邂逅輪廻



【開幕から寒々しく】
月:この物語は、もしも黄龍が麒麟に敗れず、
 中央の守護聖獣に留まっていたらどうなっていたかを検証する、
 ドキュメンタリーにも似たパラレル作品である。
黄:そこはかとなく、掻き乱されるだけ掻き乱されて終わる、
 そんな嫌な匂いしかしない訳なんだよぉ。


【仏教思想ですけど】
朱:黄龍さん〜。ここの書類はどうすれば良いんですかね〜?
黄:気合で片付けるんだよぉ。
青:一切、指示になっていない訳ですが。
白:そういう時は、利き腕を封印すれば良いんじゃない?
黄:こんな碌でもない部下ばかり集まったのは、
 絶対に前世の因果辺りが絡んでるに違いないんだよぉ。


【何てったってルーチン】
麒:黄龍! 今日こそお前をやっつけてくれる!
黄:また来たんだよぉ。
朱:日本の方に〜、こんな感じのアニメがあるらしいんですけど〜。
黄:アメリカにもあるんだよぉ。
白:最後は、大概、自爆で負けるって奴だね。
麒:お前ら、人の命運を先付けで決めるな!


【酷い上から目線】
朱:き、麒麟さんが〜、突進した勢いで窓から落ちました〜。
白:流石に、死んだかもね。
麒:うおぉぉぉ!
朱:か、壁を走ることで、何とか着地に成功した模様です〜。
黄:全く、そのエネルギーがあるなら、少しは国益の為に色々として欲しいものなんだよぉ。


【何となく感覚的に】
黄:今日も仕事が山積みなんだよぉ。
青:それが職業ですので。
黄:ここまで連綿と続いてしまうと、
 いっそ全てを放棄してプラプラするのに憧れてしまうんだよぉ。
青:その姿勢が正しいものであるかは、既に答が出ている気もしますがね。


【結局プー太郎化】
黄:……これは何なんだよぉ。
青:決済すべき書類です。
朱:し、身長より高い束なんて、マンガの世界だけのものかと思っていました〜。
黄:これはもう、本格的に店仕舞いを考えざるを得ないんだよぉ。


【論理的正論】
月:はぁ、この家ではいつでもまったり、まったり。
黄:疲れて帰ってきてこの光景は、いつだって怒り倍増なんだよぉ。
月:まーまー。只で警備員を雇ったと思えば何の問題も無い。
黄:実際に何者かが侵入して来た時、
 身を挺して守ってくれるとは思えない辺りが大問題なんだよぉ。


【安っぽい逆鱗】
則:ふむ。茶を淹れてたもれ。
黄:殺意を覚えるんだよぉ。
月:客人に対して飲み物一つ出さないとは、礼儀知らずも良いところ。
黄:例え、ここでこいつらを殴り飛ばしたとしても、
 多分に情状酌量はあって然るべきのはずなんだよぉ。


【もう少しマイルドに】
黄:ふと思うんだよぉ。
青:何をですか。
黄:あのジジィの運ちゃんから始まった守護聖獣職だけど、
 別の生き方もあったに違い無いんだよぉ。
青:ですから、その道が幸せとは限らない訳ですから、
 現実の今を精一杯生きるべきかと。
黄:そういう、真っ当なことしか言わない子は嫌いなんだよぉ。


【一種のセクハラに】
黄:きっと一つくらい、結婚してのんびりしてる人生もあったに違いないんだよぉ。
青:残念ながら、それだけはどうしても想像出来ませんね。
黄:実も蓋も無い子も嫌いなんだよぉ。


【大人の事情ですよ】
亜:う〜。しば漬け食べたい〜。
黄:ロボットに後任を押し付けて国外逃亡しようとしたけど、
 水際でとっ捕まって元鞘の玄武、どうしたんだよぉ。
亜:いや、私は質問に答えるべきなのか、
 その、やたらと説明的な台詞に突っ込むべきなのか、どっちよ?
黄:世の中、深く考えてはいけないことが多々あるんだよぉ。


【ライバルは居ないよ】
玄:マスター。お茶が入りました。
亜:これ、見掛けに依らず凄いんだってば。
 スカートめくりしたら動揺する機能なんて、世界の何処も作ってないでしょ。
黄:だから、少しは玄武として有用なものを完成させてからほざいて欲しいんだよぉ。


【小鳥は放置中】
黄:窓の外を、蝶々が飛んでるんだよぉ。
青:あれは、朱雀です。
朱:ふ、ふに〜。窓を拭いていたら、落ち掛けました〜。
黄:最近の蝶々は、人語を解するとは、中々やるんだよぉ。
青:とりあえず、仕事が多いからと言って現実逃避も程々にして下さいね。


【名誉毀損になるのか】
黄:野良猫はきっと、自由な人生を謳歌してるんだよぉ。
白:うにゃ?
青:その代わり、人間にバカだ、バカだと思われ続けますがね。
白:何かちょっと、理不尽な展開になってるのが釈然としないなぁ。


【大人気の黄龍ちゃん】
黄:久々のオフなんだよぉ。
月:あー、お茶が美味しい。
則:のぉ。妾のまぐかっぷを知らぬかえ。
朱:ふ〜に〜、ふにふにふに〜。
黄:とりあえず、どこら辺がオフなのか、自問自答したい気分なんだよぉ。


【月読は大絶賛】
黄:一人になれる空間が欲しいんだよぉ。
天:そういう時にオススメなのはですね。
 世界各国の洞穴巡りなのですが、今度、一緒に――。
朱:ま、窓を閉めて、発言を遮蔽しました〜。
黄:只でさえ疲れてるのに、戯言に貸す耳なんて持ってやしないんだよぉ。


【計画的誤用】
月:荀子の性悪説は、実に心に響く。
朱:ふに?
月:何があっても性悪を貫いた女性を描いた伝記のこと。
朱:そ、それは昼メロちっくですね〜。
黄:わざわざ職場まで来て、そんなアホなことを言わないで欲しいんだよぉ。


【悪意は無いのよ】
黄:この朱雀を見ていれば、性善説と性悪説は共存できるということが分かるんだよぉ。
朱:ふ〜に、ふにふに〜。
亜:はぁ!? 何でいきなりパソコンのデータが消えてんの!?
青:世間はこれを、天然電波と言うのだと思いますけどね。


【たまに入れ替わるとか】
黄:普通、仕事には出世や挑戦のモチベーションというものがあるんだよぉ。
青:はぁ。
黄:気付いた時にはいきなりトップで、それが五千年以上も続く終身雇用だったら、
 惰性になるのはしょうがないことだと思うんだよぉ。
青:それと同じ期間、中間管理職の私はどうすれば良いんでしょうね。


【龍族だけに】
朱:万年、平だとしても〜、強く逞しく生きていけますよ〜。
黄:一年目から惰性なのが登場したんだよぉ。
青:逆に、こういう方を見てやる気を取り戻すのも一興ですよね。
朱:と、とんだヤブヘビ発言だった模様です〜。


【親は苦手で】
黄:外交問題はどうなってるんだよぉ。
青:北欧の方に、白虎の縁者が居るそうですが。
黄:だったら、外交特使として密接な関係を築いてもらうんだよぉ。
朱:お、黄龍さん〜。白虎さんが、謎の書置きを残して消えました〜。
黄:何がどうなってるのか、誰か説明して欲しいんだよぉ。


【良い話なのに】
白:いーやーだー。あの両親には会いたくないー。
黄:駄々を捏ねるんじゃないんだよぉ。
朱:仕事とは〜、理不尽と矛盾が共存する世界なんですよ〜。
黄:とりあえず、朱雀が言っても説得力が無いとだけ言わせて貰うんだよぉ。


【冗談なのに】
青:梱包して、送り付けてしまいますか。
黄:面倒だから、ノーラベルで良いんだよぉ。
白:ぎゃー。せめて、天地無用とコワレモノ注意くらい付けてー。
青:それを付ければ良いというのも、極めて問題だと思いますけどね。


【仔猫ちゃんは高いところがお好き】
朱:猫さんは〜、箱の中が大好きですから〜。
黄:そういう問題でもないんだよぉ。
白:でも、動きたくなって来たら、本当、暴れちゃいそうだよね。
青:普通に座席を取ってあげますから、大人しく飛んで来て下さいね。


コント連載中



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