邂逅輪廻



【きっとシーズンレス】
天:あみあみ。
黄:何を始めたんだよぉ。
天:編み物を少々。
黄:何でまた、なんだよぉ。
天:寒い時期にはやっぱり、毛糸のものが一番ですから。
 妹と弟の為に頑張りませんと。
黄:洞穴に引き篭もってるせいかはさておき、
 世間はそろそろ春モードとだけ言っておくんだよぉ。


【永遠のツンツン】
月:けっ、こんなもん着てられるかよー。
天:あぁ、何をするんですか。
黄:予想通りの結末なんだよぉ。
天:えぐえぐ。身体と一緒に、心もほかほか、
 みんなで仲良しになる私の深謀が。
黄:そういうことは、相手を見てやってこそ、
 計略と呼べる訳なんだよぉ。


【末裔だものね】
天:憲法に、異を唱えたいのですが。
黄:どういうことなんだよぉ。
天:この、天皇は国民の象徴であるという部分はですね。
 折角ですから天照に差し替えを――。
黄:本質は同じにしても、国民の殆どは理解してないから、
 触れられることさえ無いと思われるんだよぉ。


【王様はトップレス】
天:毎回言うようですが、名義の使用料が欲しいです。
黄:神様の癖に、器が小さいんだよぉ。
朱:黄龍さんの場合〜、使われること自体が、極めて稀有ですよね〜。
黄:そういう核心に迫り過ぎた発言をすると、
 その身に危機が迫るということをここで証明してくれるんだよぉ。
朱:ふ、ふに〜。


【生き証人かく語る】
天:お饅頭、美味しいです。
黄:平和な話なんだよぉ。
天:むふっ! ゲホッガハフフォ!?
黄:むせ返るほどの勢いで食べるんじゃないんだよぉ。
天:はっ! これはもしや、私の命を狙う者の仕業では――。
黄:神代の世ならともかく、今更あんたが死んでしまおうと、
 誰も意に介しやしないんだよぉ。


【元祖引き篭もり的発想】
天:しかし、今ので饅頭怖いの妙策を思いつきました。
黄:それは落語なんだよぉ。
天:月読怖い、月読怖いと言い続ければ、あの子のこと。
 絶対、構ってくれるはずです。
黄:姉として、それはそれでどうかと思わないのかが疑問なんだよぉ。


【油断大敵火の用心】
天:こそこそ。
月:……。
天:コソコソ。
月:ぷいっ。
天:ああ! この完璧な計画が、何ゆえ破綻したのですか!
黄:策とは、完璧だと思っていることこそが、
 一番の弱点だったりする訳なんだよぉ。


【軽い錯乱状態】
天:泣いて良いですか?
黄:好きにするんだよぉ。
天:ワオォォン。ウルァォン。
黄:よもやここで鳴くとは、少しだけ想定の外側だったんだよぉ。


【登場が早すぎた】
天:日本は、電子機器とアニメの国です。
黄:最高神のくせに、凄い偏ってるんだよぉ。
天:この二つを融合させて考えますとね。
 洞穴の中に引き篭もりつつも、最新鋭CGを使えば普段と変わらないお仕事が――。
黄:その類のアイドルが、何年か前にぽっと出てすぐさま死滅したのは有名な話なんだよぉ。


【電波も届かない】
天:分かりました。メールとテレビ電話で我慢します。
黄:根本的に変わってないんだよぉ。
天:最大の問題は、どの業者も、洞穴にネット回線を通す工事の経験が無いことです。
黄:そこまで頑張るくらいなら、押入れで充分、
 目的は達成出来る気がしないでも無いんだよぉ。


【鶏と卵のパラドックス】
朱:天照さんが神話上隠れたのを皆既日食だと解釈すると〜、
 時期は夏ということになるらしいですね〜。
黄:そんな時に洞穴に篭もるなんて、正気とは思えないんだよぉ。
天:いえ、日の光も当たりませんし、湿度さえ気にしなければ意外と快適なんですよ?
黄:太陽神がそれを言うと、何か凄い論理矛盾を感じないことも無いんだよぉ。


【ネトゲ廃人が言うな】
天:ところで、時計や光のない生活をすると、
 一日が二十五時間で認識されるって本当だったんですね。
黄:何という実体験なんだよぉ。
天:それを戻す為に、またしても篭もるというローテーションになる訳です。
黄:何はともあれ、身体に物凄く悪い気がしてならない訳なんだよぉ。


【白虎咆哮編参照】
天:はむはむ。お肉、美味しいです。
黄:食べてばっかりなんだよぉ。
白:いやぁ、分かってるねぇ。食はやっぱり、肉に限るって。
黄:大昔、ダイエットの為に肉を減らしていた野良猫とは思えない発言に、
 どうリアクションして良いものか、さっぱり分からないんだよぉ。


【これだから肉食獣は】
天:日本人の良いところは、どんなものでも取り入れてみるところです。
 カツ丼とチャーハンとサンドイッチを一緒のお店で食べられるのは凄いことです。
黄:それは、カロリー過多なんだよぉ。
ヘ:スペアリブと北京ダック、ケバブに焼き鳥を一度に食える店はあるのか?
黄:そこまで堂々と偏られると、感嘆の感情さえ湧いてしまうのが不思議なんだよぉ。


【心がコワレモノ】
天:劉元徳が諸葛孔明を三顧の礼で招いた際に言ったとされる、水魚の交わり。
 魚は水が無くては生きていけぬことを示した、何と素晴らしい言葉でしょうか。
黄:最高神なら、一人で生きていきやがれ、なんだよぉ。
天:だって、月読が近付いてくれなくて、本当に寂しいんです……。
黄:そんな本気の涙を見せられても、こちらに対応する術は無いんだよぉ。


【ヤレヤレってことさ】
白:それで、何で裁縫してる訳?
黄:仕方無いから、月読人形を作ってあげることにしたんだよぉ。
朱:何だかんだ言っても〜、結構、黄龍さんって優しいですよね〜。
黄:どちらかと言うと、ダメな妹を持つとは、
 こういう感情なのではないかと思う訳なんだよぉ。


【全く興味無し】
天:聞いて下さい、黄龍さん! 凄い発見をしました!
黄:朝から騒がしいんだよぉ。
天:今まで、私が篭もるのに合わせて、太陽が隠れるものだとばかり思っていました。
 ですが実際は、日食が起こることを本能で感知してるみたいなんです!
黄:そんな、どっちにしろ結果が同じことをテンション高く述べられても、
 はいはい、そうですね、くらいしか言うことが無いんだよぉ。


【ある意味どこまでも】
天:だって考えてみて下さい。これさえ知っていれば、
 本格的に篭もりたくなった時は、日食が起こるって分かるんですよ。
黄:天文学の発達で、三十世紀まで予見が立っているこの御時世に、
 その能力がどの程度の力を持つのか、果てしなく謎なんだよぉ。


【酒さえあれば良し】
朱:ですけど〜、その理屈ですと、
 ウズメさん達のドンチャン騒ぎは何だったんでしょうか〜?
天:いえ、踊りとか関係なく、そろそろ出ても良いかなぁって思ったんですよ。
黄:何かと理屈を付けてお祭り騒ぎをしようとするのは、
 日本国民の御家芸ということなんだよぉ。


【地球温暖化に類似】
天:ですけど、若干、困ったことがあるんです。
朱:ふに?
天:花粉症の影響なのか、嗅覚が鈍って、日食とは関係無く篭もりたく――。
黄:それは只のガラスのハートであって、
 アレルギーのせいにするのはお門違いと言うものなんだよぉ。


【敢えて火種を】
天:創世神の力を最も強く受け継ぐ娘として、力の限界に挑戦したいと思います。
黄:何をしでかす気なんだよぉ。
天:とりあえずは日本海に島を出現させてですね。
 産み出す力が衰えてないことを実証――。
黄:何で排他的経済水域で大揉めするこの御時世に、
 そんなややこしい真似をするのかが、さっぱり分からないんだよぉ。


【即物的国益優先体質】
黄:やるなら、太平洋側で、かつ、小さいものにするんだよぉ。
天:分かりました。では、マーシャル諸島近辺に新たな島を――。
黄:だから、何でそう、国家間紛争を煽る方向で物を考えるのか、
 本格的な説明を求めさせて貰うんだよぉ。


【優しさも奥深い】
天:う〜ん……はっ!
朱:な、何か、海の上にぽっこり浮き上がりました〜。
天:見て下さい。これが国産みの真骨頂です。
黄:あれは只のウミガメであると、触れてあげるべきかが難しいところなんだよぉ。


【偏りすぎです】
天:やっぱり、世界は有限なのですから、
 これ以上、土地や神を産み出してもしょうがないですよね。
黄:最初から気付けることなんだよぉ。
天:これからはハードからソフトへ移行する時代なのですから、
 私も柔軟な対応をしなくてはいけないと思います。
黄:だったらとりあえず、妹だけに固執する人生は改めた方が良いんだよぉ。


コント連載中



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