邂逅輪廻



【全方位ブーメラン射出】
黄:最近、真武とはどうなんだよぉ。
玄:な、なんですか。その里帰りした娘に旦那の評価を聞くみたいな言い回しは。
黄:いかに玄武が、妹より狭量で、全ての性能において下位互換であろうとも、
 年上として面倒を見るのが、世の摂理なんだよぉ。
月:しかし、それは黄龍が言っていいことなのか、少し考えさせてもらいたい。
黄:月読もな、なんだよぉ。


【時には自己啓発セミナーの様に】
玄:真武とは……まあ、何とかやっています。
月:こっちも、旦那を評する様な言い方だな。
黄:辛くはないか、なんだよぉ。
玄:そ、その言い方だと、私が幸薄いみたいに聞こえるじゃないですか。
黄:どちらかというと不幸の部類な様で、案外、人生満喫してる様な気もするし、
 正直、自分で判断すればいいとは思ってるんだよぉ。
 

【今宵のブーメランはよく刺さる】
真:お姉様が壊れない限り、ケンカする理由がないですぅ。
黄:壊れる、が機械としてではなく、人格的な意味で、というのが凄い話なんだよぉ。
月:しかし、他愛のないことでケンカしてこそ、真の家族と言えるのではないか?
黄:相変わらず最低な煽りをしやがると思ったけど、
 それは完全に、月読と天照の関係なんだよぉ。


【逆鱗はひょんなところに】
玄:原子力が動力の私達にとって、
 おかずで揉めるというシチュエーションは憧れの的なんです。
真:何故かセットにされたですぅ。
月:あー、分かる分かる。そういう庶民的なことって、やってみたいよねぇ。
玄:黄龍さんと則天武后さんの様に、
 ケダモノと見紛う下品さで箸をつつきあってみたいものです。
黄:人んちの食事事情に口を出すというのなら、
 こちらとしても本格的な説教を用意せざるをえないんだよぉ。


【何故か飛び火した】
月:つーか、人型サイズに、どうやったら原子力を搭載できるんだ。
黄:オーバーテクノロジーってレベルじゃないんだよぉ。
月:話題の、ベクレル的なものとか、シーベルト的なものはちゃんとカットされているのか。
黄:とはいえ、朱雀が発する電波に比べれば、影響は無いに等しいというのが定説なんだよぉ。
朱:ふ、ふに?


【いいからエンジンを映せ】
朱:原子力と一言で言いますけど〜、原料はなんなんですか〜?
黄:たしか、重水素、ウラン、プルトニウムなんかがあった気がするんだよぉ。
月:でも、どうせお湯を沸かしてタービン回してるんだろ?
朱:ハムスターさんでも、問題無い気がしてきました〜。
黄:動力がハムスターのガイノイドとか斬新すぎるけど、
 そっちの方が人気出そうな予感しかしないんだよぉ。


【中華史上最悪のブラックボックス】
玄:さあ?
月:さあてあーた。
玄:人間だって、食べたものがどの様に代謝されているかを、
 正確に把握してる人はほとんど居ないんですから問題ありません。
黄:いや、メンテナンスとか、セキュリティ的に考えて知らないのはどうなんだという話なんだよぉ。


【これが僕らの通常営業】
真:お母様が言うには、未来の核融合素材らしいですぅ。
月:未来のという冠がつくだけで、胡散臭く聞こえるな。
黄:それは、心が汚れてるからなんだよぉ。
朱:未来の玉手箱とか、開けていいものか判断に困りますよね〜。
黄:只の福袋か、タイムカプセルの気がしてならないんだよぉ。
真:なんでここまで話がとっ散らかるのか、不思議でならないですぅ。


【歴史はきっとループもの】
玄:そろそろ、私達にもライバルキャラが必要なのではないでしょうか。
黄:何を贅沢な、なんだよぉ。
玄:こう、共通の敵が居れば、揉める暇も無いと思いませんか。
黄:根本的な問題は何も解決してないという、ある意味王道なんだよぉ。
玄:目先さえ何とかすればいいというのは、人類史共通の美徳です。


【天才をこじらせすぎた】
亜:その話、乗った。
黄:一番面倒なのが食いつきやがったんだよぉ。
亜:新・型・開・発! これ程にテンションの上がる言葉があるであろうか!
真:こうやって、私も過去の女にされるですぅ。
黄:不穏当な物言いはやめるんだよぉ。


【本末転倒のその先に】
亜:とりあえず、要望を聞こうか。
玄:売れるかどうかは、好敵手キャラの立ち具合に掛かっています。
  ですが、主人公サイドを食わない程度という、絶妙な匙加減を求めます。
黄:いきなり、とんでもない難易度なんだよぉ。
月:そもそも、玄武を食わないという時点で、キャラが立ってると言えるのだろうか?
黄:いっそのこと、ライバルポジが実質主人公になってしまうのも、
 致し方ない流れなのではなかろうか、なんだよぉ。


【チョロイン界のシーラカンス】
真:私は、副官的な奴と争う感じを所望するですぅ。
黄:これは、サイドバトルのはずが、本編扱いされる流れなんだよぉ。
玄:どこまで私を残念主人公にしたいんですか。
月:最近は、割とサブキャラにもスポットを当てる流れだぞ?
  つまり、最先端を走っていると言える。
玄:そ、そうですかね?
黄:この簡単に言いくるめられる感じがクラシカルなのかトレンドなのか、
 ちょっと、そこまでは分からないんだよぉ。


【ギリシャ神話も多い】
亜:数合わせで双子キャラ登場とかは、プライド的にしたくないよね。
黄:業界の闇を暴きすぎなんだよぉ。
月:というか、世界の神話全般にケンカ売ってるような?
白:うにゃ?
メ:ん?
黄:何か通りすがりに変な目で見られた気もするけど、
 ここは一つ、ガン無視を決め込もうと思うんだよぉ。


【それはそれで芸風だから】
朱:ですけど〜、双子さんは対比的な性格を表現しやすいんじゃないですかね〜。
黄:分裂できる生命体が何か言ってるんだよぉ。
月:何を言っても面白いとかいうズルさ。
朱:う、受け手側の勝手な解釈じゃないですか〜。
月:どんなことを喋ろうと大体滑る、玄武の苦労を見習え。
玄:さらりと私を、オチ要員にするのはやめて頂けませんか。


【私が知る限り一人だけ】
亜:よし、決めた。材料費もったいないし、二つの人格と兵装を一つの身体に取り込もう。
黄:そっちの方が難しいはずなんだよぉ。
亜:私は日本で過ごして、コンパクトの中に無限の可能性というのを学んできた!
月:小さいことこそ素晴らしい。
  頭身が上がって人気を維持したキャラクターなど、ほぼおらぬわ!
黄:話の論点が合ってるような、ズレているような、
 というか、根本的にこの発想自体ズレてる気がするんだよぉ。


【世界はボケに満ちている】
亜:ところで、人格は、男・男、男・女、女・女、オカマ・男の四候補があるけどどうする?
黄:何でそのパターンなんだよぉ。
月:そうだそうだ。オネェ・女が無いだとか、業界を敵に回すぞ!
黄:いや、そこじゃないと言いたいけど、
 もう何かどうでもよくなったから、ツッコんでもやらないんだよぉ。


【多分もう手遅れ】
亜:トンテンカーン、っと。
黄:御母堂がノリノリですが、娘さん達はどう思いますか、なんだよぉ。
玄:私の引き立て役として、どれ程の逸材なのか、胸が高鳴ります。
真:お母様とお姉様が満足なら、付き合ってやるですぅ。
月:この優等生発言が、計算に思えてきた。
黄:割と本気で、月読は心の浄化作業をしてきた方がいいのではなかろうか、なんだよぉ。


【あくまでも先代玄武調べ】
亜:でけた!
黄:はやっ、なんだよぉ。
亜:興が乗ってる時の私は、並の天才、十人分の仕事をするから。
  ちなみに、やる気出ない時は、猫よりも役立たず。
白:何だか、軽い名誉毀損的な発言があったような?
黄:むしろ、一時的にとはいえ、自分より仕事しないのがいることをありがたがるべきなんだよぉ。
白:ん?


【しかしテンション高いな】
亜:見たまえ。これが私の最新作、鳳雛だ!
朱:随分と中性的なお顔をされてますね〜。
亜:どっちのタイプにしようか考えてたら、途中で訳分からなくなったからね!
黄:そこは自信満々に言うところじゃないんだよぉ。
亜:後付け理由としては、今はこういうのが流行りだからってのがあるよ!
黄:それをバラしたらダメだろうとは思うのだけれど、
 世の中、そんなものだから困ったものなんだよぉ。


【忘れた頃にやってくる】
白:っていうか、鳳雛って、鳳凰の雛ってことじゃないの?
朱:ふに?
黄:将来有望な若者のことを、そう呼んだりするんだよぉ。
玄:似た意味の言葉に、伏龍もあります。
伏:くけけー。
黄:そういやこんなのも居たなと、朱雀並の記憶力を発揮してしまったんだよぉ。


【単なる三人目に】
鳳:あ、どうもはじめまして、鳳雛と言います。
朱:何だか、礼儀正しいですね〜。
亜:私の子供だからね。
黄:ダウト、なんだよぉ。
玄:あの〜。私達のライバルというのが、今一つ伝わってこないんですが。
黄:そういや、元はそんな話だった気もしたんだよぉ。
玄:わ、忘れないでください。


【これだから天才は】
亜:今のが、男の子人格のホウちゃんね。
鳳:あぁん? てめぇ、こら、何見てやがんだ。
亜:んで、こっちが女の子人格のスウちゃん。
  コンセプトは、やんちゃな姉に振り回される弟みたいな。
黄:それ、一つの身体でやる必要がないというか、
 端から見てて凄い絵になるのが確定してるんだよぉ。


【中性天使的な方向で】
朱:鳳雛さんは〜、玄武さんと真武さんの、弟になるんですか、妹になるんですか〜?
亜:おもうと、ないしは、いとうと?
黄:ひっでーセンスなんだよぉ。
月:というかだな。身体がどうなってるのか知りたいのが大多数なのではと――。
黄:そこに触れると、戻れない業を背負い込みそうなんで、
 気付かなかったことにしたいんだよぉ。


【とりあえず投げっぱなそう】
玄:妹以外のライバルを所望したら、家族が増えました。
月:凄いダイジェストだ。
真:でも、大体合ってるですぅ。
鳳:み、皆さん、スウ姉ぇ共々よろしくお願いしますね。
  ケッ、ホウは何いいこぶってやがんだ。
黄:しっかし、この奇怪な二面相、今後一体、どうやって処理するつもりなんだよぉ。


コント連載中



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