【過去に執着するのは未来が無いから】 月:さーて、そろそろ人気やカリスマが、 大衆を煽動することでしか成立しないのか結論を出そうか。 黄:こう、飽きもせず同じ話題を繰り返せることに、むしろ感心しつつあるんだよぉ。 月:命の問題然り、男女の問題然り、奥深いものほど長く語られるからな。 黄:この場合、不人気ブラザーズがいつまで経っても蒸し返すから、 終わったはずの議論が続いてるだけに見えるんだよぉ。 【悪いもの食った系の流れか】 玄:……。 月:我が弟子よ、貴様も何とか言ってやれ。 黄:ああ、これは面倒な愚痴に付き合わされる展開なんだよぉ。 玄:月読さん。あなたもいい年なんですから、他人のいいところを妬むよりも、 自分を省みることを憶えた方がいいのではないですか。 月:ナヌ? 黄:ものすごーく真っ当なことを言っているのに、 ものすごーく厄介なことになりそうだと分かる辺り、慣れたものだと思うんだよぉ。 【世界地図で見ると意外に近い】 黄:開発責任者出てこい、なんだよぉ。 朱:先代玄武さんでしたら〜、『空中都市マチュピチュから、 ナスカの地上絵まで動力なしで滑空できないか実験してくる』 って言い残して消息を絶ちました〜。 黄:あのバカ天才なら成功させかねないけど、意味や意義を感じられず、 ただただ、国際問題にならないことを祈るだけなんだよぉ。 【日光で灰になる吸血鬼的な】 黄:さてと、なんだよぉ。 玄:奉仕活動、何と素晴らしい響きでしょう。 人の為、社会の為に生きる、これ以上に充実した日々があるでしょうか。 黄:一見するとこのままでいいようで、何だか落ち着かないんだよぉ。 月:ぶっちゃけ、キモいとしか言いようがない。 黄:まあ、月読の濁りきった眼でものを見たら、 あの異様なまでにキラッキラした瞳に拒否反応を示すものなのかも知れないんだよぉ。 【奴は公認悪魔の中でも一番の小物】 朱:前向きになったんならいいんじゃないですかね〜。 黄:あれが本心ならともかく、どうにも薄っぺらく見えるんだよぉ。 月:善行を真の意味で成す為には、悟りを幾つか開かないといけないからな。 黄:悪行に関しても、振り切って外道の限りを尽くすのは根性が必要だから、 大体の場合、月読程度の小悪党に収まる訳なんだよぉ。 月:にゃー。 【一周して今でも通用するかも】 玄:結果として、他者に認められることは良しとします。 ですが、賞賛を求めるが故の行動は、本末転倒なのではないでしょうか。 黄:本当、こいつ誰だ、なんだよぉ。 月:こう、乾電池を逆に入れたら、全てのプログラムが逆に発動したみたいな。 黄:何だ、その三世代は前の機械理論と言いたいところだけど、 先代玄武の発明品だけに、有り得ないとは言い切れないのが困るんだよぉ。 【死に際には六文銭すら不要よ】 玄:月読さん、今すぐ私財を放出してください。 正しい心は、清貧からしか生まれないんです。 月:やなこった。 黄:うん、普通は断るんだよぉ。 玄:生ある内に、如何に有益に財産を使い切るか。 金銭面で素晴らしい生き方とは、こういったことなのではないでしょうか。 黄:何か、いいことを言ってるようにも聞こえるけど、 文面だけ見れば、新興宗教の搾取方法なんだよぉ。 【ってか製作者も忘れてる】 朱:そもそも〜、月読さんの持ち物で一番資産価値があるのは、 古今東西の神器コレクションですよね〜。 月:これを流通させたら、世界のパワーバランスがどうなっても知らんぞ。 黄:面倒なことになりそうだから、愛でさせておいた方がいいんだよぉ。 玄:兵器があるから争いが消えないんです。 そのようなものは、少しずつでいいから破棄していってください。 黄:全身に、本人も知らないような謎武器を満載してる奴が言っても、 何の説得力も無いとしかコメントできないんだよぉ。 【それはそれで面白そうだけど】 玄:努力というものの価値を軽んじてはいけません。 適当に勉強しての八十点より、全力で挑んだ六十点を評価すべきです。 黄:残念ながら、他人が本当に尽力してるかなんて、分かりゃしないんだよぉ。 月:世の中、仕事してる振りがうまい奴が出世するからな。 玄:ああ、なんと嘆かわしいことでしょう。 こうなったら、心の内を赤裸々に映し出す装置の開発を先代にお願いするしかありません。 黄:そんなことをしたら、どれほど社会に影響を与えるか分からない辺りに、 やっぱり底の浅さを感じてしまうんだよぉ。 【最初から全成り状態か】 月:たしかに、ゲームの駆け引きがなくなるのはつまらんな。 黄:真っ先にそれを心配するのもどうなんだよぉ。 玄:腕力に任せて殴り合えばいいんです。 青少年は、そうやって成長してきたんですから。 黄:全火力開放したノーガードの将棋とかちょっと見てみたいけど、 半年くらいで飽きられるのが分かりきっていて、ちょっと切ないんだよぉ。 【そこは自慢するところなのか】 玄:人を含めて、全ての生命は平等なんです。それを理解することこそ肝要なんです。 黄:生き物ですらないのが、何か言ってるんだよぉ。 月:生まれた時に、少しでも有利な立場にある奴は、ほぼ確実にその権益を守りに行く。 ソースは私。 黄:嫌な説得力なんだよぉ。 月:玄武と違って、背景と年季の分厚さが桁違いだからな! 【明日から貴方もふ〜にふに】 玄:やはり、生物の進化を一度リセットして、 同一の生物からやり直さないといけない時代なのでしょうか。 黄:共産革命もこの規模まで来るとちょっと壮大に感じるんだよぉ。 朱:具体的に〜、どの生き物に統一するんですか〜? 月:そりゃまあ、朱雀だろう。 朱:ふ、ふに? 黄:いいか悪いかはさておき、公平感という意味では最良の選択なんだよぉ。 月:どう足掻いても、納得はできないがな! 【完全に八方塞がり】 玄:自分ができなかったことを子供に期待するものではありません。 それは親のエゴに他ならないのです。 黄:自分ができたことを強要するのも大概なんだよぉ。 月:つまり子供に、希望なんて抱くなってことだな! 黄:まあ、自由奔放にほったらかされた結果が月読だと考えると、 それはそれで問題を感じるんだよぉ。 【という古典的ツンデレ】 月:今にして思うと、生まれた瞬間『夜を任せた』とか、本格的に期待されてなかった気がする。 朱:夜行性の動物もたくさん居ますから、それほどでもないですよ〜。 黄:何度思い出しても、昼、夜と来て、三番目の子供に海を任せるのが意味不明なんだよぉ。 朱:イザナギさんが洗った場所も、左目、右目に続いて、鼻なんですよね〜。 月:奴だけ本当は出自が違うと言われても信じられるレベル。 玄:だとしても、家族とは血の繋がりよりも心の繋がりですから、さしたる問題ではありません。 月:その理論だと、我ら三貴子は確実に赤の他人扱いだな! 【腐敗も極めれば発酵扱いになる的な】 真:お邪魔するですぅ。 玄:ああ、真武、いいところに来ました。 たった二人の姉妹です。これからは過去のいざこざを忘れて、仲良くしていきましょう。 黄:鳳雛のことを、すっかり忘れてるんだよぉ。 朱:そもそも〜、いざこざの大半は玄武さんの方が突っかかっていったせいですよね〜。 月:この短い間にこれだけのツッコミどころを用意するとは、 腐っても私の弟子ということだ。 【自分には何の関係もないからね】 真:けっ、仲良しこよしの慣れ合いだなんて、真っ平御免ですぅ。 黄:こっちも、何か変なことになってるんだよぉ。 月:しかし視点を変えてみよう。 品行方正で何でもできる優等生より、少し腹黒い方が大衆受けがいいのではないか。 黄:その判断基準もどうなんだよぉ。 真:逆説的に言えば、人気者なんてのは、みんなお腹の中は真っ黒ってことですぅ。 黄:酷い論理の飛躍があったけど、 そういうことにしても、大して困らない気もしてきたんだよぉ。 【わざとやってるように見えてきた】 真:ゾンビの様に身体が腐っていても、大人みたいに心が腐ってるよりマシですぅ。 黄:中学生みたいなことを言い出したんだよぉ。 月:とりあえず、こっちを見るのはやめようではないか。 玄:真武、それは違います。 月読さんは精神が未成熟なだけですから、未だに無限の可能性を秘めているのです。 月:そういう、フォローしてる様で扱き下ろされるのが、一番心にくる訳だが。 【ハリボテ界のスーパースターだからな】 黄:善意も悪意も、本質的には同じものなのかも知れないんだよぉ。 月:ちょっと深い様に思えることを言って、 投げっ放すのを常套手段にするのは如何なものか。 黄:思わせぶりな登場をしておきながら大したエピソードはない、 まるで少年漫画の噛ませ犬みたいな月読の雰囲気を出してみただけなんだよぉ。 月:うるにゃーご。 【包装紙だけ自作した可能性】 亜:たらいま〜。 黄:諸悪の根源が帰ってきたんだよぉ。 亜:はい、これ、お土産。 朱:い、インカ饅頭ですか〜? 亜:レア物だよ〜。 黄:たしかに、南米中探したところで手に入る気はしないけど、 そこに希少価値が付くかは別の話なんだよぉ。 【マチュピチュの標高は富士山レベル】 亜:いやー、それにしても三千メートル超級ナメたらダメだね。 変温動物には、キツい、キツい。 月:時たま、こやつが本当に賢いのか疑わしく思える。 黄:発想力と実行力に極振りしてて、 純粋な知力はさほどでもない気はしてるんだよぉ。 亜:歴史に名を残す天才は、大体そんな感じだから問題無し! 黄:何よりもこの根拠に乏しい自信こそが、 先代玄武を先代玄武たらしめている感はあるんだよぉ。 【刹那に生きる輝かしさよ】 黄:それで、これは一体、どういうことなんだよぉ。 亜:ん? 玄:ああ、なんということでしょう。 先代が凍えてしまわないように、原子炉の炉心で温めてあげないといけません。 真:ここいら一帯が液状化しかねないから、やめやがれですぅ。 亜:あ、あー、憶えてたよ。もちろん、忘れる訳がないじゃないさね。 月:こいつ、本格的に記憶から消してやがったな。 【そのくせすっかり忘れてたという】 亜:いやさ。善人的思考と、悪人的思考の両面から人格を構築してみようと思って、 ちょいと二人のプログラムをいじってみたって言うか。 黄:新しいのを作ってやりやがれなんだよぉ。 亜:だってその場合、あんたら真面目に反応してくれる気がしないんだもん。 黄:一瞬だけ、ちょっとくらいは真っ当な理由に聞こえた気もしたけど、 よくよく考えたら、恐ろしいまでに自分のことしか考えてなかったんだよぉ。 【元ヤンの教師とか信じられん】 亜:で、どうよ? 黄:最初からこうだったならともかく、今更、生理的に無理なんだよぉ。 月:見事なまでのド真ん中豪速球を放り込んできた。 玄:自由、平等、博愛、今後の聖獣界はこの三つのフレーズを軸に活動すべきだと思います。 黄:不良が更生するにしても、人並程度だから許せるのであって、 聖人君子になったら洗脳されたなと思うのに近いものがあると思うんだよぉ。 【裏朱雀とか最近見ないな】 亜:ちぇっ、面白いと思ったんだけどなぁ。 黄:本音を隠そうともしないんだよぉ。 月:どう考えても言わされてるだろって綺麗事しか口にしない奴よりは信用できる。 玄:人は出会いと別れを繰り返すと言いますが、そこで培った絆は永遠ですよね。 黄:まあ、これっきりこの人格に会うことも無いと思うと物悲しい気もするけど、 やっぱり錯覚だと確信する辺りに慣れを感じるんだよぉ。
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