邂逅輪廻



【先天性ヒエラルヒー】
月:最強とは、何なのであろうか。
黄:ある程度を越えると、虚しくなる響きなんだよぉ。
伊:うーむ。私としましては、嫁の方が怖かったのですが。
メ:ん……難しく考えたことはない。
黄:考えてみれば、どいつもこいつも、生まれた時から神格で、
 成り上がりが実に少ないんだよぉ。


【ノブレス・オブリージュとは無縁】
月:いやぁ、貴族の姫ですいません。
黄:むしろ、お姫様・お嬢様協会から、
 イメージダウンの慰謝料を請求される勢いだと思うんだよぉ。
月:ハッ。親や子がどんなにボンクラ・無能・ヘタレだろうと、
 血筋さえ良ければ、お嬢と呼ばれる事実を何故認めん!
伊:ん?


【庶民には余りに難解で】
朱:ふに〜。
黄:考えてみれば、これもれっきとしたお嬢様なんだよぉ。
朱:ドーナッツの穴には〜、
 西洋白人社会の陰謀が隠されてると思うんですが、どうでしょうか〜?
黄:この世間ズレした発想も、きっとこっちの世界では通用すると、
 とりあえずは信じて疑わないことするんだよぉ。


【劉玄徳氏も共感】
月:黄龍も子孫を作れば、二代目以降は立派なボンボンになれる。
黄:考えておくんだよぉ。
伊:ですが日本には、豊臣秀吉という男が居てですね――。
黄:凡庸な二代目がむしろ不幸になることが多いのは、
 現代の世襲政治を見ても、充分に理解出来るところではあるんだよぉ。


【本日復活! 異次元漫才!】
朱:モグラさんって〜、バタフライをさせたら巧いと思うんですよ〜。
月:だが、リーチが足りない為、不利なのではなかろうか。
朱:そこのところは〜、回転で補えば良いと思うんです〜。
月:成程。モーターかと見紛わん、グルグルパンチを見せれば良いのか。
黄:いつにも増して、この落としどころが見えない空気感、
 どうやっても、慣れることが出来ないんだよぉ。


【一種の自然淘汰】
朱:カラスさんって〜、三歳児くらいの知能らしいですね〜。
月:犬は、バラつきはあるけど、二歳児程度らしい。
朱:私は永遠の五歳児って呼ばれてますから、勝ってますよね〜?
月:うむ、これは誇って良いところ。
黄:何ゆえ、ツッコミ不在の漫才が定着しなかったのか、
 この二人を見ていると、心の底から理解出来てしょうがないんだよぉ。


【とにもかくにも鳥頭】
朱:猫さんの知性って〜、どうなんですかね〜。
月:一説に依ると賢いが、とりあえず記憶容量は少ない。
朱:数分前のことも忘れてますよね〜。
月:しかしそれは、朱雀が言って良いことでは無いと思う。
朱:ふに〜?


【即日封印! 亜空間漫才!】
朱:フラミンゴさんって〜、何でいつも片足なんですかね〜。
月:実はあれ、願掛けらしい。
  背景には、大病に苦しむ薄幸の妹が。
朱:それは大変ですね〜。
月:これが姉だと、救う気にならない不思議。
黄:……はっ!
  余りのどうしようもなさに意識が飛んでしまうとは、
 ある意味に於いて、恐ろしいことこの上ないというものなんだよぉ。


【筆頭はもちろん朱雀】
猪:ぶもふほっ。
朱:すっかり家族の一員ですね〜。
黄:本当に住み着きやがったんだよぉ。
猫:まーお。
則:ほむ、今日はほんに良い日和よの。
黄:うちは面白珍獣ランドじゃないと、言い切りたいけど無理がある、
 そんな悲しい現実を目の当たりにしてしまったんだよぉ。


【きっと地磁気が乱れてる】
白:うにゃー。
フ:グルァァァア!
メ:ん……。
月:あらっぱらっぱー。
黄:いや、まあ、色々と思うことはあるけれど、とにもかくにも、
 混沌とした空間になりつつあるんだよぉ。


【憩いの場所は譲れない】
麒:こう、なんだ。覚醒をしてみたい。
玄:凄く分かります。
黄:相変わらず、脳が病んでるんだよぉ。
玄:私の調査に依りますと、細目キャラが見開くのが良くあるパターンです。
麒:掛けてるメガネを外すというのも、王道だな。
玄:私も、伊達メガネを購入致しましょうか。
黄:どうでも良いけど、そういう一部の輩しか喜ばない話を、
 わざわざうちでしやがるんじゃないんだよぉ。


【ここまで来ると清々しい】
麒:瞳の色が変わるというのも、良い展開だな。
玄:こうして考えると、目元周辺はありがちですよね。
黄:早く帰って欲しいんだよぉ。
麒:うるさい! 今、大事な協議中だ!
  お前の方こそ出て行け!
黄:いや、何で家主の方が遠慮しなくちゃいけないのか、
 恐らく、世界中の何処を探しても、そんな風習なんて無いと思うんだよぉ。


【偏見こそ我が人生】
月:龍族――それは中国に古来より棲むとされる最強の生物。
黄:今日の晩御飯はシチューにするんだよぉ。
月:その咆哮は山々を震え上がらせ、牙は岩をも砕くという。
黄:野菜の煮込みが足りなかったせいで、ちょっと固いんだよぉ。
月:何ゆえ、わざわざナレーションを邪魔する方向で動くのか。
黄:何の真似かは知らないけど、ステレオタイプで人物像を作り上げるのは、
 余り良くないことだと思うんだよぉ。


【近所の雀に良く負ける】
月:朱雀――鳳凰の血族とされ、業火を纏う灼熱の聖鳥。
朱:ふに〜。
月:その器は全ての鳥類の頂点に立つ程であり、
 空では無敵を誇る猛禽類でさえ平伏すほどであるという。
朱:ふにふに〜。
月:幾らなんでも、無理がある件。
黄:勝手に言っておいてその評価はどうかとも思うけれど、
 まあ、朱雀だから、しょうがないというものなんだよぉ。


【バランスは取れてる】
月:メタトロン――唯一神の代理人とさえ呼ばれる、最高位の天使の名。
メ:ん……お茶が、殆ど出涸らし。
月:小ヤハヴェとも称され、全知全能に比肩する力を持つとさえ言われる。
メ:立ち上がってお茶を淹れるの、面倒……。
黄:まあ、才能とやる気が合致するかと言われると、必ずしもそうは言い切れないのが、
 物悲しい世の現実という奴なんだよぉ。


【エピソードはまだ無い】
黄:月読之命――天照、須佐之男と共に生まれし、三貴子の一人、なんだよぉ。
月:ぶっちゃけ、チョー美人で、性格もサイコーという、
 ありえないチート補正のお嬢様。
黄:いや、それは自分で口にしてしまうと、人格株がストップ安になってしまう、
 実に微妙な部分ではあるんだよぉ。


【この方だからしょうがない】
月:先生、質問。
黄:誰が先生なんだよぉ。
月:先に生まれてるなら、当然、先生のはず。
黄:よもや何千年も生きている神様が、
 そんな幼子みたいなことを言い出すとは、
 幾ら月読とはいえ、想定外だったんだよぉ。


【常識人には真似出来ない】
月:蝮出身の黄龍さんに、毒はまだあるんですか。
黄:あると言えばある、無いと言えば無いんだよぉ。
月:イエスかノーかで、はっきりお願いします。
黄:うわ、この正義気取りの子供っぽさ、
 ある意味、皆が通った痛々しい過去を思い出してしまうんだよぉ。


【掌で踊らせたい】
黄:昔と違って、自分の意思で出し入れ可能という話なんだよぉ。
月:暗殺には、使用可能か、否か。
黄:いや、何処かの姉を殺りたいんなら、自分の手を汚すべきであり、
 こっちに矛先を向けるのは色々と間違ってるんだよぉ。


【むしろ雑念が無くなる説】
黄:例えば、こういう使い方もあるんだよぉ。
白:うにゃ……な、何か身体が熱くなってきたんだけど。
黄:こんな感じで、一種の精力剤的な薬に転化することも――。
白:うにゃ、うにゃ、うにゃー!?
黄:若干、頭脳に影響は出るけど、パワーは上がってるんだよぉ。
月:いや、普段と余り変わってないかな。


【下らないけど下賎なの】
朱:甘えん坊将軍というのを考えたんですよ〜。
黄:何だか、凄く平和な言葉を聞いたんだよぉ。
月:場末の酒場で、そんな感じのがありそうな件。
黄:まあ、この手の駄洒落と言うか一発ネタは、
 そっち方面の御家芸である事実はあるんだよぉ。


【そもそも代表なんかじゃない】
月:駄洒落は元来、掛詞という、高尚な言葉遊び。
黄:川柳や落語なら、巧いことを言ったと認めてくれるんだよぉ。
月:そして、したり顔をして、皆を不快にしようではないか。
黄:謙虚さは日本人の美徳と聞いているけれど、月読を見ている限り、
 そう思えないのが世の無常という感じなんだよぉ。


【ならやるなよ】
朱:ふに〜。屋根の上で、何をしてるんですか〜?
黄:こうやって、高いところから、毛糸を垂らすんだよぉ。
朱:ふに〜?
白:うにゃー!
窮:ふにゃうにゃー!
ヘ:ぐるみゃー!
黄:こんな感じで、アホな猫が何匹も釣れるというのは、
 ちょっとした優越感と、同時に、虚しさも覚えてしまうんだよぉ。


【世界の中心は譲らない】
ヘ:おのれ、本能を利用して私達を辱めるとは。
白:ふぅ。良い汗、掻いたなぁ。
窮:うみゃー。
黄:随分と、反応が違うんだよぉ。
ヘ:母の意見は子の意見。枝葉の言うことなど、知ったことか。
黄:傲慢不遜とは正にこのことと言いたいけれど、
 考えてみれば、周りはこんな奴らばっかりだった気もするんだよぉ。


コント連載中



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