【それを夢と呼ぶ説もある】 朱:やっぱり〜、聖獣として生を受けたからには、 何かしら大きなことを成し遂げたいですよね〜。 黄:まーた、定期的な発作が起こったんだよぉ。 月:夢を持たぬ枯れ切った若者が多い中、素晴らしいことではないかね。 黄:この場合、『明日はゆっくり休んで明後日から本気出す』に近いから、 夢と言えるのかさえ怪しいのが真相なんだよぉ。 【現実逃避の為の視点移動】 黄:大体、具体的には何をする気なんだよぉ。 朱:それはこれから考えます〜。 黄:ほら見たことか、なんだよぉ。 朱:黄龍さんの様に、積み重ねた実績の割に知名度が小さくならないように、 宣伝だけはしっかり行いたいと思います〜。 黄:名誉欲はれっきとした生きる原動力ではあるのだけれど、 それだけが肥大化すると目的が曖昧になる、これはきっとそういう事例なんだよぉ。 【出来るとは言っていない】 月:ともあれ、どういう風に大きいことなのかからまとめてみようか。 朱:私としましては〜、国家、人種、宗教間にはびこる諸問題を一掃するとかいいですね〜。 黄:割と、大きく出たんだよぉ。 月:人類社会視点で見れば、最大級と言える気もするのだが。 黄:宇宙、素粒子、生命の真理探求に比べれば、理論上不可能でないだけ、まだまだなんだよぉ。 月:長生きしすぎて、感覚が狂ってる方が居る。 【塵が積もって紙一重】 朱:でしたら〜、お嫁さんと姑さんの家庭内内戦を駆逐する、お茶の間バスターになりたいです〜。 黄:一気に下がった様で、これはこれで高難易度なんだよぉ。 月:共通の敵に、旦那を設定すれば済むということで、結論が出ているはずだが。 黄:人はそれを生贄と呼ぶんだよぉ。 月:生贄は、捧げる方の都合で存在するとは言われるけれど、 結局のところ宗教なぞ、崇める方の都合で存在するものだからな! 黄:すっげー深いことを言っているようで、 月読というだけで『はいはいそうですね』で済ませたくなる辺り、 人徳の積み重ねの価値を感じ入ってしまうんだよぉ。 【名札は大きく出来るやも】 玄:でっかくなって、ビッグネームになる。これほどに心踊ることがあるでしょうか。 月:何だ、この、出オチ感。 黄:ほぼ妄想であっても、夢を見るのは自由なんだよぉ。 玄:とりあえず、先代に大型ロボットを作っていただき、 私の人工知能を移植しようと思うのですが、どうでしょうか。 黄:身体だけ大きくなって中身は子供というのはよくある話だけれど、 何かを根本的に勘違いしてやいないか、なんだよぉ。 【目的と過程を間違うタイプ】 月:大人になるってのはな、年齢で決まるんじゃない。何を成したかで決まるんだぜ? 黄:これほど、ハードボイルドっぽい台詞が似合わない輩が居たであろうか、なんだよぉ。 朱:それはつまり〜、八歳児の私にも権利があるということですね〜? 玄:朱雀さんとほぼ同年齢の私も対象ですね。 黄:本来、権利を得て何をするのかが大事なのだけれど、 この二人の瞳は、権利を得たこと自体に満足しているんだよぉ。 【たまには放任主義で】 青:部下の成長は歓迎すべきことなのですが、この場合はいいのですかね。 黄:そこんところは、成り行き任せなんだよぉ。 玄:さぁ、朱雀さん。巨大な名称、略して大名を目指して特訓です。 朱:ふに〜。ではまず肩書や名前に押し潰されない、精神力を身につけましょう〜。 青:こう、あからさまに全方位で間違っていると指摘したくなくなるのは、 業のようなものやも知れませんね。 【基本的には諦めてる】 朱:青龍さんも、もっとビッグになってみませんか〜? 青:私は、副官が一番向いていますから。 朱:たしかに〜、私達の中で部下や上司の尻拭いが似合うのは、青龍さんだけですよね〜。 黄:副官の仕事を間違えているとたしなめようかとも思ったけれど、 なるほど、それが本業と言って差し支えないのが現実やも知れないんだよぉ。 青:かつての上司や現役の部下が、面と向かって言うべきことでは無いのでしょうけどね。 【そもそもあいつら美味いのか】 白:大きくするなら、名前より獲物じゃないの? 黄:狩猟民族を通り越した肉食獣は、言うことが違うんだよぉ。 白:世の中、地球温暖化とか言うけどさ。 かつて地球を席巻した恐竜が復活する下地ができるならありかも知れないとも思うんだよね。 黄:ちなみに、恐竜が温暖な気候と潤沢な食料で巨大化したのは事実らしいけど、 それは何千万年も掛けて行われた進化で、白虎の寿命じゃ難しいかなって思うんだよぉ。 【自然界ではありえない】 朱:わ、私は食べる部分が少ないから、対象外ですよね〜? 黄:保身がヤブヘビになる発言なんだよぉ。 白:いやいや、たまには量より質ってか、 グラム単位で取引されるような高級肉も食べてみたくなるのが、真のミートイーターじゃない? 朱:に、肉はどこまで行っても肉ですよ〜。量が多いに越したことはありません〜。 白:そっかな〜。 黄:しっかし、この捕食対象が捕食者を説得する光景、 もしや禅問答的に謎かけできるのではと、ちょっとばかし思ってしまうんだよぉ。 【フロイトによるとリピドーの発現】 天:私は、努力するまでもなく有名神ですよ。 月:ケッ。 黄:はいはい、ここまで脚本通りなんだよぉ。 須:なんじゃい、姉貴。有名になりたいんじゃったら、何か考えちゃろかい? 月:私には、天の岩戸に引き篭もって日食を引き起こしたり、 ヤマタノオロチ退治で名を馳せたような、著名な姉も弟も居ない! 黄:現実を直視することを拒むようでは、 そろそろ本式な診療が必要なのではないかと思ってしまう次第なんだよぉ。 【フグの一件は忘れたことにしよう】 須:姉貴、何で怒っとるんじゃ? 天:きっと、反抗期なんですよ。肉親の顔を見るだけでイラッとする時期は、誰にでもあります。 黄:すっげー姉弟なんだよぉ。 月:フンだ! 姉さんが作った御飯なんて、食べたくない! 黄:しかしこのいかんともしがたい茶番感、 見てて歯がゆいから、日本国内から出さないで欲しいものなんだよぉ。 【近すぎるから見えないもの】 櫛:お義姉様の知名度は、わたくしと血が繋がった姉達に比べれば、まだまだ高いですわ。 黄:たしかに、ヤマタノオロチに食われた七柱だかの姉の名を言える人は少ないんだよぉ。 櫛:お義父様とお義母様、つまりはイザナギとイザナミの先達に当たる五柱も、 空で言える方はほとんどおられないのですから、知名度と偉大さは比例しないと思いますの。 黄:しっかし、義妹というか、遠縁の娘さんの方が、 実の姉、弟より親身になって慰めてるというのも、どういった塩梅なのかなと思うんだよぉ。 【家族の重さを知っている】 月:とりあえず、櫛名田に免じて今日のところは許してやる。 黄:成層圏くらいから、見下してる物言いなんだよぉ。 月:それほどに私も、ビッグになったということだな。 黄:うまいこと言ってやった感が、半端無いんだよぉ。 櫛:お義姉さまが気を取り直したのでしたら、問題ありませんわ。 黄:しっかし、何でこんないい子が三貴子の関係者になってしまったのか、 日本神話の闇は、奥深くてやるせないんだよぉ。 【世代交代はひっそりと】 猫:まーお。 朱:猫の白虎は、既に大きいですよね〜。 黄:図体と、態度の話なんだよぉ。 猫:うにゃーお。 朱:『器と肝っ玉を忘れてるぞ』って言ってます〜。 黄:たしかに、本家の白虎より大物であることは認めてるけど、 それは本人が言うことなのかという疑問だけは残るんだよぉ。 白:サラリと、とんでもないことを確定事項にされてるような? 【朱雀と添い寝はむしろ熱い】 猫:ぐるにゃーお。 朱:『ふん、黙っててもエサと温かい寝床があるってのに、 何でそんな面倒な仕事しなきゃなんねーんだよ』と言いたいみたいです〜。 黄:いつから、翻訳機能を搭載したんだよぉ。 白:というか、飼い主の野心を真っ向から全否定してない? 黄:そもそも、このドラ猫の場合、朱雀が飼ってるのか飼われてるのか、 そこからして曖昧極まりないんだよぉ。 猫:まーお。 【レベルでいうと二桁差】 ヘ:名前を売るというか、成り代わる為に、統括神をぶっ殺す算段をしている。 黄:そういや、そんな目的もあったんだよぉ。 ヘ:しかし、あの理不尽な強さはなんなんだ。 倒し方を考えてない裏ボスみたいな無茶苦茶さだったぞ。 黄:とりあえずステータスを高くしておけばいいという、 昨今のゲームの風潮には異議を唱えたいところではあるんだよぉ。 月:結局、何の話であったのか、私にはちょっと分からない。 【仮想現実も現実の一部】 フ:視点を変えてみるんです。いくら強くなっても、足りることがないと。 ヘ:私は、お前みたいな鍛えることが目的の戦闘狂じゃなくて、勝つためにやってるんだ。 黄:まあ、ユニットの無限強化も、 互角に戦えるボスキャラが居ないと盛り上がりに欠けるのは事実のような気もするんだよぉ。 月:この、噛み合ってないようで、一回りして噛み合ってる会話、 もしや一種の、高等技術なのではなかろうか。 【名言の大半はその場しのぎ】 メ:何かを成すという行為の為に何かを成すのは、結局のところ何も成せないのと同じ。 月:何ほざいてんだ、コイツ。 黄:ざっくばらんな感想なんだよぉ。 メ:ん、それっぽいことを言ってみただけだから、実は私も何が何やら。 黄:一瞬、もしや深い言葉なんじゃないかと思ったそこの貴方、 世の中、案外、こんなものだという現実を思い知るんだよぉ。 【その為の宗教説】 朱:つまり〜、名前を売る為に仕事をするのは、本質的に間違ってるってことですよね〜? メ:ま、それでいいや。 黄:こんなんが最高クラスの天使というのも、聖書的にどうなんだよぉ。 朱:ふに? 月:ん? メ:現実を直視しないのは、黄龍もそう変わらないと思う。 黄:長生き仲間として、現実なんて見れば見るほどやっていけないのは、 御同意頂ける所存だと思う次第なんだよぉ。 【外野から煽ってみる】 麒:そんな益体もない大きなことを言う前に、目の前の仕事を終わらせろ。 朱:ふ、ふに。 玄:いやー、今日も本当に、いい天気ですね。 麒:貴様らは、本当にいい根性をしているな。 黄:どう考えても麒麟の方が正論を言っているのに、このどっちにも味方をしたくない感、 私怨私憤というやつは、根深いものなんだよぉ。 麒:そっちはそっちで、ちょっと黙ってろ。 【砂上の楼閣的論理構築】 青:受け身社員だとかマニュアル人間などという言葉が出回って久しいですが、 言われたことを大体こなしてくれるなら、それは割と優秀な部下です。 黄:切実さがすごいんだよぉ。 玄:私達は、組織の枠組みに収まらない、超大型の歯車だから仕方ありません。 黄:大きくなっても結局歯車なら、それは只の欠陥品であると、 伝えて然るべきかが悩ましいんだよぉ。 【規格外に敢えて王道を】 朱:ふに〜。結局、どうすれば大きくなれるんですかね〜? 黄:よく食べ、よく寝て、よく遊べばいいんじゃないかな、なんだよぉ。 朱:そ、それは子供の教育方針じゃないですか〜。 黄:つまるところ、それくらい基本がなってない訳なんだから、 せいぜい精進するんだよぉ。 朱:ふ、ふに〜。 【既に真武が凄すぎて】 玄:分かりました。私も、朱雀さんと同じ道を行きます。 黄:機械が、同じ方法で成長できるかまで責任持てないんだよぉ。 玄:いざとなれば、何故か開いたままの拡張スロットを使って底上げします。 黄:新型パソコンやゲーム機のポテンシャルにはワクワクするものの、 結局のところ最大限に活かさないまま次世代型が出る、 玄武も、同じ道を辿るんだろうなというところまでは予想したんだよぉ。
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