邂逅輪廻



【浮上気配すら感じられず】
則:のぉ。そなた、天下に返り咲く志はどうしたのかえ。
黄:何度と無くそう思っては見ても、毎度、やる気を無くすんだよぉ。
則:まるで廃人の様な物言いじゃの。
月:まるでどころか、黄龍は立派なネトゲ廃人。
黄:古参扱いされる皮肉にも、すっかり慣れた自分が居るんだよぉ。


【いつか主役に】
黄:長生きしていれば、ちょっとくらいの停滞期間はあるものなんだよぉ。
月:千年以上は、ちょっとじゃないと思う。
黄:何にしても、生まれてから二千年も日陰者をやってる、
 月読にだけは言われたくないんだよぉ。


【色は違えど同類項】
月:少し、心が傷付いた。
黄:好き放題生きているくせに、勝手なことを言ってるんだよぉ。
則:ふむ、全く以ってその通りじゃの。
黄:いやいや、あんたもだあんたも、と口にしたら、
 ひょっとしたら負けなのでは無いかと思ってしまったんだよぉ。


【だって武則天だもの】
則:妾も、そろそろ覇権を握る時期じゃと思うての。
黄:好きにすれば良いんだよぉ。
則:そなたの力も、利用させてもらうぞえ。
黄:明らかに要請ではなく強制であり、
 拒否権を微塵も感じさせないというのはどういうことなんだよぉ。


【薄れゆくレゾンデートル】
則:先ずは腹心を作らねばの。
月:面白そうだから、参戦。
黄:この子は、能力は高くても気まぐれだから使いづらいんだよぉ。
則:その様な者を平伏させるのが、器というものであろう。
黄:自信が泉の如く湧き出してくるというのは良いことの様で、
 参謀職からしてみれば、遣り甲斐が乏しいものなんだよぉ。


【事後処理にも飽きた】
青:それで、何の御用ですか。
則:そなた、この中華、即ち世界を統べる者の腹心であろう。妾に、従事致せ。
青:その手の話は、現実に実権を握ってからお願い致します。
黄:事務的というか、素っ気無いというか、
 まさしく、ザ・官僚の名に相応しい気がしてならないんだよぉ。


【歴代唯一は飾りじゃない】
白:うにゃぁ〜……。
黄:野良猫は、月読以上に制御が難しいんだよぉ。
則:よいではないか。唯、脇で寝ているだけでも、
 虎を従えるというのは充足以上の箔になるぞえ。
黄:これで割と知略に長けた部分もあるのが、
 伊達に実力で皇帝になったんじゃないと思わされるんだよぉ。


【戦う前から戦力外】
朱:ふ、ふに? な、何で私を見てるんですか〜?
則:案ずるな。そなたなど、始めから当てにはしておらぬわ。
朱:そ、それはそれで、釈然としないものが残ります〜。


【囲碁の如くあっさりと】
黒:ふん。いきなり呼び付けたと思えば部下になれだと?
 冗談も休み休み言え。
赤:けけけ。
黄:こんなアホなんか、どうしようと言うんだよぉ。
則:謀には、捨石という役目も必要での。
黄:今、さらりと物凄い毒を聞いた様な気がするけど、
 空耳だと信じておくことにしたんだよぉ。


【自分で御墨付き】
玄:こそーり。
黄:……。
玄:こそこそーり。
黄:一体、何の真似なんだよぉ。
玄:いえ、お声が掛かりやすい様、視界の端にですね。
黄:世間的に、そういうのは小物がすることだと、
 一般常識として知らないのは困りものなんだよぉ。


【今のは誰だ】
則:ふむ。中々に集まらぬものじゃの。
黄:顔見知りから選抜すれば、手詰まりは必然なんだよぉ。
?:キャハッ♪ マジカル☆ミカリン、ここに参上。
黄:とはいえ、良く分からない馬の骨を迎えるというのも、
 中々に度量が必要なんだよぉ。


【貴重なサンプルではある】
則:まあよい。天下に号令を掛ければ、猛者達が終結するであろう。
黄:本当、何処からその自信が湧いて来るんだよぉ。
則:妾が妾であるということ。それのみが妾を支えるものじゃての。
黄:最早、自分教とでもいうべきこの盲目さ、
 見習うべきか見なかったことにすべきか、難しいところなんだよぉ。


【個性派集団ではある】
黄:しかし、酷い陣容なんだよぉ。
月:てれってれって〜。
白:うにゃー……眠いなぁ。
黒:ふん。
赤:くけけ。
黄:これで本当に一大勢力としてのし上がったら、後世、
 三国志や水滸伝の様に名を残す気がしてならないんだよぉ。


【ありがちな類友】
則:そなた。かつて皇帝でありながら、
 名で楊貴妃や虞美人に劣る妾を虚仮にしておるのかえ。
黄:その件に関しては、黄龍も似たようなものであり、
 どっこいどっこいの関係かと思われるんだよぉ。


【競合率で優位に】
月:実と名が釣り合わない自慢なら負けない。
黄:負けておいて欲しいんだよぉ。
玄:どーせ私は、四神ですけど、
 筆頭という訳でもなく微妙な位置です……いじいじ。
黄:世の中、微妙な位置付けの輩を好く奇特な人も多いから、
 まだまだ諦めるべきじゃないんだよぉ。


【むしろ本職】
黄:これらは全て、四神筆頭、青龍が有名過ぎるせいなんだよぉ。
青:酷いとばっちりですね。
玄:そうです。全体の販売量が決まっている以上、
 シェアの独占は許されざる行為です。
青:あなた方に、裾野を広げるという発想は無いのか、
 そこからして疑問です。


【一応は良帝】
則:内輪揉めとは、見苦しいのぉ。
黄:内輪揉めの末に、帝位を手に入れた御方に言われたくないんだよぉ。
則:妾だけは、何をしようと良いのじゃ。
黄:もしかしなくても、これを世間様に出したことが、
 この国にとって最大の過ちでは無かろうかと思えて仕方無いんだよぉ。


【困った時は考えない】
則:では、参るぞえ。
黄:何処になんだよぉ。
則:国を司る場所に決まってるではないか。
黄:何だか、ゾクゾクと地味な悪寒がするけれど、
 ここまで来たら身を任せるしかなさげなんだよぉ。


【心は既にケセラセラ】
麒:何だ、貴様ら。
黄:予想通りだったんだよぉ。
則:預けてある国権を、返して貰おうと思っての。
麒:黄龍、お前の差し金か。
黄:生憎、今回は只の傍観者であり、これから起こることに、
 責任を持つ気は一切、無いんだよぉ。


【ある意味ポジティブ】
麒:良く分からんが、欲しければ力で奪え。
黄:酷い単細胞なんだよぉ。
則:ふむ。これは御主の出番じゃの。
黄:そしてこっちは傍観者だと言っているのに、
 相も変わらず、自分の都合しか考えてないんだよぉ。


【先代玄武の分際で】
麒:貴様……その扇、何を仕込んでやがる。
則:万一の時、妾はこの身を守らねばならんでのぉ。
 火が噴き出す程度のカラクリは必須であろう。
黄:一体、誰がそんなものを作ったのかと考えてみたら、
 一人、やらかしかねないのが居たのを思い出したんだよぉ。


【拳銃型ライターレベルか】
則:ましんがんとやらも、仕込んであるぞえ。
麒:こら、待て! オフィスで撃ちまくるな!
黄:酷い自由さなんだよぉ。
月:ムムム。これは特許をとれば売れる。
黄:機能美もへったくれもない玩具に、
 お金を掛ける奇特な人は、余り居ないと思うんだよぉ。


【度胸だけは最高峰】
黄:それにしても、機関銃くらいじゃ死なないくせに、
 何で逃げ回ってるんだよぉ。
麒:他人事だと思って簡単に言うな。痛いものは痛いんだ。
則:ふむ、弾切れかえ。装填数が少ないのが難点じゃの。
黄:かつて人の身で、ここまで高位聖獣に攻撃を加えた者が居たかと、
 色々と記憶の奥底を掘り返してしまったんだよぉ。


【ついに役立った】
則:ほっほ。何やら気分が良いゆえ、今日はこれくらいで勘弁してやろうぞ。
黄:やりっぱなしは、得意技なんだよぉ。
麒:こらっ、お前ら! せめて片付け位していけ!
黄:その件に関しては、朱雀を置いていくから、好きなように使うと良いんだよぉ。
朱:さ、最後の最後で、こんな扱いを受けるとは露程にも思いませんでした〜。


コント連載中



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