【権限無くても口は出す】 朱:黄龍さん、起きて下さい〜。大変なんですよ〜。 黄:まだ昼前なんだよぉ。眠い時は寝るのが、正しい生物像なんだよぉ。 朱:幾ら仕事が無いからって、惰眠を貪ってる場合じゃないんです〜。 黄:退役軍人は、それはそれで一定の発言力があると、 言って説得すべきかを悩むところなんだよぉ。 【時には英国人の様に】 黄:それで、何がどうしたんだよぉ。 朱:その前に〜、お茶を一杯、頂いて良いですかね〜。 黄:いや、急用だったんじゃないのかと問いたいけれど、 どうせ寝起きで頭なんて動いてないんだから、 のんびりとティータイムを満喫してやるんだよぉ。 【甘いあまーい蜜の味】 麒:青龍が、居なくなった。 黄:何でこれが居るんだよぉ。 朱:一応〜、私の上司に当たるらしいですから〜。 黄:一応、だの、らしい、だの、言葉の端々に軽視の感情が漏れ出ている辺り、 本当、部下に慕われてないものだと思うんだよぉ。 麒:ニヤニヤしながら、こっちを見るなと言ってるだろうが! 【恐らく黄龍限定】 黄:青龍は隠密行動のスペシャリストなんだよぉ。 きっとステルスモードで何処かに居るんだよぉ。 麒:やる気無いな、おい。 黄:麒麟が絡んでいるというだけでやる気を全部無くすと言うのが、 全ての生物として正しい在り方だと思う今日この頃なんだよぉ。 【御役人的事態収拾術】 黄:あれだけ働かせてるんだから、一日や二日、 無断で遅刻したくらいで目くじらを立てるのもどうなんだよぉ。 麒:もう、一週間も顔を見ていない。 黄:……。 朱:ふに? 黄:いや、そこまで連絡が取れないなら、むしろもっと大事のはずなのに、 何で今日になって相談しに来たのか、そっちの方が疑問なんだよぉ。 【齢一万年でこんなもの】 黄:まあ、たまには中枢無しで現場を動かすのも、良い経験なんだよぉ。 朱:ほ、本当にやる気がありませんね〜。 黄:解決したところで褒賞が出る訳でも無ければ、評価が上がる訳でも無い、 そんな状況で気合が入る程、人格的に成熟してる訳でも無いんだよぉ。 【残念ながら事実らしい】 黄:多分、あれなんだよぉ、ストライキなんだよぉ。 麒:上の人間に知らせないストライキが何処にある。 そもそも、中国はストライキを労働者の権利として認めていない。 黄:凄い台詞を聞いたんだよぉ。 朱:そもそも〜、青龍さんは中間管理職ですから、経営者サイドですよね〜。 黄:いや、話の根幹はそこではないのだけれど、 何かそれでも良いような空気が蔓延してきたのが恐ろしいんだよぉ。 【正しい保護者の責任道】 黄:分かったんだよぉ。探すのを手伝うんだよぉ。 麒:最初から、そう言え。 黄:絶対に、麒麟やどうしようもない部下三名に愛想を尽かしただけなのに、 こっちまで巻き込まれるのが納得出来ないんだよぉ。 朱:ふに〜? 【全速力で職務放棄】 黄:青龍、何処に居るんだよぉ。 朱:さ、さすがに冷蔵庫には入っていないと思いますよ〜? 黄:じゃあ、今度は、漬物樽でも漁ってみるんだよぉ。 麒:ポーズだけでも、やる気を見せる努力をしろ! 【目標は一家に一台】 黄:考えてみたら、青龍が居なくなってから探すんじゃなくて、 居なくても回るシステム作りをしておくのがリスクマネジメントというものなんだよぉ。 麒:上げ膳据え膳で何でもやってくれる男がいて、そこまで知恵が回ると思うなよ。 黄:この甘やかしこそが今日の綱渡りの原因であると、 思っていても中々改善できないのが社会組織の業というものなのかも知れないんだよぉ。 【天帝暴落編参照】 黄:そう言えば、青龍は携帯電話を持っていた気がするんだよぉ。 麒:何故、そういう大事なことを真っ先に言わん。 黄:と言うか、直属の上司に存在を教えてないとか、 むしろそっちを話として広げたい気分にもなってくるから困るんだよぉ。 【朱雀だけが知っている】 黄:だけど、考えてみたら番号を知らないんだよぉ。 朱:私の仕事用の手帳に〜、書いてあったと思います〜。 黄:朱雀の分際で仕事用の手帳とか、生意気にも程があるんだよぉ。 朱:い、怒りのポイントは、本当にそこで良いんですか〜? 【昭和から平成へ】 黄:畜生、不通なんだよぉ。 麒:むしろ未だに黒電話を使ってることに驚きだ。 黄:物は壊れるまで使うのがエコなんだよぉ。 朱:と言いますか〜、黒電話から携帯電話に掛けられるのが何だか不思議な気分です〜。 黄:いや、所詮、難しい作業は回線の先でやっている訳で、 線さえ繋がってれば、作られた時代はあんまり関係ないんだよぉ。 【責任転嫁は御家芸】 黄:もう、探偵にでも頼んだ方が早いんだよぉ。 麒:と言うか貴様、一歩も外に出ていないよな。 朱:出不精の黄龍と言えば、この界隈では有名ですから〜。 黄:通販で生活必需品の殆どが揃うシステムは、人類を又一歩、 衰退の道へと進ませたのではなかろうか、なんだよぉ。 【ここは俺に任せて的な】 黄:ふと、思ったんだよぉ。 朱:何をですか〜? 黄:普段、余り顔を見せない輩が湧いてでる時は、大体が死ぬ直前か、最終回間近なんだよぉ。 麒:物騒なことを言うな! 黄:ということで、ここは一つ、麒麟には適当に格好付けた台詞を吐いて貰いたいものなんだよぉ。 朱:な、何だか話が変な方向に流れてませんか〜? 【漢民族的屈辱点】 黄:よくよく考えてみれば、あのモンゴル騎馬軍団の猛攻に、 唯一無傷だった青龍がどうこうなる訳無いんだし、心配するだけ時間の無駄なんだよぉ。 麒:そして、人の黒歴史を、無闇に掘り起こすな! 朱:け、ケンカは良くないと思うんですよ〜。 【朱雀が言っていいものか】 青:一体、仕事もせずに何を騒いでいるのですか。 黄:普通に出てきやがったんだよぉ。 朱:そ、それはそれで、いいんじゃないですかね〜。 黄:ここは裏で侵略者と戦っていたとか、感動的な秘話が無いと誰も納得しないんだよぉ。 朱:お、黄龍さんの発言の基準が、今一つ把握しきれません〜。 【無能上司の遣る瀬無い言動】 青:一週間の外遊に出ると、書き置きを残したはずですが。 黄:しょーもないオチなんだよぉ。 麒:そういう重要な要件はキチンと電子化して残せ! ペーパーレスの時代に逆行している! 黄:そしてそっちも、訳の分からない逆ギレなんてしないで、 とっとと今回の問題点を整理すべきなんだよぉ。 【困った時は朱雀のせい】 青:つまり、書き置きを読みもせずにシュレッダーにかけてしまった、と。 麒:朱雀か玄武がうっかりしたんだろう。 黄:酷い上司が居るんだよぉ。 朱:実に残念ですけど〜、いつものことなので慣れてます〜。 黄:そして何だか酷い発言があったようで、 実際問題として朱雀自身のミスも多いだろうから、 やっぱり、どっちもどっちな気がしないでも無いんだよぉ。 【三大欲求が偏重気味】 青:一応、白虎に伝言は頼んだのですが。 白:うにゃ? 黄:初耳みたいな顔するんじゃないんだよぉ。 白:いやー。そういや御飯のこと考えてた時に、そんなことを言われたような? 黄:むしろいつなら食事のことを考えていないのか、 まずはそこから論議させて欲しいものなんだよぉ。 【青が白へと染まったよ】 朱:それで〜、何処に行っていたんですか〜? 青:アラブの方にです。 白:本当のお金持ちは、札束のプールに入ってるのかって見てきた? 青:この掛け合いを聞いて帰ってきたと思う辺り、色々と毒されていると思います。 【頑張ってみたのに】 朱:アラブといえば〜、魔法のランプですよ〜。 青:それも偏った考えですが。 朱:青龍さんは〜、部下の願いを叶えてくれる優しい上司なんです〜。 青:胡麻を擦るのは自由ですが、朱雀の願いはとうの昔に三つ以上叶えてますよ。 朱:ふ、ふに〜。 【想定内ではあるけれど】 青:それで、出かける前に頼んだ書類は出来ているんですか。 朱:も、もう少しで出来ますので、仕上げてしまいます〜。 青:白虎には、人員配置の素案を纏めて欲しいと頼んでいましたよね。 白:青龍が居ないのに、ちゃんと仕事する訳無いじゃん。 青:きっぱりはっきり言い切るのも、いい大人としてどうなんでしょうね。 【今更やっと気が付いた】 青:本当に私が居なくなったら、どうなるんでしょうね。 黄:国家崩壊の危機なんだよぉ。 青:その時は、漏れなく道連れにしますので、御覚悟を、 黄:何で実務にタッチしていないのに沈む時は連帯責任なのか、 聖獣業界という奴は、色々と変な不文律が多すぎるんだよぉ。
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