邂逅輪廻



【何があろうと譲らない】
白:大和撫子って、どんな生き物?
黄:凄い質問なんだよぉ。
白:とりあえず一般的な解釈を纏めると、
 淑やかで清楚って感じなんだけど。
黄:後、どういう訳か、胸周りが慎ましいことも絶対条件であると、
 主張して退かない層が居るのも、厳然たる事実なんだよぉ。


【黄龍ちゃん嘘つけない】
黄:だけど、考えてみるんだよぉ。
白:ん?
黄:天照、月読、櫛名田、須勢理、
 一体、何処に淑やかで清楚な女性が居ると言うんだよぉ。
白:あ〜。
朱:そ、そこまではっきり言ってしまうのも、
 如何なものかと思われます〜。


【聞かなかったことに】
伊:いえいえ。私の妻などはそれは見事な淑女でしたよ。
黄:惚気なら、需要が皆無なんだよぉ。
伊:何しろお淑やかが過ぎて、家事も私に一任する程でした。
黄:いや、それは只のダメ嫁では無かろうかと、
 思ってみては負けなのかも知れないんだよぉ。


【白虎感嘆編参照】
白:面白そうだし、懸賞金でも掛けてみない?
黄:日本でも、絶滅したと聞いたんだよぉ。
白:でも、ニホンオオカミも何だかんだで確認された訳だし、
 探せば少しは居るんじゃないかな?
黄:それは絶滅寸前まで追い遣った輩が言って良い台詞のなのか、
 こっちも少し、考えさせて欲しいんだよぉ。


【生涯に無かったレベル】
月:しずしず。
黄:アホが、又、何か始めたんだよぉ。
朱:な、何か雰囲気が変ですよ〜。
月:あら、黄龍さんに朱雀さん。本日は御機嫌麗しゅう。
黄:たった今、天帝の爺ぃにケンカを売った時にも感じなかった、
 凄まじい悪寒が全身を走ったんだよぉ。


【脳内会議で即決】
黄:一体、何が起こったんだよぉ。
月:オホホ。黄龍さんったら、又、おかしなことを仰られて。
黄:精神を病みそうなんだよぉ。
朱:こ、ここは前向きにですね〜。
  月読さんのイメチェンを受け入れる方向で動きましょう〜。
黄:その前にこちらの心がクラッシュしそうだから、
 ぶん殴ってでも元に戻す方向で検討することにしたんだよぉ。


【無駄遣いは罪悪】
朱:だ、大丈夫ですよ〜。
  環境適応能力って、思ってるよりも凄いんです〜。
黄:このバカの為に生物の素晴らしい能力を消費するつもりはないと、
 ここははっきり、言わせて貰う訳なんだよぉ。


【むしろ物足りないとさえ】
黄:どうせ、変なものでも食べたに違いないんだよぉ。
伊:そういえば、昨晩は鍋を食したとか。
朱:こ、この暑いのにですか〜?
伊:今にして思えば、その頃から既にこの徴候が――。
黄:いや、このダメ神様が奇行に走るのはいつものことで、
 鍋そのものは本質と関係が無いと思われるんだよぉ。


【普段なら問題無し】
黄:鍋の中身を検証する為、
 冷蔵庫に残っていたのを持ってきたんだよぉ。
白:何か、完全に探偵業になってるんだけど。
朱:普通の鶏鍋に見えますね〜。
月:ウフフ。実に美味しゅう御座いました。
黄:それにしてもこの喋り方をする輩が一人鍋というのも、
 何というか、実にシュールな絵面なんだよぉ。


【葛藤は時に残酷で】
黄:この、妙にカラフルなキノコは何なんだよぉ。
朱:確実に、お店では売ってませんよね〜。
伊:はっ、もしやこれが原因だとでも?
黄:何というか、そんなベタベタな展開、
 認めたくないというのが、心の中の本音という奴なんだよぉ。


【する気も無いけど】
天:こそーり。
黄:さて、そこの台所の天敵の様に身を隠している姉貴さん、
 解説を宜しくなんだよぉ。
天:い、いえ、そんな大した話じゃないんですよ?
  唯、月読の偏った食生活を心配して、
 山で採ってきたキノコを鍋に入れたというだけで――。
黄:このバカ姉、フグの一件で何も学習して無かったとは、
 流石に擁護が難しくなってきたというものなんだよぉ。


【若干の昼メロクォリティ】
月:オホホホホ。
黄:本当、これをどうにかしやがれなんだよぉ。
天:素直で可愛らしいじゃないですか。
月:御姉様、反吐が出ますから、近寄らないで下さいます?
天:……。
黄:とまあ、毒舌は丁寧な言葉遣いの方がダメージが大きいと、
 つまりは、そういう話だったんだよぉ。


【遺伝子は偉大だね】
黄:とりあえず、本当にこのキノコが原因かを調べる必要があるんだよぉ。
朱:どうやってですか〜?
黄:娘の責任は親の責任、ここは二人の共通の父親に――。
白:伊邪那岐なら、ついさっき帰ったよ?
黄:おのれ、この危機察知能力の高さと無責任感、
 見事に血筋を証明しくさってるんだよぉ。


【マニュアルには書いてない】
黄:では姉さん、とっとと食いやがれなんだよぉ。
天:い、いえ、さしもの私もですね。
  結果が分かってるというのに口にする勇気は無くてですね。
黄:ええい、抑え付けてるから、口に放り込むんだよぉ。
白:らにゃー。
天:うがが。
朱:こ、この様な時、私は一体、どの様な行動を取れば良いんですかね〜?


【無闇に責任散逸中】
天:うるうる。お姉ちゃんたち、いじめちゃやだぁ。
白:これ、どうするの?
黄:そこまでは考えて無かったんだよぉ。
朱:ひ、人はこの様に、後先のことは全く考えずに、
 行動したりもしちゃうものなんですね〜。


【生理的嫌悪感はさておき】
月:オホホ。御姉様、良いザマですわ。
天:びえ……つくよみがいじわるだよぅ。
黄:いや、喋り方と所作は大幅に変わってるけど、
 本質的な関係は変わって無いし、
 このままでも特に問題が無い気さえしてきたんだよぉ。


【マムシなのにハブにする】
須:何じゃい。姉貴達、一体、どうした――。
黄:……。
須:くぉるぁ! 黙って扉を閉めてんじゃなき!
黄:このややこしい状況で、トリオ・デ・三バカを揃えて、
 訳の分からなさを増すつもりはないんだよぉ。


【涙無しには語れない】
月:黄龍さん、私もそろそろ、身を固めるべきかと思うのですが。
黄:プロレス技で良いなら、きっちり固めてやるんだよぉ。
月:ウフフ。随分と高尚な冗談を口になされるのですね。
黄:もしや今ならば、何か勘違いした男が娶ってくれるやもと思ったけれど、
 元に戻ったことを考えると、酷い詐欺になってしまうんだよぉ。


【たまに顔を出してみれば】
月:やはり責任ある立場なのですから、見合う御方で無いといけませんよね。
黄:貴子に相当する大物なんて、そうは居ないんだよぉ。
月:外交の為、諸外国の方というのも、選択肢の内です。
黄:だったら青龍をあげるから、とっとと国に帰って、
 二度とこっちに来ないということで纏めて欲しいんだよぉ。
青:人をエサにして、勝手に話を進めないで下さい。


【愛で飯は食えないか】
天:つくよみー、けっこんちゅるのー?
月:御姉様には、関係ありませんわ。
黄:祝福分が足りないんだよぉ。
天:いいの、いいのー。わたちは、つくよみさえちあわせならー。
黄:本当、気持ちだけ見れば実に良い姉なのに、
 何でこうも空回りするのか、人間関係という奴は奥が深いんだよぉ。


【近親嫌悪まで後一歩】
天:くーくー。
月:オホホ。首を絞めたくなる寝顔です。
黄:情愛の欠片も無いんだよぉ。
則:ほむ。何故だかこやつ、若干の親近感が湧くのぉ。
黄:たしかに、則天武后と中身がそっくりの気もするけど、
 実際に寝首を掻いた人間が言うのもどうなんだよぉ。


【永遠の一歳児め】
月:すやすや。
黄:ようやく寝付いたんだよぉ。
朱:赤ん坊みたいですね〜。
黄:まあ、こと精神年齢に関しては、そこで止まっている事実を、
 伊邪那岐でさえ否定しないと思われるんだよぉ。


【全て無かったことに】
月:あー、良く寝た。
黄:厄介さんが、帰ってきたんだよぉ。
月:はて、日付が一日、飛んでる訳だけど。
黄:カレンダー的にはともかく、
 心の中で昨日のことは抹消されてるから、
 特に深く考えなくて良いと思われるんだよぉ。


【一種の外交カード】
天:つきよみー、あちょぼー。
月:うわ、何これ、気持ち悪。
黄:時間差というのは、恐ろしいんだよぉ。
月:こんな醜態を晒すなんて、
 私ならとっとと自決してるレベル。 
黄:もう二度と見たく無いけど、色々と有利になるから、
 昨日の姿をビデオにでも撮っておけば良かったんだよぉ。


コント連載中



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