邂逅輪廻



【無茶な屁理屈】
朱:夏は暑くて大変ですね〜。
黄:朱夏という言葉がある様に、朱雀は夏の鳥であるはずなんだよぉ。
朱:私は〜、生まれが秋ですから、きっとそのせいなんです〜。
黄:だったら、夏に生まれるアイスは暑さに強いのかと、
 少し問い詰めてみたい気分なんだよぉ。


【緩やかな成長傾向】
月:仮説を、迷信だとして全否定するのは、古い人間の悪癖。
黄:酷い言い様なんだよぉ。
月:ここは一つ、老若男女から、多種多様な人種に至るまで、
 きちんとサンプルを取って、正しい統計を算出――。
朱:ふに。どうしたんですか〜?
月:労力の割に、面白味が少なそうだから、やめた。
黄:とりあえず、動き出す前に気付いたことは、
 奇跡的な進歩と言って差し支えない気がしてならないんだよぉ。


【魔除けの一種か】
朱:土星の輪っかって〜、何の為にあるんですかね〜?
黄:どうやって出来たならいざ知らず、存在理由を問う発想は中々出来ないんだよぉ。
月:きっと、土星は恥ずかしがりで、はにかみ屋さん。
黄:こっちも、凄い発想をしてるんだよぉ。
月:あのリングがあることで、素顔の全てを晒すことを防いでいるに違いない。
黄:花嫁のヴェールじゃあるまいし、そんなことをして何の意味があるんだよぉ。


【約十五年周期】
月:角度が変わって、輪が認識しづらい年もある。
朱:ふに?
月:それは、フラグを回収して、デレ期に入った証。
黄:随分とスパンが長くて、根性が要る話なんだよぉ。


【通訳代わりか】
則:のぅ。こみゅにてぃ、とは、何のことぞ。
朱:生活共同体の総称らしいです〜。
則:では、ふぁいなんす、とは。
朱:資金運用のことみたいですね〜。
則:ふむ。そなた、妾に仕えぬかえ。
朱:謹んで、お断り致します〜。
黄:幾ら無能と言っても、四神を小間使い扱いするのは、流石と言わざるを得ないんだよぉ。


【何を今更】
黄:そういうのは、電子辞書でも使えば良いんだよぉ。
則:何を言うておるか。その様に、はいてくなものを使えるとでも思うておるのか。
黄:酷い開き直りなんだよぉ。
朱:でしたら〜、普通の辞書で良いんじゃないですか〜?
則:ほっほ。この扇子以上に重い物など、手にしたことの無い妾ぞ。
朱:な、何とも〜、厄介極まり無い方ですね〜。


【褒めてはいないね】
則:れありてぃとは、稀少価値のことかえ。
黄:大体、それで合ってるんだよぉ。
則:ふむ。すると、人たる妾は、この中では随分とれありてぃよの。
黄:種族とか、そういうのを超越して、性格そのものが稀少極まりないんだよぉ。


【普通って何さ】
則:そう言えば、この娘の頭も、随分とれありてぃよの。
朱:こ、これは、褒められてるんですか〜?
黄:際どいところなんだよぉ。
則:それにしても、そこらに転がっている様では、れありてぃも価値がないのぉ。
黄:そりゃ、こじつければ、世の中はレアなものばかりなんだよぉ。


【今日も全開】
白:うにゃー!
黄:屋根の上で、何をドタバタしてるんだよぉ。
白:いや、バカな小鳥が休憩してたから、おやつに食べようかなぁって。
黄:もう少し、静かにお願いしたいんだよぉ。
朱:お、黄龍さん、助けて下さい〜。
黄:どうしても、ついつい、この可能性を頭から消してしまう訳なんだよぉ。


【金持ちケンカせず】
白:む〜。世の中、弱肉強食なのに。
黄:面倒事が増える食事は控えて欲しいんだよぉ。
朱:ちゃ、ちゃんと、私が御飯を用意しますから〜。
月:そうそう。腹が膨れてるのに殺戮を楽しむのは、人間だけ。
黄:だから、いきなりそう、深い話に持っていかれても困る訳なんだよぉ。


【虎さん一家の日常】
ヘ:さて、今日の晩御飯だが。
フ:何でも構いませんよ。
ヘ:それが一番困ると、何度言えば分かる。
白:山に入って、狩ったものを焼いちゃえば良いんじゃない?
窮:うーん。私は、生で食べたいなぁ。
黄:ほのぼのとした家族の会話に聞こえないのは、絶対に皆、一緒なんだよぉ。


【孤高の最強種族】
月:この家族、いつだって食事の話ばかり。
黄:猫の頭の中なんて、そんなものなんだよぉ。
白:そんなこと無いって。ちゃんと食後の昼寝も忘れてないから。
黄:やっぱり、脳内は殆ど、猫と変わりゃしないんだよぉ。


【解析力に定評】
玄:はぁ……このままではいけません。
 もう少し、自分という存在を際立てる方法を模索致しませんと。
黄:ガイノイドであることは、これ以上無い特徴だと思うんだよぉ。
玄:いえ、悟りました。所詮、その様な身体的特徴などは出オチです。
 やはり、最後に物を言うのは内面であると。
黄:かつて、ここまで冷静に自己を分析した人工知能があったのかを知りたいんだよぉ。


【実行力に難が】
玄:とりあえず、スタイルを少々、変更してみましょうか。
黄:誰が、服の中身を弄れと言ったんだよぉ。
玄:でしたら、駆動系の潤滑度を、通常の三倍にすれば宜しいでしょうか。
黄:それも、身体的特徴に過ぎないと、滔々と語り出したい気分になってきたんだよぉ。


【再装着に約五分】
玄:コントロールの良いピッチャーを、精密機械と評しますよね。
黄:それで、何でキャッチャーをやらされてるんだよぉ。
玄:いえ。本家の精密機械と致しましては、負けられないと思いまして。
黄:このポジションは、嫌な思い出しか無いんだよぉ。
玄:ところで、腕を飛ばした場合、ルール上、反則球になるのでしょうか。
黄:お願いだから、人類に出来る範囲で野球をやって欲しいんだよぉ。


【魔球ってレベルじゃない】
玄:えいっ。
黄:普通に、良いところに決まったんだよぉ。
朱:ですけど〜、これだと何の面白味も無いですね〜。
玄:で、でしたら、どうすれば良いのでしょうか。
朱:とりあえず〜、バックネット方向から飛んでくる球なんか如何でしょうか〜?
黄:これが、真性の発想力というものなんだよぉ。


【全自動ボケ製造マシーン】
青:国家とは、どういうものですか。
朱:ほのぼのした様子じゃないですかね〜。
青:それは、牧歌です。
白:北国のお酒とか。
青:ウォッカは、苦しいと思いますよ。
白:うーん、だったら、どう落とせば――。
青:ほんの少しで良いので、真面目に考える方向も模索して下さい。


【暗黒期説もあり】
青:四神は、本当にこのままで良いのでしょうか。
黄:きっと、何とかなるんだよぉ。
青:そうですね。上が変わっても何とかなってきたのですから、大丈夫かも知れません。
黄:わざわざ、心に来る毒を吐く局面じゃないと思われるんだよぉ。


【マンガンの無駄遣い】
青:ところであなたは、何をなさっているのですか。
玄:はい。電池を並列にすると、本当に電力が上がるのかを検証中です。
黄:それは、小学生の実験なんだよぉ。
玄:最終目標は、単三を用いた電気自動車でのエコロジーです。
青:製造の段階で、果てしなく資源を浪費していることに気付いて下さいね。


【昔は良かった】
青:四神とは、世界に誇れる、冠たる獣だったはずなのですが。
黄:こっちに言われても困るんだよぉ。
青:たしかに、今のあなたには、何の権限もありませんでした。
黄:だから、何でわざわざ神経を逆撫でする物言いで喋るんだよぉ。


【長年の悲願】
須:何じゃ、姉貴。また、こんなとこに来ちょるんかい。
月:堕落した者には、実に居心地が良い空気。
黄:それは、どちらの胸にも突き刺さる言葉なんだよぉ。
月:かの黄龍と相討ちになれば、歴史書にも少しは名が残りそう。
黄:お願いだから、売名の為だけに物騒な発想をしないで欲しいものなんだよぉ。


【タイトルホルダーの余裕】
須:姉貴の言うことは、今一つ分からんのぉ。
月:そこそこの知名度を持つ須佐之男には、分からない世界。
黄:一緒くたにされたんだよぉ。
須:な、何じゃ、姉貴。機嫌悪くせんでくれや。
黄:そして、シスコンにも程があると、何度言わせる気なんだよぉ。


【国家機密扱いで】
朱:近頃〜、薄暗いところに出るらしいんですよ〜。
白:黒光りする生命体が?
朱:いえ、何でも、人語を解するらしいんです〜。
天:み、皆さん。折角、良い気分で引き篭もっていたのに、何で暴いたんですか!?
黄:とりあえず、見なかったことにして封印したいんだよぉ。


【最高聖獣かく語る】
黄:わざわざ、冷蔵庫の裏側に入り込むことは無いんだよぉ。
天:その件に関しまして、一つ発言したいことが。
黄:この上、何を言い出すつもりなんだよぉ。
天:どうにも、巧い具合に関節が極まりまして、抜けないのですが。
黄:これが日本の最高神なのかと思うと、本格的に先が思いやられるんだよぉ。


コント連載中



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