【距離感が分からない】 フ:グルァァ! 白:うにゃー!? 黄:いきなり、全開なんだよぉ。 フ:ふぅ。父娘のスキンシップというのは、本当に良いものです。 黄:娘さんの方は本気で逃げていると、気付かない辺りが父親なんだよぉ。 【絶対に流行らない】 白:マジかジョークか分からないって、本当に怖いデスあるよ。 黄:何族の喋り方なんだよぉ。 フ:いやぁ、最近の若者の使う言葉は難解デストロイ。 黄:そしてそっちも、無理に娘に合わせて、 変な喋り方をするんじゃないんだよぉ。 【所詮は猫科】 フ:さて、本日も教練です。 白:い、いや〜、お父さん。 今朝、もう、お母さんの提示したメニューこなしたし。 窮:うにゃにゃー。 フ:……。 白:……。 フ:さて、始めて下さい。 黄:ある意味に於いて、朱雀を上回る鳥頭なのかも知れないんだよぉ。 【ボケはボケを呼ぶ】 朱:昨日の嫌なことをすっきり忘れるのが、健康の秘訣なんです〜。 黄:大事なことも、すっきり忘れてるんだよぉ。 フ:ところで、私はどういった経緯でこの東洋の国に住んでいるんでしたっけ。 黄:むしろ朱雀の方がフェンリルと血が繋がってるんじゃないかと、 下衆の勘繰りばかりが進んで仕方無いんだよぉ。 【昔の話じゃて】 フ:正義なんて、この世界にはありません。 黄:ぶっちゃけられても困るんだよぉ。 フ:強いて言うなら、 生き残った者が正義と言えなくもありませんかね。 黄:唯、長生きしてただけで五龍の王とか呼ばれてた頃を思い出すと、 あながち間違ってない気もするのが困りものなんだよぉ。 【基本は淘汰論】 白:ん、何々? 宗教戦争の話? 黄:それも、あながち間違ってないんだよぉ。 フ:勝てば官軍とは、清々しいまでに明快な言葉ではありませんか。 黄:元傭兵で、現魔狼に言われると、微妙な重さがあったりするんだよぉ。 【混ぜるな危険】 フ:餓狼という言葉がありますが――。 朱:ふに? フ:要は、エサを自分で賄うことも出来ない、 ダメな狼ということにしか思えないのですが。 朱:た、たしかに、その通りですね〜。 黄:いつものことながら、ボケにボケを掛け合わせると、 収束する気配が見えないんだよぉ。 【御伽噺だけどね】 フ:そういう意味で、冬ごもり明けの熊などは合理的です。 黄:物の喩えに、イチイチ噛み付くんじゃ無いんだよぉ。 朱:たしかに〜、トンビはタカを絶対に産みませんよね〜。 黄:白鳥の子がアヒルの群れに紛れることはあるんだから、 希望を捨て去るべきでは無いんだよぉ。 【これだから若ボケは】 フ:ふむ。 黄:今度は、どうしたんだよぉ。 フ:いえ、私、昼御飯を食べましたっけ? 黄:仮に本気で言ってるとしたら、 ヘルに聞いて、全力でぶっ飛ばされるのが良いと思われるんだよぉ。 【同意も出来ないよ】 フ:ハハハ。そんな恐ろしいこと、出来る訳が無いじゃないですか。 黄:凄い、尻の敷かれ方なんだよぉ。 フ:腕力では勝てても、口では絶対に勝てない。それが夫婦です。 黄:だから、こんなところで真理を述べられても、 文字通り万年独身のこちらには、対応する術が無い訳なんだよぉ。 【特殊フィルター搭載】 フ:狩りの秘訣をお教えしましょう。 黄:別に、本気を出せば、どうとでもなるんだよぉ。 朱:い、いえ〜。これを聞いておけば、 きっと白虎さんから逃げる参考になります〜。 黄:なるほどと、妙に納得する一面があるけれども、 朱雀が言うと、何故か素直に肯定しなくないのが不思議なんだよぉ。 【強運だけはメジャー級】 フ:グルァァ!! 朱:ふ、ふに!? フ:この様に、咆哮で身体がすくんでしまう個体は、 長生きするのは難しいでしょうね。 黄:完全に硬直してしまったこの小鳥は、 良く生き延びてきたものだと思わざるを得ないんだよぉ。 【冷静に判断中】 フ:グルアァァァ。 黄:今日は、本気で獣化してるんだよぉ。 朱:の、呑気に見てて良いんですか〜? 黄:こういう時は先ず、肉を用意して気を逸らす――。 フ:ガブリ。 朱:お、黄龍さんの頭に噛み付きました〜。 黄:ここは本気で怒っても、きっと誰も文句を言わないに違いないんだよぉ。 【あっさりキレた】 黄:ふざけるんじゃないんだよぉ! フ:グルァ! 朱:ふぇ、フェンリルさんが、引き剥がされて放り投げられました〜。 黄:お望みなら、虎は常に龍の下であることを証明してやるんだよぉ。 朱:そ、そして、平然とかなり物騒なことを言ってます〜。 【竜巻でも通ったか】 フ:ふぅ。はて、全身のあちらこちらが痛いのですが。 黄:あれだけ派手に殴り合えば、必然の話なんだよぉ。 朱:お、お二人共、大丈夫ですか〜? 黄:こういう時は、冷静な第三者が止めるのが基本なんだよぉ。 朱:そ、そういう無茶な振りは、家の惨状を見た上で言って下さい〜。 【駆け引きテクニック】 フ:記憶に無いのに、片付けをさせられるのは心外なのですが。 黄:グダグダ言わず、手を動かすんだよぉ。 フ:これはあれですね。ありもしない約束を強弁する、妻も得意な技――。 黄:それは頭から飛んでるだけだと言いたいけれど、 ヘルならやりかねない辺りが、判断に困るんだよぉ。 【親不孝上等】 フ:老後の心配を、したことがありません。 黄:傭兵がしてたら、大笑いなんだよぉ。 フ:いざとなったら、世界中に居る子供達が何とかしてくれますよね? 黄:少なくても白虎辺りは、両親が先に死ぬだなんて、 一欠片として考えちゃいないんだよぉ。 【この十把一絡げめ】 黄:大体、鰹節が給料の娘を頼るのは酷なんだよぉ。 窮:うにゃ? 黄:手持ちの人民元を、アメリカドルに換金するタイミングを見誤った娘も、 余りオススメはしないんだよぉ。 白:うにゃにゃ? フ:大変、参考になるお話でした。 【離散歴は伊達じゃない】 ヘ:旦那を引き取りに来た。 フ:ハハハ。老後が若干、不安ですよ。 ヘ:お前は、何を言っている。 いざとなれば、子供達から財産を巻き上げれば良いだけだろう。 フ:おぉ。 黄:何が、おぉ、だとツッコミを入れられないこの家族は、 やっぱり、色々な意味で変わってると思われるんだよぉ。 【何でこんなものが】 白:何かヤバそうだったから、財産は鰹節に代えて、山に埋めてきたよ。 窮:うんうん。 黄:何という、斬新な発想なんだよぉ。 白:正直、四神をいつ辞めさせられるか分からないし、 こっちの方が良かったかも知れないね。 黄:恐らく、隠し場所をすっかり忘れて、 百年後の人が頭を捻ることになるかと思われるんだよぉ。 【そして結局役立たず】 朱:白虎さんって〜、鳥目でしたよね〜? 白:夜は、寝るもんだもん。 黄:その開き直りはどうなんだよぉ。 朱:夕暮れの〜、どの暗さから見え難くなるのか、 検証してみて良いですか〜? 黄:何の役にも立たない様に見えて、 学問とは、案外、こんなところから始まるものなんだよぉ。 【二十四時間体制だとばかり】 フ:恐らく、私に似たんでしょう。 朱:そうなんですか〜。 黄:それはどうなんだよぉ。 フ:だって、夜は寝るものでしょう。 黄:傭兵として、その発言はどうなのかと、 本気で考え込んでしまいそうな自分が居るんだよぉ。 【但し肉体は除く】 ヘ:こいつは、寝起きが悪いから、夜でも充分に使える。 黄:酷い話なんだよぉ。 ヘ:敵基地にこっそり放り込むだけで、 その陣地は九割方、壊滅する訳だ。 黄:トロイの木馬を思い出しつつ、 無差別殺戮兵器は国際法で禁止されていることも思い出したんだよぉ。 【軍師は遠くにて戦場を思う】 フ:全く、記憶にありませんね。 黄:寝起きに加えて獣化してたら、全ては吹っ飛ぶんだよぉ。 ヘ:難しいのは切り上げ時だな。 タイミングを見誤ると、仲間まで吹き飛ぶ。 黄:この物言いは経験談であり、 且つ、自分の手は汚してないとみたんだよぉ。
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