邂逅輪廻



【今日も大量だ】
ヘ:たまには、死神として、死者を冥界から甦らせてみるか。
黄:思い付きで言うことじゃないんだよぉ。
朱:お、お母さんをお願いしても良いですかね〜。
須:儂も同じのをお願いするきに。
黄:そしてこのマザコン達は、全力で釣り上げられるんじゃないんだよぉ。


【大袈裟な話だ】
月:ズズズ。あぁ、お茶が美味しい。
黄:こっちの黄泉の主は、随分と暇そうなんだよぉ。
月:甦りの能力を持たないと、詰まるところ駐車場の管理人と大差無い。
黄:素性を知らなくてもやっていける。
 そんな現代に於ける人間関係の悲喜こもごもを垣間見た気分なんだよぉ。


【国際ルールの明文化を】
ヘ:まあ、残念なことに私が権限を持つのは、
 北欧で生まれ、北欧で死んだ奴だけなんだがな。
黄:微妙に、条件が厳しいんだよぉ。
月:その点、大和の黄泉は、日本の領土内で死んだ者なら、
 思想宗教、一切関係なく受け入れている。
黄:たまたま野垂れ死んだ人も居るだろうから、
 それはそれでどうなのかと思う自分が居るんだよぉ。


【共謀しないことを祈る】
月:ちなみに、北欧で生まれたものの移民として他国に流れ着き、
 年老いて帰国しようとした帰りの船で亡くなった場合は何処の管轄に?
黄:何という、マニアックな状況設定なんだよぉ。
ヘ:海で死んだのなら、海神に押し付けるという手もある。
月:おぉ。
黄:この死者の国の主達は、微妙に波長が合う部分がありやがるんだよぉ。


【逝ったら御確認あれ】
月:黄泉の国は連綿と暗闇が続くと思われがちだけど、
 時たま光が射すこともある。
ヘ:あー、たしかにあるな。唯、本当に、極稀だがな。
黄:何でこんなところで、死者の国あるあるを聞かされてるのか、
 自分でもさっぱり分からないんだよぉ。


【進言こそ無益】
天:あの世って、そんなに暗いんですか?
黄:興味を示すんじゃないんだよぉ。
月:姉さんが来ると言うなら、今から全力で電飾を施してくる。
黄:この省エネ時代に、勢いだけで無駄なエネルギーを消耗するのは、
 如何なものかと思うんだよぉ。


【不健康徴兵忌避術】
朱:私なんかは〜、かなり特殊な生命体だと思うんですけど、
 死んだらどうなるんですかね〜?
黄:自分で認めやがったんだよぉ。
ヘ:話を聞く限り、死ぬ直前、門番に追い返されてるな。
月:要は、死者不適合者ということ。
朱:な、何だか、聞いてはいけないことを聞いてしまった気分です〜。


【地獄の沙汰は媚次第】
月:まあ、地獄の沙汰も金次第だから。
黄:それは仏教思想なんだよぉ。
ヘ:私が相手なら、献身的に尽くせば、
 或いは情状酌量が入るかも知れんな。
黄:この見事なまでの御上体質、
 呆れるべきか感心すべきか、判断に困るんだよぉ。


【苦い勝利だ】
ヘ:バカにつける薬は無いか?
亜:薬学は専門じゃないんだけどな〜。
黄:今日も、アホなことをやってるんだよぉ。
ヘ:独り者に、この苦労が分かって溜まるか。
黄:たしかに旦那は居ないけど、ヘンテコなのを相手にする度合いで言ったら、
 負ける気が全然しないんだよぉ。

 
【超記憶朱雀の誕生である】
亜:とりあえず、記憶力を増強させるのならあるけど。
ヘ:大事なのは、頭の配線を改善することだ。
 情報が増えれば、混迷の度を増すに決まっている。
黄:何だか、似た感情を抱いているという意味で自分自身を見ているような、
 そんなむず痒さを感じてしまった訳なんだよぉ。


【とても惜しむらくば】
亜:そういう考え方は良くないよ。人間の進歩は、
 良くも悪くも、そういう頭のおかしい人が支えてきたんだから。
ヘ:ヌ……。
黄:珍しく、真面目な話なんだよぉ。
朱:世の中、タフーにぴーひゃらる〜♪
 あっちもこっちも、ふ〜にふに〜♪
黄:こういうのを見ていると、本当の天才は、
 頭がおかしい中でも更に一握りなんだよぉ。


【掃いて捨てる程さ】
月:トランプタワーの世界記録、八メートルに挑戦中。
亜:うんうん。金持ちの道楽って、意外と侮れないんだよ。
黄:もう、何が何やらなんだよぉ。
朱:要するに〜、サンドウィッチ伯爵バンザイってことなんです〜。
へ:何故だか、旦那を相手にしているかの様な既視感が。
黄:世にはまだまだ、変な奴らが幾らでも居るという話なんだよぉ。


【何だかんだで母娘】
白:いや〜。やっぱり春はぬくぬくで最高だね〜。
窮:うんうん、お姉ちゃん、その通りだよ。
黄:少しは進歩しやがれなんだよぉ。
ヘ:ああ……春は暖かくて良い。
黄:所詮、世の中、遺伝子が性質を決めるのかと、
 若干の虚しさを覚えてしまった訳なんだよぉ。


【多過ぎて分からん】
白:まあ、どんな努力したって、爬虫類にはなれないもんね。
ヘ:そうでもないぞ。西洋的発想を使って良いのなら、
 キメラという道だってある。
黄:本来は翼の生えた獣である窮奇の前で言うとは、
 まだまだ中国文化の奥深さを解していない様なんだよぉ。


【求めるだけ無駄】
白:肉〜、肉〜。
黄:酷い台詞なんだよぉ。
ヘ:肉食獣が肉を欲して、何が悪い。
黄:善悪で無く、単純に品が無さ過ぎると言いたいだけなんだよぉ。


【いつも通りの光景】
朱:トウモロコシは〜、茹でるより、生を丸呑みが通ですよね〜。
黄:鳥類らしい意見なんだよぉ。
ヘ:穀物一本で育てた家畜は、中々に味があるものだ。
黄:そしてこちらも、実にらしい意見が飛び出す訳なんだよぉ。


【そもそも給料貰ってない】
フ:コソコソ。
黄:何を台所の天敵みたいな真似をしてるんだよぉ。
フ:実は妻が取っておいた燻製肉を食べてしまってですね。
黄:何でも良いけど、そういう程度の低い夫婦喧嘩まで持ち込まれるのは、
 業務の範疇外であり、至極心外なんだよぉ。


【無茶を言わない様に】
ヘ:旦那を出して貰おうか。
黄:このパターンも、そろそろ焼き直し過ぎなんだよぉ。
フ:昔のビデオテープは、使い過ぎると擦り切れますよね。
黄:その発言に何の意味があるのか、
 ここは聡明で通ってる奥方様に解説して貰いたいところなんだよぉ。


【龍族も辟易】
フ:グルァァ!
朱:い、いきなり逆ギレですね〜。
黄:感情のスイッチが理解出来ないんだよぉ。
ヘ:ほぅ、久々にやりあうと言うのか。良いだろう、手加減しないぞ。
黄:誰かが言った、夫婦喧嘩は犬も食わないというのは、
 至言で金言であると、しみじみ思わされたんだよぉ。


【良い有効活用だ】
フ:ふぅ……はて皆さん。何だかお疲れの様ですね。
ヘ:くぅ、関節を取っても振り払うとは、相変わらず無茶な体力しやがって。
黄:どっちもどっちなんだよぉ。
朱:ふに〜。私は今〜、話し合いの重要さを、心の底から実感しました〜。
黄:ある意味に於いて、これ以上の反面教師は居ないのではないかと、
 少し本気で思ってしまったんだよぉ。


【火傷に注意だ】
フ:タンドリーチキン。
黄:絶対に、言いたかっただけなんだよぉ。
ヘ:スパイシー&ジューシー。
黄:この似た者バカ夫婦の取り扱い方法を、
 誰か端的に纏め上げるべきなんだよぉ。


【とりあえず頑張れ】
ヘ:生肉は旨いが、火を通したものも、また別の味がある。
黄:はいはい。全く以ってその通りなんだよぉ。
フ:ちゃんと相手をしてあげて下さい。
 不機嫌になると、その相手をするのは私なんですから。
黄:何でそっちの家庭の事情まで把握して対応しなければならないのか、
 全く分からない訳なんだよぉ。


【心のデリケートエリア】
黄:虎の子とか、虎児という言葉があるんだよぉ。
白:はい?
黄:要は、物凄い大事なものという意味なんだよぉ。
白:うーん……笑うところで良いの?
黄:何だか、触れてはいけない話題であったのではなかろうかと、
 思ってしまう自分が嫌なんだよぉ。


【無理だろうけどね】
ヘ:何を言うか。子を大事に思わぬ親など居るものか。
黄:たまには、良い話をしてやるんだよぉ。
ヘ:だが、親は子より大事だと、孔子も大仰に認めているから仕方無い。
黄:そういう間違った思想を振り撒かれるのは迷惑だから、
 黙っておいて欲しいなと、要望だけ言わせて貰うんだよぉ。


コント連載中



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