邂逅輪廻



【素人お断り】
麒:あー、ダルい。二日酔いか……?
黄:只でくれるからって、調子に乗ってビールばっかり飲んでるからなんだよぉ。
麒:アルコールの薄さが気に入らず、紹興酒や老酒を混ぜてみたのが敗因か。
黄:余りの気持ち悪さに、頭が軽く沸いた気分になったんだよぉ。


【扱いづら過ぎ】
麒:こう、新たな酒を求めてブレンドするのが、大人としての楽しみだな。
黄:新しいにも、程があるんだよぉ。
月:挑戦なくして、進歩は生まれない。
麒:お前とは、良い酒が飲めそうだな。
月:丁重に、お断り。
黄:デレツンというのも、ある意味、無茶なネタの気がしてならないんだよぉ。


【常識という名の非常識】
麒:北方の蒸留酒に、火を付けて飲むのも刺激的だな。
朱:そ、そんなことをしたら、口の中を火傷するじゃないですか〜。
黄:とりあえず、今、聞いたことは聞き流すが吉なんだよぉ。


【とにかくクドい】
麒:何にせよ、酒というのは良いものだ。命の水だな。
朱:最近の言葉で言うと〜、バイオエタノールですね〜。
麒:……いや、まあ、たしかに、一部、工業エタノールを混ぜる酒は実在するし、
 穀物から作っている訳だから、間違っては居ないんだが、
 その物言いは何となく違和感が――。
黄:酔っ払いらしい支離滅裂っぷりが、良く分かる一コマだったんだよぉ。


【浪漫と実益】
麒:無性に、岩を砕きたい。
黄:山にでも篭もって来るんだよぉ。
麒:玄武のところに、巨大な亀の甲羅があったはずなんだが――。
玄:先代が、下手な衝撃を与えると、自爆する様なプログラムを施しております。
麒:ちぃっ。


【目指すは一日千里】
麒:仕方ない。大地を割って発散するか。
黄:とてつもなく迷惑だから、やめておくんだよぉ。
麒:だったら、どうしろと言うんだ。
黄:馬の一族ならそれらしく、草原をひたすら走って、
 ヘロヘロになってくれば良いんだよぉ。


【速い可能性が無きにしも非ず】
麒:うおぉぉぉ!
黄:本当に走り出すとは思わなかったんだよぉ。
麒:折角だから、タイムをキチンと計っておけ。
黄:この、走った距離が極めて曖昧な中で、
 良くもそういうことが言い出せるものだと思うんだよぉ。


【御機嫌取りの部類か】
朱:ふ、ふに。ま、間違えて、リセットを押してしまいました〜。
黄:見事に、ゼロ秒ゼロゼロを示したんだよぉ。
麒:ふぅ。少しは気が紛れたな。
朱:み、見事なおみ足に、この朱雀、感服致しました〜。
黄:とりあえず、これもある種の褒め殺しかと、少し考えてしまったんだよぉ。


【口先ラプソディ】
麒:少し、新しい関節技を試させろ。
朱:ふに?
黄:ちょっとした、生贄なんだよぉ。
朱:いえ、何だか背中の凝りが取れました〜。
麒:……全て計算通りだ。
黄:すぐバレる大嘘を、吐く奴ばかりなのが不思議なんだよぉ。


【何が起こった】
麒:新しい健康法として、全国に広めてみるか。
黄:朱雀に効いたからと言って、誰にでも効くとは限らないんだよぉ。
朱:す、すいません〜。何だか、首が傾いて治らないんですけど〜。
黄:早くも、独創的な副作用が発生した模様なんだよぉ。


【関節レクイエム】
朱:ふに〜。世界の角度が不可思議です〜。
黄:不可思議なのは、朱雀の生態なんだよぉ。
麒:ちょっと待て。このツボを抑えてこう捻ると――。
朱:こ、今度は、俯いたままになってしまいました〜。
黄:東洋医学の真髄、経穴も、朱雀の前ではひたすらに無力なんだよぉ。


【単にお子様ボディ】
朱:人生〜、視点を変えてみることも大事ですよね〜。
黄:この場合、若干、意味合いが違う気がするんだよぉ。
朱:自分で言うのもアレですけど〜、私って随分とスレンダーですよね〜。
黄:それはこの際、全く以って、どうでも良い話だと思うんだよぉ。


【野生以上文明未満】
麒:必殺技を開発しようと思うんだが――。
黄:いきなりどうしたんだよぉ。
麒:仮にも大国の長たる者が、拳や掌で戦うというのも世間体が、な。
黄:むしろ、この超情報戦時代に、それで戦えること自体が凄いとも思えるんだよぉ。


【せめて草くらいで】
麒:こう、人差し指と中指で対象を切り裂くのはどうだ?
黄:力押しである以上、技と呼べるかは微妙なんだよぉ。
麒:道を歩く時、邪魔な大木はこれで薙ぎ倒していったんだがな。
黄:そういうことをするから、自然破壊がどうこうと言われることに、
 いい加減、気付くべきかと思われるんだよぉ。


【三龍復権編参照】
黄:引っ叩いただけで、人格障害を起こす破壊力があるならそれで充分なんだよぉ。
麒:お前は、平気だったじゃないか。
黄:こちとらこれでも、最高位の龍族なんだよぉ。
麒:いや、偶然の可能性もあるから、もう一度試させろ。
黄:絶対に御免だから、反撃も辞さないんだよぉ。


【結果オーライ大好き】
月:内輪揉め、ワクワク。
麒:こいつに期待されると、妙にやる気が無くなるな。
月:いえーい。これぞ究極の、ネゴシエーション。
黄:後付けにしても、クールダウンした事実を踏まえて、一定の評価はしておくんだよぉ。


【軟球ならともかく】
麒:変化球というのが、今一つ分からんのだが。
黄:基本は、手首を使って回転を与えるだけなんだよぉ。
月:そうすれば、空気抵抗と気圧の関係で色々な方向に曲がる。
麒:あー、そうだったのか。
 てっきり、握力で球の形状を変化させるものだとばかり思っていた。
黄:そんなことを出来る人類が、この世に存在するかが先ず怪しいんだよぉ。


【或いは天賦か】
黄:大体、その行為に何の意味があると言うんだよぉ。
麒:だから理解できなかった。極めて自然な流れだろうが。
朱:お、御二方。ケンカは良くないと思います〜。
月:さぁ、はったはった。中国最高カードにして、
 世界でも中々お目に掛かれない、物凄い試合が始まるよー。
黄:だから、何でそう、やたらと気を削ぐのが巧いのかが気になるんだよぉ。


【ルール上どうなる】
麒:ここから投げれば良いのか。
月:ほう。
黄:そこそこの豪速球なんだよぉ。
朱:ば、バックネットを突き破るのがそこそこですか〜?
黄:球の方が粉砕する程で無ければ、一流とは認めてあげないんだよぉ。


【哀れバイト君】
麒:コツが掴めて来たぞ。
黄:何処と無く、落とし穴の匂いなんだよぉ。
?:ギャーーー!?
朱:きゃ、キャッチャーの方が、吹き飛ばされましたけど〜。
黄:考えてみれば、まともにストライクが入れば、
 捕れる人間なんて、居る訳が無いんだよぉ。


【失言量産マシーン】
麒:黄龍、お前が座れ。
黄:何でなんだよぉ。
麒:お前以外に、捕れる奴が居ないだろうが。
月:ヘイ、ピッチ。俺を信じて投げて来い。
黄:こういう、無駄な情熱だけで生きてるのが居るんだよぉ。
麒:ちいっ。腕を粉砕するつもりで投げてやろうと思ったんだが。
黄:本音が、思いっきり漏れてるんだよぉ。


【相手は誰なんだ】
月:ふむふむ。ここに座ると、球威が良く分かる。
麒:平然と捕るな。傷付くだろうが。
黄:あれでも、日本最高クラスの神格なんだよぉ。
麒:くそっ。こうなったら、トゲ付きの球でも使ってやるか。
黄:それは既に、趣旨が出鱈目過ぎるんだよぉ。


【あくまで誠意】
麒:それもそうだな。黄龍、打席に立て。
黄:結局、巻き込まれるんだよぉ。
麒:たしか、身体の何処に当てようと、帽子を取れば許されるスポーツだったな。
黄:それは確実に、解釈を間違えているんだよぉ。


【聖獣大戦争勃発】
黄:……。
朱:ほ、本当に当てちゃいました〜。
月:私は既に退避済みだから、問題無し。
朱:こ、こういう時は、キャッチャーが宥めるものだったと思います〜。


コント連載中



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