだよぉ。
月:昔、同じゼミで研究した仲間も、今や立派な警視長。
黄:かなりの大物なんだよぉ。
月:ナンパする為に私を出汁にした話をすると、何故か大抵の無理は聞いてくれる。
黄:そして、今、ここに脅迫罪まで追加された訳なんだよぉ。


【過程は派生する】
月:この手の景品は、手に入れたらそれで満足する不思議。
黄:だったら、騒ぎやがるなと言いたいんだよぉ。
月:大抵の学者は、結果より課程が大事であると言う。
黄:それとこれとは、一切、関係が無いと思われるんだよぉ。


【無益なアリジゴク対決】
月:雪女に、憧れる。
黄:また、アホなことを言い出したんだよぉ。
月:寒い冬にしか愛を育めないというのが、高ポイント。
黄:だったら、こっちは意地でも石狩鍋を食させることにするんだよぉ。
月:やれやれ。年齢がいってるのに一人身の方は、嫉妬が醜い。
黄:それはお互い様だと、敢えて触れさせて貰うんだよぉ。


【晴れて自由の身】
月:雪女は、太陽が嫌いなはず。
黄:そりゃまあ、そんな気もするんだよぉ。
月:何となく、友情を育める気がする。
黄:時たま、雪男辺りがこのダメ教授を攫ってくれないかと思ってしまうんだよぉ。


【生活苦でグレた】
月:マッチ売りの少女に、憧れる。
黄:あれは一応、悲劇なんだよぉ。
月:そんな彼女も、今では立派に成長し、
 火炎放射器売りになっていることは、意外と知られていない。
黄:それはもしや、死の商人に属するのでは無いかと思ってしまったんだよぉ。


【根性芸は必要】
月:最近は、煙草の火を、火炎放射器で付けるのがトレンド。
黄:コントみたいなんだよぉ。
月:頭がチリチリのパンチパーマになってしまう人が後を絶たず、
 政府は禁止する方向で動き出している。
黄:コントもそこまで身体を張れば、ある意味で、立派なのかも知れないんだよぉ。


コント連載中



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