邂逅輪廻



【習慣って恐ろしい】
白:肉〜♪ 肉々〜♪
黄:今日も平和なんだよぉ。
月:貴様! 肉を食らうだけで生産せぬとは、保存則に逆らう者め!
黄:そしてこっちも、何だか訳の分からないことを喚いてるけど、
 見事なまでの通常営業で、お茶を飲む手を止める気にもならないんだよぉ。


【一日何トン食らう気だ】
白:うーん。
黄:一体、何を悩んでるんだよぉ。
白:いや、たしかに、地球のキャパシティには限界がある訳で、
 今後もこう自由に肉を食べられるかは怪しいな、って。
黄:たしかに、塵も積もれば何とやらかも知れないけど、
 少なくても白虎が好き放題食べたことだけで壊滅的な打撃を食らう程、
 地球の方も柔じゃないと思うんだよぉ。


【掃除機並の吸引力】
白:でも、お母さんが本気出したら、危ない気がしない?
黄:そう言われると若干、心が揺らぐ訳で、
 ちょっと前言撤回したい気分にもなってくるんだよぉ。


【後任探しは大変で】
白:うん、決めた。ちょっと本気で、牧畜始める。
黄:本業に精を出すんだよぉ。
白:逆に考えれば、それで御飯食べられれば、
 白虎クビになっても困らないじゃん。
黄:成程、言われてみれば正論の上に国益にもなりそうだけれど、
 本当にそれで良いのか、頭がこんがらがってきたんだよぉ。


【どれかと言うとアメリカン】
白:とりあえず場所はここで良いかな。
黄:一応、この裏庭はうちの地所なんだよぉ。
月:ハハハ。土属性だけに、土地に執着するとは、これは面白い。
黄:はてさて、今の発言の一体、何処に笑いどころがあるのか、
 倭国の冗談は難解すぎるんだよぉ。


【無卵で殖えるよ】
白:さぁて、と。何を飼うか決めないとね。
黄:かつて、ここまで大雑把な牧場主が居たであろうか、なんだよぉ。
白:何にしても、朱雀はとりあえず数に入れるとして――。
朱:ふに〜?


【時給制は辛いね】
白:ま、山入ってから決めれば良いよね。
黄:野生から飼い慣らすとか、どんだけ手作り感で一杯なんだよぉ。
白:だって、お金無いもん!
黄:物凄く正しいことを言っているはずなのに、この釈然としない気分、
 本当、誰かどうにかして欲しいものなんだよぉ。


【絵面的には死屍累々】
白:う〜ん。
黄:今度は、何を悩んでるんだよぉ。
白:生け捕りって奴が、どーにも苦手でさぁ。
黄:何にしても晩御飯はこの庭でバーベキューが決定した訳で、
 ヘル以外の面子も呼んで盛大にやろうと思うんだよぉ。


【家主からして論外】
ヘ:ほぉ、楽しそうなことをしているな。
黄:悪魔が湧いたんだよぉ。
メ:ん……死神に対して悪魔だなんて、ナイスジョーク。
黄:本当、うちに溜まる面子は何処か感性を理解し難いというか、
 ぶっちゃけて言うと、変人しか居ないんだよぉ。


【歩く生態系クラッシャー】
ヘ:成程、肉を自分で作り出すというのか。
黄:自給自足は、良いことなんだよぉ。
ヘ:だが、私を本気で養おうと思ったら、
 全盛期のモンゴル帝国並の土地は必要だぞ?
黄:それは現代の二十ヶ国ほどに相当する訳で、
 何だかオーストラリアの既存種を殺戮しまくった、
 ディンゴの話を思い出してしょうがないんだよぉ。


【元祖食欲暴走特急】
フ:たしかに、自分で賄うという論法は正しいと思うのですが――。
黄:こっちは何なんだよぉ。
フ:それだけの肉を目の前にして、私は理性を保てるでしょうか?
黄:その理屈は分からないでも無いけれど、
 そもそも言いだしっぺの娘さんが、果てしなく怪しいんだよぉ。


【どれかと言うと隔離寄り】
月:育てて楽しむとは、まさに光源氏状態。
黄:バカが居るんだよぉ。
月:ここは一つ、私も参戦することで手を打たないか。
黄:それを容認すると、色々、法に触れることをしでかしそうだから、
 今回は御縁が無かったということで、なんだよぉ。


【一倍オッズを切る勢い】
白:ところで、イノシシの生け捕りに成功したけど、
 餌って何をあげれば良いのかな。
黄:それよりも、柵を先に作っておくべきだったんだよぉ。
白:あ、こらー! どっか遠くに走って行くなー!
黄:こやつらがブタとなり、従順な下僕となるまで白虎の精神がもつのか、
 当然のことながら、途中で放り出す方に賭けさせて貰うんだよぉ。


【社会不適合者に変わりなし】
白:ふふふふ〜ん。大工仕事も、大変だ〜♪
黄:しかし、相変わらず熱中すると、楽しそうに作業するんだよぉ。
朱:普段のお仕事も〜、こんな感じだと良いんですけどね〜。
黄:まあ、当然のことながらそれは朱雀が言って良い台詞では無いと、
 基本的な嗜めは入れさせて貰う訳なんだよぉ。


【紐で充分な気も】
白:よし、完成!
黄:何だか、蹴飛ばせば崩れそうな完成度なんだよぉ。
白:もしこれ壊そうとしたら、只じゃ済まないからね?
猪:ぶひ……ぶひぶひ。
黄:と言うか、恐怖で従属させるなら、始めから柵も要らない訳で、
 最早、全てから本末転倒の匂いが漂ってきたんだよぉ。


【施しマニアのその先は】
猪:ぶふぶひ。
白:あー、雨が降ってきたね。
黄:小屋はまだ出来てないんだよぉ。
白:仕方無いしさ。黄龍の家に入れても良いよね?
黄:只でさえ野良猫やら小鳥やらが住み着いてるのに、
 本当の野生動物まで泊めろだとか、
 一体、どれだけの人格を求めてやがるんだよぉ。


【誰が処理するんだ】
白;んじゃ、又、山に入って生き物狩ってくんね。
朱:いってらっしゃいませ〜。
黄:何処の狩人なんだよぉ。
月:少女はいつでも、恋の狩人。
黄:それにしても、この子にはその後の空気感まで考えた上で発言して欲しいものだと、
 切に願わざるを得ないんだよぉ。


【匠でも至難の業】
白:たらいまー。
黄:何だか、随分、でかいもんを獲って来たんだよぉ。
白:パンダって、牧場的に養殖出来たっけ?
黄:むしろ天然記念物的存在で繁殖が難しく、
 赤ん坊を育てて補助金を貰える勢いだと思うんだよぉ。


【確率論の領域】
白:ダチョウって、一部で卵とかも食べられてたよね?
黄:何処から迷い込んだ子なんだよぉ。
朱:ふに〜。可愛い目をしてますよね〜。
黄:とはいえ、朱雀という生命体が生まれた事実を鑑みれば、
 生息域がアフリカのダチョウが紛れ込んでくるくらい、
 どうってことないのかも知れないんだよぉ。


【明日は雪だねに類似】
白:ペンギンは流石に、美味しそうじゃないなぁ。
黄:生態系が、生態系が、壊滅状態なんだよぉ。
朱:ふに〜、これも地球温暖化のせいなんですかね〜。
黄:いや、これは柄にも無いことを白虎が始めたが故に、
 何か未知の力が働いたのだと、推察させて貰うんだよぉ。


【唯我独尊なんとやら】
白:何か、山の中に黄色と黒の虎が居たんだけど。
黄:カラーリングとしては、そっちのが一般的なんだよぉ。
ヘ:おのれ、私の縄張りに入ってくるとは、何たる傍若無人。
  血祭りにあげてくれるわ。
黄:いやいや、裏山もどれかと言うとこっちの地所で、
 そもそもここは中国であることを理解して欲しいんだよぉ。


【所詮は野良猫だけれどね】
窮:うにゃー。何かお姉ちゃんとお母さん、テンション高いよねー。
朱:割と最初の方から居ますけど〜、手伝わないんですか〜?
窮:ん? 良いの良いの。
 お姉ちゃん、思い付きは、九割九分飽きてやめちゃうから。
黄:同じ血筋だというのにその冷静な分析力、
 もしや十把一絡げで扱うべきではないのではなかろうか、なんだよぉ。


【ハツカネズミの更に上】
白:よし! とりあえず設立完了!
黄:凄い突貫工事だったんだよぉ。
白:ところで、さ。
黄:どうしたんだよぉ。
白:家畜って、一週間で何倍くらいに殖えるの?
黄:何と言うか、前提条件で勘違いをしていたとは、
 まあ、らしいと言えば、らしい話だったんだよぉ。


【家主形無し遠慮無し】
猪:ぶもふふ。
猫:ふにゃー!
黄:何だか、住み着いちゃったんだよぉ。
朱:お友達が増えましたね〜。
猫:うーにゃーおー!!
黄:いや、あれはヘル以上に縄張りを意識してる訳で、
 あやつも、うちを自分の物だと勘違いしてるんだよぉ。


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