邂逅輪廻



【代替案の提示は社会人の常識】
朱:思ったんですけど〜、五龍さんが眠りに就いた時、
 どうして虎さんをメンバーに加えようと思ったんですか〜?
青:どうして、と言われましても。
朱:だってネコ科って、他人の言うことなんて聞かないじゃないですか〜。
白:うにゃ?
黄:その件に関しては長年、ちょっと思ってなかった訳でもないけど、
 だったら自分で連れて来いって言われそうで封印していた部分ではあるんだよぉ。


【逆に読める奴は何処に居るんだ問題が】
青:霊格を重視した、としか言いようがありませんね。
朱:つまり、能力は高いけど人間性や持続力に問題がある、
 スポ根モノみたいな感じですかね〜?
黄:今日は、グイグイ来るんだよぉ。
白:空気が読めないって、強みでもあるし、弱みでもあるよね。
黄:それは素直な感想なのか、自虐的なギャグなのか、
 この際、そこんところはハッキリして然るべきだと思うんだよぉ。


【焼け死んだ坊主の世迷い言だものな】
白:うー、寒寒。やっぱこの季節は朱雀ヒーターとコタツが最強だよね。
朱:ふに〜。
黄:ここで、熱源たる朱雀は寒くないのかという問題が持ち上がるんだよぉ。
朱:心頭滅却すれば火もまた涼しですから〜。
白:この使い方、正しいの?
黄:根本的に間違っているようで、頭がおかしいという視点で見れば近しい気もして、
 感覚なんて所詮、個人差が大きいと思い知らされるんだよぉ。


【寒冷地仕様のモフモフさときたら】
朱:ところで〜、猫さんって元々アフリカ出身って聞いたんですけど、
 どうして寒いのが苦手なのに、北の方にも住んでるんですかね〜?
白:んー? 餌追ってたら帰れなくなって、
 しゃーないからそこに住み着いてる内に活動範囲広がったんじゃないの。
黄:やる気なく返答しているようで、多分正解な辺り、
 餅は餅屋というか、猫のことは猫に聞くのが一番ってよく分かるんだよぉ。


【無限錬成システムを搭載すればいい】
月:マニアとして、そろそろ近代兵器の神器化を考えるべきではなかろうか。
黄:伝説のマシンガンとか言われても、ありがたみは何故か微妙なんだよぉ。
月:射程距離が長いのか、ぶっ放される弾の数が多いのか、殺傷力が高いのか。
朱:それ、弾丸の方も神器化しないと意味が無いですよね〜。
月:一般的な発射数が一秒当たり数十発なことを考えると、
 作る方にしてみたら泣きたくなる話だな!


【敵軍にも向けたらどうなるか検証して欲しい】
月:神戦車とかどうだろう。でかくて速くて攻防力凄くて小回りも利く。
黄:その中学生が考えたみたいな性能はなんなんだよぉ。
朱:月読さんの精神年齢そのままですよね〜。
月:神話に出てくる武器なんて、大体、そんなもんだろ。
黄:たしかにグングニルとか必中能力持ちで投げた後も手元に戻ってきたり、
 穂先を向けた軍勢を必ず勝たせるなんて能力もあって、
 考えた奴がすげーハイテンションだったのは想像に難くないんだよぉ。


【喋らないにも色々あるんだな】
月:変身ヒロインの、マスコット的立ち位置に収まりたい。
黄:さて、この場合、我々に黙秘権があるか、検討してみたいんだよぉ。
朱:どんな状況でも、不利になる場合に喋らない権利は、
 有して然るべきなんじゃないですかね〜。
黄:つまり、月読に関わること自体、人生における不利益ということなんだよぉ。
月:我、思うことあれど、涙を堪え、黙して語らず。


【強制操作能力付きステッキを作ればいい】
黄:それで、なんでそんな絶妙に頭悪いこと言い出したんだよぉ。
月:いやー、変身ヒロイン自体は年中テンション上げてて大変そうだし、
 マスコットなら適当にサポートすればいいから楽かなぁって。
黄:本当に頭悪かったんだよぉ。
朱:でしたら、マスコットを使役する戦い方にすればいいじゃないですか〜。
月:それだ!
黄:ここで、ヒロインが変身する意味が無くなるよなと言ってしまうのは無粋なのか、
 今度はこっちを検討したい気分なんだよぉ。


【限りなく通常業務に近いと言える】
マ:毎日チマチマ小さな悪事を積み重ねるんと、
 どっかでドカンとでかいことやらかすんは、どっちが悪魔的なんやろなー。
黄:その質問に答えを求めるのが、そもそも悪魔の所業なんだよぉ。
朱:どっちもやらないっていう選択肢は無いんですか〜?
マ:嬢ちゃん、生きるっちゅうんは、善と悪の両方に絶えず触れるっちゅうことなんやで。
朱:た、たしかにそういったものかも知れませんね〜。
黄:まーた、それっぽいことを言って、小鳥を騙くらかす仕事を完遂してしまったんだよぉ。


【要するに深く考えたら負けってことだな】
マ:考えてみーや。ウチら悪魔は、絶対的な善である神さんに異端認定されとるんやで。
  何やっても悪いことになってまうんや。
黄:中々に、面白い解釈が飛び出したんだよぉ。
朱:雨の日に傘を差しても悪いんですかね〜?
マ:はねて周りの人が濡れる可能性があるんやから、相当のワルがすることやな。
黄:そこまでの曲解が有りなら、全ての行動を善にも悪にも割り振れる訳で、
 でもそれが案外、宗教や倫理の本質な気もしてきたんだよぉ。


【皆が思ってることだから問題はない】
マ:悪魔っちゅうんは、これで意外に、本気出してないんや。
黄:やる気出したらモノが違うしって言ってるニートみたいな発言があったんだよぉ。
朱:つ、月読さんの悪口はやめましょうよ〜。
マ:誰があのふてくされ娘のことやゆうたんやろなー。
朱:ふ、ふに!?
黄:まあ本音というやつは思わず漏れ出るものではあるし、
 悪魔に対して隙を見せた朱雀が悪いってことにしておくんだよぉ。


【乱獲に対する警鐘にすら思える】
マ:こないにしてな、誰かれ構わず心の声が聞こえるようにしてもええんやでー。
黄:この悪魔め、なんだよぉ。
朱:むしろ、どうしてやらないんですか〜?
マ:そないなことしたら、社会どころか、人間そのものが消滅してまうやん。
  ウチら、どうやって悪意を広げたらええねんな。
黄:目先のことしか考えられない人は種もみをそのまま食べると言うけれど、
 悪魔は悪魔で、長期的視野に立って悪魔であろうとしてるんだよぉ。


【掛け合わせると程よい感じに】
玄:現代物理学では、宇宙は完全なる無から生じたという説が最有力です。
黄:半端ないほど、スケールの大きな話を始めやがったんだよぉ。
玄:それに比べ、私達の人気はそれほどではないとはいえ、たしかに存在しているのです。
  肥大化させることへの困難など、たかが知れていると言っていいでしょう。
黄:そして転がし方が驚くくらいに小さい辺り、
 玄武は玄武なりに、バランスを取ろうとしているのかも知れないんだよぉ。


【常に余計なものしか搭載されない】
黄:宇宙の話を始めたら、こんなちっぽけな地球の中での信仰心がどうとかが、
 矮小すぎて語るほどのことでもなくなるんだよぉ。
玄:ですが生き物にとって、認識できる範囲が宇宙の全てという考え方もあります。
黄:無生物が、何か言い出したんだよぉ。
玄:その気になれば人類が生み出した情報網全てにアクセスすることも可能ですが、
 それでもこの星が私にとっての世界そのものなのです。
黄:さらっと恐ろしいことを口走りやがった気もするけど、
 玄武なら大した悪用は出来まいと、信頼という名の見て見ぬ振りをしておこうと思うんだよぉ。


【誰もがそんなに強い訳じゃないとでも言っておけ】
黄:ではここで、街頭アンケートの結果を発表しようと思うんだよぉ。
玄:何を調査したんですか?
黄:四神のリーダーは、誰かというものなんだよぉ。
玄:聞かないという選択肢はありですか。
黄:現実から目を背けていては、いつまで経っても現実は覆せないと言いたいけれど、
 その生き方を選ぶこと自体は自由なんだよぉ。


【亀が持つイメージの抜本改革は難しすぎる】
黄:一番多かったのは青龍で、割と僅差で白虎、朱雀と続くんだよぉ。
玄:あのー、玄武は?
黄:まあ、お察しというやつなんだよぉ。
玄:本当のリーダーである青龍さんはともかくとして、
 何故白虎さんや朱雀さんにも結構な票が入るのでしょうか。
黄:言葉にしてしまうと華という一語で終わってしまうだけに、
 逆に根が深すぎて、対処法が思い付かない問題ではあるんだよぉ。


【黄龍の食事で割と満足してるもの】
白:昔の宮廷料理と、現代の高級料理って、どっちが美味しいの?
則:ほむ。
黄:何食っても、旨いか不味いかしか言わないのに聞いても、
 参考になるかは怪しいものなんだよぉ。
則:味覚など、その時の体調ですら随分と変わると言うのに、
 それ以上に細かい話をするなど、アホウのすることじゃての。
白:こんなのに贅を凝らした最高級品を供給し続けたのって、
 さりげに無駄だったんじゃないかなぁ。


【もうそろそろ武則天は諦めるべき】
黄:大体、いくらか予算に差があっても、
 食材の選択肢や技術の進歩を考えれば、昔のが勝てる気しないんだよぉ。
白:南からライチを運ばせて食べてたのも居たけど、今じゃ温室栽培で済むもんね。
則:妾の前であやつの話をするとは、いい度胸をしておるの。
黄:何か楊貴妃の話題が出るのがすごい久々な気もするけど、
 相変わらず、中国史で一番の知名度を持つ女性であることに、安心感すら覚えるんだよぉ。


【業界の人材不足は深刻】
白:皇帝ってさ、ボケた時、誰かツッコんでくれるものなの?
則:甘くみるでない。専門の担当官がおるわいな。
黄:ツッコミが公務とか、惰性でキレがなくなりそうなんだよぉ。
白:プロの芸人でも、年取ってくるとパターン化してくるしね。
則:たしかに、そなたの口上もここのところ慢性気味じゃの。
黄:何でツッコむのが人生における義務みたいに言われているのか、
 少しは自分達で賄うことを検討しやがれなんだよぉ。


【大事なのは退屈を感じさせないことという考え方】
白:じゃさ、一番面白いってか、居なくてもいいくらいの担当官ってどんなのだった?
則:妾の肘置きが動いた時、元に戻す役目を与えた者はおったかの。
白:そこまで行くと、閑職を通り越して軽い拷問だよねー。
黄:こいつら、案外仲がいいんだよぉ。
則:虎を従えるということは、よい箔になるじゃろ。
白:こんな面白い人間、そうは転がってないよ。
黄:これを本当に仲良しと呼んでいいのかは多少の疑問が残るけど、
 意外と友情なんてのは、こんなものなのかも知れないんだよぉ。


【思えば遠くに来すぎだと思う】
朱:黄龍さんって〜、正確な年齢が分からないんでしたっけ〜?
月:その、全力で地雷を踏みに行く姿勢、嫌いじゃない。
黄:西暦とか無かった時代の生まれなのに、
 季節が何回巡ったとか憶えてるわきゃないんだよぉ。
月:そりゃま、そうか。
朱:一万って、三十歳くらいの人が生きた日数ですもんね〜。
黄:そういう風に考えると割と本気で怖いから、
 思考しないという選択は、あって然るべきなんだよぉ。


【宇宙が何周しようと生まれる気がしない】
朱:誕生日のロウソクはどうしたらいいんですかね〜。
黄:そもそも、物心つくまでにラグがあったから、生まれた季節すら分からないんだよぉ。
月:記憶喪失でも無いのに謎に包まれた女。流行りそうで流行らんな。
黄:そのジャンルで言うと、朱雀がもはや崇拝の領域だから、勝てっこないんだよぉ。
月:そりゃま、そうだな。
朱:ふに?


【白虎まで呼び寄せる気で満々か】
朱:この業界って、神聖なのと俗っぽいの、どっちが受けるんですかね〜?
黄:神聖系の代表格がキリスト教辺りで、俗がギリシャ神話や日本神話なんだよぉ。
メ:ん?
天:呼びました?
朱:こうして見ると、どっちも大差ない感じですけど〜。
黄:まあ神話や聖典の類は人間の都合で脚色されてる訳で、
 こっちサイドの住人の本質は大して変わらないと、猫が考えても分かることなんだよぉ。


【一人が考えてるならマンネリにもなるわ】
天:私の、何処が俗っぽいと言うのでしょうか。
黄:妹や弟とのケンカを大々的に記されておきながら、
 逆に何処が俗じゃないと言い張る気なんだよぉ。
メ:それを言い出したら、天使長ミカエルと堕天使の長ルシフェルも双子だし、
 うちも大概な感じはあるかも。
黄:この業界、意外と話のバリエーションが乏しいと言うか、
 誰かに作られた世界なんじゃないかって気になってきたんだよぉ。


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