【極楽か地獄かは人に依る】 猫:まーお。 猫:うまーお。 猫:うるにゃーご。 猫:なーなー。 猫:ふみゃーふっふ。 黄:なんでうちの縁側に、これだけ大量の猫が大集結してるのか、 誰か猫言語以外で解説して欲しいんだよぉ。 【太っただけじゃないかという説もある】 朱:どうやら〜、猫の白虎がこの近辺のボスになったらしくて、 そのお祝いで集まったみたいですね〜。 猫:まーお。 黄:そう言われてみれば、風格が増した気がするんだよぉ。 猫:にゃふにゃふ。 黄:名義上の飼い主である朱雀は親の七光りで四神職に就いているというのに、 こっちは実力でのし上がってるんだから、どっちが偉いかは一目瞭然なんだよぉ。 【こいつも猫好きだったのか】 メ:私の場所……。 黄:はいはい、主張はとりあえず受理しておくんだよぉ。 朱:処理する気が全く無い物言いですね〜。 猫:うなーご。 メ:でもまあ、これはこれで素晴らしい景観だから、許そうと思う。 黄:一応言っておくけど、猫の海にダイブするなんてことを考えたら、 こいつら一斉に襲ってきて、ズタズタに引っ掻かれるんだよぉ。 【驚くことに史実らしいんだ】 メ:猫相手に反撃できないことを知っていながら、何と卑怯な。 黄:なんでこう、猫が絡むとアホになる奴が多いんだよぉ。 朱:猫さんには、異様な魔力がありますからね〜。 猫:うな。 黄:そういや昔のエジプト軍が猫を盾にされて戦意を挫かれたことがあるらしいし、 このアホっぷりも、案外、伝統のことなのかも知れないんだよぉ。 【暴食の悪魔ベルゼブブが湧くぞ】 猫:なーお。 猫:うなうなーお。 猫:にゃんふにゃ。 黄:なんでこいつら、カエルやら小鳥やらを集めてるんだよぉ。 朱:貢物みたいですね〜。 黄:権力者とは大体、甘い汁を吸えるものだけど、 だからこいつ太ったんじゃないかと言われると、誰も否定出来ないと思うんだよぉ。 【むしろ不快感が増すよな】 メ:かつては裕福な者しか太れなかったのに、 現代先進国では低所得者層が太る不思議。 黄:砂糖の大量生産と、油脂加工技術の革新が悪いんだよぉ。 朱:糖分と油分は、脳が快感を感じるらしいですね〜。 黄:唯、ノンカロリー甘味料とかいう、甘いのにエネルギーにならないものを口にして、 脳が大混乱するのとどっちがマシかと言われると、悩ましくはあるんだよぉ。 【優しい嘘に類似するもの】 猫:うみゃーお。 朱:『タンパク質で太らないだなんて、所詮は下賎な雑魚よ』って言ってます〜。 黄:なんだこの上から目線、なんだよぉ。 メ:猫って、そんなにボキャブラリーあったの? 朱:意訳ですよ〜。 黄:世間はそれを捏造と呼ぶ気もするけど、この場合は誰も困らないし、 黙認していこうかと思うんだよぉ。 【禁断の催眠術の出番だな】 猫:はむはむ、むちゃむちゃ。 黄:少し、健康の為にダイエットさせた方がいい気がするんだよぉ。 朱:具体的に、どうしたらいいんですか〜? 黄:そのままズバリ、量の割にカロリーが低いダイエットフードが売ってるんだよぉ。 猫:うるなーご。 朱:『ケッ、そんなボクサーみたいな禁欲生活してられっかよ』だそうです〜。 黄:ペットと言葉が通じるというのは素晴らしいことのようでいて、 こういう時、凄く難儀なものなんだよぉ。 【朱雀の家計が火の車】 黄:拾った時はケサランパサランみたいな生き物だったくせに、 よくぞここまで育ったものなんだよぉ。 猫:なーんお。 朱:『健康だからな』だそうです〜。 黄:一般的に恐竜は死ぬまで大きくなり続けると言われているけど、 よもやこやつもその類ではなかろうかと、心配になってきたんだよぉ。 【童話でいう幸福の王子的な】 メ:逆説的に言うと、健康なケサランパサランは白猫に化ける可能性があるのかも。 黄:幸運の妖精みたいな存在も身体に気を遣わないといけないとは、 世知辛い世の中にも程があるというものなんだよぉ。 朱:ケサランパサランさんは、 自身の健康を代償に周りの皆を幸せにしてる可能性はありませんかね〜? 黄:その理屈だと、このドラ猫は全く職務を果たしてないことになるんだよぉ。 猫:うまーお。 【近所のボスじゃなかったのか】 猫:なーごなーご。 猫:うにゃーんご。 黄:配下の猫達が、マッサージを始めたんだよぉ。 メ:猫がこうも統率力を発揮するのは、珍しいことの気がする。 猫:なーなー。 朱:『全然ツボに入ってねーぞ、ド田舎に飛ばされてーのか』だそうです〜。 黄:猫の世界にもパワハラというものがあるとは、 やっぱり世の中、世知辛すぎるんだよぉ。 【ティルナノーグとか言い出しかねない勢い】 猫:くふぅ……。 朱:あまりの気持ちよさに、寝入りましたね〜。 黄:このまま箱詰めにして、お帰り願いたいんだよぉ。 メ:猫は何度でも舞い戻る。何故ならこの縁側は、エルドラドだから。 黄:何で天使のメタトロンがエデンの別称であるパラダイスじゃなくて、 南米の黄金郷であるエルドラドとか言い出すのか、 そっちの方が気になってきたんだよぉ。 【座猫って香箱座りのことだろうか】 メ:猫も、天使みたいに九段階の階級制にしよう。 猫:うなー。 黄:具体的に、どうするんだよぉ。 メ:天使部分を猫に差し替えて、 下から、猫、大猫、権猫、能猫、力猫、主猫、座猫、智猫、熾猫みたいな? 黄:こうして見ると天使の階級って奴は天使だからサマになることが、 完全無欠に証明されてしまった訳なんだよぉ。 【大天使も案外そんな理由かもね】 朱:大猫って、只の図体が大きい猫さんじゃないですかね〜? 黄:まさにこいつなんだよぉ。 猫:なごなご。 黄:喉を鳴らして喜びやがってるんだよぉ。 メ:世間では大天使が人気な様に、大猫もそうなるのかなぁ。 黄:人気がどうこう以前に、どういった猫なのか分かるのが大猫くらいしか無いのが、 このカテゴリ分け最大の問題ではなかろうか、なんだよぉ。 【カラスの学者級はマジヤバそう】 メ:智猫という割に、知性の度合いが大したことなさそうなのは何故だろう。 黄:所詮は、猫の賢さってことなんだよぉ。 朱:猫さんにも、学者クラスの頭脳の持ち主は居るんじゃないですか〜? 猫:うなっふっふ。 黄:だとしてもこれがそうじゃないことは確定してるんだから、 割とどうでもいいというのが偽らざる本音なんだよぉ。 【ちなみに勢いが凄いことらしい】 朱:熾天使の熾ってなんなんですかね〜。 メ:さぁ? 黄:おい、熾天使様、なんだよぉ。 メ:漢字圏でない者に無茶振りするなら、 これからは古代ヘブライ語で会話してやろうかと思う。 黄:一人ぼっちに耐えられない性格のくせに、 やれるもんならやってみろとだけ言い返してやるんだよぉ。 【臨戦態勢に入った】 猫:まおーん。 黄:何かいきなり、雄叫びをあげたんだよぉ。 朱:『さぁ、カーニバルの始まりだ。思う存分、狩りまくるがよい』だそうです〜。 黄:なんだそりゃ、なんだよぉ。 メ:ところで、猫達がこっちを向いてお尻をフリフリとしてるんだけど、大丈夫? 【戦闘力が子猫並だからしょうがない】 猫:うなー。 猫:はぷはぷ。 猫:ぐるにゃーご。 黄:なんでこいつら、一斉に襲ってきたんだよぉ。 メ:まあ、私達に猫の牙なんて食い込まないからいいんだけど。 朱:は、羽を毟るのと、髪の毛をグシャグシャにするのはやめてください〜。 黄:約一名、多大なダメージを受けてるのが居るけど、 飼い主としての責任だと思って諦めてもらおうと思うんだよぉ。 【質素倹約こそ美徳じゃなかったのか】 猫:まーご。 朱:『適度に闘争本能を解放してやるのも、上に立つ者の責務だ』だそうです〜。 黄:ボロボロになりながら、よく通訳したんだよぉ。 メ:たしかに、本能を抑えつけるだけだと、歪んだ方向に発露するかも。 黄:それを仮にも天使が言っていいものかについては、 色々な方面に査問してもらうべきなのではなかろうか、なんだよぉ。 【龍族超強欲説到来】 猫:なおー。 朱:『まあ俺様程ともなると、その本能なんぞ精神力で霧散できるがな』だそうです〜。 黄:その分が食欲に回ってえらいことになってるのではなかろうか、なんだよぉ。 メ:やっぱり、適当に発散させるべきなのかも。 黄:結局、生き物が持つ欲の総量なんて誰も大体一緒で、 それがゼロになった時が死ということなのではなかろうか、なんだよぉ。 【猫屋敷の更に上か】 猫:なーご。 猫:うるにゃー。 猫:なんなん。 猫:ふぉーみゃ。 メ:何か、更に猫達が集まってきたんだけど。 猫:なーお。 朱:『もしやさっきのが総勢だと思ったのか。ナメられたもんだな』だそうです〜。 黄:軒下を貸して母屋を取られるとはよく言うけれど、 その内、我が家は猫が本体になってしまうのではなかろうか、なんだよぉ。 【本当の人望はピンチで分かる】 猫:はみゃーお。 黄:猫の集会というのは聞いたことがあるけど、これは最早、猫の国際会議なんだよぉ。 朱:庭先がほとんど埋まってしまってるんですけど〜。 猫:うみゃー。 黄:ここでこの白いドラ猫を猫達の中に放り込んで、 受け止めてくれるのかどうか、ちょっと試してみたいんだよぉ。 【バカも極めれば天才的な話】 朱:猫絨毯って、幸せですよね〜。 メ:全くもって、その通り。 黄:こいつら、重力を限りなくゼロに相殺して、 猫に体重を掛けずに毛皮の感触だけを楽しんでるんだよぉ。 朱:ふに〜。 メ:なーなー。 黄:朱雀やメタトロンの浮遊能力にこの様な使い道があったとは、 猫好きの発想力侮りがたし、なんだよぉ。 【猫組体操という新ジャンル】 猫:うるなー。 朱:ふ、ふに!? 黄:おぉ、猫達が朱雀をキャットタワー的な何かと思い、次々と飛び掛かっているんだよぉ。 メ:なぜ猫はああも高いところが好きなのか、永遠の謎ではある。 黄:そしていつの間にか猫マットから逃げ出してるこいつは、 これで中々、見くびってはいけないのかも知れないんだよぉ。
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