【なんやかんやで千年以上】 朱:考えてみましたら〜、悪魔さんは悪で魔という後ろ向きな文字で構築されているのに、 天使さんは天の使いなんですよね〜。 月:天を善の代名詞と取るかは、時代や文化風習に依って変わるだろうな。 黄:何、果てしなく無益な会話をしてるんだよぉ。 月:いやいや、案外大事なことだぞ。 結局、悪魔なんてものは天界側のイメージ操作で作られた可能性が高いというだな。 黄:だけど、その定着したものを引っくり返すには、 初動の何倍ものエネルギーが必要だというのは、 月読自身が一番分かってることだと思うんだよぉ。 【特撮の博士をナメんなよ】 マ:別に、ウチらはワル扱いでも、かまへんでー。 ええ方はみんなやりたがるから、むしろ競争相手が少なくて美味しいくらいや。 朱:す、筋金入りですね〜。 黄:こういうのを、プロフェッショナルと言うんだよぉ。 月:いやまあ、たしかに悪の幹部という言葉には惹かれるものがあるけれど、 やっぱり科学者ポジでいいから正義側がいいなとは強く思う次第で。 黄:そしてこっちは、芯の芯までアマチュア精神に満ちてるんだよぉ。 【月読も優勝候補だな】 マ:そもそも、ええやの、悪いやの、所詮、人間社会レベルのことやで。 太陽系規模で見たら、どっちも大したことあらへん。 月:まーた巨視的視点でお茶を濁す論理か。 マ:せやったら、素粒子クラスから見たっても問題あらへんでー。 月:ん、んー? 黄:そろそろ、この手の口八丁を集めて選手権大会でも開くべきじゃないかとも思うけど、 何か見知った顔で埋め尽くされそうな予感しかしないんだよぉ。 【天帝より三段くらい上か】 朱:宇宙規模の悪って一体、何になるんですかね〜? 月:恒星爆発とか、今、この瞬間もどこかで起こってることだしな。 それと共に生態系が消滅したとしても、自然の摂理とも言える。 黄:スケールでかすぎなんだよぉ。 マ:やっぱり、宇宙の基本システム改竄とかになるんやないか。 黄:そこまでの次元の話となると天上の会話すぎて、 割とどうでもよくなる辺りに人間味すら覚えるんだよぉ。 【やっぱり生まれた瞬間からかな】 マ:悪魔っちゅうたら、世界規模で見ても、かなりの地域でワルの代名詞やからな。 天使どもは敵を作ってるようで、ウチらの宣伝もしてくれてるみたいなもんやで。 黄:中々に、考えさせられる発言なんだよぉ。 月:歴史に埋もれるくらいなら、悪党として名を馳せるのも人生ということか。 黄:ヒールなんだか、英雄なんだか分からない須佐之男も、 そういう視点で見れば、立派な生き様なのかも知れないんだよぉ。 月:ちくしょう、人生の選択肢をどこで間違えた。 【打ち出の小槌ブーストで巨大化すればいい】 朱:たしかに鬼と言われても、限られた地域の人しかピンと来ないかも知れませんね〜。 月:しかも御伽話で蹴散らされるだけの存在だからな。 黄:感動系の話も、あった気がするんだよぉ。 月:桃太郎とかが雑魚鬼をバッタバッタと薙ぎ倒すゲームでも作らないかなぁ。 黄:その場合、一寸法師は毎回、腹の中に入ってチマチマ倒すことになるのだけど、 爽快感は今イチだと言わざるを得ないんだよぉ。 【まずフォルムが東洋的すぎる】 月:ん? 黄:どうしたんだよぉ。 月:何か引っ掛かるものがあると思ったけど、抱き合わせ商法だ、これ。 黄:不人気なゲームをセットで販売するとか、公取に怒られるんだよぉ。 マ:天使を知るもんが増えれば増えるほど、悪魔を知るもんも増える。 こないに楽なことはあらへんで。 黄:この機構を応用して黄龍の名を高められないかと思ったけど、 麒麟が世界的存在になるのは無理そうなんだよぉ。 【あくまで黄龍の主観です】 月:成程、最初から姉さんに対立する悪玉になればワンチャンあったのか。 黄:もう、完全に手遅れなんだよぉ。 マ:天使長ミカエルの双子の兄が悪魔長ルシフェルとか、 キリスト教では既に通った道やでー。 月:にゃろう、この熱く燃えたぎる正義の心さえなければ、迷わずそのルートに入ったものを。 黄:そんな根性もないくせによくほざきやがると、 さしもの悪魔さんも呆れ顔の模様なんだよぉ。 【二千年以上前の人だし】 朱:結局、悪いってなんなんですかね〜? 黄:本質的な話となると、もう誰も答を出せないんだよぉ。 月:まあ、ざっくり言うなら、東洋は儒教基準で、西洋はキリスト教基準が主流と思っておけ。 黄:あいつらの影響力はヤバイんだよぉ。 月:但し、孔子の野郎、親の為なら子供達は喜んで死ねとか言う、 クレイジーでもあるから気を付けろよ! 【話がややこしくなる一方だ】 朱:日本神話は、何か影響してないんですか〜? 月:出来損ないの蛭子兄さんを捨てたり、 母さんを燃やし殺した迦具土兄さんを父さんが惨殺してる我らに、そういうのは期待するな。 朱:り、倫理ってなんなんですかね〜。 則:ほむ、何か呼ばれた気がしたのじゃがの。 黄:はいはい、あっちにおやつを用意してあげるから、 大人しくお茶してて欲しいんだよぉ。 【既成事実にしようという風潮】 月:日本神話は、イザナミ母さんが黄泉の世界の支配者、黄泉津大神だからな。 善とか悪とかいう概念自体が希薄だったりする。 マ:天使が悪魔になるのと似た構図やな。 月:三分の一が悪堕ちしたとされる天使業界と一緒にされるのもどうなんだ。 黄:考えように依っては、三貴子の内、真ん中が公認悪魔なんだから、 似たようなものとも言えるんだよぉ。 月:言っておくが、それ、天使屋が一方的に決めただけのものだからな。 【腕力至上主義者らしい物言い】 月:キリスト教の善悪は、ぶっちゃけ神につくか、悪魔につくかで決まる。 黄:この卵が先か鶏が先か感がたまらないんだよぉ。 朱:悪魔さんは、絶対に善側に回れない仕様なんですね〜。 月:昨今の悪側にも悲しい過去があったみたいな展開に対する、 アンチテーゼ的なものとも言えるな。 黄:どんな事情があろうとも、殴り合う段階に入ったらぶっ倒すしか選択肢はないんだから、 時間の無駄という見解もあるんだよぉ。 【反面教師として最強という理屈】 月:東洋なら、仏教も大きな影響を及ぼしている。 創成期には、両親を大切にすることなどが重要視された。 朱:基本的なことですよね〜。 月:ただ、仏教の開祖である釈迦は跡取り息子のくせに、 老いた父と、嫁、子供まで捨てて出家しているので、説得力があるかと言われると。 朱:ひ、一人くらい、現代でも通用する人格者は居ないんですか〜? 【数の問題じゃないという暴論】 マ:あっちの業界では、後に億万の民の心を救うことになったから、 セーフっちゅうことになっとるで。 朱:詭弁に聞こえるのは、気のせいなんですかね〜。 黄:審判も首を傾げる程度には、微妙な判定なんだよぉ。 マ:悪魔かて、結構な人間に希望の光を与えとるのになー。 黄:その何十倍も絶望の底に叩き落としてると、 言って然るべきかが悩ましいところなんだよぉ。 【西洋系は超肉食だからしょうがない】 月:十万の外敵を虐殺して、数百万の民を養った為政者はありかなしか。 黄:現代の倫理基準だと、コメントしづらいんだよぉ。 マ:普通にええ領主やろ。これがあかんっちゅう奴は間違いなく偽善者やで。 黄:さすが、悪魔は迷いが無いんだよぉ。 月:問題は、天使の方も同じようなこと言い出しやがりそうなとこだがな! 【ダメな方に嗅覚が抜群】 黄:結局、善悪なんて時代や場所で変わるということなんだよぉ。 朱:深く考えるのは、やめることにしました〜。 マ:案外、それが正解かも知れへんで。 月:悪には、悪の美学や挟持があるからな。 お子様の朱雀が理解するのは、早すぎるってもんさ。 黄:とりあえず格好付けてみたはいいけど、中身は無いという、 実に月読らしい話なんだよぉ。 【零線上の綱渡り人生】 月:あれだな。やっぱり、ポイント制を採用しよう。 善行を一つしたら何点か与え、悪行だったらマイナスにして、 死んだ時のトータルで処遇を決めるというのが合理的だ。 黄:若い内に溜めるだけ溜めて、死に逃げが流行りそうなんだよぉ。 マ:生きてる限り、何かしらやらかすリスクはあるし、しゃーないな。 月:結局、ヒキニートが最も安全な生き方ってことを証明してしまったな。 黄:それはそれで日々マイナスを溜めてる気がするけど、 片足突っ込んでるだけに、否定しづらいものがあるんだよぉ。 【死んだこと無いから分からない】 月:トラックに轢かれそうな子犬を助けたら、プラス五十点を進呈しよう。 黄:それが、高いのか低いのかが分からないんだよぉ。 月:しかし、自分の命を粗末に扱ったから、そっちはマイナス百点だ! 黄:もしかするといくらでも言いがかりをつけられるのではないかと思ったけど、 閻魔の審判も、案外、こんなものな気がしてきたんだよぉ。 【ギャンブルで言う逆張りだね】 マ:天使の奴らも、適当な理屈で天国地獄を決めとるで。 黄:前に、そんな話を聞いた記憶があるんだよぉ。 月:少しは、死んだら全部黄泉の国行きの日本を見習え。 黄:それはそれでどうなんだよぉ。 マ:個人的には、とりあえず全部地獄に送ってもろて、 気に食わん奴を天国に送りつけたいんやけどなー。 黄:悪魔に嫌われることで天国に行けるとか、 何となく、人生の必勝法を垣間見た気がするんだよぉ。 【怪盗が失業しちゃうじゃないか】 朱:結局、どういう風に生きたらいいんですかね〜? 月:日本にはいい言葉がある。お天道様は見ていると。 黄:要するに、天照の管轄なんだよぉ。 月:オーケー分かった、今の無しで。お月様は見てるで行こう。 黄:何かコソ泥しか取り締まれない気もするけど、 世界中が二十四時間動いてる現代なら、割かし仕事はある気もするんだよぉ。 【参謀どころか突撃軍曹寄り】 マ:どや、悪魔っちゅうんも、中々ええもんやろ。 月:独立愚連隊の様で、寄生虫精神も忘れないところに感動しました。 黄:小学生の作文みたいな感想なんだよぉ。 マ:言うてもウチらの神さんはそう簡単にやれるようなやっちゃないからな。 利用できる内は、最大限に利用せんとあかんで。 黄:ここら辺の柔軟さ加減がフェンリル、ヘルと違うと言うか、 狡猾という言葉がしっくりくる感じなんだよぉ。 【ブーメランと言うより自爆技】 朱:そもそも、悪魔さんの最終目標は神様をやっつけることなんですか〜? マ:天使達もまとめて土下座したったら、許さへんこともないでー。 黄:まあ、絶対に無い展開なんだよぉ。 月:プライドだけで生きてるような連中だからな。 黄:だよぉ。 月:鳴き声一つ残して、姿見で私を写すのはやめたまえ。 【非正規魔王の苦労譚とか作れそう】 朱:ですけど〜、善が無くなったら、悪が悪じゃなくなるんじゃないですか〜? 黄:またややこしいことを、なんだよぉ。 月:いや、それは私も常々思っていた。 魔王とかが世界征服しても、それはそれで別の秩序になるんじゃないかと。 黄:見事なゲーム脳なんだよぉ。 マ:そん時は、天使っぽいのをバイトに雇うことにするわ。 黄:結局、敵を作ることでしか世界は維持されないのかと、 一種、悲しい物を感じてしまうんだよぉ。 【飼い殺されるのにも価値が必要】 マ:ま、ウチらが最大手になったら、あんたらも雇ったるから安心せーや。 月:飼い殺しでも、御飯を食べられれば文句は言いません。 黄:現状と、何一つ変わってないんだよぉ。 朱:出世の見込みがほとんどありませんし〜、ちょっと魅力的ですよね〜。 黄:まあ、こっちも復帰できる気がしないし、 その気持ちが分からないでもないのが困りものなんだよぉ。
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