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【歩くグラスハート】 月：瀬戸際の魔術師と言われた私を、舐めないで貰おうか。 黄：完全にダメダメなんだよぉ。 月：そう、この際だから、瀬戸物の魔術師でも良い。 黄：要約すると、落とせば割れる。 そんな才覚に何の意味があるのか、誰か教えて貰いたいものなんだよぉ。 【何やら大仰な話に】 黄：それにしたって、適当極まりないんだよぉ。 月：適当なことを言わせたら右に出る者は無い、 と言われたことがあるので、左に湧いてみた。 黄：本当に適当なんだよぉ。 月：生きとし生ける者は、心の赴くままに生きるべき。 私は、それを実践しているにすぎない。 黄：無茶苦茶言ってる割に、整合性があるようにも聞こえて、 宗教というものの業の深さを感じ入ったんだよぉ。 【閑職で良かった】 月：中国で、趙適陶の名を貰ったところからも分かるレベル。 黄：一体、何者なんだよぉ。 月：この名を三国志演義の様に、少しずつ歴史に織り交ぜていき、 最終的には史実の人物が如く振舞うのが私の夢。 黄：情報統制は中国の御家芸だと思っていたけれど、 日本にも、才能の無駄遣いをする猛者が居た模様なんだよぉ。 【これでこそ月読さ】 月：字は、茶蘭歩卵で許してあげる。 黄：チャランポランは、流石に長すぎるんだよぉ。 月：出囃子的な物は、チャラーン、ポラーンの方向で。 黄：今、適当クイーンの真骨頂を見た、 そんな気がする、春の午後だったんだよぉ。 【思索の無限回廊】 朱：やっぱり〜、生まれ持った才能って大きいと思うんですよ〜。 黄：無才と鬼才を併せ持つ朱雀が言うと重いんだよぉ。 朱：もっとも〜、自分でも今一つ、把握してないんですけどね〜。 黄：自己を知らずに社会貢献出来ないというのは罪であるのか、否か、 何でこんなことを考えさせられてるのか、自分でもさっぱり分からないんだよぉ。 【これもまた才能か】 黄：何はともあれ、才能に合わせた生き方さえしてれば良いというものなんだよぉ。 月：そこを敢えて、能力、特性をドブに捨ててみる。これ、最新のトレンド。 黄：この様に、最強の反面教師が傍に居るというのは、実に参考になる一方、 虚しさで心が満ち溢れる訳なんだよぉ。 朱、べ、勉強になりました〜。 【思考停止で丸くなる】 月：古来より、沈むふにからは、ネズミが逃げ出すと言う。 黄：絶対に、言いたかっただけなんだよぉ。 朱：そうですよね〜。私の場合、放っておいても沈みっぱなしですから〜。 黄：自分で自分を蔑むというのは心が痛まないのか、 そこのところが気になるけど、朱雀だから良しとしておくんだよぉ。 【今日も脳天五月晴れ】 月：朱雀の川流れ。 黄：深いことを言っているようで、只の悲劇なんだよぉ。 月：何ゆえ、創造神は朱雀に羽を与えておきながら水掻きは省いたのか、 ああ、何という怠慢、何という職務放棄。 黄：悦に入ってるところになんだけど、この羽は殆ど飾りだし、 本人は全く意に介して無い模様だったりするんだよぉ。 朱：ふにふに〜♪ 【時代は野良猫軍団ズ】 白：春だねー、眠いねー。 窮：そうだよねー、お姉ちゃん。 白：だけどこの時期は未熟な小動物も増えて、 狩りをする分には本当、楽な季節だよねー。 窮：全く以ってその通りだよねー。 黄：何だか今、牧歌的な様で全くそうでもない、 現実的で殺伐とした光景を見た気がするんだよぉ。 【本能に殉ぜよ】 白：命を維持する為に命を食らうって、基本的な話だよね？ 黄：表現の問題なんだよぉ。 白：お腹が空いたら御飯を食べる！ これ以上に正しいことなんて世の中にあんの？ 黄：言ってることは割とまともなのに、白虎だと肯定したくなくなる辺り、 やっぱり人物補正というものは、とことんまでに厄介なんだよぉ。 【脳味噌ヌカ床状態】 ヘ：あー、腹減ったー。 黄：愉快なファミリーなんだよぉ。 白：いやー、そんだけ褒められると、ちょっと照れるよね。 黄：何をどうしたらそんな結論を導けるのか、 そこんところをひっくるめて、本当、愉快極まりないんだよぉ。 【一種のバーベキューか】 フ：お腹が空いた上に、眠いのですが。 黄：野良猫の鑑が居るんだよぉ。 フ：グルァァ！ 朱：！？ フ：現状の感情を表現すると、この様な感じの訳で。 黄：もう面倒だから、一家で山にでも籠もって、 好き放題に食い散らかせば良いものかと思われるんだよぉ。 【尋常ならざる通常営業】 黄：良い陽気なんだよぉ。何だかんだで、春は良いものなんだよぉ。 則：のぉ。 黄：この清々しい気分に、何の水差しなんだよぉ。 則：ほぉ、庭の木々に水を差してたもれと言わずに分かるとは、 御主も機微が分かる様になったものじゃのぉ。 黄：会話が噛み合ってる様で、一切、噛み合っていないこの状況、 実はいつものことだから、一切、気にすることなんて無いんだよぉ。 【そういえば居たよね】 黄：雨が降らなければ草木は枯れる、それが世の摂理なんだよぉ。 則：億劫なだけじゃろうて。 玄：そういう時はですね。水の聖獣たる私が全力を――。 黄：正直な所、存在そのものを失念していただなんて、 流石に申し訳なさすぎて口に出来やしないんだよぉ。 【どうすんだこの始末】 玄：要は、体内水分を散布すれば良い訳です。 黄：どう見ても、オイルなんだよぉ。 玄：そ、そうは言いますけどね。今時、蒸気で動く訳にもいきませんし、 水冷式を採用してるならまだしも、私は油冷式でしてね――。 黄：いずれにしても、肥やしにもならない工業用オイルを撒き散らした責任を取って、 とっとと掃除に入りやがれ、なんだよぉ。 【要約すると全放棄】 玄：ひぃひぃ、です。 則：座興としても、つまらんのぉ。 黄：只の掃除を、どうやって盛り上げろと言うんだよぉ。 則：のぉ、はしため、折角じゃ。 いなばうわーとやらをやりながら働くが良い。 玄：い、色々と突っ込みたいことはありますが、 作業に集中せざるを得ないため反応できないのが悔しいです。 黄：はてさて。止める気にもならないし、見物も趣味が悪いから、 居眠りでもすることに決めた訳なんだよぉ。 【一山幾らの軽口さ】 天：太陽は、偉大なんです。 月：やれやれ。又しても姉さんの妄言癖が始まった。 黄：そこまで言われる程の無茶は言ってないんだよぉ。 天：そうですよね！ 太陽はレジェンド！ 日輪は正義！ 黄龍さん、あなたはやっぱり分かっています。 ここは一つ、月読にその素晴らしさを伝授する為、 共同戦線を取るということで話を纏め――。 黄：とはいえ、この様な狂信者的布教に付き合わされる程に心酔している訳でもなく、 丁重にお断りをさせて頂くのが妥当というものなんだよぉ。 【きっと死んでも治らない】 須：海は良いもんじゃのぉ。 黄：三バカの、自画自賛キャンペーンが始まった模様なんだよぉ。 須：やっぱし、海と太陽が命の源じゃけぇ、 儂らの凄さは、大したもんじゃ。 黄：それにしてもこの状況でも姉を持ち上げる辺り、 筋金入りのシスコンは一味違うものがあるんだよぉ。 【内臓グツグツ煮込むなら】 月：さりげなく、外された件について。 黄：三貴子と言っても、そんなもんなんだよぉ。 須：あ、姉貴は干潮にも影響する訳じゃし、 陰日向から支える重要な立ち位置じゃけぇ。 黄：何にせよ、血縁で長年の付き合いだというのに、 月読が裏方という言葉に過剰反応することさえ分からないとは、 全く以って、情けない弟なんだよぉ。 【本質的に高難度】 月：いや、この際だから、影から守るクールヒーローを目指してみせる。 黄：確実に、方向性を見誤ってるんだよぉ。 月：とりあえず習得済みの技能は、 『おっと、良いところを邪魔しちまったな』という決め台詞のみ。 黄：出歯亀、覗き魔、ストーカー、表現は多々あれど、 クールから程遠いということだけは、完全無欠に把握させて貰った訳なんだよぉ。 【ポジショニングの限界】 メ：ん……天使は、過大評価されてると思う。 黄：たまには、過大評価されてみたいものなんだよぉ。 メ：黄龍は、知る人ぞ知るって感じだから。 黄：それはマニア向けというか、カルトクラスというか、 どちらにしても、あまり褒めて無いと思うんだよぉ。 【シークレットメーク何たら】 朱：それもまた〜、秘密兵器って感じがして良いと思うんですけど〜。 黄：秘密のまま終わった高校球児を、山ほど知ってるんだよぉ。 メ：うん、秘密を纏った女は……実にクール。 黄：クールの発音が妙にネイティブだった事実はさて置き、 単に言いたかっただけだということは把握させて貰ったんだよぉ。 【たまに無闇と本気出す】 メ：ん……竹取物語に、感動した。 黄：何で今更、かぐや姫なんだよぉ。 メ：この月に帰るくだりを天使的に差し替えれば、尚、良し。 黄：悲しいことに、月が目立つ数少ない局面だから、 あの女神様が黙って無いと思うんだよぉ。 【この手の過ち数知れず】 月：いや、乗った。 黄：乗らないで欲しいんだよぉ。 月：名を馳せる為、異教の力を使うことも躊躇わない、 度量的な部分が気に入った。 黄：小手先の為に他力を頼るというのは滅亡フラグであると、 教えてあげるべきかどうか、ちょっくら悩んでみるんだよぉ。
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