邂逅輪廻



【天使的最高評議会公認済】
朱:悪魔さんって〜、元々は天使さんだったんですよね〜?
メ:ん……高慢や嫉妬で心が汚れて、堕天使となったのが悪魔と称される、らしい。
月:死後の世界で穢れまくって黄泉津大神になった、うちのおかんに似てるな。
黄:現世に居座りまくってるにも関わらず穢れてるのが、何か言ってるんだよぉ。
メ:月読はもう、立派な悪魔扱いで決着したから何の問題もない。
月:知らぬ間に、妙ちくりんな肩書きが増えてしまった、この私。


【実はこれでも悪意がない】
月:悔しいから、メタトロンも堕としてくれるわ。
黄:このメンタルがもう、堕落した者の発想なんだよぉ。
メ:中学生になったぐらいの子が、嫉妬心を覚えたみたいな感じ。
朱:それをなくしたら月読さんじゃありませんから、今のままでいてください〜。
月:お前ら、ナチュラルにボッコボコにしてくれるな。


【麒麟との確執は黙殺】
?:お、メタトロンやないかー。久しぶりやなぁ。
メ:やぁ、こんにちは。
朱:どちら様ですか〜?
メ:噂をすれば何とやら。悪魔の、マモン。
マ:よろしゅーなー。
朱:て、天使さんと悪魔さんって、こんなにフランクな関係でいいんですか〜?
黄:まあ、この手の対立は基本的に人間が作り出したもので、
 舞台裏は大体、グダグダなものなんだよぉ。


【プロレス姉妹ともっぱらの噂】
月:警察機構と非合法組織がズブズブみたいなものか。
黄:なんだ、その生々しい喩え、なんだよぉ。
月:長い間生きてきて、衝突の大半は、世間に対するガス抜きだと学んだからな。
黄:それを月読が言っても何の説得力も無いと、ツッコむべきかが問題なんだよぉ。


【無欲って言うほど無じゃない】
朱:ふに〜。マモンさんは、七つの大罪の内、強欲を担当されてるんですか〜。
マ:せやでー、欲っちゅうんはなんや悪いもんみたいにゆわれてるけどな、
 もしも無かったら生物死滅してまうやないか。
  それに欲があるからこそ、人間社会は発展してきたねんで。
メ:極端なのがいけないと言ってるだけで、なくせとは言っていない。
マ:その基準が独善的で曖昧やから離反したっちゅうねん。
黄:なんだか、ベンチャー企業の社長と元部下というか、
 世の中は案外、こんな感じの関係で満ち溢れてるのかも知れないんだよぉ。


【ぶん投げたくなってきたな】
月:話を聞いていると、天使サイドの人望の問題ではないかと思えるのだが。
黄:人望ゼロが、何か言ってるんだよぉ。
マ:せなやー、ゆわれてみれば、このええかっこしいがとおもとる部分はあるな。
朱:こ、こんなこと言ってますよ〜?
メ:不良気取りが優等生をガリ勉呼ばわりするのは、妬みからだから矯正すべき。
黄:こうやって、どっちが天使で悪魔か分からなくなってくるのは、
 灰色の時代と呼ばれる現代を風刺してるのではなかろうか、なんだよぉ。


【龍造寺家なんかが有名】
朱:話は変わりますが〜、四大天使と七大悪魔が有名ですけど、
 何でちょっと数字が開いてるんですかね〜?
メ:一応、四大天使に三体を加えた、七大天使というのもある。
 少しマイナー感はあるけど。
朱:ミカエルさん、ガブリエルさん、ラファエルさん、ウリエルさんは存じてますけど、
 残りの三名はどなたになるんですか〜?
メ:それが、宗派や教義によって不安定で、
 重複なしで数えると、ヘタすれば二十体くらいいるらしい。
月:なんだ、その五人いる四天王みたいな話は。


【完全に言い負かされた】
黄:マイナー気味な理由が、よく分かったんだよぉ。
マ:その点、七大悪魔はほとんどブレてへんでー。
月:規範から外れてる輩の方がキチッとしてるこの不思議。
マ:何でも杓子定規に決めようとしたせいで、柔軟性に欠けるっちゅう典型的な例やな。
メ:ウヌヌ。


【悪徳商法への警鐘的な】
朱:そういえば〜、悪魔との契約ってありましたよね〜。
マ:お、やってみるか、嬢ちゃん。
黄:やめとけ、なんだよぉ。
朱:クーリングオフが適用されるなら考えてみます〜。
マ:そん時は、期間の七日が過ぎるまで、強制的に眠らさせてもらうでー。
朱:ふ、ふに〜。
黄:この様に、悪魔との知恵比べに勝つのは実に困難であり、
 生半可な思い付きや覚悟で挑んではいけないものなんだよぉ。


【経験値が違うもの】
月:それでも私だけは、私だけは裏を掻いて一泡吹かせられる。
黄:完全に、ギャンブル中毒の思考回路なんだよぉ。
マ:三つも願いを叶えておいて、魂は後払いなんて破格の条件やで。
 少しくらい遊びの要素は入れな不公平やないか。
月:ちなみに、願いを叶えた後、納得した奴は居るのか。
マ:おるわけないがな。
黄:顧客満足度ゼロという斬新な契約だけど、
 正真正銘の悪魔だし、それも致し方ないかなと思うんだよぉ。


【腹を割って話せる間柄なんだよ】
月:ところで、悪魔の証明、マクスウェルの悪魔、ラプラスの悪魔等、
 やたらと悪魔が使われる件について何かコメントを。
マ:底意地の悪いっちゅう部分が気に食わへんけど、
 万能の代名詞になっとるから許したろかい。
黄:何だその上から目線、なんだよぉ。
メ:性格が歪んでる万能なら、主も負けてない。
 食べるなよ、絶対に食べるなよ的な知恵の実とか。
黄:そしてあんた本当に神の代理人なのか、自分の職責を少しは考えた方がいいんだよぉ。


【天然痘も復活するらしい】
メ:考えてみれば、知恵の実を食べたせいで、人間は余計な欲を得たような?
黄:今更か、なんだよぉ。
メ:その為に業が生まれたのだとすれば、もしや悪魔の発生源はそこ?
マ:ウチらをなんや、虫みたいに言わんといてや。
黄:でもまあ、ハエの親分みたいな悪魔も居た気がするし、
 撲滅は不可能に近いという意味では、近しいものを感じるんだよぉ。


【犯人はいつだって青い鳥】
月:悪魔と煩悩の発生、どちらが先という思考遊びができるな。
朱:ニワトリとタマゴのアレですね〜。
メ:人が欲どしいから悪魔が生まれたのか、悪魔がいるから欲どしいのか。
 というか、知恵の実を食べるように唆したヘビは悪魔の化身だったような?
黄:そして、ヘビという単語が出てきただけで、一斉にこっちを見やがるんじゃないんだよぉ。


【ここまで悪魔が似合うとは】
マ:一度、天使達が知恵の実を食べたらどないなるか実験してみたいんや。
月:同じことを、朱雀に試したい。
黄:この意気投合っぷり、さすがは公認悪魔だと思わされたんだよぉ。
月:世の真理を少しでも解き明かしたいというこの心持ちが強欲と言うのなら、
 私は、神に逆らうことも辞しはしない!
黄:いや、あんた定義は多少違っても、一応は神様そのものだし、
 堕ちた天使が悪魔になるのと似たようなものなんだよぉ。


【ピンク色の象に近いモノ】
朱:マモンさんとは、初対面の割に話しやすいですよね〜。
黄:近来にない馴染み方なんだよぉ。
マ:まー、徳を積まんと会えんちゅう、訳分からん縛りしとる天使とちごて、
 悪魔は誰の心にもおるからな。
メ:天使だって、二日ばかり寝ずに仕事をすれば、案外出会えるもの。
黄:その時に見たものが本物の天使かどうかについては、
 ここではコメントを避けさせてもらおうと思うんだよぉ。


【あえて責任は取らない】
月:閃いた、神様に会える権利が時たま当たるオミクジを販売しよう。
黄:昨今の世相に毒されすぎなんだよぉ。
月:人ってのはな、時たま当たるからこそ、快感を得られる生き物なんだぜ。
マ:えー目の付けどころやな。ウチも乗ったるでー。
黄:ひょっとして、この二人を出会わせてしまったのは、
 色んな方面にとってまずいことなのではと思わなくもないんだよぉ。


【性善説と性悪説的な】
月:まー、神様っちゅうても、爪楊枝の神様とかもおるんやでな。
黄:うつってる、うつってる、なんだよぉ。
メ:天使と違って、悪魔はすぐに侵食する。だからこそ、日々の心がけが大事。
マ:人間らしゅう生きるんが、大切なことなんやでー。
黄:この会話、平行線の様で、本質的には同じことを言ってるような気がして、
 少し考えさせられるものがあるんだよぉ。


【使いこなせない高級食材】
朱:ふに〜、てなもんや、っちゅうわけやあるもんですかいな〜。
黄:訳の分からないことになってるんだよぉ。
月:白地というか、透明だから、実に染まりやすいのかと。
マ:こりゃ、たしかにおもろい素材やな。化けるかも知れへんで。
黄:正直、現状で誰も扱いきれてないのに、これ以上とか言われても、
 げんなりという感情しか出てきやしないんだよぉ。


【贖罪の本質を問う一石】
月:免罪符とかいう、悪魔が発想したとしか思えない教会の産物。
マ:ここだけの話、唆したのはウチらやでー。
メ:貴様か!
黄:今明かされてしまう、衝撃の事実なんだよぉ。
マ:金っちゅうんは、労力の結晶や。
 それを罪の対価にするんに、なんの不都合があるっちゅうねん。
黄:一理ある様で、じっくり考えてみるとやっぱり詭弁な訳で、
 悪魔の口のうまさは、中々に厄介なんだよぉ。


【悪魔ってそういうものじゃ】
朱:閃きました、将来やってしまいそうな悪事に、
 前払いでお金を払っておくというのはどうでしょうか〜。
黄:ひっでー発想なんだよぉ。
マ:悪いことしてもたら消えてまう札を作れれば、説得力が出そうやな。
黄:そして、この追い打ちを掛けるような具体案、
 もしや悪魔は、何と混ぜても危険なのではなかろうか、なんだよぉ。


【不自然な色の落とし穴的な】
朱:何にしましても、その言葉遣い、独特ですよね〜。
マ:せやろか?
黄:朱雀にだけは言われたくないと思うんだよぉ。
メ:ツッコんだら負け、ツッコんだら負け、ツッコんだら負け。


【それでクシャミのつもりかい】
月:日本で言うところの、関西弁に似てるような、そうでもないような。
マ:天界や魔界に、近畿地方があるわけないやろー。
黄:この、微妙にモヤモヤした感じはなんだろう、なんだよぉ。
月:まあ、うちのバカ弟も広島弁の様な謎の言語を用いてるし、大した問題ではないか。
須:へっくすぶるぁ!


【徳川家康のことだよ】
マ:こまいこと気にしとったらあかんでー。言葉なんて、通じればええんや。
月:関西人っぽくない。あいつら、関東的な言葉を標準語って言うことすら反発するのに。
黄:何か、偏見があった気がするんだよぉ。
朱:そもそも日本神話って、伊勢より西がメインの舞台じゃなかったですっけ〜?
月:私は、権力者には逆らわない。権現様がお江戸を都として以来の関東信者。
黄:だったら姉に対しても従順になれと、言っても聞く耳持ちゃしないんだろうなと思うんだよぉ。


【新陳代謝は大事だよね】
朱:ふに〜、悪魔と言っても、月読さんと同じくらいの悪さなんですね〜。
黄:それは充分、アウトラインを跨いでる気もするんだよぉ。
マ:日本にも、なかなか見所がある奴がおるんやなー。
 どや、ウチと本格的に悪魔やらへんか?
月:ふっ、そんな既成の枠に嵌めようとするなど底の浅いことを。
 私が、真の全知全能となる日を、心待ちにしているがよい。
黄:このニートがいつかビッグになってやると言っているみたいな感じ、
 堕落の悪魔ベルフェゴールと入れ替え戦をしてみてもいいのではなかろうか、なんだよぉ。


コント連載中



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