【具体的にどうしろと】 玄:労せずして、国土を広げる装置を開発致しました。 黄:だから、国際情勢が微妙なこの時に、そういうことは自粛すべきなんだよぉ。 玄:この機械はですね。国境線の河などに潜行させますと、 そろーり、そろーりと対岸から土地を削り取り――。 黄:具体的に、その速度は如何ほどなんだよぉ。 玄:気付かれないことが大前提ですので、年三センチが限界と判断致しました。 黄:実用性が乏しいにも、程というものがあるんだよぉ。 【国益にそぐわない】 玄:ちなみに実用段階では、これ程の予算を要します。 黄:確実に、大赤字なんだよぉ。 麒:この金を出すくらいなら、軍備を増強して力押しで頂く方が幾らかマシだな。 黄:そして、そういう物騒な時代では無いと、何度も言わせないで欲しいんだよぉ。 【実用性って何だろう】 玄:くぅ〜。タマネギが目に染みて、涙が止まりません。 黄:何処まで精巧に出来てるんだよぉ。 玄:ワサビがツ〜ンと鼻に抜ける感じも、完璧に再現されているそうです。 黄:この機能が搭載されていることに依って、一体、誰が得をするのかが分からないんだよぉ。 【さりげに凄い機能】 玄:先代曰く、ロマンだそうです。 黄:科学者の理屈は分からないんだよぉ。 玄:ロマニエール、パルバトール。 黄:これもロマンの一角だとすれば、 実務だけに特化すればどれだけのものが出来たかが気になるんだよぉ。 【同時多発的ボケ】 玄:まみゅまみゅ。 黄:聞かなかったことにして、アニメでも見るとするんだよぉ。 玄:ちゃんと構ってくれないと、泣きますよ。 黄:突っ込むべきところは、その脅迫方法なのか言動なのか、 悩まざるを得ないところなんだよぉ。 【玄武的最終結論】 玄:やはり、朱雀さんの様に鳴いているだけで美味しいというのは、 効率が良いと思うんですよ。 朱:ふ、ふに? 黄:別に、鳴いているだけという訳でも無いんだよぉ。 玄:いえっ! 私と朱雀さんとの致命的な差は、鳴き声に違いありませんっ! 黄:何を根拠にそこまで力説するのか、ちょっと興味が湧いてきたんだよぉ。 【引き継ぎ適当過ぎ】 玄:ぱぴぽ〜♪ 黄:良い技師を紹介したいんだよぉ。 玄:私の身体を弄ぶ権利を有しているのは、母親たる先代だけです。 黄:だったら、今からでも遅くないから、とっとと再任させやがれなんだよぉ。 【誰に騙されたんだ】 玄:世間で人気のガイノイド〜♪ 少し話が違います〜♪ 黄:こっちまで、妙な歌を作り始めやがったんだよぉ。 玄:詐欺事件に苦しむ被害者が、少しでも心温まれば良いかなと思いまして。 黄:これは確実に、神経を逆撫でするだけだから封印した方が良いんだよぉ。 【何という繁殖力】 玄:ちょっと、歯科医になってみようと思うのですが。 黄:順繰りに突っ込ませて欲しいんだよぉ。 玄:はぁ? 黄:最初に、何で聖獣が歯科医になる必要があるんだよぉ。 玄:口内環境を整えることは、健康への第一歩じゃないですか。 黄:またしてもツッコミどころが増えて、追い付かない気がしてきたんだよぉ。 【先代を殴りたい】 黄:機械の身体の分際で、何で専門医の知識が必要なんだよぉ。 玄:何を言うんですか。私程のレベルともなりますと、 虫歯の一本や二本、普通に発生するんです。 黄:無意味を通り越して、明らかに蛇足な機能だと言わざるを得ないんだよぉ。 【指先もブルブル】 玄:という訳で、治験に御協力下さい。 朱:な、何で私なんですか〜? 黄:一番、近くに居たからなんだよぉ。 玄:ご、ご、御安心く、下さい。わ、私のドドリル捌きは、 まさに精密機械が如きでです。 黄:噛み噛みの状態で歯科医療に挑むというのも、 ある意味、新しいのかも知れないんだよぉ。 【傍観者モード】 玄:この様な細かい作業は、私の最も得意とする分野だと思っていたのですが――。 黄:相手が生きてるということを、考慮に入れてなかったんだよぉ。 玄:……! 朱:な、何か思い付いたみたいですけど〜。 玄:つまり、生きていないものでしたら、問題無し、と。 伏:くけけー。何やら、とんでもない悪寒が走りましたわー。 黄:この後に訪れる母娘闘争が、末代まで語り継がれることを祈るとするんだよぉ。 【むしろ住み着くぞ】 玄:シャコシャコ。 黄:今度は、何を始めたんだよぉ。 玄:仏様の像を彫るのって、心が和みますよね。 黄:仮にも聖獣が、西の神様に毒されるのはどうなんだよぉ。 白:ん? 呼んだ? 黄:とりあえず、この西の守護聖獣様は、煮干でもやって追い返すとするんだよぉ。 【何を悟るんだ】 玄:はぁ……今からでも、仏へとジョブチェンジが出来ないでしょうか。 黄:無茶苦茶言ってるんだよぉ。 玄:仏様は皆、寛大です。きっと、生まれについては問わないはずですよ。 黄:それ以前に、無生物は権利を持っているのか、先ず、そこが大問題なんだよぉ。 【何かがベキバキ】 玄:要は、座禅を組んで、世の真理を知れば良いんです。 黄:まあ、せいぜい頑張るんだよぉ。 玄:……気付きました。 朱:は、早いですね〜。 玄:私の脚関節は、胡坐を掻くのには向いていません。 黄:こうして、又一つ、真理からは遠ざかった訳なんだよぉ。 【簡単に上書き】 玄:くーくー……。 朱:ね、寝入っちゃいましたよ〜? 黄:格好は関係無いと、寝転がった結果がこれなんだよぉ。 玄:は、はい。私、絶対、熾天使になってみせます……むにゃむにゃ……。 黄:この染まり易い体質は、最早、犯罪と言っても差し支えない領域なんだよぉ。 【基本的に同じ】 玄:伏龍の能力を引き上げる為、オプションを検討しているのですけれど。 黄:好きにすれば良いんだよぉ。 玄:やはり、ドリルとマシンガンアームは必須項目ですよね? 伏:くけっ!? 黄:何処となく、我が子や飼い犬を、華美に着飾らせる馬鹿親を連想してしまうんだよぉ。 【人の上に立つ資格無し】 玄:黄龍さんは、この子のゴスロリファッションを御所望ですか? 黄:誰がそんなことを言ったんだよぉ。 玄:ゴスロリは宇宙のロマンと、人民代表も言っておられました。 黄:本当にそんなことを言ってやがったら、既にぶん殴って更生させてるんだよぉ。 【心は乙女ちっくに】 麒:ゴスロリの何が悪いと言うんだ。 黄:頭が痛くなってきたんだよぉ。 麒:こら、黄龍。話をはぐらかしたりせず、ちゃんと質問に答えろ。 黄:この食い付き方は、確実に普段、その手の衣装を着てるんだよぉ。 麒:さぁて、何処ぞの暇な龍と違い、仕事が溜まってるんだ。 私はこれで失礼するよ。 黄:そして駿馬だけに、逃げ足の方も中々のものなんだよぉ。 【十得ナイフっぽい】 玄:とりあえず、思いつく限りのオプションを装着してみました。 黄:この、機械クズの山はなんなんだよぉ。 玄:えっとですね。上から順番に、赤外線サーチライト、暗視スコープ、地雷探知アーム、 掘削用ドリル、サブマシンガン、バズーカ用の砲身にGPS機能も付けまして、 後ですね――。 伏:くけー……。 黄:もしやこれは、れっきとした児童虐待なのではないかと、訝ってしまったんだよぉ。 【経済より命になるよ】 玄:世界ワースト二位の二酸化炭素排出国と致しまして、現状を懸念しております。 黄:随分と、真面目な顔なんだよぉ。 玄:ここは一つ発想を変えまして、アメリカの白い家を始め、 各国首脳の御宅に排出口を設置するというのは如何でしょうか。 黄:たしかに、それくらいしないと本気で対策なんか練りそうも無いんだよぉ。 【先代なら作れる】 黄:いっそ、玄武に巨大吸入装置でも取り付けて、端から吸って貰うかなんだよぉ。 朱:す、凄い絵ですね〜。 玄:高性能分離システムの開発さえ成功致しましたら、検討しないこともありませんが。 黄:冗談を冗談として受け止められない性格は、時として本当に厄介なんだよぉ。 【玄武的記憶改竄術】 玄:我が国の国際的な問題と言えば、著作権のことを避けては通れません。 黄:ここまで根を張ってくると、簡単に解決とはいかないんだよぉ。 玄:あぁ。私の可愛い伏龍が、劣化コピーされて世に出回るかと思うと心が痛みます。 黄:元々、大量生産して市販する予定だった事実は、忘却の彼方なんだよぉ。 【性悪説を見直すべき】 朱:ここは前向きに考えるんですよ〜。 黄:どういうことなんだよぉ。 朱:伏龍さんの目付きの悪さでしたら〜、模倣はされないんです〜。 伏:くけ? 黄:どうして天然のまま、これ程に酷い毒を吐けるのかが気になるところなんだよぉ。
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