邂逅輪廻



【友情が厚いのか薄いのか】
月:ほら、私はいわゆるところのウザカワ系じゃん。
黄:自分で言うこっちゃないんだよぉ。
朱:ちょっと保険を掛けてる感じですよね〜。
黄:一応言っておくけど、ここに『そんなことないよ』とか言ってあげる、
 お優しい輩は居ないんだよぉ。
月:ああ、分かっちゃいるさ!


【出自からして胡散臭い】
朱:どうやったら、月読さんくらい胡散臭くなれるんですかね〜?
月:まるで私が、狙って胡散臭いかのようだな。
黄:この領域になると、意識してどうこうなる話じゃないんだよぉ。
朱:つまり月読さんは、胡散臭さの天才なんですね〜。
月:もしも人生のステータスを振り直せるのなら、
 少しくらいは見栄えのするジャンルの天才でありたい所存です。


【どっちみちダメじゃなかろうか】
月:思うんだが、猫を好きな奴にロクなのは居ないよな。
黄:何だその偏見、なんだよぉ。
月:どんな悪戯をされようと、顔の可愛さと目力だけで許すような連中だぞ。
黄:そう言われるとそんな気もしてきたけど、
 それはどちらかと言うと親目線の甘やかしの感はあるんだよぉ。


【相変わらずどっちが主人なんだか】
白:うにゃ?
黄:これが悪さした時、あんまし見逃した記憶が無いんだよぉ。
月:猫飼いの素質が無いんだな。
朱:わ、私の羽は、爪研ぎ代わりに毟るものじゃないんですよ〜。
猫:まーお。
月:たしなめてるようで、あの嬉しそうな顔、あれこそが真の猫飼いだ!


【でも治そうという発想は出ない】
朱:大人になるって、どういうことなんですかね〜?
黄:苦々しい記憶が思い出に変わったなら、青年期も終わりなんだよぉ。
月:今尚、昔のことをネチネチ言う私は、まだまだ若いな!
黄:それは世間的に女々しいと表現されるんだよぉ。
月:自分でも、少しぐらいの自覚が無い訳じゃない。


【親如きに影響される子供は軟弱者理論】
白:とりあえず、子供が居るからって、必ずしも大人じゃないっていうのは、
 お父さんとお母さん見てもらえれば分かると思うけど。
月:ああ、うちの父さんでも可。つーか須佐之男も。
亜:ん? 何の話?
黄:よくよく考えたら、そもそも親らしい親が居ないという、
 軽く絶望的な環境の気がしてきたんだよぉ。


【まるで精神は成長してるみたいな物言い】
朱:そんなことはありませんよ〜。私のお母さんは立派な方です〜。
月:生まれた瞬間に転生して育児をしないのに立派と言えるのだろうか。
黄:幼い容姿で庇護欲を煽って、周りに育てさせる作戦なのかも知れないんだよぉ。
月:要するに、カッコウみたいなものか。
黄:鳥類は中々、えげつない生存戦略を展開するんだよぉ。
朱:わ、私の見た目が子供のまま成長しないのには、そんな理由があったんですか〜。


【先達が少ないというのも大変だ】
白:んで、こういう子供みたいなことばっかり言ってて、
 誰も大人になりきれてないってオチだね。
黄:アハハと、笑い飛ばしてやろうと思うんだよぉ。
朱:長生きしてるからって大人という訳じゃないと理解しました〜。
黄:死ぬ直前にどれだけ後悔を少なくできるかが大人の生き様と聞いたことがあるけど、
 寿命が無限の場合、どうしたらいいのか、誰か教えて欲しいんだよぉ。


【深夜のテンションで観るなら面白そう】
月:今日は、恐ろしくも悲しい桃三郎の話をしようと思う。
朱:桃太郎さんは有名ですけどね〜。
月:そもそも、人の世で争いが尽きるはずがない。
  第二次鬼ヶ島戦役で生き残った鬼達は桃太郎への復讐を誓い、
 鬼ヶ島改で雌伏の時を過ごした。
黄:この、三流映画並のしょうもない設定に、
 ちょっとワクワクしてる自分が嫌なんだよぉ。


【岡山県民に怒られるぞ】
月:不可解に思ったことは無いだろうか。
  桃太郎が入っていた桃が一つ限りだったことに。
黄:そう言われても困るんだよぉ。
月:ここで言う桃とは、かつて鬼を虐殺した伝説の戦士を、
 クローン技術で培養したガラス管を暗喩したものだとすれば、辻褄は合う。
黄:早くもツッコむの疲れてきたし、とりあえず最後まで喋らせようと思うんだよぉ。


【一人での戦闘には限界があるからな】
月:第二次鬼ヶ島戦役から十数年後、鬼は逆襲の狼煙を上げた。
  桃太郎は鬼ヶ島で受けた怪我が悪化していて、戦士としてはゴミ同然だった。
朱:戦いは、傷跡しか残さないんですね〜。
黄:別に、うまいこと言えてる訳でもないんだよぉ。
月:クローン二号たる桃次郎に期待が掛けられたが、すぐさま消息を絶った。
  彼には、動物を手懐けるだけのコミュニケーション能力が無かったのだ。
黄:さて、ここからどうやって桃三郎で話を転がすのか、
 ダメな方の意味で先が気になってきたんだよぉ。


【桃三郎まで到達してないじゃないか】
月:ここからの物語は、君達が描いて欲しい。
黄:最低の投げっ放しが来たんだよぉ。
朱:作家としては、敗北宣言と同じですよね〜。
月:だが貴様ら忘れるなよ。
  物語なんぞ、こうやって作品背景を煽ってる間が一番面白いのだ。
黄:何で逆ギレされたのかは分からないけど、
 そういう面もある辺り、業の深い話だと思うんだよぉ。


【童心をどこに捨ててきた】
月:正義とか悪って、勝者が決めるものだよな?
黄:絶対的な正義が存在しないことに気付いた中学生みたいなことを言い出したんだよぉ。
月:伊賀忍者が善玉っぽい扱いが多いのは、徳川家と関わりが深いからだという事実。
黄:歴史は、権力者と小説家が作るとはよく言ったものなんだよぉ。
朱:ひ、ヒーローものの番組を見ながら、
 そういう感想を述べるのもどうかと思うんですよ〜。


【黄龍好きにも通じるものが】
マ:どっちかっちゅうたら、隠密なんてどれも悪もんちゃうんか。
月:ダークヒーローに憧れる気持ちは、大抵の青少年にあるものだ。
マ:たしかに、ウチらへの信仰もその類っちゅう感じはするわな。
月:今からでも、そっち路線で何とかならないだろうか。
黄:月読が好きでたまらないとか言い出す奴はダークヒーロー推しと言うより、
 天邪鬼か、サブカルをこじらせすぎた末路って感じなんだよぉ。


【積み木は崩すまでが知育です】
朱:私達の正義は、社会の秩序を守ることじゃないですか〜。
マ:ウチはちゃうで。
月:姉さんはそんな感じらしいけど、私はどうなんだろうか。
黄:千年単位でその仕事をしてると、町作りシミュレーションみたいに、
 全部、一気にぶっ壊したくなる瞬間が出てくるんだよぉ。
朱:こ、この方々に、正義とは何かを語る資格があるんですかね〜。


【年功の味はほろ苦く渋い】
月:そういう意味で、少なくても五千年は頑張ってる青龍は凄いな。
黄:あれはもう、一種の中毒症なんだよぉ。
マ:何より凄いんは、その努力を上回る形で混沌となる中国社会の方やろなー。
黄:結局、働こうと働くまいと、社会の摂理は大して変わらないんだよぉ。
朱:い、一応は若い私の前で、
 そういうくたびれきった意見を言うのはどうなんですかね〜。


【マスコミで噂の美人女医みたいな物言い】
天:思ったのですが、私はもう少し、人様に媚びることが必要なのではないでしょうか。
黄:日本最古の萌え神様が、何か言ってるんだよぉ。
天:私って、そういう立ち位置だったんですか?
黄:かぐや姫なんかと違って絶世の美女とかいう記述は無いっぽいけど、
 これだけ格が高ければそこそこでも美人扱いになるから問題ないんだよぉ。


【最高神のやるこっちゃないな】
天:日本人は、なんだかんだと言って、あざといのが大好きなんです。
黄:しょうもないけど、事実なんだよぉ。
天:きゃるきゅるぴーんとか言っておけば、イケるでしょうか。
黄:極一部の人気は得られるかも知れないけど、
 同時に失うものについても、ちょっとは考えておいた方がいいんだよぉ。


【また朱雀計算説が持ち上がったのか】
朱:ふに〜。
天:やはり、最終的にはこれくらいに達したいです。
朱:わ、私の立ち位置って、そうだったんですか〜?
天:ふにふに言って浮いているだけで全てを許されるだなんて、
 狙っている以外のなんだと言うのですか。
黄:たしかに、それはそうなのかも知れないんだよぉ。
朱:す、少しは否定してくださいよ〜。


【外見については脳内補完でなんとか】
天:やはり、ローティーンの容姿は鉄板でしょうか。
黄:真面目なアホが本気出すと、アホに拍車が掛かる好例なんだよぉ。
朱:月読さんの姉だって、実感しますよね〜。
天:見た目年齢を下げてドジっ子属性を追加。これで何とかいけませんか。
黄:一応、義務みたいなものだから言っておくけど、
 うっかり引き籠もって太陽も隠したあんたは、素で立派なドジっ子なんだよぉ。


【一発ネタなら許される傾向も】
朱:ふに〜。
黄:その、溜め息にも似た鳴き声はどうしたんだよぉ。
朱:このままの自分でいいのか、少し悩んでるんですよ〜。
月:ロリにしろショタにしろ、
 成長するというのはアイデンティティを失うだけだからやめておいた方がいい。
朱:そ、そういった話ではないんですけどね〜。


【人格すらも包み込む】
月:近頃は、変身ヒロインだって見た目年齢が据え置きな感じ。
黄:せいぜい髪型と服装くらいしか変わらないんだよぉ。
月:所詮、女が言う変身など、変装の域にすら達していないということか。
黄:まあ、化粧一つで別人の領域に踏み込めるんだから、
 単純に必要ないだけな気もするんだよぉ。


【昼行灯と見せかけた凄腕会社員パターンとか】
月:そういえば、男が変身する時はバトルスーツとかフルフェイスとか、
 顔が隠れるパターンが多いな。
黄:自分の存在を抹消してしまいたいという願望があるのかも知れないんだよぉ。
月:酷い解釈だが、ありえて困る。
黄:女はきらびやかに、男は過去の一切を消したいのが本能的な変身だとすると、
 色々、考えさせられるものがあるんだよぉ。
朱:そろそろ、私の話をしてもいいですかね〜?


【真の大人は免許皆伝か何かだろうか】
朱:身体は無理にしても、心構えだけでも大人になりたいんですよ〜。
月:その話題、終わったよな?
黄:諦めろということで、結論が出たんだよぉ。
朱:な、なんでやる前から、そんな感じなんですか〜。
黄:別に大人の振りをするだけで生きていけるし、
 世の大人に見える人も、大抵の場合これだからなんだよぉ。


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