邂逅輪廻



【ロリコン説の元凶】
朱:ふに〜。須佐之男さんの奥さんの櫛名田比売って〜、
 お兄さんのお孫さんでしたよね〜。
白:しかも、八人姉妹の末娘だっけ。
月:身内の恥を晒す様で、実に楽しい。
黄:この、歪んだ姉の方が、幾らか恥の様な気がしてならないんだよぉ。


【神出鬼没の御嬢様】
白:でもさ。シスコン、マザコンの象徴とでも言うべき須佐之男が結婚したってことは、
 誰かには似てる気がするんだけど。
黄:中々に鋭い洞察力なんだよぉ。
櫛:呼ばれて飛び出て、ぱんぱかぱーん、ですわ。
月:まあ、こんな感じの子。
黄:一体、何処から湧いたとか、突っ込みたいことが山ほどあるんだよぉ。


【配慮と無縁】
櫛:始めまして、櫛名田ですわ。主人がいつもお世話になっております。
黄:お世話をした覚えは、本格的に無いんだよぉ。
白:全力で殴り飛ばしたり、電気網に掛けた記憶しか無いよね。
黄:仮にも妻の前で言い出す、白虎の感性に脱帽なんだよぉ。


【他人事モード】
櫛:う〜ん。あれであの人、案外、打たれ強いですのよ。
黄:反応が、大分ズレてるんだよぉ。
朱:な、何だか、ライバルが登場した気がするんですけど〜。
黄:利益を独占し続けてきた悪徳企業に、風穴が明いた瞬間なんだよぉ。


【隔世遺伝したか】
白:ところで、ぱっと見、外見も中身も姉二人に似てないよね。
月:紹介された時は、アレも私達離れしたかと思った。
朱:ふに?
黄:何か、含みのある言い方なんだよぉ。
月:後で父さんに聞いたところ、死んだ母さんにそっくりらしい。
白:あいたたた。


【後で弄くろう】
櫛:日の本の国を産んだイザナミ様にそっくりなんて光栄ですわよね。
黄:この場合、実に微妙な話なんだよぉ。
櫛:それであの人、家では凄い甘えん坊なんですね。
黄:さりげに、面白過ぎる話を聞いたんだよぉ。


【只の幼児的行動】
月:須佐之男が外弁慶なのは昔から。
白:そーなの?
月:父さんが禊で私達を産んだ時、裾を掴んで離さなかった。
黄:それはまだ、自我が目覚めきって無かっただけの気もするんだよぉ。


【顔だけなら何とか】
櫛:お義姉様。私が知らないあの人のことを知ってるなんて、ちょっとジェラシーですわ。
月:むしろ、血縁ごと丸々献上したい。
櫛:本当の姉になったら、結婚出来なくなるからお断り致しますわ。
黄:傍で聞いてると、凄く良い男の話で盛り上がってる様に聞こえてしまうんだよぉ。


【独身貴族万歳】
月:それにしても、人妻というのは、甘美な響き。
黄:凄い妄想力なんだよぉ。
月:それに加えて、永遠の幼な妻属性も獲得。
黄:この能天気な義姉こそ、とっとと結婚すべきな気がするんだよぉ。


【身分は居候】
櫛:家に帰ったら、大好きな人が待ってるって良いものですわよ。
則:ふむ。妾には分からぬの。
黄:まあ、こんなのを飼ってる間は、伴侶なんか要らないんだよぉ。
則:何か言うたかの。


【イザナミ最強説】
櫛:蛸が自分の足を食べるって聞いて、あの人に獲ってきて貰ったんですよ。
黄:海神が、一体、何をしてるんだよぉ。
櫛:それをじ〜っと眺めてたらですね。
 酢蛸が食べたくなって、美味しい晩御飯になりましたわ。
黄:脈絡の無い発想は、血筋ということで間違いないんだよぉ。


【争奪戦参入】
朱:この間、雲を眺めていたらですね〜、ドーナッツが食べたくなって、
 ふわふわしてたら、そのまま寝入っちゃったんですよ〜。
黄:何を対抗してるんだよぉ。
櫛:朱雀ちゃんって可愛いですわよね。私達の養女になりませんか?
朱:ふ、ふに?
月:これは、私のもの。
黄:何だか、修羅場の度合いが無駄に上がった気がするんだよぉ。


【転化は不可能】
櫛:そう言えば、サンドイッチの名の由来は、
 サンドウィッチ伯爵だそうですね。
黄:ギャンブルの片手間で食べられるようにしたというのが、
 一応の定説なんだよぉ。
櫛:そんな悪名も、何百年か立てば武勇伝になるんですから、
 人生って分かりませんわよね。
黄:須佐之男だけは、いつまでも悪童だから安心するんだよぉ。


【割と似た者】
月:須佐之男が、一部で英雄っぽくなってるのが不可思議。
黄:きっと暴力肯定派の若造共が祭り上げてるだけなんだよぉ。
白:これって、麒麟に職務を奪われた恨みが入ってるよね。
黄:グダグダ抜かしやがると、全力でぶっとばすんだよぉ。


【妻子持ちとしてどうよ】
櫛:皆さん、あの方を誤解しておりますわ。
黄:弁護する人が出てくるとは、夢にも思わなかったんだよぉ。
櫛:あの人は、並よりちょっと、感情の表し方が下手なだけなんですわ。
黄:世間はそれを、ダメ人間と言うんだよぉ。


【しっちゃかめっちゃか】
月:だけど、女の子だとツンデレになる、この不思議。
櫛:それであんなに愛しいんですね。
黄:その解釈は間違ってるんだよぉ。
朱:ふに〜。結婚って、実に良いものですね〜。
黄:ここに、一回りして酷い勘違いをしてる小鳥が居るんだよぉ。


【ダメな旦那だ】
須:おまーら、人の嫁と何を喋くっちょるいんじゃい。
黄:うるさいのが湧いたんだよぉ。
月:まあまあ。ここは私の顔に免じて。
須:くっ。姉貴に言われちゃ、しゃあなかんべ。
月:とまあ、須佐之男を操るなんて至極簡単。
黄:櫛名田の将来が、ちょっとだけ心配になったんだよぉ。


【湯煙殺人フラグ】
月:何しろ、そもそもが大蛇退治の見返りで結婚した二人だから。
黄:いつ離婚したって何の問題も無いんだよぉ。
月:唯、その場合、美人三姉妹が解消されて、ちょっと寂しい。
黄:須佐之男を完全に放置してる辺りが、流石としか言い様が無いんだよぉ。


【癒し効果を加味】
櫛:もぅ。うちの人の悪口を言うなんて、めっですよ。
月:こんな義妹を作ったことが、須佐之男の生涯で唯一の功績。
黄:随分と、偏った評点なんだよぉ。


【一つの幸せ】
月:まあ、結婚した辺りから、須佐之男も随分と丸くなった。
朱:これでですか〜?
月:単に、飼い慣らされただけという説もある。
櫛:ねぇ、あなた。今晩は鮪が食べたいですわ。
須:任せときんしゃい。


【埃チェックは忘れない】
櫛:あらあなた。ほっぺに御飯が付いてますわよ。
須:お、おぅ。
黄:何で他人の、ラブラブな家庭を見なければならないんだよぉ。
月:まあまあ。ここに来れば、只で御飯が食べられる。
黄:それは小姑という名の、タカリに等しいんだよぉ。


【推して知るべし】
櫛:あら、お義姉様は、ちゃんと家事を手伝ってくれるんですよ。
朱:そ、それは実に意外ですね〜。
月:自動食器洗い機は、文明が産んだ究極の利器。
黄:どうせそんなことだとは思ったんだよぉ。


【生きる上で無意味】
月:次は、絶対に垢やカビが溜まらない素材で、風呂場や水周りを作って欲しい。
黄:独身者の発想じゃないんだよぉ。
櫛:お義姉様は、主婦の視点から発案した著作料が、一つの収入源になってるのですわ。
黄:こうやって、神族達の無駄な知識が積もっていってしまうんだよぉ。


【正論だけどさ】
黄:そこそこの金持ちなら、他人に御飯をタカるのはやめるんだよぉ。
月:お金は、使わないからこそ溜まる物。
黄:こんなところで、人生哲学を述べられてもリアクションに困るんだよぉ。


コント連載中



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