邂逅輪廻



【凄く納得】
白:……。
麒:なぁ。お前、最近、真面目に仕事してないか?
白:何か、問題でも?
麒:いや……まあ、それに越したことは無いんだが――。
朱:白虎さん〜。お母さんが、会いに来ましたけど〜。
白:仕事中だから、断って!
麒:あ〜……。


【またもやうっかり】
白:ふぅ。一休みっと。
麒:本当に、普段からそのペースでこなして貰いたいもんだがな。
朱:白虎さんは〜、目の前に人参が無いと走れないタイプなんですよ〜。
白:微妙に、褒められてない様な?
麒:それよりも、私の管理能力に問題がある様な物言いだな。
朱:ふ、ふに〜。


【そっちは変わらない】
青:久々に帰ってきてみれば、新しい人を雇ったのですか?
白:うわっ。凄い嫌味を言われた。
麒:詳しい説明は省略するが、暫く、真面目に働く模様だ。
青:そして、それがどれくらい続くかで、賭けが執り行われる訳ですね。
月:バレバレ過ぎて、返す言葉も無い。


【身内だなんて言えない】
白:そういや、青龍、最近見なかったけど、何してたの?
青:こちらとしても、良く分からない話なのですが――。
白:はぁ?
青:北欧から、フェンリルとヘルが出奔したそうで、何か知らないかと問われましてね。
白:さ〜て、仕事、仕事〜。
青:とりあえず、応接室でお話しましょうか。
白:うにゃ〜……。


【次はポップ作成】
白:仕事すんの飽きた。
朱:は、早いですね〜。
白:でも、サボってるとお母さんが来るかも知れないし、う〜。
ヘ:少し、近くを通ったので寄ってみた。
白:きゅ、休憩、終わりっ!
麒:テープレコーダーというのは、中々に有用な利器だな。


【精神がもたない】
麒:――カチャ。
白:ビクッ!
麒:カチャカチャ。
白:ビクッビクッ!!
麒:とりあえず、パブロフの虎と命名しておく。
白:ま、真面目に仕事するから、勘弁して。


【上司働き過ぎ】
白:そういやさ。欧米じゃ、偉くなる程、働く時間が長いって聞いたんだけど――。
朱:ふに?
白:こっちじゃ、下へ下へ仕事が回ってくる様な?
青:出来れば、こちらが回した分くらいは処理して頂きたいものですがね。
白:やっぱ、気のせいだね。


【こういう自爆】
朱:青龍さんは〜、昔からそんなに働いているんですか〜?
青:トータルの仕事量はたしかに増えていますが――。
朱:ふに?
青:これほどに部下が困り者であったことは無いので、もう訳が分かりません。
朱:み、耳が痛くて、何ともはやです〜。


【三十五点くらい】
黄:面白いものを見れると聞いて、冷やかしに来たんだよぉ。
白:うわっ。こっちにも酷い人が居る。
朱:人じゃありませんけどね〜。
白:龍族は、爬虫類だけに冷血、っと。
黄:さりげに巧いことメモしたつもりでも、その実は微妙なんだよぉ。


【就任百年程】
白:仕事してるだけでギャラリーが湧くのは不本意なんだけどな〜。
黄:それだけレア物ということなんだよぉ。
白:だけどまあ、何だかアイドル政治家にでもなった気分ではあるよね。
黄:四神というのは、元来、そういうものであると、気付いていなかった様なんだよぉ。


【仕事してるのに】
黄:ジロジロ、なんだよぉ。
白:み、見られてると、すっごく遣りづらいんだけど。
黄:それもそうなんだよぉ。
白:び、ビデオカメラ置いてくの?
黄:ある種の、妥協点なんだよぉ。
白:うー。何か理不尽だよー。


【赤提灯で暇潰し】
白:はいっ。今日のお勤め、終わりっ!
朱:このままお帰りですか〜?
白:いや、帰っても親が居るかも知れないから、仮眠室でゴロ寝してく。
黄:何だか、家が怖いサラリーマンを、沸々と思い出したんだよぉ。


【タイムアタックに類似】
麒:とりあえず、今日中にこれを決済しておけ。
白:ちょ。これ全部目を通すだけで日が暮れるって。
麒:中身なんか知らんでも、判子さえ押せば決済される。書類とはそういうものだ。
白:それもそっか。
黄:今、酷い御役所仕事の現実を見たんだよぉ。


【秘書を使えば或いは】
白:ぺったん、ぺったん、ぺたぺたぺったん――。
黄:一体、どうしたんだよぉ。
白:こうさ。指に六個くらい判子を挟めば、効率上がらないかな?
黄:むしろその準備に、余計な手間が掛かるとだけ言っておくんだよぉ。


【アマチュア二重奏】
朱:こ、これで良いですか〜?
白:そうそう。こうやって、餅つきの要領でやれば――。
黄:こういう努力は、惜しまないんだよぉ。
白:あ〜!? 間違えて、麒麟のところに捺印しちゃった!?
黄:この展開を読み切れないとは、まだまだと言わざるを得ないんだよぉ。


【悲しい現実】
白:う〜。腱鞘炎になる〜。
黄:本当に、こらえ性が無いんだよぉ。
白:これで腕を壊したら労災認定される?
 私の代わりに、狩りして生肉調達してくれる?
黄:生憎と、たかだか時給払いの労働者に、
 そこまでの福利厚生をしてくれる企業は中々無いんだよぉ。


【親父があれだし】
白:接待ゴルフって憧れるよね。
黄:何を言い出すんだよぉ。
白:こう、ギリギリの攻防をしつつ、バレない範囲で手を抜いて勝たせるところに、
 無限の浪漫を感じるっていうか。
黄:絶対に向いてないから、今すぐその夢は捨てるべきなんだよぉ。


【扱いに慣れてきた】
麒:何だったら、つれてってやろうか。
白:本当?
黄:国辱になるだけなんだよぉ。
麒:なぁに。一度回ってダメそうなら、諦めさせるさ。
黄:その一度で、こちらの想定を上回るのがこのメンツなんだよぉ。


【歩く接待要らず】
麒:さて、とりあえずはドラコンだな。
朱:ドラゴンですか〜?
麒:言うと思ったが、ドライビングコンテスト、
 つまりは飛距離勝負のこと、だ!
白:げ。山の向こうに消えて無くなった。
麒:さて、キャディ君。これは何ヤード飛んだかね?
黄:何でこんなことをしているのか、自分を疑問に思うんだよぉ。


【パーって何だろう】
麒:ショートホールは苦手だな。
朱:小技勝負なら、勝ち目はあります〜。
白:池越えも出来ないのに、何でそんなことを言えるかなぁ。
黄:池沿いをチョコチョコ進めば、いずれはグリーンなんだよぉ。
朱:け、結局、何十打掛かることに変わりは無いようです〜。


【鷲は放置か】
麒:規定より一打少ないのはバーディ、小鳥か。
朱:こ、こちらを見ながら言うのはやめて下さい〜。
麒:そして、三打少ないアルバトロスは、アホウドリ。
朱:で、ですから、こちらを見ながらは勘弁願います〜。


【深い意味は無い】
朱:バンカーで〜、お城を作ったらダメですかね〜?
黄:確実に、退場ものの行為なんだよぉ。
白:え? 私、さっき落とし穴掘っちゃったんだけど。
麒:ギャー!?
黄:人生を退場しない様、陰ながら応援させて頂くんだよぉ。


【本物のマスコット】
麒:さて。勝負は最終ホールに持ち込まれたな。
白:ここまで、接待ゴルフは完璧だね。
黄:絶対に偶然なんだよぉ。
朱:わ、私は〜、ここまで四百打を越えてるんですが、どうすれば〜?
黄:朱雀の場合、そこそこ愛嬌を振り撒いていれば、充分、接待になるんだよぉ。
朱:そ、それはそれで、釈然としません〜。


【三日で飽きた】
麒:ふっ……我ながら見事な勝利だな。
黄:だから、接待なんだよぉ。
白:いや〜、この御見事な勝利。やはり、この白虎程度では、勝ち目はありませんわい。
黄:そして、こっちはこっちで、新しい遊びを開発してるんだよぉ。


コント連載中



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