【懐古的には良選択】 朱:辰年が明けましたね〜。 黄:何かこう、人生で何度目かすら分からない干支の巡りとなると、 割と本気でどうでも良いんだよぉ。 青:そもそも中国では、旧正月の方が本番で、新暦の方はそれ程でも無いのですが。 月:ここは一つ、旧正月に、旧四方の中心である黄龍を崇める風習を作ろうではないか。 黄:扱いが完全に、『あの人は今』状態で、 ひょっとしなくても、ちょっとした辱めなのではなかろうか、なんだよぉ。 【人はそれを天意と呼ぶ】 月:そんなことはない。むしろ、旧体制である五龍を集めてワイワイと。 黄:ここに、五龍が四神になっても現役で、今尚、大人気の青龍様が居るんだよぉ。 青:やっかまれても困るのですが。 黒:うむ、五龍は今でも、一部で絶大な人気を誇っている。 赤:かかか。 セ:どうも、こんにちは。 黄:何というか、このやたらめったに仕組まれた感と言うか、言い換えれば御都合主義が、 むずがゆいような、快感のような、良く分からない心持ちなんだよぉ。 【ねじれの位置的並行】 朱:お久し振りです、赤龍さん〜。 赤:くかか。 黄:真性鳥頭の朱雀が、赤龍を記憶してたんだよぉ。 月:まあ、大分、波長が合うようだから。電波だけに。 朱:ふに〜ふに〜。ふにふに。 赤:きかかけかここけかきここ。 黄:しっかし、何度聞いても、どうしてあれで会話が成立するのか、 一切、全く、全然、一欠片として分からないのが困ったものなんだよぉ。 【これで疎通は厳しい】 月:言語論業界では、全ての言語には、祖となる唯一つの言葉があったとかなかったとか。 黄:バベルの塔の逸話と、何か混じってそうなんだよぉ。 月:もしやこの二人が発する奇怪な電波は、その母たる言語の面影を残しているのではなかろうか。 黄:たしかに言葉なんて通じればそれで良いような気もするけれど、 それが本当なら、やっぱり何事も進化って素晴らしいなと、思わざるを得ないんだよぉ。 【頭脳への影響は黙殺】 セ:実は私、執事ネームをセバスチャンからグラハムへと変えようかと考えているのですが。 黄:元白龍さんが、何か言ってるんだよぉ。 朱:具体的に〜、どういった意味があるんですか〜? セ:いえ、ね。実はとある御主人様から幾らか拝借したのが色々と限界を迎えつつありまして。 朱:ふ、普通に横領じゃないですか〜。 黄:それは名前を変えたくらいで誤魔化せるものじゃないから、 ここは一つ、赤龍並に顔面を殴打しまくって、原型を留めない整形をしてやるんだよぉ。 【いい年してしょーもない】 セ:何でしたら、アザナエルでも構いませんが。 黄:すごーく、問題は名前じゃないとツッコみたいけど、そうしたら多分負けなんだよぉ。 月:ツッコミ道は、今更ながら奥が深い。 黄:混沌の大きな根源の一つである月読が言うと、腹が立つんだよぉ。 セ:そして私は、御主人様の財布に手をツッコんだ訳です。 黄:何だか、顔面整形とか以前に、純粋に殴りたい気持ちが湧いてきたけど、 これはおそらく、自然な流れのはずなんだよぉ。 【近所の評判は諦めた】 麒:白龍は居るかぁ!? 黄:まあ、私財流用と聞いた時点で、大体、予想はついていた流れなんだよぉ。 月:だから殴らなかったのかと、妙に納得。 セ:いやぁ、これはお嬢様。本日も麗しゅうございますな。 麒:ほほぉ。全中華五行協会から金を盗んでおきながらその態度とは、良い度胸だ。 黄:むしろ、妙に話がでかくなってる気がする方が想定外で、 せめて家の外でケンカして欲しいなと思ってる最中なんだよぉ。 【言葉が通じる相手じゃない】 セ:あの協会は実質的に、お嬢様の資金管理団体ですから、さしたる齟齬はありません。 黄:生々しい話なんだよぉ。 麒:何を話してるか分からんが、とっとと白龍を引き渡せ。 黄:元々、好きにしろという立ち位置なんだよぉ。 セ:あぁ、やめて下さい。私を巡って女性二人が争うだなんて、そんな。 黄:まあ、死ぬまでに一度は言ってみたい台詞ではあろうかと思うけれど、 バリバリの武闘派だらけのこの面々を前に言える根性だけは認めざるを得ないんだよぉ。 【実弟に対する態度かと】 月:白龍退場、と。 黄:そして誰も居なくなる小説があった気がするんだよぉ。 朱:そこは〜、一人減ったら一人補充すれば良いんですよ〜。 須:なんじゃい、なんじゃい。龍ばっか集まって、儂に剣でもくれるっちゅう―― こりゃぁ! 毎度毎度、障子を閉めるんじゃなきに!! 月:何かが通り掛かった気もするけれど、きっと私の錯覚。 黄:いつものことながら、面倒くさそうなものを遮断するその能力、 見習うべきなのかどうなのか、ちょっと検討したい気分なんだよぉ。 【人生いつでも二番底】 黒:しかしまあ、儂らの復権も近いじゃろ。 赤:けけけ。 黄:何を根拠にしてるのか、問うたら同類になりそうなんだよぉ。 月:いや、ぶっちゃけた話、似たようなものではなかろうか。 黄:月読には言われたくないんだよぉ。 月:ふっ。私に、語るべき全盛期があるとでも思っているのか。 黄:この、微妙に口走ったこっちが悪い的な空気は、 一体、誰が作ったものなのか、どちら様かに解説をお願いしたいんだよぉ。 【知識はいつでも聞きかじり】 月:貴様らに、数合わせだの、非常用のスペアだのと言われる気持ちが分かるか! 黄:嫌な心の扉を開いてしまったんだよぉ。 月:まあ、姉さんに何かあった時に大活躍する妄想だけで、ごはんを美味しく頂けるのだがな! 黄:それって、一部学生がテロリストに占拠された学園で英雄になる想像に似ている気もするけれど、 そもそも、学生生活を送ったことが無いから良く分からないんだよぉ。 【割と本気でヤケっぱち】 月:とはいえ、旧五龍も、新四神も、似た様なものと言われれば、そんな気もしてきた。 朱:ふに? 白:うにゃ? 玄:はぁ? 黒:ほぉ? 赤:こけけ。 黄:実際問題、頭数だけ揃ってれば形になるということで並ばされてる人達がどれほど居るのか、 これは案外、社会学的に興味深い考察なのではなかろうか、なんだよぉ。 【身近に居たのは黒い鳥】 月:よいではないか。過去の良かった頃の思い出にすがって余生を過ごすというのも。 黄:龍族の寿命は無限だから、その生き方をしていると、確実にボケるんだよぉ。 則:そうじゃな。野心を失のうたら、それは既に生きているとは言えぬであろう。 黄:とはいえ、ここまで極端な生き様もしんどそうだから、 ほどほどの目標があればなと思う今日この頃なんだよぉ。 【近代物理学に謝れ】 黒:ふっふっふ。第一線を離れた黄龍に、我々のステーダムロードを理解するのは難しいであろう。 黄:ものすごーく、ステーダムロードと言いたいだけの空気が伝わってきてしょうがないんだよぉ。 月:ス、テーダム・ロォォドォ!! 黄:言い方だけなんだよぉ。 黒:うぬぬ、こやつ……出来る! 黄:何でどっちを向いても引っ掻き回す奴しか居ないのかと思ったけれど、 エントロピーは常に増大しているらしいから、科学的に考えれば正しいのかも知れないんだよぉ。 【天の厄災やも知れぬ】 則:えとろぴーとは、何じゃ? 黄:詳しくは知らないけど、系の乱雑さのことらしいんだよぉ。 朱:ざ、ざっくばらんすぎませんか〜? 則:つまり、この小鳥の頭の中の様な話じゃろ? 朱:あ、頭を扇子ではたかないでください〜。 黄:まあ、たしかに朱雀の頭の中はエントロピーが無限大に近い気もするけれど、 そう仮定すると、宇宙の創世と終焉に深く関わっているような気もする訳で、 でもやっぱり、朱雀なら驚くには値しないことなんだよぉ。 【脚色の類でも可】 赤:かかきこくか。 朱:『ふっ、成長したな。それでこそ俺の赤を継ぐ者に相応しいぜ』 と、おっしゃられております〜。 月:ついに、翻訳機能を搭載したか。 黄:いや、それよりも、明らかに発言量が見合わない方をツッコめと言いたいけれど、 世の中には意訳という便利な言葉もあるので、まあ良いかなって思わなくも無いんだよぉ。 【俺の屍がどうちゃら】 玄:継承。何やら、ワクワクする響きですね。 黄:と、娘さんがたわけたことを言ってますが、御母堂、何か御意見はありませんか、なんだよぉ。 亜:え? 人格部分以外のデータを、真武に送っときゃいいの? 玄:そ、それは只のバックアップじゃないですか。 黄:何だかこう、デジタルな身体というのは、便利なのか風情に欠けるのか、 こっちも、色々と考えさせられる部分が多い気がしてきたんだよぉ。 【日頃の行いか】 玄:とはいえ、黒を継ぐ者として、黒龍さんからは何も頂きたくないのですが。 黒:何だと、貴様! 亜:んー、まあ、そりゃそうだよねぇ。 真:血が汚れる気がしますですぅ。 伏:かかか。真っ平御免ですわー。 黒:い、一族揃って……。 黄:流石にアホの黒龍でも、ここまで言われたら動揺を隠し切れないようだけれど、 まあ、一切、同情する気にはなれないのが、標準仕様なんだよぉ。 【訳者なんてそんなもの】 赤:くけけ。 朱:『まあ、気を落とすな。人生色々あるさ』とおっしゃられております〜。 黒:この小鳥に慰められているようで、凄く腹が立つのだが。 黄:文句を言われても困るんだよぉ。 朱:た、ただ言いたいことを伝えただけなのに、何で私に矛先が向かってるんですか〜。 【世界で一番刷られた書物】 月:甘ったれるな! 言葉を代弁するとは、命がけの仕事だぞ! 最期は磔にされたキリストを見てみろ! 朱:す、凄い説得力です〜。 黄:単に屁理屈がうまいだけなんだよぉ。 メ:勝手に使われたことが、ちょっと不満。 黄:まあ、月読本人の中身がペラッペラなもんだから他人を利用するしか無い訳で、 逆に学術論文引用の様に、その数を誇ってみてはどうだろうと思う訳なんだよぉ。 【いわゆるところの釣り堀】 セ:やれやれ、何とかお嬢様の追撃を逃れることが出来ました。 黄:別に、帰ってこなくても良かったんだよぉ。 月:これが、『べ、別に帰ってこなくても良かったんだから!』だとツンデレになる不思議。 黄:アホが居るんだよぉ。 セ:この様な残念なお嬢様であろうとも誠心誠意お仕えする『セバスチャン執事事務所』をどうぞ宜しく。 黄:ついさっき、事実上の私有財産をちょろまかしていたのを激白しておきながらよく宣伝できるものだと、 これもきっと口にしたら負けなのが難儀なんだよぉ。 【一種の照れ隠し説】 青:それにしても、今日はいつにも増して色々な方が訪れていますね。 黄:まあ、ある意味、正月っぽいんだよぉ。 朱:黄龍さんは、愛されてるんですね〜。 黄:何と言うか、愛という言葉はその利便性から多用途に使われるけれど、 余りに便利すぎて、言葉を扱うものとしては堕落しているのではなかろうか、なんだよぉ。 朱:お、黄龍さんが壊れました〜。 【ゴミを極地に捨てるな】 月:ツンデレ神じゃ、ツンデレ神が降臨されたぞー。 黄:黙れ、そこの高位神、なんだよぉ。 玄:つ、ツンデレになれば、私も人気を得ることが出来ますか? 黄:旬は終わってるかなと思うんだよぉ。 月:ふっ。時代とは常に回るもの。ブームが過ぎ去ったというのなら、また盛り返せばいい。 玄:し、師匠! 黄:誰か、このアホ師弟、北極か南極辺りに左遷して欲しいのだけれど、 何処にどう申請すれはいいのかが分からなくて、そこはかとなく面倒なんだよぉ。 【それはきっと来世紀も】 黄:何はともあれ、今年も皆様、宜しくお願いしますなんだよぉ。 月:大人だ! 大人が居る! 黄:挨拶くらいで、大袈裟なんだよぉ。 月:この、混沌に満ち溢れた面々を見て尚、同じことが言えるかな? 黄:そう言われると発言に自信が無くなくる辺り、 今年もまだまだ、苦労の種が尽きそうもないんだよぉ。
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