邂逅輪廻



【マニアックな話に】
玄:水族館って、素敵ですよね。
黄:たまには、水の聖獣らしいことも言うんだよぉ。
玄:タコやイカのウネウネ感が、何とも言えずドリーミーです。
黄:よもやそんなところに話が飛ぶとは、
 誰が思ったであろうか、なんだよぉ。


【白虎辺りは容赦無し】
玄:頭の上に乗せて、一日中一緒に居たいと思うのは罪でしょうか。
黄:罪か否かと問われれば、特に何にも抵触はしないんだよぉ。
玄:では、明日から職場で始めてみようと思います。
黄:唯、一つ言えることは、玄武の変人パロメーターが上昇するか、
 或いは昼食のおかずが一品、増えるということなんだよぉ。


【ホワイトタイガーのことか】
麒:……何の真似だ?
玄:四神マスコットを狙う、タコのスティーブ君です。
黄:開き直りやがったんだよぉ。
玄:見て下さい、この子、腕が九本あるんです。実に珍しいと思いませんか?
黄:四葉のクローバーに代表される様に、器官が多数発現するのはたまにあることで、
 アルビノ同様、只の身体的特徴を無闇と持ち上げるのは如何なものかと思われるんだよぉ。


【捕鯨理論が降臨】
麒:いや、乗った。
黄:アホばっかりなんだよぉ。
麒:こいつを全面に押し出せば、偽善大好きな輩が無尽蔵に寄付金を弾んでくれる。
黄:時代はもう、そんな感じでは無くなっていると、
 誰か分かり易い言葉で説いて欲しいものなんだよぉ。


【守備範囲外らしい】
玄:童話の主人公に、憧れます。 
黄:また、妙なことを言い出したんだよぉ。
玄:だって、動物さんと普通に会話が出来るんですよ。
 どこまでもロマンティックじゃないですか。
黄:今、目の前に居るのは蝮の成り上がりであると、
 ちょっと頭を使って気付いて欲しいものなんだよぉ。


【朱雀だからしょうがない】
朱:ふ〜に〜、ふにふに〜ふに〜♪
黄:あれなんか、かなり獣寄りの脳をしてるんだよぉ。
朱:な、何か不穏当な発言がありました〜。
玄:朱雀さんでは、心躍るものがないです。
朱:よ、良くは分かりませんけど、
 ボロボロに言われていることだけは把握しました〜。


【人工知能が言うな】
玄:それに何より、王子様と結ばれることが多いじゃないですか。
白:あー、経済力と地域社会での影響力って、やっぱ大事だよねー。
玄:何でそう、現実にばかり目を向けるんですか!


【いつだって重要参考人】
黄:先代玄武、娘さんに、何か言ってやるんだよぉ。
亜:うーん。試作で作った乙女浪漫回路が絶好調みたいで、嬉しいね。
黄:よもや母親が諸悪の根源だったとは、
 誰が想定していたであろうか、なんだよぉ。


【軽い労災レベル】
玄:そう言えば、良く自主点検をするのですが、
 謎の回路が多いのは気に掛かりますね。
黄:何年も経って、今更、疑問を呈するんじゃないんだよぉ。
亜:一番の自信作は、渋味識別センサーだね。
玄:私が山菜を見ると反応してしまうのには、そういう理由があったんですね。
黄:会話が成り立ってる様で成り立っていないバカ母娘の相手をするのは、
 本当に重労働なんだよぉ。


【水の聖獣なんだから】
玄:では、この回路は一体?
亜:それは重力変化対応装置だね。無重力から地球の百倍までなら、
 全ての機能が正常動作するように調整してくれるよ。
玄:これで私も、宇宙空間から未知の惑星まで行動範囲が広がります。
黄:先ず第一に、防水機能を完璧にすべきだと、
 ひっそりこっそり言わせて貰うんだよぉ。


【若干の体裁】
玄:それにしても、本当に色々と付いているんですね。
亜:そりゃ、天才の私が作ったんだから。
黄:自分で言いやがったんだよぉ。
亜:そして、天才が作る物は訳が分からないって常識を、私は忠実に守ってるだけだよ。
黄:どうせ何を作ったって訳の分からないものが出来上がるんだから、
 そんな言い訳はしなくても良いかと思われるんだよぉ。


【人間的にしょうがない】
玄:それでこちらは?
亜:肉まん餡まん識別装置。
黄:微妙な実用度なんだよぉ。
亜:とりあえず、中華まん製造工場に就職すれば、絶対的に役立つよね。
黄:素直にその筋の方々に技術提供すれば良いのに、何ゆえ玄武に取り付けるのか。
 本当に、意味が分からなくて困るんだよぉ。


【無差別的宗教爆撃】
玄:はぁ……聖母マリア様の像を彫ると心が安らぎます。
黄:この前まで、仏像を彫っていた気がするんだよぉ。
玄:私は、心の安寧を得る為には、宗派の類は一切、問わない主義です。
黄:宗教として、それはそれでどうなのか、本格的に思わなくも無いんだよぉ。


【これは取り返せない】
黄:メタトロンも、何とか言ってやるんだよぉ。
メ:……何とか。
黄:……。
メ:ん……ごめんなさい。
黄:謝られても、この場に残った微妙な空気は調整のしようが無いんだよぉ。


【難峰登頂に類似】
メ:少なくても私は、来たる者を拒まない主義だから。
玄:そうですよね。神様は、誰の心に居ても良いんですよね。
黄:その内、玄武が世界の宗教を殆ど制覇するのではなかろうかと思い、
 ちょっとだけ、ぞっとしたんだよぉ。


【元祖人妻属性】
玄:いらっしゃいませ〜。こちら、マリア像即売会場になります。
黄:妙な色気を出しやがったんだよぉ。
玄:どうですか、このフォルムとライン。艶かしささえ感じるでしょう。
黄:そして確実に、色々な方面に怒られそうで、青龍の気苦労が増えそうなんだよぉ。


【何の話だっけか】
玄:ちょっと、牧場を経営してみようと思います。
黄:変なことを言わせたら殿堂入りの朱雀が居るだけに、
 玄武が霞むのが難点なんだよぉ。
朱:ひ、人を評するのに、他人を引き合いに出すのは、
 如何なものかと思われます〜。


【墜落は必定】
黄:それで、何で牧場経営なんだよぉ。
玄:青い空に白い雲。無限に広がる大草原。
 北を守護する者として、これ以上に心躍ることがあるでしょうか。
黄:浪漫で商売する者は必ず失敗すると、先人達は良く言ったものなんだよぉ。


【腐敗の終焉は破滅】
玄:そんなことはありません! 努力をすれば、夢は必ず叶います。
黄:その幻想に、数多の人が泣かされてきたんだよぉ。
玄:仮に巧くいかなかったとしても、
 国庫で補填すれば良いと麒麟さんも言っておられました。
黄:そういうダメ役人や銀行屋みたいなことを言っていると、
 いずれ痛い目を見るのは自分であると分かって欲しいものなんだよぉ。


【聖獣大戦争開演】
玄:牧場予定地を、国家に接収されました……。
黄:酷い結末なんだよぉ。
玄:これが、国を信じていた者に対する仕打ちなのですか!
 革命家になりますよ!
黄:なったらなったで面白そうだなんて、
 思うだけなら罪じゃないということにして欲しいんだよぉ。


【白虎咆哮編参照】
玄:ところで黄龍さん。冷遇聖獣推進委員会についてなのですが――。
黄:そんなのも、あったんだよぉ。
玄:何を言っておられるのですか。黄龍さんは既に、
 理事会長特別補佐の要職にあるんですよ。
黄:いつの間に組織拡大をしたのかと思いつつ、多分、
 相変わらず二人だけしか居ないと見たんだよぉ。


【とりあえず祭り上げ】
月:名前そのものを聞いたことがあっても、一体、
 それが何なのかについて分からないことに掛けて、私に勝てる者など居るものか。
黄:切ない話なんだよぉ。
メ:ん……私なんか、名前も微妙。
黄:この場合、マイナー度ではどちらが上になるのか、
 玄武委員会長様に御伺いを立てたいところなんだよぉ。


【ネズミの一歩手前くらい】
玄:分かりました。御二方は聖獣ではありませんが、入会を許可します。
月:わーい。
黄:酷い上から目線があったんだよぉ。
玄:それでですね。今でしたら御友人を誘うだけでポイントアップサービスが。
黄:そして、お約束な勧誘システムに、若干、犯罪の香りさえするんだよぉ。


【研究費に流用】
玄:マイナーって、お金の匂いがするんですね。
黄:良い感じで、本来の目的を見失ってきたんだよぉ。
玄:これまでが不遇だったんですから、
 少しは美味しい思いをしても、問題はないじゃないですか。
黄:その判断が正しいか否かは、後世の歴史家にでもお願いするんだよぉ。


コント連載中



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