【もう手遅れです】 須:儂ぁ、不幸者じゃ。 黄:姉を持ち、嫁を持ち、娘まで持って、何に不満を持つんだよぉ。 須:何があっても、母ちゃんは戻ってこんきに。 黄:この真性マザコンは、一度、 本気で締めた方が世の為の気がしてならない自分がいるんだよぉ。 【帰って寝よう】 黄:という訳で、嫁に引き渡しに来たんだよぉ。 櫛:あらあら。余所様に御迷惑をお掛けしちゃダメでしょ、めっ。 須:ふっ。百万語の罵詈雑言より、おまぁのデコピンの方が堪えるの。 黄:何でこんなバカップルを見ているのか、 自分で自分の所業が理解出来ないんだよぉ。 【反面教師的発想】 月:ハハハ。あの二人には、この私でも勝てないと言うのに。 黄:乾いた笑いなんだよぉ。 月:バカップル、隔離すべきと、進言し。 黄:むしろタコ部屋に数組詰め込んで、 お互いを凝視させれば改善の兆候が見えるのではないかと思うんだよぉ。 【息女来々編参照】 櫛:あら、お義姉様、本日は御機嫌麗しゅう。 月:うむ、良きに計らえ。 黄:須勢理と良い、軍団でも結成する気なのかと聞きたいんだよぉ。 月:姉さんが嫌がるんだったら、それも良いかなって思う。 黄:もしやヤブヘビだったかと思いつつ、 前にも似たことを言っていたから、やっぱりいつも通りなんだよぉ。 【月の女神としてどうよ】 須:おまーら、こっちをジロジロ見るんじゃなき。 黄:良い感じで、チンピラなんだよぉ。 月:まあ、家柄と気品のバランスが取れているのは、私くらいのものだから。 黄:どちらかと言うと、インテリヤクザと言った方が、 的確なのではなかろうかと思う訳なんだよぉ。 【何だかんだで二千年】 月:インテリヤクザ。頭脳を駆使し、法を犯すことを厭わずお金を稼ぐ人種。 黄:自尊心が傷付いたなら、少しは生活態度を見直すんだよぉ。 月:うっとり。 黄:もうこの国はダメなのでは無いかと、勝手ながら思ってしまう訳なんだよぉ。 【やっぱダメかも知れない】 月:あぁ、もう、櫛名田ってば可愛い。 櫛:あらあら。お義姉様、苦しいですわ。 黄:過剰なスキンシップなんだよぉ。 須:姉貴ぃ……。 黄:そして片隅では弟が拗ねてるけど、 敢えて何も見なかったことにするのが通なんだよぉ。 【免疫が出来たか】 黄:平和とは、良いものなんだよぉ。 朱:な、何だか、達観してますね〜。 黄:毒気に当てられると毒が浄化されることもある。 そういう事例を知った訳なんだよぉ。 【客観視は如何】 月:さて諸君。良くぞ集まった。 黄:うちに来れば、大概、二人や三人は居るんだよぉ。 月:まるで、田舎の寄り合い所の様なポジション。 黄:堂々と寄り付いてる一人の癖に、 まるで他人事の様に言うんじゃないんだよぉ。 【これも略奪愛なのか】 月:ところで、本題だけど。 黄:一蹴しやがったんだよぉ。 月:櫛名田を私の嫁にするにはどうすれば良いか、意見を求む。 黄:色々とおかしい点が多過ぎて、 何処から処理していいかさっぱり分からないんだよぉ。 【きっと再生不可能】 櫛:あらら。私、モテモテですわね。 黄:ちょっと違う気がしないでもないんだよぉ。 月:他人の所有物は美味しく見える。これ、世の真理。 黄:このダメ神は、司法の手で何とか出来ないのかと本気で思うんだよぉ。 【専門家の見解待ち】 天:えっくえっく。櫛名田ばっかりズルい。 黄:もう、何が何やらなんだよぉ。 須:姉貴じゃろうと、櫛名田はやらんきに。 朱:もしかして〜、ここの一族って、私より混沌としてるんですかね〜? 黄:幾ら何でもそれは無いと、個人的には思っておくことにするんだよぉ。 【テリブルミラクル】 櫛:んー、よしよし。 黄:良い年をした貴子様が、 嫁に頭をナデナデされてる現場を目撃してしまったんだよぉ。 朱:ず、随分と説明口調ですね〜。 黄:自分でも目を疑っているから、 反芻でもしないと、とても信じられやしない訳なんだよぉ。 【ジャパニーズ捏造王】 須:儂らが何をしよーと、おまーらには関係無いじゃろぅ。 黄:正論にしても、見えないところでお願いしたいんだよぉ。 月:仲良きことは美しき哉。私にもそれを信じていた時期がありました。 黄:その堂々と嘘を言う体質はどうにかならないのか、 ほぼ諦め口調で言わせて貰うとするんだよぉ。 【そもそも死ぬ気無いだろ】 月:全く関係無いけど。 黄:何なんだよぉ。 月:嘘吐きは地獄に落ちるとか、閻魔様に舌を抜かれると言うけれど、 黄泉の国の主である私の場合は一体どうなるのだろう。 黄:本格的にどうでも良すぎて、 思考回路が抜本から停止してしまった自分が居るんだよぉ。 【世界平和の必須事項】 櫛:きっと、お義姉様がついた嘘の数だけ、正直な方が被害を受けるのですわ。 月:ほぅ。 黄:ほぅ、じゃないんだよぉ。 月:これはつまり、世の理不尽さを伝える為、もっと嘘をつけということか。 黄:何をどうしたらそういう結論に至るのか、 やっぱり脳の解剖が必要に違いないんだよぉ。 【胃もたれ注意報】 須:きさん! これはどういうことじゃい! 櫛:私の方こそ、ぷんぷん、ですわ。 朱:な、何だか大荒れですよ〜? 黄:夫婦喧嘩は、野良猫も食わないんだよぉ。 白:いや、お腹に溜まるんだったら、試してみても良いけど。 黄:きっと、無駄に甘くて胸焼けの元だから、 餓えてない限り、やめておいた方が良いと思うんだよぉ。 【永遠に素通り】 朱:それで〜、ケンカの原因は何なんですか〜? 須:お好み焼きに、ヤキソバを入れんとか言うちょるとよ。 櫛:たまには無いものも、食べてみるべきですわよ。 朱:そ、それだけなんですか〜? 黄:構えば構うほどアホらしくなる。 それが夫婦喧嘩というものなんだよぉ。 【たまには良い話を】 月:はぁ……実に良い天気。 黄:そこの小姑、少しは収拾に尽力するんだよぉ。 月:旨味は吸い取り、責任は拒否する。それが正しい大人と言うもの。 黄:ここまでに潔く、間違った大人像を語られると、 少し納得してしまいかねない辺りが厄介なんだよぉ。 【起こさないでね】 須:姉貴は儂の味方じゃきに。 櫛:お義姉様。この人に、めって言ってあげて下さい。 月:うーん、モテモテの私に恍惚の気分。 黄:もう何だか、全てがどうでも良い気分になってきたから、 とっとと寝ることに決めたんだよぉ。 【老獪を越えて老衰】 月:生まれながらに高貴な血筋の私達と、成り上がりの代表格である黄龍、 これらが一緒に過ごせる現世の、何と寛容なことか。 黄:せめて、叩き上げと言って欲しいんだよぉ。 朱:そ、そこは問題なんですか〜? 黄:良い年になると、この位の挑発、 眉根一つ動かさずに聞き流せる訳なんだよぉ。 【牛歩の如き歩み】 櫛:お義姉様も、随分と丸くなりましたわ。 黄:どこら辺がなんだよぉ。 櫛:昔は、庶民を見ては悦に入る、危険な御嬢様でしたもの。 黄:ある意味、今も余り変わっていないような、 そんな気がしてならないんだよぉ。 【恨みつらみはエンドレス】 月:まあ、アレだ。結局、私は偉大な姉として、頑張らないといけない。 黄:あれだけたくさんの兄弟姉妹の下から二番目が、何を言っているんだよぉ。 月:例えたった一人であろうと、自分より下を見付けるのが性というもの。 黄:そして一番下は娘の婿に当たると、 つまりはそういうことなんだよぉ。 【時給と言うより出来高制】 須:姉貴ー。櫛名田が何考えちょるか分からん。 月:女の子は、綿菓子の如く繊細に扱うこと。 黄:甘くて、ベタベタということなんだよぉ。 月:ふぅ。今日も口から出まかせを言う仕事が絶好調。 黄:自覚のない犯罪者より、確信的にやらかす方が始末に終えない。 きっと、そういうことに違いないんだよぉ。
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