【意識は飛ぶかも】 黄:最近、寝付きが悪いんだよぉ。 月:ネットゲームのやり過ぎで、体内時計が壊れたに違いない。 白:そういう時は、羊の代わりに朱雀を数えてみたら? 黄:ふにふにふにふに五月蝿くて、完全に不眠モードへ突入と見たんだよぉ。 【万年目の危機】 朱:分かりました〜。私が〜、子守唄を歌ってあげます〜。 黄:嫌な予感が絶えないんだよぉ。 朱:ふ〜に〜ふにふに〜♪ ふにふにふ〜に〜ふ〜にふに〜♪ 黄:脳が、脳がやられて、別種の眠りについてしまいそうなんだよぉ。 【ジェット風船に酷似】 朱:私は〜、一つ、気付いたことがあるんですよ〜。 黄:何をなんだよぉ。 朱:私の飛翔能力は、気流や気圧を利用したものではなく〜、 ロケットの推進みたいなものだったんです〜。 黄:それを知ったところで、風が吹けば飛ばされる現実に、 何ら変わりは無いんだよぉ。 【ちょっとしたヨガポーズ】 朱:そんなことは無いですよ〜。理論さえ分かれば、応用に成功してみせます〜。 黄:まあ、せいぜい頑張るんだよぉ。 朱:ふにふに〜。 白:何か、逆さまになったまま飛んでったんだけど。 黄:最早、重力の法則さえ朱雀には通じないのかと思うと、気持ち切ないんだよぉ。 【吸って増えるよ】 月:……。 黄:呆けた顔をして、何があったと言うんだよぉ。 月:朱雀と一緒に、風呂に入ってきた。 黄:別に、報告する程のことでもないんだよぉ。 月:あのウェーブヘアーが、水を吸って乾燥ワカメ状態に。 黄:またしても、謎の生体ノートに新たなる一ページが加わってしまったんだよぉ。 【アバウト守護聖獣】 黄:と言うより、水は苦手だった気がするんだよぉ。 朱:熱めのお湯でしたら〜、ギリギリ大丈夫なんです〜。 黄:査定基準が分からないと言うより、 単に冷たい水に入る根性が無いだけの気がしてならないんだよぉ。 【とても言わずもがな】 天:月読は私が好き……月読は私が嫌い……。 朱:わ、私の羽で花占いはやめてください〜。 月:姉さんなんて、大嫌い。 天:ああ、またしてもです。一体、何が悪かったと言うのでしょうか。 黄:もしも本気で言ってるなら、社会不適合者を遥かに通り越してるんだよぉ。 【身長を超えた】 朱:羽は一晩で再生しますけど〜、余り毟らないで欲しいです〜。 黄:鳳凰の血族は、一味、違うんだよぉ。 月:こうなったら、髪も切って確かめてみるしか無い。 白:チョッキン、と。 朱:ふ、ふに〜。 月:まさか、超再生でその房だけ長く伸びるとは思わなかった。 黄:この始末、どう付けてくれようか、真面目に検討中なんだよぉ。 【全世界ふに化計画】 朱:通貨の単位を〜、ふに〜にすれば面白いんじゃないですかね〜? 黄:酷い出オチを聞いてしまったんだよぉ。 月:お釣り、三百二十ふに〜になりますふに〜。 黄:そして、ドサクサに紛れて、余計なふにを増やさないで欲しいんだよぉ。 【成長とは無縁】 月:東亜細亜経済圏確立の為に、資財を投げ打ってでもこの通貨を浸透させてみせる。 黄:好きにして欲しいんだよぉ。 月:もちろん、その暁には紙幣に刷られる人物は、全て私。 黄:発想が、殆ど子供銀行券のそれなんだよぉ。 【朱雀大なり欧州連合】 白:紙幣は、国家が保証しているからその価値がある、か。 黄:いきなり、経済学の基本とはどういうことなんだよぉ。 朱:要約すると〜、ふに〜は近々、ユーロを超える最強通貨になるってことですよ〜。 黄:何を根拠にそこまで自信を持てるのか、さっぱり分からない自分が居るんだよぉ。 【力で解決してきたのに】 月:まあ、金は天下の回り物。 黄:超絶御嬢様が、良く言ったんだよぉ。 月:いつの時代だって、最後に生き残るのは財産や家柄で勝る者じゃなく、 頭の回転と舌先三寸で上回った者だから。 黄:いきなりそんな真理を説かれても、こっちには反応する術というものが無いんだよぉ。 【微妙に褒めてない】 朱:やっぱり〜、最新の流行には乗らなくちゃダメですよね〜。 黄:何を言い出す気なんだよぉ。 朱:時代は〜、散切り頭で、文明開化なんです〜。 黄:昭和の香りを通り越して、そこまで遡れる辺りが朱雀が朱雀たる所以なんだよぉ。 【あくまでリメイク扱い】 月:そうそう。一押しのラノベと言えば、東海道中膝栗毛。 黄:乗らないで欲しいんだよぉ。 月:『わ、私が五右衛門風呂に入ってるところを覗いたら、 その貧相なものを握り潰してやるんだから!』 黄:何となく、それはそれで売れそうな気がするのが、世の病み具合なんだよぉ。 【配線が異次元】 朱:お洒落なワンポイントファッションは〜、勾玉や貝殻のネックレスなんです〜。 黄:何という古代回帰なんだよぉ。 月:ついに時代が、一回りして私に追い付いた。 黄:一回りしてるのは頭で、決して世俗の方では無いと言っておくんだよぉ。 【ある意味でお洒落】 朱:何にしても〜、大事なのは私自身で〜、流行なんて彩りなんですよね〜。 黄:ここまで付き合った時間を返せ、なんだよぉ。 月:まあまあ。流行を追うことで自身を埋没させることしか出来ない連中に比べれば、 気付いただけ大分マシ。 黄:年がら年中同じ様な服を着た奴に言われても、何か釈然としないんだよぉ。 【殺人教唆になるぞ】 黄:何だか、朝からふにふにという擬音が、頭から離れないんだよぉ。 月:睡眠学習っぽく、一晩中テープを流しておいた。 黄:一応、その行為に何の意味があるか聞いておくんだよぉ。 月:この特異な電波が人体に及ぼす影響を、科学的に検証しようと思って。 黄:そういう実験は、色々と恨みの溜まった相手にこそ試して欲しいものなんだよぉ。 【新時代の電波健康法】 月:もし悪影響が確認できたら、姉さんにも処方する。 黄:酷いモルモットなんだよぉ。 月:万に一つ、何か特殊な才能が覚醒してしまったら、後悔しきれないから。 黄:何を馬鹿なことを、と一蹴出来ない自分が居るんだよぉ。 朱:ふ、ふに〜。 【ある種の著作権侵害】 黄:何か変なんだよぉ。 月:ついに何らかの作用が確認されそう。 黄:関節の鳴る音が、微妙にふにふにっぽく聞こえるんだよぉ。 月:その程度の効果な辺りが、何処までも朱雀。 朱:ひ、人の声を勝手に使っておきながら、その言い草はどうかと思います〜。 【悲しきは宮仕え】 黄:ふにっ。ふにっ。 月:ふむふむ。シャックリの音がふにふにになる、と。 黄:そろそろ、慰謝料を請求したいんだよぉ。 月:どうせ暇と金は持て余しているから、最高裁までだって争ってみせる。 黄:こんな者の為に血税を浪費するのは馬鹿らしいから、 仕方無く泣き寝入りしてやるんだよぉ。 【落ち着け炎の子】 朱:ふに〜。ふに〜。 黄:餅を焼きながら、その擬音はどうなんだよぉ。 朱:このぷっくりしてる部分に触りたい衝動を〜、 火傷を恐れて我慢する葛藤が良いですよね〜。 黄:とりあえずこちらは、ツッコミを入れたい衝動を、 我慢する葛藤でも楽しむことにするんだよぉ。 【一発屋に定評】 朱:ふに〜。ふに〜。 黄:息を吹きかける時まで、いつもの音なんだよぉ。 朱:これを流行させることが出来れば〜、私は一躍、時の人です〜。 黄:そういう名の売り方で満足なら、敢えてこちらから言うことは無いんだよぉ。 【鋸でも切れない】 朱:未だに〜、ジャンケンでパーがグーに勝つのは釈然としないんですよ〜。 黄:ルールだからと、割り切って欲しいんだよぉ。 朱:だって石でしたら〜、その気になれば紙くらい突き破れるじゃないですか〜。 黄:きっと最新の、信じられないくらい硬い紙を想定しているに違いないんだよぉ。 【握力の問題では】 黄:もしくは、ちょっと拳を出してみるんだよぉ。 朱:こうですか〜? 黄:そして、そこにこちらの開いた手を当てるんだよぉ。 朱:す、少しばかり痛いんですけど〜。 黄:この様に、例え掌に過ぎなくても、拳を握り潰すのは容易ということなんだよぉ。
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