邂逅輪廻



【一種の土下座外交】
白:あー、お腹空いたー。
朱:も、もうちょっとで炒飯が出来上がります〜。
ヘ:うー、空腹に耐えられん。
朱:す、少しお待ち頂ければ豚の丸焼きを用意します〜。
黄:自身の安全の為、朱雀が白虎一家を完全扶養する日も、
 そう遠くは無さそうなんだよぉ。


【生きる希望を見失う】
月:日米の安全保障条約に、何処と無く似てる。
黄:笑えない話なんだよぉ。
月:幾ら貢ごうと、匙加減一つで無為に終わる辺りが特に。
黄:真実はいつだって残酷すぎるものだから、
 そこら辺は適度にぼかしてあげないといけないんだよぉ。


【規格外の女】
朱:自立思考能力って〜、素晴らしいですよね〜。
黄:何の話なんだよぉ。
朱:だって〜、未だ最新鋭の科学技術を持ってしても、
 生物にしか出来ない芸当なんですよ〜?
玄:何だか、呼ばれた気がしたので参上致しました。


【手間と予算の問題】
朱:げ、玄武さんは、特例中の特例なんです〜。
真:お姉様、とっとと仕事しろと、麒麟の奴がうるさいですぅ。
黄:先代玄武がその気になれば、
 ロボットの小国くらい作れる現実は、案外、知られていないんだよぉ。


【暖はとれるかも知れない】
朱:誕生日プレゼントって〜、素敵な響きですよね〜。
黄:分かり易い要求なんだよぉ。
玄:とりあえず私からは、いざという時に役立つ、
 携帯型潤滑油セットを差し上げますね。
朱:わ、私としましては、使いこなすことがとても困難です〜。


【足に根が生えた様】
麒:そういえば誕生日か。よし、これをくれてやろう。
朱:て、鉄の足輪ですか〜?
麒:ああ、少しは脚力を鍛えろ。
朱:き、鍛えるどころか、一歩も進めないのでどうにもなりません〜。


【たまに本人も分からない】
月:はい、プレゼント。
朱:に、日記帳ですか〜?
黄:朱雀に、毎日書き続ける持続力は無いんだよぉ。
月:厳密には、交換日記。
黄:基本に立ち返ったつもりだろうけど、
 如何に月読とはいえ、朱雀語の解読は難しいと思われるんだよぉ。


【配布ノルマが遠すぎる】
朱:黄龍さんからは〜、何か頂けないんですか〜?
黄:お守りを幾つかどうぞなんだよぉ。
朱:こういうのも、ほっとして良いですよね〜。
黄:余りにマイナーな月読神社に同情して纏め買いしたから、
 処分に困っていたところなんだよぉ。
朱:そ、そういう裏事情は、言わない方が良かったかなって思います〜。


【全てフィルターのせい】
朱:ふ〜に〜ふにふに〜♪
黄:テーマソングの開発は、順調の模様なんだよぉ。
朱:ところがそうでもないんですよ〜。スランプですかね〜。
黄:朱雀が口にするとスランプも軽薄に見える辺り、
 何処までも業の深い小鳥なんだよぉ。


【悪才ではあるけど】
月:楽才も兼ね備えた私が登場。
黄:はいはい、凄い凄いなんだよぉ。
月:世に名曲と呼ばれるものの八割は、
 月読之命ではない名義で発表されていることは意外に知られていない。
黄:ここまで堂々と嘘を言えるのは、一種の才能では無かろうかと、
 ちょっと思い始めてる自分が居て困るんだよぉ。


【でも止めたりしない】
朱:ふ〜にふに〜ふに〜♪
黄:相変わらず、電波が脳に響くんだよぉ。
月:とりあえず音源ファイルにして、ネット上にバラ撒いてみる。
黄:音の情報しかないのに動作へ影響を及ぼしそうで、
 困ったものだと思わされるんだよぉ。


【筋違いの言い分】
月:のわっ!
黄:何を驚いてるんだよぉ。
月:ブラウザがふにふに言って開いたと思ったら、どうにも止まらない。
黄:これはまた古典的な攻撃方法で、
 パソコンだけは得意な朱雀の声がやったこととは思えないんだよぉ。


【もうやだこの小鳥】
朱:ふ、ふに! ふに!
黄:今度は、どうしたんだよぉ。
朱:な、何故だか浮いたっきり、地面に戻れないんですけど〜。
黄:朱雀も、ついに真の意味で重力を断ち切ったかと思うと、
 感無量で涙が零れてきそうなんだよぉ。


【便利に活用】
白:このまま少しずつ浮いて、風船みたいに飛んでっちゃう気がするんだけど。
朱:わ、私は、高所恐怖症なんですってば〜。
黄:それもどうなんだよぉ。
月:とりあえず室内に居ればその心配は減少。
黄:ついでに、屋根裏を掃除しておいてくれると助かる訳なんだよぉ。


【天帝クラスはカウント外】
白:いっそ、人工衛星になって地球を見下ろしてきたら楽しいんじゃない?
黄:生身では、前例がないんだよぉ。
朱:ひ、他人事だと思って、簡単に言わないで下さい〜。


【まるで喜劇の様】
朱:な、何とか今回は、大地に降り立つことが出来ました〜。
黄:また、いつ起こるか分からないんだよぉ。
月:これで合法的に、朱雀に紐を付けて生活が出来る。
黄:誤って首に付けるとどうなるのか、
 賢明な諸君らであれば、一瞬で理解出来るものかと思われるんだよぉ。


【きっと豆腐製】
朱:生き馬の目を抜くって〜、随分と残酷な言葉ですよね〜。
黄:諺には、良くあることなんだよぉ。
朱:ここは一つ〜、表現をマイルドにしようと思うんですよ〜。
黄:平和主義者の脳は一体、何で出来ているのか、
 そのことを考えさせられるんだよぉ。


【現実は揺るがない】
朱:死に馬の目を抜くというのは如何でしょうか〜。
黄:只の解剖実験なんだよぉ。
朱:でしたら、生き馬の毛を抜くでは〜?
黄:何だか、本来の意味からどんどん外れている様な、
 そんな錯覚が生じてしょうがないんだよぉ。


【爺ちゃん憤慨レベル】
月:ヘソが茶を沸かすも、随分と無茶な諺。
朱:私のお母さんは〜、自分の火力でお茶を沸かしていたらしいですよ〜。
黄:今の朱雀じゃぬるま湯がせいぜいで、
 殆ど水出しと変わらないのが切ない話なんだよぉ。


【素を入れるよりはマシか】
月:……温い。
黄:火元が沸点に達してないんだから当然なんだよぉ。
朱:足りない分は〜、ガスコンロでお願いします〜。
黄:そんな流行ってない温泉の様な真似をされても、
 一種の詐欺だとしか言いようが無いというものなんだよぉ。


【生きるも死ぬも運次第】
朱:弱肉強食って〜、良し悪しですよね〜。
黄:食物連鎖の中堅が言うと重いんだよぉ。
白:いや〜、一番上だからって、必ずしも安泰って訳でも無いんだよ?
黄:そして自然界ではほぼ無敵でも、
 勝てない相手が多い野良猫の言葉も深いんだよぉ。


【僻み根性ならトップレベル】
月:私達神族は、ヒエラルヒーで言うとどの辺りなのか。
黄:超越していそうで、微妙な話なんだよぉ。
朱:きっと〜、神様には神様なりの序列があるんですよ〜。
月:つまり、月は永遠に太陽の陰に隠れる、と。
朱:そ、そういう意味で言った訳ではありません〜。


【何があっても真似するな】
月:朱雀の火力で、ゆで卵が作れないか実験してみる。
黄:だから、水なんか沸騰しやしないんだよぉ。
月:――!? 何故だかいきなり破裂した。
黄:どうやら電子レンジの如く電磁波が漏れ出てるという噂は、
 あながち間違ってはいない模様なんだよぉ。


【虚しき闘いエンドレス】
月:ならば、おにぎりを温めてみよう。
朱:ふ〜に〜。
黄:無駄な実験が好きなんだよぉ。
月:――これは! 焼きおにぎりになるかと思いきや、
 芯までふっくらホカホカに。
黄:ところでこの知識、一体、誰が得をするのか、
 ちょっと教えて欲しい訳なんだよぉ。


コント連載中



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