邂逅輪廻



【想像以上にスカスカ】
月:あー、人生って素晴らしい。
黄:何という似合わない発言なんだよぉ。
月:とは言え、今にも死にそうな人が言うと褒め称えるのは差別だと思う。
黄:それはあくまで生き様の問題で、
 日々適当に生きてる月読だからダメだということに気付くべきなんだよぉ。


【若干の強制性】
月:何しろ、今日も朱雀の羽を数える充実の御仕事が。
黄:アホらしいから、二枚ってことで良いんだよぉ。
朱:そ、それより、実にくすぐったいんですけど〜。
黄:ちゃんと神経が通っている事実に感謝して、
 ありがたく思えば良いに違いないんだよぉ。


【貴い子と書いて貴子】
月:才能を埋没させて生きるのは正しいのかという本を読んだ。
黄:また、難しい話なんだよぉ。
月:私など、無能で役立たずですから、閑職で充分満足。
黄:天照に比肩する力を持つ高位神が、
 都合の良い時だけ自分を卑下するんじゃないんだよぉ。


【凄いレベルの刹那主義】
月:何にしても、姉さんは才能に見合った仕事をしていない。
黄:絶対に、それを言いたかっただけなんだよぉ。
月:ヤレヤレ。ここは私が、立ち上がらないといけない。
黄:この、一瞬で前言を翻せる能力というか神経は、
 特筆すべきなのか、封印すべきなのか、実に難しいところなんだよぉ。


【歴史の半分は妄想で出来ている】
月:何かこう、達人と呼ばれたい。
黄:またしても、何かを言い始めたんだよぉ。
月:とりあえず、月読流拳法として、巻物だけは書き記しておく。
黄:後に祭事用の舞踊として解釈されることになろうとは、
 まだ、誰も思っていなかったのである、なんだよぉ。


【思ったより固かった】
月:力を籠めて、岩を蹴り砕く。
黄:技術でも何でも無いんだよぉ。
月:ちゃんと関節を固定しないと、捻ってしまう恐れがあるので注意が必要。
黄:明らかに足を引き摺っており、
 只の実体験であることが証明されてしまった訳なんだよぉ。


【月読らしさに安心感】
月:芸術方面でも、その道を究めた者は多い。
黄:書道なんて、絶対に向いてないんだよぉ。
月:とりあえず一般人には読めないレベルで書き崩せば、
 それで一流と呼ばれるのは分かってる。
黄:その程度の認識で止まっている時点で、
 頭の中身は小学生とさして変わりは無い模様なんだよぉ。


【甘やかしとも言う】
月:紙が破けた……だと?
黄:書道以前の問題なんだよぉ。
月:路線変更。この破れ具合で予見する占い屋を開業する。
黄:もういっそ、国家辺りが適当に表彰すれば大人しくなるのではと、
 匙を投げたくなってきたんだよぉ。


【羞恥では無いのですね】
月:心の闇を暴く御仕事を始めることにした。
黄:絶対に、こやつは取り締まるべきなんだよぉ。
月:ヌヌヌ。黄龍の心には、何者かに負けた深いトラウマが――。
黄:それはたしかに思い出したくも無いけれども、
 特に隠している訳でもなく、むしろ周知の事実なんだよぉ。


【少し切ない限界点】
月:意外にも、朱雀にはさしたる闇が無い件について。
黄:裏人格はどうしたんだよぉ。
月:きっと、朱雀の発する凄まじい炎で燃え尽きたに違いない。
黄:あの火力で何とか出来るのは、せいぜい蚊取り線香くらいだと、
 信じてやまない自分が居るんだよぉ。


【仮にも友人として】
月:凄い、凄すぎる。
黄:どうしたんだよぉ。
月:この女帝様、闇が濃すぎて、明るい部分が一切、見えない。
則:何の話じゃ?
黄:うすうす勘付いていたこととはいえ、
 具体的に表現されると微妙な気分になるものなんだよぉ。


【鳥頭に肉薄】
月:これはまた、面白いサンプル。
白:うにゃ?
月:空腹だの、親の恐怖だの、
 一瞬、黒いものが浮かび上がってはすぐさま消える。
黄:野良猫の記憶容量なんてそんなものだと、
 それこそ皆が知っていることなんだよぉ。


【悲しみに暮れ果てて】
月:この母虎も興味深い。
ヘ:な、何だ?
月:心配事はやたらと多いのに、覆い尽くさんばかりの愛で満ち溢れている。
黄:良い感じでこっちが憂鬱になる話をするとは、
 中々のチャレンジャーと言って差し支えないかと思われるんだよぉ。


【久々の出番なのに】
月:おお、素晴らしい。貴女の心は、何者かへの忠誠心で満たされてる。
理:オー、イエス、伯母様。
黄:それにしても、こんなにも酷い出来レースは、
 そんじょそこらで見られるものじゃ無いんだよぉ。


【むしろ踏襲】
月:いずれは、この心の闇を一冊の本に纏めたい。
黄:最低の人種なんだよぉ。
月:ジャーナリストとして、真実から目は背けない。
黄:大義名分さえあれば何をしても良いと思っているのは、
 本格的に現代のマスコミュニケーションと変わりないんだよぉ。


【禁止ワードはレゾンデートル】
月:心、こころ、マックロクロ♪
黄:すっかり、可哀想な人なんだよぉ。
月:心の闇を暴いていたら、汚染されてしまう小説を書いたら売れるかどうか。
黄:最近は随分と精神世界モノが増えて、
 むしろ流行遅れとして処理される気がしてならないんだよぉ。


【敢えて広げたくない】
月:そういえば、自分の利き手を今一つ知らない。
黄:知ったこっちゃないんだよぉ。
月:よくよく考えると、特に意識しない限り、
 体勢的に楽な方を使っている。
黄:はいはい。とても凄くてファンタスティックだから、
 この話題を打ち切って欲しいんだよぉ。


【足を使えば良いじゃない】
月:見よ、このタマネギ双刀切り。
黄:家事の手伝いなら、ちょっとありがたいんだよぉ。
月:ああ……感動の為か、涙が止まらない。
黄:必然の結論はさておき、
 両手が塞がって拭うことも出来ないのが物悲しいんだよぉ。


【投手は左が有利】
月:野球をする時は、実に便利。
黄:分かりにくい話なんだよぉ。
月:これだけ理不尽なまでに左右非対称な球技は、
 後はゴルフくらいではなかろうか。
黄:尚、解説させて貰うと、左投げの二塁手、遊撃手、三塁手、
 並びに捕手は極めて稀有で、過去に殆ど居ないんだよぉ。


【カルチャーショック叩き売り】
月:アマチュア野球だと、たまに見る。
黄:そこまで網羅しきれないんだよぉ。
月:春と夏は、高校野球を全試合視聴する黄龍の発言とは思えない。
黄:一応、中国の聖獣である事実を忘れないで欲しい訳で、
 ポンポンと日本限定ネタを振られても困るんだよぉ。


【むしろ風船に近い】
月:企業や政府が、いつまで経っても空飛ぶ車を開発しないから自分でやる。
黄:暇人の鑑なんだよぉ。
月:とりあえず、ヒヒイロカネを用いれば、浮遊力を得ることが出来るが――。
黄:だからそれは只の箱舟で、推進力やらが絶対的に不足してるんだよぉ。


【空陸両用なら問題無し】
月:飛行船の様に、プロペラで進むことは出来ないだろうか。
黄:多分、車として認めてくれないと思うんだよぉ。
月:大体、車とは元来、円形で運搬促進の為のものであるはずなのに、
 何故、空を飛ばないといけないのか。
黄:その件に関しては様々な意見があるものの、
 水陸両用戦車があるんだから許容範囲ということで纏まってるんだよぉ。


【そこまでは知らないね】
月:よくよく考えてみれば、リニアモーターカーは浮いている訳で――。
黄:余計なことに気付きやがったんだよぉ。
月:地磁気を利用して加速する技術を確立すれば、きっと大儲け。
黄:月読の場合、絶対に減速方法は考えず、
 物凄い勢いで迷惑を掛けるのがデフォルトなんだよぉ。


【空中酔いに御用心】
月:最終的には、竹とんぼの要領で飛ぶことにした。
黄:要は、ヘリコプターなんだよぉ。
月:問題は、反作用の関係で機体もグルグル回ること。
黄:一体、何の為に尻尾にもプロペラが付いているのか、
 航空力学の観点から勉強し直せなんだよぉ。


コント連載中



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