邂逅輪廻



【基本的に楽天家】
朱:白虎さんって〜、フェンリルさんの娘さんですよね〜。
白:うにゃ?
黄:何を今更、なんだよぉ。
白:う〜ん、貰われ子とか、拾われ子の可能性を考えなければ、
 そういうことになるんだろうね。
黄:そしていつものことながら、本当、重い話をさらりと言うんだよぉ。


【普段は二割くらいか】
朱:ですけど〜、お父さんは良くブチ切れるのに、
 白虎さんはならないじゃないですか〜。
黄:子は、親の性質を全て受け継ぐ訳じゃないんだよぉ。
白:うぐるぁ!
朱:ふ、ふに?
白:うん、疲れるだけだし、あんま意味無い気がする。
黄:人生三割で上等の白虎に、全力を求めること自体、色々と間違ってるんだよぉ。


【肉食獣でも少数派】
黄:そもそも、親父のスイッチが今一つ分からないんだよぉ。
朱:最初は〜、血の匂いで反応した記憶があります〜。
白:あー、この鉄っぽさって、何か落ち着くなぁ。
黄:残念ながら、娘の方は一種のアロマテラピーとして活用してる模様なんだよぉ。


【玄人でも厳しそう】
黄:ここは基本通り、怒らせてみると良いんだよぉ。
朱:そ、そんな恐ろしいこと出来ません〜。
月:やーい、やーい、この猫科ー。
白:うにゃ?
黄:今のどこら辺に挑発要素があったのか、素人にはさっぱり分からないんだよぉ。


【日常的な光景】
月:基本に従って、白い毛を触ってみる。
白:ひゃにゅぁ!?
黄:方向性が、間違ってきたんだよぉ。
月:この白い毛、百匹分を集めると幸運のお守りになるという。
黄:適当な戯言を抜かさせたら他の追随は許さない。
 今、その現実を再認識させられたんだよぉ。


【世界中が遊園地】
朱:中々、獣化しませんね〜。
黄:だから、多分、引き継いでないんだよぉ。
窮:うーにゃーにゃー。うにゃにゃにゃにゃー♪
月:そう言えば、サンプルはもう一匹居た。
黄:またしても、とんだ玩具を与えてしまったものだと、
 つくづくヤレヤレと思ってしまうんだよぉ。


【三十六計何のその】
黄:という訳で、一番、付き合いの長い人にお伺いするんだよぉ。
ヘ:そんな物が分かっていたら、苦労するか。
黄:一蹴されたんだよぉ。
ヘ:まー、回避策と言えるかは知らんが、
 奴より足が速いことだけは足しになっているがな。
黄:それはそれで何かが間違っているような、
 そんな心持ちになってしようがないんだよぉ。


【黄龍かく評す】
フ:おやおや、皆さん、お揃いで。
黄:使えない親父が来たんだよぉ。
月:やーい、やーい、この猫科ー。
フ:グルァァ!
黄:まさかここがスイッチだとは思わなかったけれど、
 もしや狼は犬科であることが原因なのではなかろうかと思わなくもないんだよぉ。


【ところにより雷雨】
月:とりあえず、吊るしてみようと思う。
フ:おやおや、飛行船ごっこですか。無邪気ですね。
黄:動じない親父なんだよぉ。
朱:猫さんは〜、高いところが大好きですからね〜。
ヘ:うちの旦那の場合、常に脳が快晴なだけだがな。


【猫科全滅の予感】
月:マタタビを、燻してみる。
フ:うにゃーご。ぐるにゃーご。
黄:すっかりアホの子なんだよぉ。
ヘ:うにゃ、うにゃにゃー。
黄:まさかこっちにまで影響があるとは、
 自然界という奴は、本当に凄いと実感させられたんだよぉ。


【まあ諦めろ】
ヘ:失態だ。
黄:本能には、誰も勝てないんだよぉ。
月:チチチチ。
ヘ:――ッ!
黄:そんな風に、舌打ちに思わず反応してしまうのも、本能の一端なんだよぉ。


【意外と強いしね】
月:ほーらほーら、毛糸の紐だよ〜。
白:うにゃー!
フ:ぐにゃー!
黄:四匹揃って、弄ばれすぎなんだよぉ。
月:ところで、これだけ揃って攻撃されると、割かし圧迫感が。
黄:自分で煽っておいて、何を勝手な愚痴をこぼしてるんだよぉ。


【基本は暴走機関車】
フ:ところで、私はいつ降ろして貰えるのでしょうか?
黄:獣化の秘密を吐いたら、解放してやるんだよぉ。
フ:そう言われましても、私も記憶が飛んで何が何やらなもので。
黄:この旦那を持つということが如何に大変なことか、
 ヘルの苦労が、ちょっとだけ分かった気分なんだよぉ。


【全面的降伏宣言】
ヘ:何なら、この気苦労だけをくれてやる。
月:ヨーロレイヒー。
朱:ふにふにふに〜♪
白:うにゅぁーご。
黄:だったらこっちは、返礼として三バカの苦労を分け与えることにしたんだよぉ。
ヘ:私が、悪かった。


【おまけに玄武も】
朱:そう言えば〜、バカは死ななきゃ治らないって言いますよね〜。
ヘ:それだ。
フ:は?
ヘ:私の権限で、一度、冥界を見せてやる。
黄:ついでと言っては何だけど、うちの小鳥もお願いしたいと思ったんだよぉ。
朱:ふ、ふに?


【心に刺さるはブーメラン】
月:はっはっは。冥界に行ったくらいで、バカが治って溜まるものか。
黄:自覚のあるバカが言うと、重いんだよぉ。
月:ところで、何故だか心が寒々しいんだけど。
黄:自分で言って打撃を受けるくらいなら、
 始めから発言をしないで頂きたいのが本音というものなんだよぉ。


【永遠の閑職だし】
白:ところで、本題は良いの?
月:フェンリル獣化の秘密など、
 今、この一時の楽しさに比べればどうということはない。
黄:国家千年の計を支えるべき神族がこんな刹那主義で良いのか、
 ちょっと本格的に悩んでみたい気分なんだよぉ。


【大事なことなので復唱】
月:と言っても、悪口に反応するのは検証済み。
黄:確定するには、まだサンプルが少ないんだよぉ。
月:やーい、やーい、この朱雀脳〜。
フ:グルアァ!
朱:じ、自尊心が、自尊心が傷付いてボロボロです〜。


【年末の大掃除並】
月:ヘイ、ジャック。この前、仕事を終えて家に帰ったら、
 マントヒヒがリビングに居たんだ。だがよくよく見てみると、
 ワイフだったんだぜ、ハハハ。
フ:なるほど、マントヒヒの夫婦というオチなんですね。
月:どうやら、アメリカンジョークでは無理の模様。
黄:余りに混沌すぎて、一体、何処から処理すれば良いか、
 さっぱり分からないんだよぉ。


【生贄は確保済み】
白:あー、この廊下、日陰だし、風も通るし気持ち良いよね〜。
窮:本当、本当。
黄:娘達は、完全に蚊帳の外なんだよぉ。
月:大丈夫。父親を弄くり倒した後、同じことを試してみる予定だから。
黄:学術研究の為には、かくも多大な犠牲が必要ということなんだよぉ。


【万民が望んでいる】
月:まー、ぶっちゃけ野良猫の怒りのツボを解析するなんて無理。
黄:いつものことながら、酷い結論なんだよぉ。
月:何にせよ、肉球を触って、心ウキウキ。
フ:あぁん。
黄:いつの日か、その自由な行動で痛い目を見れば良いと思った自分は、
 心が狭いんだよぉ。


【敵の敵は味方理論で】
ヘ:ところで、何で私まで吊るした?
月:人妻が縛られてるだけで、色々な層に需要が。
黄:アホが居るんだよぉ。
月:折角だから、双子の娘をセットでポイント五倍。
黄:まあ今なら、その紐を断ち切って月読をボコろうとも、
 少なくとも世間様は味方してくれるんだよぉ。


【需要も微妙だしね】
朱:ですけど〜、ちょっと待ってください〜。
 ヘルさんの場合、虎妻になるんじゃないですか〜?
黄:そんな鬼の首を獲った様に喜々として言われても、
 言葉尻一つ一つを拾っていたら、キリがないというものなんだよぉ。


【万年独身蝮の逆鱗か】
白:でも、お父さんの肩書きは一応、魔狼だし、
 狼妻っていうことにもなるような?
黄:実の親で、遊ぶんじゃないんだよぉ。
ヘ:私は、こいつの嫁以外の何者でも無いから、とっとと解け!
黄:何か微妙な惚気が入ってる気がしてならなく、
 ちょっと悔しいから、ブーラブラして遊んでやるんだよぉ。


コント連載中



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