邂逅輪廻



【赤青相互補完理論降臨】
朱:青龍さんって〜、朝は私達の誰よりも早く出勤して、
 夜は私達の誰よりも遅く帰ってるんですけど、いつ休んでるんですかね〜?
黄:勤務時間中でも半分寝ぼけてる朱雀が補ってると解釈すればいいんだよぉ。
朱:そ、その件は、全く別の話じゃないですか〜。


【足して二で割ればちょうどいい】
黄:でもそう考えると、青龍のオフタイムというものが想像つかないんだよぉ。
朱:付き合いの長い黄龍さんでもですか〜。
白:ここ千年、ずっとオフタイムみたいな黄龍が言うかなぁ。
黄:こうやって、発言は常に自分に返ってくるという、
 分かり易いしっぺ返しをやらかしてしまったんだよぉ。


【和服とお猪口を縁側で】
白:やっぱアレじゃない。バスローブ着て片手にワインをみたいな。
黄:中国の中枢としてどうなんだよぉ。
朱:となりますと、人民服に紹興酒ですかね〜?
黄:中年以上の外見なら闇社会の首領っぽいけど、
 童顔の青龍じゃ背伸びしてるだけにしか見えないんだよぉ。


【こういう時くらい役に立て】
青:……。
黄:いつものお説教が無いんだよぉ。
白:これ、割と本気で怒ってるパターン? 全速で逃げた方がいいかな。
青:……。
朱:む、無言のまま倒れましたよ〜?
白:とりあえず、長々と正座させられる心配はなさそうだね。
黄:呑気なこと言ってないで、その自慢の健脚でとっとと医者を呼んでくるんだよぉ。


【朱雀点検編参照】
医:ムムム。これは過労じゃ! 不治の病でないのが残念じゃわい。
黄:久々に会ってなんだけど、相変わらず無茶苦茶な医者なんだよぉ。
朱:以前、私の健康診断をしてくださった方ですね〜。
玄:他にまともそうなのは居なかったのですか。
白:見ただけで名医かどうかなんて分かる訳ないし、
 面白そうって観点なら大正解の部類だからいいんじゃないかなぁ。
黄:青龍が喋らないと、常識が本格的に壊滅することだけはよく分かったんだよぉ。


【宇宙真理の改変が必要なレベル】
医:何の面白味も無いが、栄養のあるもん食わせて、ゆっくり寝かせれば治るじゃろ。
黄:頭の言葉さえ無ければ、凄く常識的な診断だったんだよぉ。
医:心因性のものが大きいようじゃから、
 周りが気遣って、気疲れするような真似を減らしてやるのじゃぞ。
黄:それが一番、困難で非常識的だというのが、何とも言えない気分になってしまうんだよぉ。


【儀式的な何かだろうか】
白:栄養あるものって言ったら、やっぱり生肉? 内臓の方がいいかな?
黄:早くも、常識が決壊してるんだよぉ。
朱:猫さんは、風邪をひくと野草を食べてじっとしてるんですよ〜。
玄:ということは、パンダの様に笹の葉を大量に用意すべきでしょうか。
黄:青龍が寝てる横に笹がどっさりと積まれてる図を想像して、
 流石にひっでーもんだと思ってしまった次第なんだよぉ。


【朱雀にも聞いてやれよ】
黄:一般的に言って、消化にいいものという前提がつくんだよぉ。
白:先生! 健康すぎて、何を幾ら食べても胃がもたれたことがないので、
 消化に悪いという概念がよく分かりません。
黄:もう、意見を求めようとも思わないんだよぉ。
玄:私も、生理学の話は専門外でして。
  熱エネルギーを駆動力に変換する効率論については少し自信がありますが。
黄:とりあえず青龍の御飯については中華粥でも作ってやることにするから、
 あんたら部屋を出て、少し大人しくしてて欲しいんだよぉ。


【性別逆転してるけど】
白:さて、と。しばらく青龍抜きで仕事しなきゃなんないみたいだけど、自信ある?
玄:何を愚問を。ある訳がないじゃないですか。
黄:言い切りやがったんだよぉ。
朱:そもそも、青龍さんの指示が無いと、何をすればいいかすらよく分かりませんから〜。
白:スケジュール表とか計画表見ても、具体的にどうすればいいのかサッパリだね、こりゃ。
黄:奥さんが居なければ靴下の場所すら分からない旦那というか、
 青龍は本当にみんなの女房役なんだなと実感させられたんだよぉ。


【清々しいまでの押し付け合い】
白:ってかさ、こういう時に仕切るべき四神の二番手って誰になるの?
玄:実働年数が一番長い、白虎さんでいいのでは。
白:いや、一つの身体使ってるって意味じゃ、朱雀って五千年以上だよ。
朱:外見年齢が一番上の玄武さんというのもありなんじゃないですかね〜。
黄:部隊というものは大将が有能であればあるほど、
 失った時の混乱が大きいという好例を目の当たりにしてしまったんだよぉ。


【これ程に酷い反応があろうか】
白:平たく言うと、麒麟が役に立たないのが悪いんじゃないかな。
黄:いいぞ、もっと言ってやれ、なんだよぉ。
玄:今、そのことを責めても事態は好転しないと思いますが。
朱:現実的な対処法を考えましょうよ〜。
黄:誰一人麒麟をフォローしないことに心ウキウキで、
 全体的にこのことがどうでもよくなってる自分が居るんだよぉ。


【返す返すもボケしか居ない】
玄:何しろ、青龍さんを欠いた私達は、
 ピーマンを抜いたチンジャオロースみたいなものですから。
黄:何だその例え、なんだよぉ。
白:肉が残ってるなら、問題無いじゃん。
黄:論点は、そこでは無いんだよぉ。
朱:緑色を青と表現することもありますから、青龍さんと掛かってるんですね〜。
黄:この混沌具合は青龍が居ても改善しない気がするけれど、
 それでも一人で対処するよりはマシなはずなんだよぉ。


【友情とはかくも脆い】
青:……。
朱:起き上がって、大丈夫なんですか〜?
青:こうも纏まらないのでは、おちおち寝てもいられません。
黄:中間管理職の鑑なんだよぉ。
白:ってかさ。青龍の代わりを黄龍がやる気とかって無いの?
黄:青龍の代行ということは、形式的にアレの部下になるということで、
 真っ平御免なんだよぉ。
白:そんなことだろうと、思ったけどね。


【言葉を選ぶ余力もない】
黒:ふわはははは。有能な龍族をお探しかね。
赤:かかか。
黄:そういや、こんなのも居たんだよぉ。
青:流石に、今日は応対する気力が無いので、お引き取り願ってもいいですかね。
黄:そしてサラッと、普段、黒龍達の相手をしているのは義理だと暴露したんだよぉ。


【後始末が面倒だし】
黒:それはそれとして、邪魔するよ。
青:倒れそうな時くらい、私の意見を聞き入れてくれないものですかね。
黄:こいつらに、何を期待してるんだよぉ。
黒:つまりアレだろ。ガーッとやって、バーっとやって、ダーッとすればいい訳だ。
黄:青龍の心労を減らす為にはぶん殴ってでも追い返すべきなんだろうけど、
 加減を間違えると千年単位で起きないから、躊躇う気持ちもあるんだよぉ。


【赤いのはオチ担当ばかりか】
赤:くかか。
黄:実は赤龍は、喋らずに済む書類仕事なら、そこそこ有能なんだよぉ。
朱:伊達に私の御先祖様の前任じゃないですよね〜。
赤:けけか。
黄:問題は、今の世の中、一人で完結する仕事なんて殆ど無くて、
 意思の疎通が困難な赤龍に回せるものが見当たらないということなんだよぉ。
赤:けけこ。


【素晴らしく光栄なこととも言える】
朱:私は、赤龍さんが仰ってること、大体分かりますよ〜?
赤:くここ。
黄:朱雀を間に噛ませるとか、二重翻訳以上に何を言いたいか伝わらないんだよぉ。
白:そりゃまあ、朱雀の言葉を翻訳する専門家が必要って言われるくらいだしね。
朱:い、一体いつ、そんな定評が定着したと言うんですか〜。


【ジグザグ登山の方が疲れずに済むみたいな】
青:あなた方を見ているだけで、またクラクラしてきました。
白:普段も頭痛の種が絶えないんだから、逆によくなるってことはないかな。
黄:無茶苦茶もここまでくると、清々しくすらあるんだよぉ。
玄:閃きました。逆位相の波をぶつけることで相殺できるように、
 青龍さんを揺さぶり続ければ目眩は収まります。
黄:ここいら辺まで来ると、そもそも常識とは何なのだろうかから論じた方が、
 収束は早いのではなかろうか、なんだよぉ。


【きっと多分いい話】
青:……。
朱:ま、またしても倒れましたよ〜?
黄:さしもの青龍にも稼働限界があったことに、
 驚いたような、安心したような気分なんだよぉ。
白:さりげに黄龍も、結構酷いよね。
黄:千年単位の付き合いだからこそできる投げっぱなしだと、
 ちゃんと詭弁は用意してあるんだよぉ。


【そう考えると黄龍ってタフだな】
医:ムム、疲弊具合が悪化しとるが、ちゃんと安静にさせてたんじゃろうな。
黄:安静というのが、あまり動かないことなら、そうなんだよぉ。
医:なんじゃ、その煮え切らん言い回しは。
黄:こと精神疲労に関しては普段の倍付けで襲ってきたのではと、
 素人なりに推察させてもらうんだよぉ。


【公共的な広告機構に連絡はしないで】
医:面会謝絶で短期入院じゃな。あんたらの知り合いは濃いのしかおらんようじゃしの。
黄:よくぞそんなことが言えたものなんだよぉ。
青:そうはいきません。私が居ないと回らない仕事が多過ぎますから。
黄:一般的にこの台詞は自意識過剰人間のものなのだけれど、
 青龍の場合、比喩でも大げさでも無いから困ったものなんだよぉ。


【ニート七十七箇条その一】
黄:本格的に洒落にならなそうだから、少しだけ働いてやるんだよぉ。
白:最初っからそうすればよかったんじゃないの。
黄:貯金が底を尽いて家賃の督促状が来てからが勝負だと、
 どっかの偉いさんが言ってた気がするんだよぉ。
玄:割と本気でダメなんでしょうね、やっぱり。


【青龍慟哭編参照】
黄:だけど麒麟に顎で使われるのはゴメンだから、
 あくまでも、朱雀、白虎、玄武のサポートに徹するんだよぉ。
白:前に、見習いみたいな感じで、一瞬だけ職場に来たことあったよね?
黄:若き日の過ちなんだよぉ。
朱:さしもの私にも〜、これが笑いどころだというのは分かります〜。
黄:何でこう、冷静に考えたら無いなと思えることを、
 勢いで口にしてしまうのかが問題なんだよぉ。
 

【ベビーシッター兼務みたいなものだもの】
青:何とか、快癒した様です。
黄:本当に大変だったから、しばらく勘弁して欲しいんだよぉ。
青:私も、身体が言うことを聞かずヤキモキするくらいなら、
 四六時中働いていた方がマシだと再認識しました。
黄:どうしてこう、極端な仕事中毒とサボり魔しか居ないのか、
 神の差配というには、あまりに雑な話だと思うんだよぉ。


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