邂逅輪廻



【ある意味修士より】
月:そう言えば、子供の頃、末は博士か大臣かと言われたもの。
黄:それはそれは、出世して何よりなんだよぉ。
月:今時、博士号を持っていても、下手をすれば、
 食べていくことすら怪しい現実をもっと知らしめるべきだと思う。
黄:たしかに、こういうタダ飯食いの教授を見ると、現実は本当に遣る瀬無いんだよぉ。


【瞬間的転落人生】
月:ついでに、大臣の方もロクでもないのばかり。
黄:具体的な名前は避けるんだよぉ。
月:やはり、来たる総選挙では大臣の椅子と引き換えに打って出るしかない。
黄:こんなのに、そんな好条件を出すような与党は、
 どっちみちすぐ野党に成り下がるんだよぉ。


【日々是やっつけ】
月:研究テーマが、思い付かない。
黄:普通、そういうのは常日頃から考えておくものなんだよぉ。
月:仕方無いから、先代の教授が半端で投げ出したものを焼き直そうと思う。
黄:最早、二十歳そこそこの学生と大差無い姿勢に思えてしょうがないんだよぉ。


【結果としての教授】
月:『男性の、制服に対する嗜好の傾向に関するレポート』なんてものが出てきた。
黄:先代も、ロクでもなかった模様なんだよぉ。
月:そう言えば、元々は只で色々な服を着れるということで研究室入りしたんだった。
黄:半ば人生に関わることを、そんな適当な理由で決めないで欲しいんだよぉ。


【秘技秒速十二連打】
月:ケータイは、思ったより面白くて困る。
黄:仕事をするんだよぉ。
月:見よ。この現役と見紛わんばかりの超入力を。
黄:相も変わらず、どーでもいいところばかりに力を入れてるんだよぉ。


【役立たずめが】
月:しかし、ふと思う。
黄:ようやく、目覚めたんだよぉ。
月:ケータイのボタンは、良く使う行ほど、磨耗が激しいのではなかろうか。
黄:だから、そういう本格的にどうでも良いことは捨て置いて欲しい訳なんだよぉ。


【永遠のダメ人間】
月:またしても、研究テーマが思い付かない。
黄:普通は、メインテーマを一本、主軸にして展開するものなんだよぉ。
月:残念ながら、アニメ史の変遷というのは、どうにも教授会での受けが悪い。
黄:ビジネスとプライベートの線引きが出来ない、酷い大人の現実を見てしまったんだよぉ。


【本音と建前か】
黄:誰もやりたがらない研究をすれば、突っ込み様が無いんだよぉ。
月:生憎、アニメ史は受けが悪いだけで、詳しい人は星の数ほど居る。
黄:この大学、最早、朽ち果てるのを待つだけの気がするんだよぉ。


【構造的に無理】
朱:ふ〜に〜。ふに〜ふに〜。
月:考えてみれば、大学教授は、常に若い子と接せる素敵商売。
黄:あれは、幼いと言うんだよぉ。
月:成程。世のジジィ共が色めきたってこの地位を狙う理由が分かった。
黄:たまにで良いから、人の話を聞きやがれ、なんだよぉ。


【いつもの光景】
月:でもまあ、接するだけなら准教授、講師でも同じこと。
黄:さも、大発見をしたかの様に言うのはよすんだよぉ。
月:むしろ、責任を殆ど負うことのない講師こそもてはやされるべき。
黄:どうにもこうにも、会話が一切、成り立たないのは辛いんだよぉ。


【イメージが先行】
月:お腹が空いたら、粟を食べたら良いじゃない。
黄:微妙に、リアルな話なんだよぉ。
月:実際問題として、米に混ぜれば、意外と美味だったりする。
黄:最近の若者はレッテルに弱いから、信じる訳が無いんだよぉ。


【黄龍助手の卓越なる操縦】
月:うぐっ。調子に乗って、食べ過ぎた。
黄:アホの子が居るんだよぉ。
月:これでは、午後の講義は無理だから、休講ということで。
黄:何の役に立たないものでも、日数がギリギリなんだから、とっとと準備するんだよぉ。


【予備校じゃあるまいし】
月:あーあー。マイクのテスト中。
黄:オリエンテーションくらい、まともにやるんだよぉ。
月:こんな大学にしか入れなかった諸君。世の中、結局、学歴が幅を利かせる現実が――。
黄:そして、初っ端から、無駄なジャブを噛ますんじゃないんだよぉ。


【傷口に唐辛子】
月:実情は、早い内に知っておいた方が良い。
黄:表現に問題があるんだよぉ。
月:まあ、出世なんて早々に諦めて、中流をエンジョイするのも選択肢だから。
黄:そしてそれも、一切、フォローになんてなってやしないんだよぉ。


【論理的な結論】
?:俺達、目が覚めました! あんな親身になってくれた先生は初めてです!
月:全て、計算通り。
黄:とても嘘臭いんだよぉ。
?:俺達、三年になったら、絶対に教授のゼミに入りますから、待ってて下さい!
黄:こんな教授の口車に乗せられる学生の意志が、二年も持つ訳が無いと思うんだよぉ。


【ライン的に微妙】
月:ちなみに、あの類の学生は、年々増えている。
黄:アホの子、増殖中なんだよぉ。
月:どうやら、私の話術に磨きが掛かって来た模様。
黄:その考え方が前向きなのか後ろ向きなのか、ちょっとばかり考えさせて欲しいんだよぉ。


【極一部ですってば】
月:ああ、ネトゲがやめられない。
黄:典型的廃人の構図なんだよぉ。
月:こういう時だけ、タイムカードや上司の無い、この職業を選んだ自分に感謝する。
黄:本当に、給金を出来高にしないと、こういうダメ教授が増え続けるんだよぉ。


【一月では足りない】
月:うおっ。プレイヤーキラーが現れた。
黄:何だか、酷いデジャブなんだよぉ。
月:ハハハ。プレイ時間が五桁にもなろうかという私のキャラに勝てるものか。
黄:不眠不休で、一体、どれ程の時間が掛かるのか、思わず計算しかけてしまったんだよぉ。


【本編が介在】
月:ところで、ネトゲの最終目標が見えてこない。
黄:末期の症状を呈してきたんだよぉ。
月:この筋のベテランの黄龍に、御教示をお願いしたい。
黄:何の脈絡も無く、いきなり人をベテランにしないで欲しいんだよぉ。


【終わり無きチキンラン】
黄:飽きたら、やめれば良いんだよぉ。
月:それだと、これまで掛けた時間を失うことになる。
黄:ギャンブルで突っ込んだ金を取り返す為、
 傷口を無為に広げる愚者を目の当たりにした気分なんだよぉ。


【引き止めは無しで】
月:教授という職業に、ふと疑問を持つ。
黄:情緒が不安定過ぎるんだよぉ。
月:もしや、私にはもっとふさわしい、天職があるのではないか、と。
黄:それはそれで、こっちのふんぎりも付いて嬉しい話ではあるんだよぉ。


【何だかんだ言って】
月:とりあえず、交通量を調べるバイトをしてみた。
黄:また、随分とピンポイントな仕事なんだよぉ。
月:排気ガスが、喉を直撃して、とても宜しくない。
黄:やっぱり、部屋に篭れる学者業が、向いてるのかも知れない訳なんだよぉ。


【即刻クビに】
月:でも、測定用のカチカチは楽しい。
黄:正しくは、数取器と言うんだよぉ。
月:調子に乗って、一割二割、多めに回してしまうというもの。
黄:とりあえず、絶望的に適正が無いとだけ忠告させて貰うんだよぉ。


【付き合うのも辛い】
月:寝て起きて、気付いた。
黄:戯言を聞く耳は持ってないんだよぉ。
月:やっぱり、教授は箔が違うし、美味しい御仕事。
黄:結局、分かりきった結論に落ち着くなら、
 最初から騒動なんて起こさないで欲しいんだよぉ。


コント連載中



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