邂逅輪廻



【原点へとひた還る】
麒:皆に感動を与えたい。
黄:好きにすれば良いんだよぉ。
麒:あれだな。亜細亜最強聖獣としては、
 たまにはこういった方面へも進出すべきだよな。
黄:さらりと、称号を奪ったつもりで居るなら、
 今から決着を付けてやっても良いんだよぉ。


【擦れ違う度に応援】
麒:やはり基本は、走ることだな。
黄:どういった基準なんだよぉ。
麒:聖火ランナーや著名人が、特に意味もなく走ってるじゃないか。
黄:いや、あれはあくまでセッティングされた舞台と、
 シチュエーションが加味されるからであって、
 走ること自体に感動してたら、やってられやしないんだよぉ。


【単なる自慢大会】
麒:うぉぉりゃあぁぁ!
黄:本当に走り出したんだよぉ。
朱:私は足が遅いので〜、ちょっと羨ましいです〜。
黄:まあ考えてみたら、走れなさそうな人が努力するからお涙頂戴な訳で、
 麒麟みたいな健脚が真似したところで、何の意味も無いんだよぉ。


【ダチョウさん舐めんなよ】
麒:成程、朱雀を走らせるのか。
黄:本末転倒なんだよぉ。
朱:そ、そもそも、私はそんなに走れませんよ〜?
麒:なぁに、命の危機を感じれば、野生の力が目覚めるというものさ。
白:うにゃ?
黄:いや、鳥類として正しい逃げ方は飛び立つであって、
 足を使うというのは、甚だ遺憾というものなんだよぉ。


【横綱相撲は興味無し】
麒:感動と言えば、最終回だろう。
黄:一人で終わりやがれ、なんだよぉ。
麒:最終回詐欺で客を五回も惹き付ければ、収支は充分に合うはずだ。
黄:そういう今年三度目の閉店セールみたいな発想、
 仮にも大国としてどうかと思わなくも無いんだよぉ。


【歴史は無意味に繰り返す】
麒:だが、ことを煽って有利な方向に進めるのは、商売の基本だろう。
黄:規模が大き過ぎると、単なる風説の流布なんだよぉ。
麒:ならば、同一の感動を産み出す為の環境、教育を整え、
 国民を画一化すれば或いは――。
黄:後の世で、社会主義国家と呼ばれることに、
 今はまだ、誰も気付いてはいなかったのであった、なんだよぉ。


【自尊心や矜持的に】
麒:あれだろ、人が死ねば良いんだろ?
黄:暴言が出たんだよぉ。
麒:世界各国の感動物と呼ばれる映画を見てみたが、
 大抵は、死ぬかキスで締めるかだぞ。
黄:たしかに、生死と男女関係は永遠のテーマかも知れないけれど、
 延々と、それに頼り続けるのも、どうかと思わなくも無いんだよぉ。


【むしろ死体がおざなり】
麒:とりあえず、死んで生き返らせる適任を呼んできた。
玄:記憶領域のバックアップは、完璧です。
黄:そこまでして、準主役の位置が欲しいのかと問いたいんだよぉ。
玄:二時間サスペンスで目立つポジションは、殺るか、殺られるかだけです。
黄:たしかに、真犯人以外の容疑者は、何処と無く置き去りになる感はあるけれど、
 本当にそういう立ち位置で良いのか、色々と考えて欲しいんだよぉ。


【笑う門にはふに来たる】
麒:感動は、諦めた。
黄:潔いというか、酷いやっつけなんだよぉ。
麒:となると、次の感情と言えば、笑いだな。
黄:生憎と、上司、部下共々、何か意識することもなく、
 笑いの対象になる素晴らしい面々なんだよぉ。
朱:ふに〜?


【ちょっとした天然ボケ恐怖症】
麒:笑わせると、笑われるを混同するな。
黄:結果が一緒なら大差無いんだよぉ。
麒:貴様! 世では天然と呼ばれる芸人の、陰での努力を全否定する気か!
黄:いや、どんなに頑張ったところで、最後は結局、
 ナチュラルパワーが全部持ってくんだから、どうだって良いんだよぉ。
朱:ふにふに〜?


【分類上は鳥類で】
黄:例えば、ここに卵があるんだよぉ。
麒:目玉焼きでも作るのか。
朱:鶏肉入りのオムレツなんか、美味しいですよね〜。
黄:この様に、感想一つをとっても、真性の天然ボケが最強であるという、
 学術結果が導き出された訳なんだよぉ。
朱:ふにふにふに〜?


【勝算を感じない】
麒:まあ良い。こいつが笑われれば、上司の私の功績も同然だろう。
黄:中々に、基本的な上司がここに居るんだよぉ。
朱:ちゃ、ちゃんと、ロイヤリティは、出るんですよね〜?
黄:いや、そして朱雀の方も、その返しはおかしいと、
 ささやかながら突っ込みを入れさせて貰うんだよぉ。


【黄龍が言うのもどうだろう】
麒:次の感情は怒りだな。
黄:既に、本来の話が分からなくなってきたんだよぉ。
麒:人生とは、存外、そういうものだろう。
黄:何だか、深いことを言っているようにも聞こえるけど、
 要約すると行き当たりばったりということなんだよぉ。


【低レベルさは折り紙つき】
黄:何はともあれ、青龍を怒らせることが出来れば、
 後は誰が相手でも、楽というものなんだよぉ。
青:本人の許可無く、勝手に対象とするのはやめて貰えませんかね。
月:やーい、やーい。お前の母ちゃん、ヒポポタマスー。
黄:今、凄くレベルが低いのが通り掛かった気もするけど、
 敢えて何も見なかった方向で調整しようかと思うんだよぉ。


【まるで嫁姑の様】
麒:むぅ。
黄:眉間にシワ寄せて、どうしたんだよぉ。
麒:考えてみれば千年来の付き合いだが、
 青龍が声を荒らげる程に怒っている姿を見たことがない。
黄:生憎、こちとら五千年の親交だけど、
 そんなレアなもの、拝見した試しが無いんだよぉ。
青:何で、縁故の長さを、競い合う展開になってるんですか。


【絵面的に凄いです】
麒:全身を縛り上げて、足を羽でくすぐってみよう。
青:お願いですから、働いて下さい。
黄:切実な願いが漏れ聞こえたんだよぉ。
朱:な、何にしてもですね〜、羽というだけで、私のものを使うのは、
 如何なものかと思うんですよ〜。
黄:麒麟の発想力の乏しさと手近さから考えて、
 むしろ必然の結果と言えるのではなかろうか、なんだよぉ。


【果てが無いほど謎ばかり】
麒:大事なものを壊せば、流石の青龍も怒るんじゃないのか。
黄:具体的に、何なんだよぉ。
青:さりげなく、酷い話をしていますね。
麒:それはアレだ。昔の恋人の遺品とかだな。
黄:何だか、そう言われると、青龍のプライベートを漁る方が、
 感情を滾らせるより難しい気がしてきたんだよぉ。


【思想の自由に抵触する恐れ】
月:『私にとって一番大切なのは、同僚の貴方達ですよ』。
青:私の声色で、何を勝手なことを言っているんですか。
月:たまには、こういうお涙頂戴も良いかなと。
朱:成程〜。一番最初の話に戻る訳ですね〜。
月:もちろん、計算済み。
黄:ああ、もう、この適当っぷり、法律で規制できないのか、
 本気で検討したい気分になってきたんだよぉ。


【涙の中間管理職】
黄:何にしても、こういう落としどころが見えなくなってきた時は、
 青龍に全部託して、すたこらさっさと逃げることにするんだよぉ。
青:かなりの割合で、私は当事者なのですけどね。


【元が獣じゃしょうがない】
麒:面倒だ。殴って涙目にしてやろう。
黄:感情から、一番遠い結論が出たんだよぉ。
朱:でしたら〜、花粉漬けにして、
 アレルギーを誘発するのは如何ですかね〜?
黄:どうしてこう、生理現象にしか訴えられないのか、
 四神の程度を見直す時が来ているのではなかろうか、なんだよぉ。


【人口統計など無意味】
麒:だぁらぁぁぁ!!
黄:遂に発狂したんだよぉ。
月:それは、ネトゲ閉鎖で自暴自棄になった黄龍が言って良い台詞ではない。
黄:いや、この件に関しては、全世界七十五億のネトゲ廃人が、
 同意してくれると、信じて疑わないんだよぉ。


【肯定などするものか】
麒:ダメだ、何も思い付かん。ちょっと走ってくる。
朱:こっちも、最初に戻りましたね〜。
黄:筋肉運動と頭脳は、連係してるという学説があるんだよぉ。
朱:ふに?
黄:とは言え、脳筋は所詮、脳筋であり、筋肉が紡ぎ出す発想なんか、
 たかが知れてるというものなんだよぉ。


【部外者なのに本気出す】
麒:良い汗を掻いた。
黄:はいはい、御疲れ、なんだよぉ。
  だから汗と泥で汚れたその身体で、この家の敷居を跨がないで欲しいんだよぉ。
月:おぉっと、姑並の左ジャブが出たぁ。
麒:あぁ? 貴様、誰に向かってそんな口を聞いている。
月:それに対し嫁は、真っ向勝負だぁ!!
黄:とりあえず月読は、どうしようもなくうざったいから、
 退場してもらうことで丸く収めたいんだよぉ。


【暑さと感動から連想】
朱:やっぱり〜、夏は高校野球観戦ですよね〜。
黄:中国聖獣の台詞じゃないんだよぉ。
麒:そうか、中国でも、学生スポーツを普及させれば良いのか。
黄:何だか、その流行ってるものを盗めば良い的な精神、
 ある意味、中国観に合致してる様な、そうでない様な、
 何にしても、色々と考えさせられるんだよぉ。


コント連載中



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