邂逅輪廻



【数本で回せよ】
月:明日の天気を、確実に知る方法を模索したい。
黄:その手段を独占出来れば、物凄いお金持ちになれるんだよぉ。
月:学生の忘れ物をかっぱらい続けていたら、収集がつかなくなって困る。
黄:それは最早、天気予報以前の問題と言わざるを得ないんだよぉ。


【歩く構造欠陥】
月:こうなったら、貸傘業でも始めようかと思う。
黄:拾い物で、何をセコいことを考えてるんだよぉ。
月:だけど、具体的に幾ら取るより、恩を売った方が将来的に美味しい気もする。
黄:この打算がある限り、絶対に尊敬される教授には成り得ないんだよぉ。


【それが狙い】
月:たくさんのシリーズ物があって、どれが良いか分からない時に使える裏技。
黄:状況が、今一つ飲み込めないんだよぉ。
月:『やっぱ、無印は草分け的存在で別格だよ』。これ、最強。
黄:通に聞こえる様な、単に思考を放棄している様な、とても判断に困る言い回しなんだよぉ。


【その筋の者です】
月:軽薄に、最新作を述べるのは、マニアの間では自重すべき。
黄:別に、何を好きでも、それは勝手なんだよぉ。
月:そんな、大人の綺麗事が通じる相手じゃない。
黄:一体、何を相手にしているのかが、今一つ分からない話だったんだよぉ。


【朱雀研究普及委員会】
朱:ふに〜。
黄:……。
朱:ふにふに〜。
月:この、謎の生態を持つ学生は、研究の対象になるべき。
黄:何処と無く、デジャブの様なものを感じざるを得ない訳なんだよぉ。


【物凄い既視感】
朱:ふにっ。
月:耳を引っ張っても、ふにふに。
朱:ふ〜に〜。
月:髪を引っ張ってもふにふに。
黄:この光景、やっぱり、何処かで見た気がしてならない訳なんだよぉ。


【確実に関係無し】
朱:ラブレターは〜、恋文って言った方が風情が出ると思うんですよ〜。
月:その論文は、提出済み。
朱:でしたら〜、初恋の味が結局、何なのかについては――。
月:無論、抜かり無し。
朱:教授さんって〜、流石なんですね〜。
黄:これが噂の、教育再生の賜物かと思うと、頭が痛くて仕方無いんだよぉ。


【破壊から再生へ】
月:ついに時代が、私に追い付いたと言って欲しい。
黄:嫌な時代になったものなんだよぉ。
朱:良く分かりませんけど、良かったですね〜。
月:これからは、こんな感じの次世代機が量産される。
黄:この国は、確実に破滅の道を歩んでるとしか言えないんだよぉ。


【特に優等生辺りが】
月:レポートの採点なんて、面白くも何とも無い。
黄:仕事なんだから、とっとと終わらせるんだよぉ。
月:面倒だから、サイコロで評価を決めてしまえば良いと思う。
黄:その手法は、不平不満の説得に、むしろ余計な労力が掛かると見たんだよぉ。


【類友とはこのこと】
月:そもそも、学部生如きの文章に優劣を付けること自体がナンセンス。
黄:仕事に飽きて、理屈が増えるのは勘弁して欲しいものなんだよぉ。
月:なので、熱意を見ようと思う。
黄:どういうことなんだよぉ。
月:こう、レポートの端に、パラパラマンガを描いているものは高得点――。
黄:余りに前代未聞の査定法に、コメントのしようが無いんだよぉ。


【思案時間の無駄】
月:『ふに〜。ふにふに〜。ふに〜ふに〜』。
黄:ついに壊れたんだよぉ。
月:このレポートは、前衛的過ぎて、評点が難しい。
黄:さっくり不可にするか、とことんまでに追試を受けさせるかの、
 二択しか無いと思われるんだよぉ。


【とてもケセラセラ】
月:……そうだ。これを解読出来た生徒は、無条件で優を与えることにする。
黄:また、酷い成績の付け方を開発してるんだよぉ。
月:恐らく、本人にも出来ないから、何の問題も無い。
黄:まるで、解き方を考えない、知恵の輪工場の現実を見た気がするんだよぉ。


【本音がポロリと】
月:トロピカール。
黄:頭の悪い人が居るんだよぉ。
月:失礼な。この、偽りの学舎に於ける最高峰、教授に向かって何たる言い草。
黄:自分で、虚構とか言い出す時点で、色々と認めているということなんだよぉ。


【現実は厳しいよ】
月:まあ、この中に居ると、どうしても経済観念は薄くなる。
黄:うちの場合、民間との接触が少ないのも痛いんだよぉ。
月:特殊な層の民間なら、年中、顔を付き合せている訳だけど。
黄:あの手の出版物を発行するところを、世間は一般の民間とは認めてはくれないんだよぉ。


【瞬間的大暴落】
月:敢えて、今更、錬金術で研究費を稼ごうと思う。
黄:研究費の方が嵩むのは定説なんだよぉ。
月:むしろ、銭金じゃなく、黄金で利殖を得ている連中を恐怖に陥れることが目的。
黄:イタズラ心も、ここまで来れば、社会悪になる辺りが、業の深い話なんだよぉ。


【ガソリンのことかな】
月:そして、その暴落した瞬間に買い漁り、元に戻ったところを売り抜ける。
黄:何というインサイダーなんだよぉ。
月:外貨や、この手のモノに関しては、皆やってることだから大丈夫。
黄:赤信号、皆で渡ればを体現されても、反応に困る訳なんだよぉ。


【色々限界】
月:泥棒猫と政府の狗は、どっちが格上か議論しようと思う。
黄:今日も今日とて、時は無情に流れるんだよぉ。
朱:そこには〜、女狐と狸爺も含まれるべきだと思うんですよ〜。
月:成程、実に良い意見。
黄:そろそろ、就職情報誌を買ってこようと思わなくも無いんだよぉ。


【ここでは何歳だ】
月:まあまあ。思考することを放棄すれば、これほど温い職場も無い。
黄:どんな説得なんだよぉ。
月:この、中高年の再就職が大変な時代に、わざわざ辞めることも無い。
黄:そして、勝手に人を中高年に区分しないで欲しいんだよぉ。


【現実の悲しさ】
月:はぁ……生まれ変われるなら、医師になりたい。
黄:危険な妄想なんだよぉ。
月:こう、相手の命をこちらが握っている快感は、筆舌に尽くしがたいと思う。
黄:医師免許に、人格に関する項目が極めて乏しいのは、確実に大問題だと思うんだよぉ。


【正論ここに極まれり】
月:医師免許を、今から取得する裏技を探してみようと思う。
黄:多分、学部に入り直すしかないと思われるんだよぉ。
月:――受験資格の項目に目を通したら、飽きた。
黄:その程度の情熱で、軽々しく他人の人生を弄ぼうとしないで欲しいものなんだよぉ。


【この国終わった】
月:野球賭博は、何故違法なのか。
黄:賭け事は儲かるから、国家が独占したいだけなんだよぉ。
月:ならば、次の衆議院選に打って出るしかない。
黄:こんなのでも、一部に凄い支持層が居るから、当選しかねないのが問題なんだよぉ。


【最後は銭こ】
月:選挙には、物凄いお金が必要なことを知った。
黄:仮にも知識人なら、そんなことくらいは知っておくべきなんだよぉ。
月:しかし、なった後の旨味を考えると、先行投資とも言える。
黄:最早、何の為の立候補かが、さっぱり分からなくなってる辺りが実にらしいんだよぉ。


【絶対に無理そう】
月:私は、アニメゲーム関連商品に補助金を出し、現在の半額で買えることを公約します。
黄:無茶なことを言ってるんだよぉ。
月:公約なんて、半分も達成すれば大したものなのは常識。
黄:最初からやる気が無いのは、公約と言って良いのか、実に謎なんだよぉ。


【頭だけは良い】
月:次に解散する頃には飽きてるだろうから、耳障りの良いことだけ言っておけば良い。
黄:最低にも、程があるんだよぉ。
月:それでダメになった時も、『民度が低いからこうなった』って逆ギレするだけ。
黄:今更ながら、ここまで上に立つ資格が無い人も、そうは居ない辺りが空恐ろしいんだよぉ。


コント連載中



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