邂逅輪廻



【トップライダー的発想】
セ:執事たるもの、お仕えする方のどの様な要望にも応えてみせます。
黄:そういや、そんなことを生業にしてたんだよぉ。
則:のぉ。満貫全席を用意してたもれ。
セ:こんなこともあろうかと、ちゃんと用意して御座います。
黄:微妙に敗北感を覚えただなんて、
 そんなことは絶対に無いんだよぉ。


【大変に正論】
朱:針に〜、糸が通らないんですけど〜。
セ:お貸し下さい。
月:高いところのお菓子が、取れなくて困る。
セ:では、この踏み台をどうぞ。
黄:もしかしなくても、最初からやってあげるのが執事の仕事であり、
 サポートに徹するのは間違ってるんだよぉ。


【竹を割った美学】
朱:ふに〜。大抵の昆虫さんは〜、サナギを経て大人になりますけど〜、
 あんなに身体を変えてまでやるのは効率的なんですかね〜?
黄:永遠の命題なんだよぉ。
セ:その件に関しましては、神がその様に創ったからと答えさせて頂きます。
黄:何で何処ぞの一神教みたいに、
 一言で結論を出そうとするのかが分からないんだよぉ。


【何が起こるか分からないし】
セ:その様なことを考えるより、皿の一枚でも洗った方が実用的じゃないですか。
黄:純粋な文系学者を全否定したんだよぉ。
朱:ですけど〜、もしかしたら、昆虫学を極めることが、
 全自動食器洗い機の発展に貢献するかも知れませんよ〜?
黄:幾らなんでもそれはない、と言いたいのをぐっと堪えるのが、
 大人の心意気なんだよぉ。


【だよぉ職人かく語る】
セ:トロンボーン。
黄:アホが居るんだよぉ。
セ:昨今、執事事情も混迷を極めている模様ですから。
 過当競争に打ち勝つ為には、個性が必要かと。
黄:出オチでのキャラ付けは、ネズミ花火の如く、
 一瞬で燃え尽きるものだと、何度言わせる気なんだよぉ。


【無理だろうけど】
朱:ふに〜。
黄:ロングセラーとは、この様に、日常の風景に溶け込むものなんだよぉ。
セ:ふっ、フフフ。このセバスチャン、屈辱を晴らす為、
 今日のところは退いて差し上げましょう!
朱:あ、明後日の方向に、走り去っていきました〜。
黄:このまま帰ってこないことを、本気で願ってやまない訳なんだよぉ。


【言いたいだけだろ】
セ:パペットマーン。
黄:修行の成果にしては、酷いものなんだよぉ。
セ:パスツゥールピィペット。
黄:まさかとは思うけれど、得た結論が半濁音だったなどという、
 どうしようもないものではないことを密かに願わせて貰うんだよぉ。


【余程の大物かアホなら或いは】
セ:まあ、ですが執事の業務には何の関係もありませんよね。
黄:開き直りやがったんだよぉ。
セ:御主人様の御仕事を陰で支えるのが任務だというのに、
 個性など以ての外です。
黄:これだけ短い間に前言を翻す男と信頼関係を築けるのか、
 先ず、そこが大問題の気がしてならないんだよぉ。


【世界は奇々怪々】
セ:執事とは、何でしょうか。
黄:何でいきなり、そんな本質的な問いなんだよぉ。
セ:ふと、疑問に思ったのです。
朱:四神とは何なのか教えてくれましたら〜、
 考えないことも無いですけど〜。
黄:どうして朱雀の方が上から目線なのか、
 そっちが謎でしょうがないんだよぉ。


【若人にありがち】
セ:四神とは、守護聖獣です。
朱:ふに〜。
黄:誰もが知ってるんだよぉ。
セ:執事とは家を守るもの――はっ! つまりは、同じことなのですね!
黄:何となく、酷い自己完結を見た気がしてならないけど、
 全てを忘却して無かったことにしようと思うんだよぉ。


【三龍復権編参照】
黄:白龍は、何でアッサリと執事稼業に身を染めたんだよぉ。
朱:黒龍さん達みたいに〜、復権を狙うのも生き様ですよね〜。
セ:ハッハッハ。あんなバカや無能などと一緒にされては困ります。
 正しい生き方とは、引き際を見誤らないことに尽きます。
黄:正しいことの様に聞こえて、殴り過ぎて怯えてるだけなんじゃないかと、
 思ってしまう自分が居るんだよぉ。


【過剰防衛は否めない】
セ:えぇ、拳は勘弁です。
黄:本音が漏れたんだよぉ。
朱:そう言えば〜、昔、黄龍さんが暴れて、
 皆さん長い眠りに就いたんでしたっけ〜。
黄:その物言いだと、こちらが一方的に悪い様に聞こえるんだよぉ。


【都心住まいの羊飼い】
セ:ところで、今更なのですが。
黄:何なんだよぉ。
セ:私が仕えるべき御主人様は、何処に居るのでしょうか。
黄:根本的な問題として、今の状態を執事と言って良いのか、
 果てさて、難問なんだよぉ。


【需要はそこそこ】
セ:では、フリーの執事ということで。
黄:派遣の家政婦みたいなんだよぉ。
セ:忠誠心ゼロ。金で割り切られた綺麗な関係。
 まさに、現代的ではないですか。
黄:そう、きっぱり言われると、
 否定したくても出来なくなる訳なんだよぉ。


【全て妄想です】
セ:長年執事をやっておりますと、色々な局面に遭遇します。
黄:たかだか数年で、偉そうなことを言うんだよぉ。
朱:具体的には〜、どんな感じですか〜?
セ:そうですね。あれは私が新人の頃でした。何と密室で殺人事件が起きたのです。
 陸の孤島で繰り広げられる謎の連続見立て殺人。
 単純な遺産相続争いと思われた事件の裏に隠された真の動機とは一体。
 ――続きはウェブで!
黄:とりあえず、暇を持て余していることだけは、
 把握させてもらったんだよぉ。


【通は聞かなかったことに】
セ:まあ、最後は科警研の最新鋭科学捜査で全て暴かれたんですけどね。
黄:酷いオチなんだよぉ。
セ:捜査権を有しているのは司法機関だけで、
 例え探偵、報道機関であろうとも、探ることが出来ないのは日本の常識です。
黄:そんなまともな意見を聞かされたら、
 八割程のミステリは構造欠陥を有してることになると、言うべきなのか悩むんだよぉ。


【要は節操無し】
セ:饅頭は、中華が産み出した究極の文化です。
黄:眠りに就いた頃は、まだ無かったはずなんだよぉ。
セ:旨いものは、食べたことが無くとも認める。
 それが懐の大きさというものなのです。
黄:なるほど。何も考えず英国の職業である執事に就いた男が言うと、
 妙な説得力がありやがるんだよぉ。


【浸水後即大破】
朱:それにしても〜、白龍さんの知識は日本に偏ってますよね〜。
セ:中国料理と言えば、ラーメン、餃子、中華まんです。
黄:これは酷いんだよぉ。
月:いや、ここは敢えて私が支持する。
セ:おぉ、それは心強い。
黄:乗ったのは泥舟であると、教えるべきか見捨てるべきか、
 本気で悩む自分が居るんだよぉ。


【いつものこととも言う】
月:中国三大悪女と言えば。
セ:呂后、武則天、西太后。
黄:これは、何の講習なんだよぉ。
則:何やら、呼ばれた気がしたぞえ。
黄:話がグチャグチャになるだけだから、
 少し奥に引っ込んでおいて欲しいんだよぉ。


【どの口が言うやら】
月:中国四大美人と言えば。
セ:西施、虞美人、王昭君、楊貴妃。
朱:虞美人さんの代わりに〜、貂蝉さんが入ることもありますよね〜。
黄:もう好きにしやがれ、なんだよぉ。
則:ふむ。呼んだかのぉ。
黄:認めたくないのは勝手だけれども、
 時には現実を見るべきだと思うんだよぉ。


【オートメーションの弊害】
セ:昨日、とある大物代議士の御宅に仕えたのですが――。
黄:はいはい。それは良かったんだよぉ。
セ:もう少し、親身になって聞いて頂けませんかね。
黄:生憎、相手をしなくてはいけないのが多過ぎて、
 惰性になりつつあることは否まないんだよぉ。


【喧嘩両成敗的発想】
セ:まあ、その代議士が汚職で捕まって、
 私も巻き添えで取調べを受けたというだけの話なんですけどね。
黄:オチが、何処にも無いんだよぉ。
セ:それでも、情熱的に聞いて頂ければ、
 何とかなったかも知れないじゃないですか。
黄:何で訳の分からない逆ギレをされたのか、
 恐ろしいまでに心当たりが無いんだよぉ。


【大した男と呼ばれたい】
セ:執事として、どの様な最期を迎えるべきか、悩みます。
黄:良く分からない話なんだよぉ。
セ:御主人様の命を助ける為に身体を張るか、或いは、坊ちゃまの為か。
 永遠の命題と言っても差し支えないでしょう。
黄:何でその二択なのか、詳しい人の解説を求めるんだよぉ。


【意気投合は突然に】
月:御嬢様ではなく、坊ちゃまというのが話の要。
黄:とてもそうとは、思えないんだよぉ。
セ:おぉ、やはり貴女は話の分かる方だ。
 どうか御前にかしずくことをお許し下さい。
月:うむ、よきにはからえ。
黄:何だか分からないけど、
 又しても妙ちくりんなコンビが生まれてしまった模様なんだよぉ。


コント連載中



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