【一回りして王道】 白:何か、転校生が来るらしいね。 朱:ふに。それは楽しみですね〜。 月:やっほ〜。あたい、編入生の月読ってんだ。どうぞ、ヨ・ロ・シ・ク。 白:まあ、この展開は、推して知るべしだったよね。 【四半世紀前なら何とか】 月:ふぅ。掴みは完璧。 朱:完全に〜、滑ってましたよ〜。 月:中学一年生には、高等すぎるネタだったと反省。 白:年齢ってか、時代の問題だと思うけどね。 【微妙に巧い】 教:じゃあ、この問題を……月読。解いてみろ。 月:先生は最近、娘とのコミュニケーション不足が深刻。 ついでに、教頭先生との確執で、職場にも居場所が無くなりつつ――。 教:誰が先生の人生問題を説けと言った。 【目指すは策士】 朱:大人は大変ですね〜。 教:同情するな。本気で悲しくなる。 白:こういう時は、派手に遊んで気を紛らわすのが一番だよね。 教:巧いこと授業を終わらせようとしても、そうはいかないからな。 白:ちっ。 【とりあえず二千粒】 月:節分も近いし、豆を炒ろうと思う。 朱:ふに。これって、年齢の数だけ食べるんですよね〜。 白:ところで、どんだけ炒れば気が済むの? 月:いや、幾ら作っても、底が無い気がして。 朱:ふに〜? 【累計二万オーバー】 黄:何だか、悪寒が走ったんだよぉ。 青:如何致しましたか。 黄:どういう訳か、胃薬が必携の気がしてならないんだよぉ。 青:正直者が馬鹿を見るとも言いますがね。 【腹で膨れるのさ】 白:うぐっ。お、お腹だけじゃなくて、全身が苦しい……。 朱:な、なんでそんな、必死に食べ続けるんですか〜? 白:何が何でも、六百粒食べないと、福が来ない気がするのよ。 黄:このままだと、どっちにしても体調は崩すんだよぉ。 【神の胃袋降臨】 月:やっぱり、満腹時にやめて正解。 黄:食後に、軽く三百粒も食べれば充分なんだよぉ。 青:それはそれで、食べ過ぎだと思いますけどね。 【姉の縁者】 月:二月の行事と言えば、建国記念日。 朱:紀元前六百六十年に、神武天皇が即位したとされる日ですね〜。 月:何だか、無性に殺意が湧いて仕方無い。 朱:ふ、ふに〜? 【微妙なリアル志向】 白:へー、建国記念日って、そういう日だったんだ。 朱:知らなかったんですか〜? 白:別に、学校が休みになるなら、猫が生まれた日だろうが、 偉い人がおっちんだ日だろうが、何だって良いし。 黄:実に学生らしい反応だったんだよぉ。 【たまには妹らしく】 月:バレンタインも近いし、チョコレートを作ろうと思う。 朱:本命の男の子が居るんですか〜? 月:三年の、青龍さんなんて素敵。 朱:お、お兄様は、渡さないんです〜。 【天性の弄ばれ気質】 月:この際だから、黄龍さんでも可。 黄:良い感じで遊ばれてるんだよぉ。 月:お、お姉様はですね〜。 黄:そして、素直に信じるのも、どうかと思うんだよぉ。 【そこらの公立校なのに】 月:今日の学級討論は、『国民健康保険制度は維持できるのか』 についてやろうと思う。 教:いや……そのテーマは初心者には重過ぎやしないか? 月:壁は高ければ高いほど燃える奴で無いと、真の弁士になんてなれやしない。 教:いつからここは、政治家養成学校になったんだ。 【最後は乱闘騒ぎ】 朱:しょ、少子化問題や、未納問題は〜、 社会的問題も大きく、一次元的な判断が難しいと思います〜。 教:朱雀、無理しなくて良いぞー。 月:うーん。野次があると、俄然、盛り上がってくる。 教:お前は、一体、どんな議場を想定してるんだ。 【匙を投げました】 月:さて、次は、『教育改革には何が必要か』について。 教:あ〜。もう、好きにやってくれ。 白:私としては、週休四日制を確立してくれれば、言うことは無いんだけど。 月:同士、発見。 教:ダメダメコンビが結成した瞬間だな、こりゃ。 【ただ食べたいだけ】 朱:私は〜、給食に木の実や豆類を増やして欲しいです〜。 月:ふむふむ。栄養価の高い食事は、頭脳の活性にも役立つ。 朱:そ、そういう風に解釈されるとは思いませんでした〜。 【軽い中傷】 朱:今日も元気に、ふに〜、ふに〜。 教:朱雀、一体、何の真似だ? 朱:毎朝〜、連呼することで教室内の空気を活性化出来るんです〜。 教:俺はむしろ、おとぼけ菌が、大量繁殖する気がしてならないがな。 朱:ふ、ふに〜。 【責任問題なので】 月:ふに〜、ふに〜。 教:まさか、流行るとは思わなかったな。 白:御覧の通り、ふには、心も世界も救うのよ。 教:唯、布教活動は勘弁な。 【傷が疼くぜ】 朱:これより〜、二月二日を、ふに〜の日に認定します〜。 教:ちなみに、世間的には夫婦の日の方がメジャーだがな。 月:先生の夫婦関係は円満なのか、敢えて問いたい。 教:その話題を、無闇に蒸し返すなっ! 【あなたの隣にも】 白:そんなあなたに、ふに〜様の教えを説きましょう。 教:皆、許してくれ。俺は教職者なのに、宗教に堕ちようとしているぜ。 月:これは見事な、新興宗教の勧誘姿勢。 朱:実に勉強になりますね〜。 教:ふにふに〜……。 【ボケ潰し健在】 朱:ま、マラソンは苦手です〜。 月:三回息を吸って、一回、大きく吸い込むのがコツ。 朱:……ぷはっ。は、肺が破裂してしまいます〜。 月:まさか、実践するとは思わなかった。 【言い掛かりの極地】 黄:縄跳びは苦手なんだよぉ。 朱:わ、私もです〜。 青:……。 黄:苦悩する姉と妹の前で、黙々とハヤブサを繰り返すとは、 血も涙も無いとは、まさにこのことなんだよぉ。 青:一体、私にどうしろと言うんですか。 【全力で水を差す】 朱:垂直跳びは〜、何だか出来る気がするんですよ〜。 黄:根拠も無いのに、良くもそういうことが言えるんだよぉ。 朱:試験当日は〜、羽が生えたような跳躍をお見せ致します〜。 青:羽が生えていても、鶏などは、さして跳ぶことが出来ませんけどね。 朱:ふ、ふに〜。 【公式には無効だけど】 教:こら〜、白虎! お前は、何で垂直跳びで二階まで行くんだ!? 白:だって、壁があったら蹴飛ばして、上に行くのが正しい姿勢でしょ。 教:野良猫か、お前は!? 朱:じ、自信喪失に、歯止めが掛かりません〜。
|