邂逅輪廻



【風流ですなぁ】
黄:うがあぁぁぁ、なんだよぉ。
月:どうした、どうした。
黄:長年愛用してたネトゲ会社が、運営の休止を発表したんだよぉ。
月:春なのに、マムシの心は、寒すぎて。


【色々と絶望的】
朱:だ、大の大人が、絶叫するほどのことですかね〜?
月:残念ながら、ネトゲ廃人にとっては、人生を喪失したのと同義。
黄:生きる希望を見失ったんだよぉ。
月:まあ、こんな大の大人になってはいけない見本ということで。
朱:た、大変、参考になりました〜。


【パチンコ依存症に類似】
黄:うにうに、なんだよぉ。
朱:見事なまでの廃人さんですね〜。
月:朱雀に喩えると、木の実禁止令が出たようなものだから。
朱:そ、それは人生に絶望しても仕方無いですね〜。
月:まあ、三大欲求と比肩する程に依存されるのも、
 作った方にしてみれば、本望なのではなかろうか。


【たまに絶叫するけど】
黄:ハハハ。この芸人、凄くつまらないんだよぉ。
月:この様に、ネトゲを奪われた廃人は無気力になる。
朱:ご、極一部の例ですよね〜?
黄:それにしても、最近のテレビ番組はつまらないの一語なんだよぉ。
月:まあ、普段と余り変わらないと言われても、否定は出来ないのだけれど。
朱:し、静かな分、ネットゲームの方がマシに違いありません〜。


【本物は見向きもしない】
黄:こうなったら不貞寝なんだよぉ。
則:のぉ。夕げはまだかのぉ。
黄:今は気分が向かないから、絶対にやなんだよぉ。
則:そなたにしては、珍しいことがあるものよの。
月:まー、今までゲームに熱中しても、家事だけはほぼやってきた訳で、
 廃人としてはまだまだ序の口といったところだけど。
朱:よ、世の中、上には上が居るんですね〜。


【手遅れにも程がある】
黄:夜中まで不貞寝したら、お腹が空いたんだよぉ。
月:復活おめでとう。
黄:とりあえずカップ麺でも食べて小腹を満たしたら、
 パソコンを立ち上げてネトゲを――。
月:骨の髄にまで染み込んだ生活習慣は改められない。
  そんな現実を目の当たりにした私であった。


【可能性くらいはあるやも】
黄:悟ったんだよぉ。
月:今度はどうした。
黄:運営を他人任せにするからこういう事態に陥るんだよぉ。
  自分で全てを組み上げれば、何の問題も無いんだよぉ。
月:廃人度が、一気に上がってしまった件。
朱:こ、ここから〜、黄龍さんの新しい生き甲斐が見付かるんですよ〜。


【大らかと言ってあげて】
黄:という訳で、技術アドバイザーを呼んだんだよぉ。
亜:私、機械工学が専門なんだけど。
黄:どっちも大差無いんだよぉ。
月:それは典型的文系の発想。
黄:オリンピックメダリストが、したり顔で政治問題について語る時代に、
 そんな細かい区分なんかどうでもいいんだよぉ。
月:大雑把、丼勘定、無頓着。


【他人の不幸は甘すぎて】
黄:折角だから、中国ウン千年の歴史を満載した、
 壮大なオリエンタルファンタジー作品にするんだよぉ。
月:それは見事なまでの失敗フラグ。
亜:玄武をプッシュして良いならやってもいいけど。
黄:黄龍も同じくらい持ち上げるなら、許すんだよぉ。
月:嗚呼、芸術的なまでに失敗道を歩んでいる彼女らを見て、
 何故だか心が躍る私なのであった、丸。


【何で重い話に】
月:まー、この際だから、日本神話の礎たる私が参戦してあげるのも、
 やぶさかではないけど。
黄:素直になるんだよぉ。
月:人生、素直になったところで、百に一つも良いことなんてない。
黄:いや、そこまで極端な話はしてないと思うのだけれど、
 個人的に満足なら、それはそれで良いことにしておくんだよぉ。


【精神が小学生】
メ:……。
黄:無言で挙手はやめるんだよぉ。
メ:参戦してあげても……いい。
黄:どいつもこいつも、どうして一言、『一緒にやりたい』と言えないのか、
 そこからして疑問が噴出なんだよぉ。


【呼吸する様に国家反逆】
亜:とりあえず、電気街でサーバーキット買ってきたよ。
黄:昨今は、本当、何でも揃うんだよぉ。
朱:便利な世の中ですね〜。
亜:本当に、領収書は麒麟で良かった訳?
黄:そういうのを紛れ込ませるプロが居るから、問題は無いんだよぉ。
月:イエス、アイアム!


【ネトゲに限らない】
黄:強さがプレイ時間に比例するシステムは、興を削ぐから撤廃するんだよぉ。
亜:ん〜。ってことは、ログインする度に能力がランダムで変わる……
 いやいや、それじゃ同じキャラ使う意味が薄くなるし。
月:とりあえず、月読プレイをすると無制限の優遇措置を得られるなら、
 私は何も文句を言わない。
黄:その手のエコヒイキは、結局、多大な制限が加えられるか、
 いっそ禁止になって、惨めな結末になるのが、良くあるパターンなんだよぉ。


【ある意味で正統派ヒロイン】
メ:私は……神の代理人。
黄:事実なのに、凄く格好付けてる気がするのは何故なんだよぉ。
月:西洋の宗教は、概ねそんなもの。
フ:何でも初代は世界を飲み込む大食漢だったらしいのですが、
 私はそんなこと無理ですよ?
黄:とはいえ嫁さんは、一つの森くらいたいらげそうな大飯食らいで、
 説得力というものが微妙に欠けてる気もするんだよぉ。


【堕ちるところまで堕ちていけ】
亜:む〜。これじゃちょっと、動作が重いかなぁ?
黄:どうせ趣味なんだから、面白さを優先させるんだよぉ。
月:さぁ、暴走が始まりましたよ。
亜:でもこのままじゃ、ハイエンドパソコンでも使わないと、
 快適動作は無理だよ?
黄:軟弱な輩が排除できて、むしろ精鋭が集まるとも言えるんだよぉ。
月:かようにもネトゲ廃人というのは思考が死んでいるとは、
 さしもの私も知らないのであったのさ。


【むしろプロニート】
亜:リーズナブルパソコンで快適動作出来るまで、頑張ってみたよ。
黄:むぅぅぅ、なんだよぉ。
朱:か、軽くなったなら良いじゃないですか〜。
黄:余りに動作が軽すぎると、学生が学校のパソコンで参入して、
 物凄く疲れるんだよぉ。
月:それはセミニートたる黄龍が言うべき台詞ではない。
  私は、そう思うのであった。


【歩く大オチが言うな】
月:おほぉ、これは中々。
黄:テストプレイの感想はどうなんだよぉ。
月:うむ。月読がマヤの秘術パワーに目覚め、韋駄天を駆り、
 エクスカリバーで縦横無尽にアマテラス達を狩れるとは中々。
朱:せ、世界観一つで、既にオチが成立してる気がしてなりません〜。


【その点は諦めた】
黄:やるからには、とことんごった煮なんだよぉ。
亜:あははー。これがネットで人気出たら、
 確実に色々な団体に苦情食らうよね。
月:そして、『主犯は黄龍などという謎の存在を主張し――』
 というオチがつくことに。
黄:黄龍は地味だけど世界的聖獣であると、
 思っていた時期があったりなかったり、なんだよぉ。


【やっと自覚したか】
黄:ここらで、少しオリジナリティが欲しいんだよぉ。
朱:こ、これ以上、濃くするんですか〜?
黄:雑多な世界で生き残るには、これぞという特性が要るんだよぉ。
月:そろそろ、本来の目的から逸れてきた件。
亜:んじゃとりあえず、面白神様や聖獣を投稿してくれた人に、
 秘密のパスコードを教えるって方向で調整してみようか。
月:秘密のパスと聞いて、いやらしいことを想像した私は、
 きっと心が穢れてる。


【仮想は仮装だからこそ】
月:しかしそれを発展させて、経験を溜めると、
 姉さんが脱衣していくという展開はどうだろうか。
黄:何という、安易な発想なんだよぉ。
月:科学と経済は、戦争とエロスでしか発展しないと偉い人も言ってた。
黄:ある意味、一つの真実を衝いている気もするけれど、
 バーチャル世界にそこまで現実を持ち込むのも、どうであろうか、なんだよぉ。


【テストプレイヤーに何たる暴言】
亜:うわっちゃ。思った以上に参加者が増えて、サーバー厳しいよ。
黄:だからもう少し、制限を加えろと言ったんだよぉ。
亜:っていうか多分、特定団体の更新攻撃だと思うんだけど。
月:良い年した大人が、パソコンの前で必死になって更新ボタンを押していると思うと、
 笑みを隠し切れない。
黄:そこの部外者、手伝う気が無いなら、とっとと帰りやがれ、なんだよぉ。


【仮想敵こそ秩序の素】
亜:ふぅ。とりあえずメンテ中ってことで、一時休止。
黄:趣味で始めて、こんな殺伐としたことになるとは思わなかったんだよぉ。
月:いや、むしろ予想通り過ぎる件。
亜:やっぱ宗教ネタは日本以外ではタブーだね。アハハー。勉強になったよ。
黄:本人達は割と呑気な関係だというのに、本当、人間って奴は、
 対立の構図を作り出すことに長けまくってるんだよぉ。


【秩序を嫌い混沌を導く者】
亜:それでも何か火が付いたから、動作制限なんかを加えてリトライだよ。
黄:科学者のチャレンジャースピリッツを見たんだよぉ。
月:では私は、荒らす側の顧問として技術を伝授してくる。
黄:どうしてそう、事態をややこしい方へと持っていく努力は惜しまないのか、
 行動原理の優先順位を一覧にして、提出して貰いたいんだよぉ。


【これも結果オーライか】
月:日本の神様と自己紹介したら、ハブられた。
黄:一神教系は、まず認めてくれないんだよぉ。
月:悔しいから対立する組織に、不穏な活動をしているとタレ込んでやった。
黄:成程、どうにも攻撃が大人しくなったと思ったら、
 たった今、潰し合ってる最中ということなのか、なんだよぉ。


コント連載中



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