邂逅輪廻



【人工知能にはよくあること】
伏:くけけ。叔母様、御機嫌麗しゅうですわー。
真:その呼び方、やめやがれですぅ。
伏:けけくー。間違ってない以上、やめる筋合いはありませんわー。
黄:たしかに、伏龍の方が年上なのに真武が叔母とは、
 微妙に複雑な家庭なんだよぉ。


【魔狼父さん元気です】
月:後妻が子供より年下なんていうのは、良くある話。
黄:それは、父親が若い子を好きなだけなんだよぉ。
月:男はいつだって〜、狼だかーらー。
フ:はて、呼ばれた気がしたのですが。
黄:一体、何処から突っ込みを入れれば良いのか、
 匠の職人に御教示願いたい気分になってきたんだよぉ。


【混沌が寄って来る】
真:お姉様、ちゃんと調教しやがれですぅ。
玄:そ、そんな調教だなんて、キャー、何を言わせるんですか。
黄:むしろ玄武が何を言ってるのか、
 言語学者の先生に御伺いを立てたい気分なんだよぉ。


【白虎窮奇はどうなる】
月:うむ、一句出来た。
黄:別段、聞きたくも無いんだよぉ。
月:姉妹愛、存在するとは、思えない。
黄:そんな局所的な事例を基に言われても、
 それだけでは肯定も否定も出来ないんだよぉ。


【キングオブ居候】
真:只飯食いもアレだから、奉公に出てくるですぅ。
黄:何だか、酷い嫌味に聞こえるんだよぉ。
朱:そ、それは被害妄想じゃないですかね〜。
則:ほむ。夕刻まで寝ると、時間の感覚が狂って困るのぉ。
黄:まあ世の中、上には上が居るから、気にすることも無かったんだよぉ。


【果てしない優先順位】
黄:それで、何を始める気なんだよぉ。
真:メイドなんか、向いてると思うんですぅ。
玄:ね、ネコミミは、ネコミミは付けるんですか?
黄:何で第一に聞くのがそこなのか、誰か解説をして然るべきなんだよぉ。


【仁義無き御近所トラブル】
セ:ほぅ、私の商売敵になると言うのですか。
黄:別に、敵視することは無いんだよぉ。
真:生理的に受け付けないから、徹底的に抗戦してやるですぅ。
黄:執事とメイドがバトルしなければならない理由が、
 この世界の何処にあるのか、さっぱり分からないんだよぉ。


【人間関係にも壁が】
セ:由緒ある大木から枝が伸びて、お隣の制空権を侵犯してしまうのです。
黄:ベタな揉め事なんだよぉ。
真:そういう時は、壁に電磁バリアを張って焼き切れば、
 不可抗力ということで処理されるですぅ。
黄:何でもかんでも最新工学で処理すれば良いというものではないと、
 信じたいけど難しそうなんだよぉ。


【温故知新が一回り】
真:メイドと言えば、絶対的な忠誠心ですぅ。
黄:こっちの執事は、対価で割り切った関係なんだよぉ。
セ:金の切れ目が縁の切れ目。世の中、そういうものです。
黄:最新鋭家電が情を語り、五千年を生きた龍が合理を押し進めるとは、
 世の中、何が指針になるか分からなくなってきたんだよぉ。


【野球で言うと真正面】
真:誠心誠意尽くしても、報われないこともあるのが、世の中ですぅ。
黄:案外、冷めてたんだよぉ。
真:だから私は、お姉様に何の期待もしてないんですぅ。
玄:よもやここで私に矛先が向こうとは、一体、誰が思ったでしょうか。
黄:むしろ想定内過ぎて、特に言うことは無いんだよぉ。


【ガサツさなら負けないよ】
真:お掃除、終わりましたですぅ。
麒:うむ、御苦労。
黄:何をしてるんだよぉ。
麒:少し部屋が汚れたので、ハウスクリーニングという奴をな。
黄:一人暮らしの部屋くらい自分で何とかしろと、
 言ってしまっては負けの気がしないでもないんだよぉ。


【悲しいけどそんなもの】
朱:麒麟さんだけに〜、キリーニングってことなんですね〜。
月:これは、もっと評価されて良い。
黄:ぶっちゃけ、微妙なんだよぉ。
真:一歩間違えると、キリングになって、実に危険ですぅ。
黄:まあ政治なんて、如何に相手を生かさず殺さずというのが、
 本質という気がしないでも無いんだよぉ。


【事件そのものは解決】
真:やられたですぅ。
黄:どうしたんだよぉ。
真:寝てる間に、昨日一日分のデータを盗まれたですぅ。
伏:くけけー。人様の大事な情報を奪うなんて、親の顔がみたいですぅ。
黄:とりあえず、自首を促すべきか保護者を呼ぶべきか。
 地味に悩まざるを得ないんだよぉ。


【きっともうダメだ】
真:お姉様、この落とし前、どうつけるつもりですぅ。
玄:え、え〜っと、こら! 何でこんなことしたの!
黄:自己保身に走る親は、どうかと思うんだよぉ。
伏:くこかー。盗む方より盗まれる方が悪いのは世界の常識ですわー。
黄:そして堂々と開き直る娘も、本格的にどうなんだよぉ。


【何処に居るんだ】
真:最深部にクラックして、同じ量のデータを破壊してやるですぅ。
黄:血みどろの抗争になってきたんだよぉ。
真:な、何というプロテクトですぅ。アメリカ国防省を上回ってやがるですぅ。
伏:かけくー。
玄:こんなこともあろうかと、考えうる最高の防備を施した甲斐がありました。
黄:ここまでことが混迷した場合、誰か人格者が止めなくてはならないんだよぉ。


【何という抜本対策】
亜:ん? ひょっとして呼んだ?
黄:若干、勘違いしてる部分があるけど、始祖として何とかするんだよぉ。
亜:う〜ん。皆、人に迷惑掛けちゃダメだよ?
黄:始めから最優先プログラムにしておけば良かっただなんて、
 言ってしまったら負けに違いないんだよぉ。


【近親嫌悪型なら難問】
真:最近、目が霞むですぅ。
伏:くかかー。年は取りたくないものですわー。
真:お望みなら、今すぐにでも電磁波センサーに傷を付けてやるですぅ。
伏:ぐげげ。
黄:姉妹並びに近親者が仲良くすることは不可能なのか、
 最近、本気で悩みつつあるんだよぉ。


【インビジブルエネミー】
月:うちは、一部を除いてちゃんと仲が良い。
理:叔母様サイコー。
黄:それは、洗脳なんだよぉ。
天:一部? 一部って何ですか?
黄:そして空惚けてみようとも、現実は何も変化しやしないんだよぉ。


【大したことは無さそう】
白:うちも普通程度の仲はあるよ?
窮:そうだよね。
ヘ:よぉし、それじゃお前ら、今日も――。
白:うにゃー!?
窮:お、お姉ちゃん、私を置いて逃げないで〜!
黄:まあ概ね、どの程度の結び付きかは把握させて貰ったんだよぉ。


【変人なれど鬼才】
伏:ふっ……良いパンチだったですわー。
真:お前もですぅ。
黄:少しの間に、何があったんだよぉ。
玄:愛です! 全ては愛の成せる奇跡です!
黄:とりあえずそれだけは無いんだよぉ、と言いたいけれど、
 先代ならそこまで計算していても、何の不思議も無いから怖いんだよぉ。


【抑止ってレベルじゃない】
玄:はぁ……扶養家族は増えるのに給料は変わらず――理不尽です。
麒:文句があるなら、人様の三倍くらい働け。
黄:無茶苦茶言ってるんだよぉ。
玄:折角開発しました、世界の原子力潜水艦を、
 その場で爆発させる装置も不採用に終わりましたし、納得がいきません。
黄:少なくてもその一件に関しては、
 麒麟の判断は正常であると、不本意ながら言わせて貰うんだよぉ。


【青龍は何処行った】
真:私なら、もう一歩進めてみせるですぅ。
麒:ほぅ、話だけは聞かせて貰おうか。
真:原潜のコントロールを奪って、全世界を相手に脅迫してやるですぅ。
麒:やはり、こんな優秀すぎる奴は手元に置けんな。
黄:何処まで行っても発想が高圧的過ぎると、
 そろそろ誰か、ツッコミを入れて欲しいんだよぉ。


【過ちは一度だけ】
亜:んーと。万一の事態に備えて、
 玄武と真武の緊急停止ボタンを作ったから、黄龍に預けとくね。
黄:無茶な母親なんだよぉ。
玄:お、横暴です! 何を根拠に、そんなものを作ったと言うんですか!
黄:過去に暴走したことがある身で、良くぞ言ったもの、なんだよぉ。


【典型的ダメ母】
真:そんなもの、外部電波をシャットアウトすれば良いだけの話ですぅ。
玄:さ、流石は真武。頼りになる妹です。
真:お姉様はお姉様で、独自の防衛策を開発するですぅ。
玄:えー!?
黄:よもや、このドタバタを見たかっただけなんじゃなかろうかという邪推は、
 ゴミ箱にでも捨てて、昼寝をすることに決めたんだよぉ。


コント連載中



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