邂逅輪廻



【勢い発言禁止】
黄:最近、天井裏がドタバタうるさいんだよぉ。
白:ネズミなら、また追い出してあげようか?
黄:何だか、もう少し大きい感じなんだよぉ。
朱:イボイノシシでも住み着いたんですかね〜?
黄:その仮説を採用するに当たり、何処からどう紛れ込んだのか、
 論理的な説明を求めるんだよぉ。
朱:ふ、ふに〜……。


【思いっきり意図的】
天:ケホッ……屋根裏は、埃がキツいです。
黄:一体、何をしているんだよぉ。
天:洞窟は、人の声が聞こえず寂しいので、つい……。
黄:確実に、ついでは済まない行動であることだけはたしかなんだよぉ。


【凄い弄られキャラ】
黄:そんなに人恋しいなら、とっとと結婚するんだよぉ。
白:家柄最高だから、年齢は目を瞑ってくれるんじゃない?
朱:太陽神ですから、紹介に明るいって書いても問題無いです〜
天:な、何だか、言いたい放題言われている様な気がします。


【受動続けて二千年】
天:ですが、暗いところに引き篭もる趣味を理解してくれる方は中々――。
黄:前提がそもそもおかしいんだよぉ。
則:旦那なぞ、こちらが思う様に操れば良いではないか。
天:そ、そんなことをして嫌われたら、どうすれば良いんですか。
黄:愛するより愛されたいタイプは、色々と難儀で困ったものなんだよぉ。


【見事な正論】
天:結婚って、難しいですね。
黄:ここだけの話の気がしてならないんだよぉ。
朱:こうなったら〜、旦那を一般公募するのはどうでしょうか〜?
天:ですが、宮内庁を通さずにその様なことを勝手にするのも――。
黄:何で始祖たる存在が、遥か下の存在に気を遣わなくてはならないんだよぉ。


【これでも素面】
天:それに致しましても、未だに須佐之男が先に結婚出来たことが納得行きません!
黄:声を荒げるのもどうかと思うんだよぉ。
天:櫛名田さん! 姉である私が言うのもあれですが、
 須佐之男の何が良かったと言うんですか!?
黄:もはや、完全に只の酔っ払いと化している辺りが厄介なんだよぉ。


【楽しくなってきた】
櫛:ん〜。まずは、面白いところですわね。
黄:物凄い脳内フィルターなんだよぉ。
櫛:ですが何より、甘えん坊さんなところが、たまらなく愛しいですわ。
黄:もしかすると、犬猫を飼っても同じ反応をするのかも知れないのかと思うと、
 ゾクゾクが止まらないんだよぉ。


【一応玉の輿】
天:こうなったら、私も全力を出そうかと思います。
黄:どういうことなんだよぉ。
天:次にこの家を訪れた男性を、何が何でも私の魅力で――。
帝:やっほ〜。久々に顔を見せに来たよよよーん。
天:……とりあえず、カウント対象外を認めて頂きたく思います。
黄:むしろ、全てを見なかったことにするが吉なんだよぉ。


【極悪女は如何】
朱:ところで〜、月読さんは何で結婚しないんですか〜。
天:厳密には、正史に残っていないだけですから、可能性は否定できません。
黄:殆ど、妄想の領域なんだよぉ。
月:書類上だけの結婚詐欺は、リスクも少なく、案外美味しい。
黄:冗談抜きで、洒落にならない展開なんだよぉ。


【人生恨み節】
月:まあ、冗談はさておき。
黄:とてもそうは聞こえなかったんだよぉ。
月:私よりも、姉さんの失権に執念を燃やせる人が今まで居なかっただけのこと。
黄:その判断基準は、確実に間違っているとだけ言っておくんだよぉ。


【ほぼ飼い犬】
フ:結婚のコツですか?
黄:一つ、御教示してあげるんだよぉ。
フ:そうですね。自分が絶対に敵わないと思いましたら、
 屈服するのも選択肢の一つですよ。
黄:余りにも特殊なケースで、何の参考にもならなかったんだよぉ。


【遊んでるだけ】
白:つまり、獲物を狩る様に旦那も攫えば言いの?
黄:ワイルド過ぎる一族なんだよぉ。
朱:やっぱり〜、基本に立ち返って家系をプッシュするのが良いと思います〜。
天:本当に、私のことを心配しているのかが疑問です。


【日中的政略結婚】
月:神族と聖獣の結婚が認められれば、悩むことも無いのに。
黄:世界的には、そういう関係も無くは無いんだよぉ。
朱:申し出は嬉しいんですけど〜、
 私には南を守護する大事な御役目がありますので〜。
黄:勢いだけの発言に、真面目に返答すると調子付くんだよぉ。


【むしろ彼だけ】
天:そうです。政略結婚という手があるではないですか。
黄:それは選択肢に入れて良いものとは思えないんだよぉ。
天:ですが、須佐之男の様な一般的な出会いは中々――。
黄:プラプラ歩いていたら、八岐大蛇がとある一家を襲っていて、
 それを助ける代償に嫁を娶るのは、一般的な出会いでは無いんだよぉ。


【察して下さい】
朱:黄龍さんは〜、結婚しないんですか〜?
黄:ついに触れやがったんだよぉ。
白:でも、気になるところだよね。
黄:中央を守護する大事な役目があるから、それどころじゃないんだよぉ。
朱:ですけど〜、今は特に無いですよね〜?
黄:方便を理解出来無いというのは、これ程に厄介とは思わなかったんだよぉ。


【姉が止めなさい】
白:黄龍と天照の性別が違えば、手頃だったのにね。
黄:何を無茶苦茶言ってるんだよぉ。
月:そうだ。性別転換器を生み出そう。
黄:大事な神としての能力を、無駄遣いするのは本格的にやめるべきなんだよぉ。


【既成概念キラー】
天:はぁ……一度で良いから、ウェディングドレスに身を包んでみたいです。
黄:二度三度というのも、それはそれで問題なんだよぉ。
白:ってか、西洋式なのは良いの?
黄:むしろ、何でもかんでも受け入れる日本の神様らしくて良いんだよぉ。


【フリル多過ぎ】
月:他国文化のアレンジこそ、和の心。
黄:今更言われなくても、知ってるんだよぉ。
月:という訳で、開発してみた。
黄:ウェディングドレスで十二単は、かなり微妙なんだよぉ。


【永遠のバイト感覚】
朱:そう言えば〜、中国式の花嫁衣裳ってどんな感じでしたっけ〜?
白:中国聖獣なのに知らないの?
朱:白虎さんは御存知なんですか〜?
白:私は、東欧生まれだし。
黄:どいつもこいつも、自国の文化を何だと思ってやがるんだよぉ。


【朱雀がやらねば誰がやる】
黄:赤のチャイナドレスが、メジャーな花嫁衣裳なんだよぉ。
白:あー、納得。
朱:血で血を洗う、修羅の新婚生活を暗示してるんですね〜。
黄:その解釈は、恐らく、有史以来初めのことだと思うんだよぉ。


【巧いこと言ってみた】
月:日本や中国では、赤はめでたい色とされている。
朱:そ、そうだったんですか〜。
月:この理屈だと、赤が守護色の朱雀は、実にめでたいことになる。
黄:おめでたいのは、頭の中だけで充分なんだよぉ。
朱:ふに〜?


【但し脳は朱雀化】
白:おめでたい頭……くっくっく……。
黄:ツボに嵌り過ぎなんだよぉ。
白:こうなったら、引き出物は朱雀人形にするしか無いよね。
黄:もしかすると、家庭円満の御守りとして、
 末永く有効なものなのかも知れないんだよぉ。


【忘れっぽいだけ】
天:あの〜……私の結婚はどこに行ったのでしょうか。
黄:そんな話題もあったんだよぉ。
朱:ここで会話をしようと思ったら〜、記憶を五分以上保持していてはダメなんです〜。
天:物凄いマイナールールに驚愕です。


【元より眼中外】
月:ここは、言うなれば結婚出来ない人達の溜まり場。
櫛:私は、旦那持ちですわよ?
月:まあ、櫛名田は事実上、独り者だから。
黄:自ら弟の存在を抹消出来るとは、相変わらず恐ろしい小娘なんだよぉ。


コント連載中



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