邂逅輪廻



【言うだけならタダとかいう大嘘】
メ:ちょっと今週は、やる気を出していこうと思う。
黄:いきなりどうした、なんだよぉ。
メ:いや、やっぱり五日……三日、かも知れないけど。
黄:宣言するなり下方修正しまくるなら最初から言わない方がよかった気もするけど、
 それを引っくるめて実にメタトロンらしい発言だったんだよぉ。 


【それゆけ皆の御意見番】
メ:普段、全力でダラダラする為に、たまにやる気を放出しておかないと。
黄:何か凄い理論が飛び出したんだよぉ。
朱:少し分かる気もしますけど〜。
黄:これに共感するようになったら、色々と終わりなんだよぉ。
白:黄龍がそれを言っていいかについては、
 青龍辺りにお伺いを立てようって思うけど、いいよね?


【それは中国も大差ない】
黄:普通は、弓の弦に例えて、たまに緩めるものなんだよぉ。
白:そっかなぁ。狩りの時だけ本気出せば、後はグダってて問題ないって思うけど。
黄:骨の髄まで肉食獣なんだよぉ。
朱:天使さんは、そっち寄りってことですかね〜?
黄:そう言われると西洋は狩猟民族が多いし、
 歴史的にも搾取に関してプロ中のプロって感じもしてきたんだよぉ。


【知らないところで着々と】
メ:せっかく頑張ろうって思ったのに、出鼻を挫かれた。もう寝ようかな。
黄:何だ、このダメな生き物、なんだよぉ。
朱:ちょっと月読さんっぽい感じですよね〜。
黄:よし、この中学生やニートにありがちな行動を月読イズム、
 略してツクイズムと名付けようと思うんだよぉ。
メ:本当の本当に、不貞寝するよ?


【最悪と口に出来る間は余裕がある理論】
メ:それじゃ、まずは企業買収に勤しもうと思う。
黄:いきなりやることがそれってのもどうなんだよぉ。
メ:巨大化するだけ巨大化する過程を楽しんで、
 面倒になるか、凋落が見えたらサンダルフォンに全部投げっぱなす予定。
黄:最低だ、この姉とコメントしたいところだけど、
 この程度のロクデナシなら周りにゴロゴロしてるから、
 最も低いとは言い切れない辺りが遣る瀬無いんだよぉ。


【絶叫アトラクションで満足しようよ】
メ:お金を借りては株を買い、その株を担保にまたお金を借りる。
黄:おっかねぇことしてるんだよぉ。
朱:下り坂を、自転車で全力疾走してる感じですね〜。
メ:気分としては、その状態に加えて両輪に火が付いている感じ。
黄:一体、何がそこまで彼女を掻き立てるのか、
 ギャンブルジャンキーの考え方は今一つ分からないんだよぉ。


【完全に変なスイッチ入った】
メ:登山家は、死の恐怖があるからこそ生を実感できるみたいな。
黄:すっげー失礼なようでいて、大体合ってるのが困りものなんだよぉ。
朱:も、もう少し健全な生き甲斐は持てないんですかね〜?
メ:その話をすると、健全とは何かとかから語らないといけなくなるけど、覚悟はいい?
朱:わ、私の狭い価値観で語るのは、おこがましいことだと痛感致しました〜。


【大体は月読のせいにしておこう】
白:たまに思うんだけど、この子って本当に天使なの?
黄:世の中が天使を神格化しすぎなだけで、割とこんなもんなんだよぉ。
朱:天使なのに神というのが笑いどころなんですよね〜?
黄:こいつ何言ってんだと切り捨てたいところだけど、
 神様の神格化自体に問題あるのが事実な面もあるんだよぉ。


【魅せる筋肉など邪道的な意見】
メ:次は、修行をしてもっと強くなる。
黄:あんた、そんなことしなくても充分強いんだよぉ。
白:ってか、普段やる気ないのに強くなってどうすんのさ。
メ:行使しない力こそが真の力だとかなんとか、適当なことを言っておく。
黄:何か悟ってる物言いに聞こえて、本当にそれっぽいだけな辺りに、
 生まれた時から強い者の傲慢さを感じたんだよぉ。


【社会に疲れた淑女の様に】
メ:一度でいいから、この滝行というのをやってみたかった。
黄:この時点で、本質を全く理解していないんだよぉ。
白:しかもここんとこ雨降ってないから、シャワーみたいなもんだしね。
メ:こう、肩や腰に当てることで、凝りをほぐせる予感がひしひしと。
黄:それは只の打たせ湯的なものだと、
 言ってしまったら負けな空気が充満しきってるんだよぉ。


【その分売れるから問題はない】
メ:次は瓦割りに挑戦。
白:常々思ってるんだけど、この修業って職人に対して失礼だよね。
黄:まさかの、超真っ当な意見なんだよぉ。
メ:私は一枚砕く度に、瓦を焼いてくれる人に心の涙を流してるから大丈夫。
黄:メタトロンの月読化が止まらないことに申し訳なさが湧いたけど、
 元々こういう奴の気もして、何が何やら分からなくなってきたんだよぉ。


【風呂敷だけは広げるマンガの様】
メ:私を倒せる強い奴を探しに、武者修行を敢行する。
黄:なんつう迷惑な話なんだよぉ。
朱:世界中探しても、ほとんど居ませんよね〜。
メ:道場破りに打ち負かされたことで己の未熟さを知り、
 将来的に私をぶちのめしてくれるかも知れない。
黄:数日でやる気を使い果たすとか言ってる奴がそんな長期計画を構想するとか、
 とんでもない無責任だとしか言いようがないんだよぉ。


【ツッコミという名のモグラたたき】
メ:今こそ、私に隠された三十六万五千の瞳を開放する時。
黄:前にも言ったけど、数を増やせばいいってもんじゃないんだよぉ。
朱:眼球の体積が身体より大きくなりますよね〜?
黄:すごいところに目を付けたんだよぉ。
白:目玉の話だけに?
黄:言えばいいってもんじゃないとか、
 一つ一つたしなめていくのも、そろそろ面倒になってくる頃合なんだよぉ。


【微妙にグリグリ動くのか】
メ:目の重さが七グラムとして三十六万五千を掛けたら、二千五百キロくらい。
黄:人間の形では、やっぱり無理な設定なんだよぉ。
朱:やっぱり、複眼ですかね〜?
白:ちりめんじゃこみたいに、ちっちゃくすればいけるかも。
黄:そんなちっこいもんが全身にブツブツ湧いてるとか、
 頭湧いてるとしか言いようがない話になってくるんだよぉ。


【比較対象としては最底辺】
メ:三次元的に考えるから無理が出る。
  四次元思考で、過去、現在、未来に同時発現すればきっといける。
黄:微妙に説得力があるけど、多分、机上の空論なんだよぉ。
メ:やったことがないのが問題なのではない。
  やろうとする意思が大事なのだ、とか何とか。
黄:天使だけに説法はお手の物だけど、
 それに説得力があるかは月読並にクエスチョンマークなんだよぉ。


【十三次元っていう説もあるぞ】
メ:宇宙の真の形と言われる十一次元にまで拡張すれば、怖いものなんかない。
黄:唯一神の代理人らしい壮大な物の見方なんだよぉ。
朱:ですけど、格で言えば、国か、大陸の守り神がせいぜいですよね〜?
白:それ以上は、完全に統括神の管轄だもんねー。
黄:だからまあ、出来るもんならやってみろとしか言いようがないんだよぉ。


【一人ダメ人間の見本市】
メ:何かこう、世界に轟く大きなことがしたい。
黄:大分、やる気が削がれてきてるんだよぉ。
朱:具体的なことを語らないのは、
 それに掛けるエネルギーすら節約してるからですよね〜。
メ:ふっふっふ。それすらも惜しんで注ぎ込むということだから。
黄:あ、これは完全に口だけだなと、
 月読辺りと長い付き合いの方は察してくれるところなんだよぉ。


【黄龍逍遥編参照】
メ:手始めに、世界中の海を、真水に変えてみる。
黄:どうしようもない方向に全力なんだよぉ。
白:魚が、魚が死んじゃうじゃない。
朱:タコのスティーブさんみたいに、適応すれば大丈夫ですよ〜。
黄:その話を、一体、誰が憶えてると言うんだよぉ。


【抽出した分で塩山を作ろう】
朱:ところで〜、海からミネラルが無くなったら、
 食塩はどうすればいいんですかね〜。
白:岩塩業者が大儲けだね。
黄:もういっそ、塩分無しで生きられるようになってしまえばいいんだよぉ。
メ:たかだかこの程度のことでこの驚天動地っぷり。
  でっかいことをした気分になって満足。
黄:いや、命の生まれ故郷である海から塩を抜くとか、
 生命史で見れば、酸素を活動源に変えた以上の大変革なんだよぉ。


【嫌気性生物は今も存命】
メ:酸素だって初期の生物にとっては猛毒だったんだから、今回もきっと大丈夫。
黄:この無責任さ、悪魔と何が違うんだよぉ。
白:思うに、悪魔は悪意を持って無責任なんだけど、
 天使って何も考えずに無責任なんじゃないかな。
黄:その言葉だけ聞くと天使の方がタチ悪そうで、
 総合的に見れば、どっちもどっちという結論に落ち着きそうなんだよぉ。


【存在自体が矛盾みたいな生き物】
マ:メタトロンがなんや始めたっちゅうから、冷やかしにきたったでー。
朱:ここまで来ると、信念を持った立派な方にすら見えますよね〜。
黄:確実に錯覚なんだよぉ。
マ:いや、嬢ちゃんの言う通りやで。
  どないなことでも、真面目にやればその行為は尊いねんで。
黄:おちょくりに来たと公言してる輩が言うのもどうなんだという気分だけど、
 悪魔だし、まあ致し方なしといったところなのかも知れないんだよぉ。


【台本と予定調和が奏でる交響曲】
メ:やる気を出した私に、悪魔の妨害なんて通用しない。
黄:こっちも、まるで説得力を感じないんだよぉ。
マ:せやなー。そないに立派なメタトロンはんには、
 こないに立派な羽毛クッションは要らへんねんなー。
メ:ピクッ。
黄:うん、まあ、そのなんと言うか、
 推して知るべしとは、まさにこういう時の為にある言葉なんだよぉ。


【大体自業自得じゃないかな】
メ:ああ、このふかふか感と太陽のぽかぽか感。
  全身から力が抜けていくのが分かる。
黄:もうこいつ、ダメかも知れないんだよぉ。
朱:いえいえ、ここが世界の桃源郷と言っても過言では無いですよ〜。
猫:うまーお。
黄:ここでお前ら仕事はどうしたって言ってしまうと自殺行為な辺り、
 世の中とは理不尽なものだと思うんだよぉ。


【一体どうしろって言うんだ】
マ:これが悪魔の力やでー。
黄:敵には回したくないんだよぉ。
白:この、味方にしても嫌がらせされそうな感じが、また凄いよね。
黄:結局、傍観が一番ということなんだよぉ。
マ:ウチらの営業力は、世界でもトップレベルやけどなー。


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