【月読ですから】 月:今日は、日本史の勉強をしようと思う。 黄:いきなり、どうしたって言うんだよぉ。 月:文化交流の為には、お互いの歴史を知ることが重要だと思うから。 黄:確実に、偏見に満ち満ちた内容であること受け合いなんだよぉ。 【先行き不安】 月:まずは神代、創世記だけど――面倒だからカット。 黄:ことの当事者が語らずして、一体、誰が語るっていうんだよぉ。 【むしろ産まれた時から】 月:姉さんや須佐之男の伝説を語るなんて、割と屈辱。 白:伝説って……『ダディ、俺、ママンに会いたいよ』ってワンワン泣いたり、 弟に弄ばれて洞窟に引き籠ったあれとかが? 月:芸人として、実に美味しい。 黄:三貴子は、いつからお笑いの一家になったんだよぉ。 【間違って無いけど】 月:考えように依っては、姉さんの家系は二千年続くピエロとも言える。 黄:やっかみもここまで来ると芸術的なんだよぉ。 朱:要約すると〜、活躍がことごとく割愛されていたのが気に食わないんですね〜。 黄:核心を、ここまではっきり発言出来る性格は、羨ましくもあるんだよぉ。 【太線は使われない】 月:大和時代になると、ポツリポツリと、大陸との交流を持つようになっていく。 朱:いわゆる遣唐使ですね〜。 則:ほう。ついに妾の出番じゃの。 黄:少なくても、日本史の教科書には殆ど出番が無いから安心するんだよぉ。 【何か大袈裟だ】 白:『実録・小野妹子は男だった』って、流行ったもんだよね〜。 月:でもまあ、最近の女の子に子の字が使われるのは稀だから。 黄:古き良き時代を感じさせる話題なんだよぉ。 【開拓したら俺の物】 月:さて、ここで制定されるは墾田永年私財法。 白:何となく聞いたことがあるね。 月:学生にしてみれば、内容はさておき、語呂の良さで憶えられ易い単語。 黄:内容をさておくのは、如何なものかと言っておくんだよぉ。 【御上のやること変わらない】 月:現代風に言うと、規制緩和に依る、新規企業誘導って感じ。 黄:わざわざ、現代風に言い直す必要性をさして感じないんだよぉ。 【密かに大嘘】 月:西暦で千年を跨ぐ頃、藤原道長が政治の中枢に入り込んでくる。 朱:この世をばわが世とぞ思ふ、望月の欠けたることもなしと思へば、ですね〜。 月:これが何を詠っているかと言えば、月サイコー、俺様足元にも及ばないぜ。 黄:良い子のみんなは、信じないで欲しいものなんだよぉ。 【無くなる訳が無い】 月:その後、平清盛が武家として初めて政治の実験を握る。 朱:たしか〜、平家は壇ノ浦の戦いで破れたんですよね〜。 白:神族的には、天叢雲剣を紛失した大事件だっけ。 月:まあ、私がきっちり回収してる訳だけど。 黄:どうせそんなことだと思っていたんだよぉ。 【ほぼ自虐行為】 月:この後に実権を握った源頼朝と言えば、日本で初めて幕府を開いたことで有名な人物。 白:いざ鎌倉って感じだね〜。 月:しかしその実態は、弟の人気に嫉妬した、実に小さな男。 黄:姉の人気に嫉妬する人物が言って良いものか、実に悩むところなんだよぉ。 【あくまで伝説】 朱:そう言えば〜、弟の源義経さんって〜、 大陸に渡って騎馬軍団を編成したって伝説がありますよね〜。 麒:……えぐえぐ。 黄:段々と、トラウマが大きくなっている気がしないでも無いんだよぉ。 【知ってる人は知っている】 月:さて、時代は下って世は戦国乱世。 朱:時代の寵児が登場するんですね〜。 月:そう。四国の雄、長宗我部元親が台頭してくる。 黄:何だか、かなりマニアックな道を歩いている気がしてならないんだよぉ。 【知らない人は憶えてね】 月:だったら、九州の異端児、キリシタン大名大友宗麟でも良い。 黄:そのだったらが何処に掛かるか、四百字詰め原稿用紙二枚以内で述べるんだよぉ。 【アドリブ大好き】 月:この様に、如何に優れた手腕を持とうと、 京から離れて産まれると、一田舎大名で終わると私は言いたい。 朱:そ、そういう前振りだったんですね〜。 黄:絶対に、思い付きのやっつけ仕事なんだよぉ。 【歴史の闇に露と消え】 月:この時代、新たなる武器が戦場を席巻する。 朱:ポルトガル由来のアレですね〜。 月:薩摩藩最終決戦用大型絡操兵器、種子島君の完成である。 黄:良くもまあ、そこまで適当なことをはっきり言い切れるものなんだよぉ。 【興行的に微妙】 月:この国に、史実として初めてキリスト教が伝来したのもこの時期。 朱:新し物好きの日本人らしい話ですよね〜。 月:宗教の覇権を争う為に戦った、 月読防衛連合軍対使徒ザビエル本土超大戦は記憶に新しいところ。 黄:最近、そんな感じの映画を観た気がしないでもないんだよぉ。 【事実上の賞金首】 月:ちなみに姉さんはこの頃、一向宗の脅威に怯えて、家で泣いてた。 黄:何だかその絵だけは、容易に想像出来て、否定する気にならないんだよぉ。 【語られない真実】 月:まあ、そんなこんなで、最終的には豊臣秀吉が天下を獲る。 黄:此処までやる気の無い解説も中々無いんだよぉ。 月:たまには農民風情に光を当てるのも、面白いと思った。 黄:そしてさりげに、裏で糸を引いていたかの様な発言は如何なものかと思うんだよぉ。 【言いたかっただけやん】 月:その後、家康が強奪したのは、メリハリがあった方が良いかなと思ったから。 朱:あれって〜、ホトトギスが鳴かなかったからじゃないんですか〜。 黄:一体、何処まで影響力を持っているんだよぉ。 朱:小鳥が時代を動かしているのは、世の定説なんです〜。 黄:そっちに持っていきたかったとは、完全に想定外だったんだよぉ。 【嫌な趣味だぜ】 月:さて、江戸時代といえば参勤交代制度の確立。 黄:偏り過ぎている気がしてならないんだよぉ。 月:各藩の国力を蓄えさせない為に行われていたとされるけど、裏の一面があった。 朱:ふに? 月:大名行列を上から眺めて、『ふっ、蟻の様だな』って言いたかったらしい。 黄:案外、歴史の真実なんてそんなものの場合があるから困りものなんだよぉ。 【庶民派と言いたまえ】 月:江戸時代も末期の頃、幕府を揺るがす大事件が勃発する。 朱:西洋技術の象徴とも言うべきあれですね〜。 月:『乙女姉さん、事件です。黒船がやって来ました』 黄:そんな小さな坂本竜馬は嫌すぎるんだよぉ。 【良くあることだよ】 月:激動の時代を終え、日本はまがりなりにも、 憲法と国会を持つ民主主義国家となる。 黄:何だか、物凄い駆け足で進むんだよぉ。 月:ここまでが思ったより冗長で、尺が足りない。 黄:学期末の歴史教師状態なんだよぉ。 【パンピーには無理】 月:まあその後、産業革命とか二度の大戦とか、 高度経済成長やオイルショックなんかがあって、今に至る。 黄:何処まで要約すれば気が済むんだよぉ。 月:まあ、言っても所詮は、ここ百年程度のことだから。 黄:それは数千年の齢を重ねて、初めて言えることなんだよぉ。
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